冬至とはどういう意味? 2024年はいつ?
冬至は毎年12月21日前後ですが、2024年は12月21日(土)です。
冬至とは、北半球において太陽の位置が1年で最も低くなり、日照時間が最も短くなる日のこと。
どれくらい冬至の日照時間が短いかと言うと、太陽の位置が1年で最も高くなる夏至(6月21日頃)と比べると東京で約4時間40分も差があります。
冬至を過ぎると日照時間は徐々に長くなっていきます。
冬至は暦の基点!? なぜ重要なのか?
冬至とは、1年を24の季節に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)の1つです。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けています。太陰太陽暦(旧暦) や二十四節気では、暦をつくる暦法の基点が冬至なので、太陽の動きをもとに冬至がいつになるかを定めることはとても重要です。
二十四節気という言葉に馴染みはなくても、それぞれの節気の名称(冬至、大寒や立春など)は、生活で慣れ親しまれていますね。
冬至は1年で最も太陽の位置が低くなり、日照時間が短くなる日。冬至以降、日照時間は長くなっていき、夏至の日に最長となります。ただし、冬至が一年で最も寒い訳ではありません。これは日照時間が長くなり、海水温が温まるまでには1カ月以上を要するためです。冬至以降、寒さは増していき、大寒が最も寒くなるとされています。
冬至の日を境に運が上昇する?!
太陽は冬至に最も低い位置となり、日照時間が短くなりますが、それ以降、日照時間は長くなっていきます。そのため、冬至以降「太陽は力を増していく」「運気が上がっていく」と古来より考えられ、世界各地でお祝いされてきました。
日本や中国では、冬至は太陽の力が一番弱まり、翌日からは再び力が甦ってくると考えられています。これを「一陽来復(いちようらいふく)」と呼び、冬至を境に運が向いてくるとされています。
各地に色々な習わしがあり、日本の社寺では「冬至祭」が行われているところも。無病息災・家内安全を願い素足で燠火の上を渡る「火渡り」の修行をする社寺や、「一陽来復」のお札やお守りを授与する社寺もあります。
冬至はクリスマスと関係があった?!
北欧には太陽の復活を祝う冬至祭「ユール」があります。
一節には、ユールとキリスト教が結びつき、その年の冬至が12月25日だったことからキリストの降臨日が12月25日になったといわれています。
クリスマスの日にも冬至が関係していたんですね。
冬至に「ん」がつくものを食べて運気アップ?! その意味とは?
冬至といえば、何を食べるイメージがありますか?
冬至に「ん」のつく食べ物を食べて縁起を担ぐ「運盛り」という風習があります。
また、いろは歌が「ん」で終わることから、一陽来復の願いも込められているとか。
「ん」が1つの食べ物より2つ付いた方が、たくさんの運が呼び込めると言われており、それらの食材をまとめた「冬至の七種」があります。
冬至の七種は以下の7つです。
冬至の七種
「南京 なんきん(カボチャ)」
「蓮根 れんこん」
「人参 にんじん」
「銀杏 ぎんなん」
「金柑 きんかん」
「寒天 かんてん」
「饂飩 うんどん(うどん)」
ほうとう風の煮込みうどんにしたり、煮物にしたりすると、一度にまとめて食べられますよ。冬至の七種は縁起担ぎはもちろん、栄養のある食材で寒い冬を乗りきるための知恵でもあるそうです。
冬至の食べものといえば「かぼちゃ」の理由って?
かぼちゃは別名「なんきん」で運盛りのひとつですが、漢字では「南瓜」と書きます。南瓜は陰(北)から陽(南)へ向かうことを意味しているので、冬至に最もふさわしい食べものになりました。
また、かぼちゃはビタミンAやカロチンが豊富なため、風邪や中風(脳血管疾患)予防に効果的です。本来かぼちゃの旬は夏ですが、長期保存が効くことから、冬に栄養をとるための賢人の知恵でもあるのです。
「ん」が付かないのに、小豆を冬至に食べる理由や意味とは?
「冬至の七種」や「ん」がつく食材以外にも、冬至の日に良いとされてきた食べ物があります。
小豆
古くから赤は邪気を祓うといわれています。冬至に赤い小豆を食べて邪気を祓うため、小豆を使った冬至粥、小豆とかぼちゃを煮た「いとこ煮」を食べる習わしがあります。
こんにゃく
冬至にこんにゃくを食べる地方もあります。昔は、こんにゃくを「胃のほうき」「腸の砂おろし」と呼んでいました。一陽来復の大事な日に体内をきれいにするために、食物繊維が豊富なこんにゃくで体内の老廃物を排出しようとしたんですね。
冬至にピッタリな料理を作ってみませんか?
冬至に食べると良いとされる食べ物が色々ありますが、その代表的な食材の一つであるカボチャを使ったレシピをご紹介します。冬至の夜は手作りのほっこり冬至料理を楽しみませんか?
カボチャはビタミンAやカロチンが豊富なので、寒い季節にもオススメですよ。
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冬至のバスタイムと言えば「ゆず湯」! その意味は〇〇祈願?!
冬至といえば「ゆず湯」も有名ですよね。昔は毎日入浴しませんでしたが、「冬至の一陽来復を機に身を清める」という意味でゆず湯に入るようになったそう。
みかんやレモンではなく「ゆず」なのはなぜ?
他の柑橘類ではなく、ゆずを用いる理由には諸説あります。代表的なものをご紹介します。
- 強い香りのもとには邪気がおこらないという考えから、香りの強いゆずを入れたゆず湯に入ると風邪をひかないとされた。
- ゆずという言葉が融通に通じるので、融通がきくように。
- ゆずは実るまでに長い年月がかかるので、長年の苦労が実りますようにとの願い。
- 寿命が長く病気にも強いゆずの木にならい、ゆず湯に入って無病息災を祈った。
心身ともに元気に冬を越すために、ゆず湯はとても役立ちそうですね!
ゆず湯の作り方は?
ゆず湯は果実を丸ごと使います。ゆずならではの爽やかな香りを楽しみましょう。
ゆずの実2~3個をそのまま浴槽に浮かべるだけで簡単に柚子湯を楽しめます。楊枝などで数カ所穴をあけておくと香りがたちやすくなりますよ。
香りが少ないようなら実の数を多くしてください。皮や実を切ったり、果汁を絞り入れると肌がぴりぴりする場合もあるので、注意してください。
※使用法については、ご自身の責任において行ってください。使用が不安な場合は、医師や専門知識のある人に相談しましょう。
おわりに
食事やバスタイムなど、冬至の風習は気軽に取り入れられるものが多くあります。ぜひお試しくださいね。
参考:三浦康子「冬至とは?2024年はいつ?ゆず湯の由来・かぼちゃを食べる意味」<All About「暮らしの歳時記>」
参考:国立天文台「暦Wiki 二十四節気とは?」
参考:国立天文台「二十四節気および雑節 令和6年 (2024)」