ガスが止まったときに自分で復帰させるには? ガスメーターとは?
ガスメーターは「マイコンメーター」とも呼ばれる機械です。普段からご家庭のガス使用量を計測したり、コンピューターでガスの使用状態を24時間見守っています。
ガスは通常、ガス管からガスメーターを通り、ご家庭のガス機器へと流れているんですよ。
またガス漏れや震度5程度以上の地震を感知すると、自動でガスをストップしてくれます。非常時に頼れるパートナーですね。
ガスメーターはどこに設置されている?
ガスメーターは通常、屋外に設置されています。一戸建ての場合は、玄関付近の外壁に、マンションやアパートの場合は、玄関脇や共用廊下のメーターボックス内に設置されていることが多いです。
ガスメーター、どんな時にガスを止める?
こんなときは、ガスメーター(マイコンメーター)が感知して自動的にガスを止めて、メーターがランプ点滅などで警報表示します。
●メーターの大きさごとに定めた以上の多量のガスが流れた場合
●長時間、一定量のガスが所定の時間以上流れ続けた場合(家庭用と一部の業務用)
●震度5程度以上の地震を感知した場合(10号以上では、ガスの流れのある時のみ)
●流れるガスの圧力が所定の値を下回った場合(ガスの流れのある時のみ)
●警報器・不完全燃焼警報器が作動した場合(連動している場合のみ)
ガスメーターの復帰方法は? ガス臭くないかも確認!
【まずは確認!】ガスが止まった後、ガス臭い場合はどうする?
ガスメーターがガス供給を止めた後、本来はガスは流れていない状態です。
ガスが止まっているはずなのにガス臭い時は「ガス漏れ」の可能性があります。ライターやマッチなどは絶対に使わないようにしましょう。電灯や換気扇など家電のスイッチに触るのもNGです。
まずは窓を大きく開け、全てのガス機器を止めてください。機器栓やガス栓、メーターガス栓も閉めましょう。そして速やかに、東京ガスの「ガス漏れ通報専用電話」またはご契約のガス会社のカスタマーサポートまでご連絡ください。
ガス漏れでない場合には、この後紹介する手順でガスを復帰させましょう。
※ここでは一般的なガスメーターの復帰方法についてご紹介します。詳しくは、ガスメーターに付いている説明書をご覧ください。
1. 全てのガス機器を止める
ガスコンロやガス給湯器など全てのガス機器を止めましょう。屋外にあるガス機器なども忘れずに行ってください。
2. 復帰ボタンのキャップを外し、ボタンをしっかり奥まで押し込む
ガスメーターの左上にある復帰ボタンのキャップを回して外します。この時、メーターガス栓は開けたままにしましょう(キャップがないタイプもあります)。
復帰ボタンは2秒ほどかけて、しっかりと押し込んでください。「ギューっと押し込んで2秒、それからパッと離す」イメージです。
赤いランプが点灯し、再度点滅が始まるか、ガスメーターの機種によっては「L」と画面に表示されます。
3. ガスが使える合図が出るまで、約3分待機する
ガスを使用しないで約3分ほど待ち、赤いランプの点滅が消えるか、「ガス止」の表示が消えるのを確認します。これでガスが再び使えるようになります。
上記の通りにならない場合は、1からの手順で再度設定し直しましょう。それでも使えない場合は、「東京ガスお客さまセンター」またはご契約のガス会社のカスタマーサポートまでご連絡ください。
ガスメーターの種類別の復帰方法や、動画での解説は以下のサイトを参考にしてくださいね。
地震時のガス復旧を早める! 東京ガスの取り組みとは?
大きい地震が発生した時、火災などの二次災害を防ぐ必要があります。東京ガスでは、被害の大きい地域はガス供給の停止を行うとともに、その後速やかに復旧できるようさまざまな取り組みをしています。
1. 供給エリアのブロックを細分化する
通常、都市ガスはLNG基地で作られた後は減圧され、中圧導管で施設や工場、低圧導管でご家庭に送り込まれます。
都市圏では中圧導管網の走るエリアを25以上、さらに低圧導管網のエリアを250以上にブロック化しています。このように細分化することで、大きな地震がきたときには被害の大きい地域のみガス供給を停止し、ガス供給を停止するエリアを最小限にすることが可能です。
またガス管をネットワーク化することで複数の供給ルートが確保でき、安定供給にも役立っています。
ちなみに高圧・中圧導管は特に耐震性が強く、阪神淡路大震災や東日本大震災レベルの地震でもガス供給が可能な構造となっています。
実際、過去の地震で道路や橋が崩れても、ガス漏れは発生しなかったんですよ。
2. 防災システムが遠隔でガス供給を停止し、二次被害を最小限に抑える
東京ガスでは「SUPREME(シュープリーム)」という地震防災システムを使い、的確な範囲での素早いガス供給停止を実現しています。
SUPREMEは、約1km四方に1基という高密度で設置されたSIセンサー(地震計)を利用する、世界でも例を見ない地震防災システムです。大きな揺れなど異変を察知すると、東京ガスの供給エリアに設置された約4,000箇所のSIセンサーの情報を収集し、必要に応じて遠隔操作でガス供給を停止することができます。
東日本大震災においても、約4,000基分の情報を5分で収集し、供給停止か否かの判断を素早く行いました。大量の情報を瞬時に集計し、管理できるSUPREMEは非常に高機能なシステムです。
3. 災害後、相互支援で素早くガス供給を復旧する
東京ガスは災害後、できるだけ早い段階で経験豊富なスタッフを派遣し、修理や復旧に着手します。
東日本大震災では、震度6を感知した茨城県日立地区において、約3万戸のライフラインがストップしました。東京ガスグループからは延べ3,052人が復旧に取り組み、1週間で供給再開を実現しました。
また全国の都市ガス事業者とも連携し、相互支援する体制も整えています。
東日本大震災において約36万戸のガス供給が全て停止した仙台市では、全国の都市ガス事業者50社が集結し、約一ヶ月後には復旧作業を全て完了させました。
このように、東京ガスでは過去の復旧経験や日頃の訓練の成果を活かし、素早く皆さんの生活を元に戻せるようサポートを行っています。
おわりに
ガスメーターの復帰方法についてご紹介しました。急にガスが止まると焦ってしまうかもしれませんが、簡単な操作でガスが使えるようになりますよ。是非参考にしてみてください。
出典:東京ガス「ガスメーターの役割と安心機能」
出典:東京ガス「地震の時は」
出典:東京ガス「ガス臭い時は」
出典:東京ガス「一般型マイコンメーターの復帰方法」
出典:東京ガス「超高密度リアルタイム地震防災システム『SUPREME』」
出典:東京ガス「東京ガス便り〜24時間365日 都市ガスの安全と安定供給を守っています!」
出典:東京ガス「3.11 東日本大震災の対応」
参考:東京ガス「マイコンメーター」
参考:東京ガス「ガスメーターの役割と安心機能」
参考:東京ガス「一般型マイコンメーターの復帰方法」
参考:東京ガス「地震対策」
参考:東京ガス「災害に強い設備づくりのために」
参考:東京ガス「超高密度リアルタイム地震防災システム「SUPREME」」
参考:東京ガス「地震防災対策の3本柱 緊急:二次災害を未然に防ぐ」
参考:東京ガス「3.11 東日本大震災の対応」