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発酵食品×腸活で免疫力を最強に! すぐに取り入れるべき発酵食パワーとは

みそ汁や漬物・納豆などの副菜、チーズやヨーグルトなど、一品でも頼りになる「発酵食品」。今回は、その驚くべきパワーと家庭でできる手作りレシピについて、日本発酵文化協会上席講師の藤本さんに伺いました。

最終更新日:2024.5.20

目 次

【発酵食品とは】あらためて知る伝統食の魅力

味噌を発酵している様子

PIXTA

健康意識の高まりで注目を集める「免疫力」。では、その力を高めるにはどうすればよいのでしょうか? まずは、規則正しい生活と、栄養バランスの良い食事を規則正しくとることです。そして「発酵食品」には、私たちの体に備わっている免疫力をさらにアップさせる効果があることが分かってきましたので積極的に摂取するようにしましょう。

日本でも古くから食されている発酵食品とはどのようなものなのでしょうか。その歴史や驚くべきパワー、家庭で手軽にできる手作りレシピなど、発酵食品についてさまざまな角度から日本発酵文化協会上席講師の藤本さんに伺いました。

まずは、発酵食品の起源からひも解いていきましょう。

偶然の産物、アルコールから始まった発酵食品の起源と歴史

なれずし

寿司の原型といわれる「なれずし」
PIXTA

「発酵食品」とは、目に見えない微生物の生命活動によって醸し出される食品のこと。その起源には諸説ありますが、偶然の産物から始まった発酵食品はアルコールだったという説が有力です。

約8000年前にはワイン、約6000年前にはビール、約2300年前の日本では「口噛み」という発酵方法で「口噛み酒」といわれるものが誕生。これら酒造りは、修道女や巫女など神様に仕える女性が携わってきた歴史があるそうです。

まだ冷蔵庫が無かった時代、発酵食品は収穫した食材の長期保存方法として、作物の採れない時期に備えるために生み出された保存食でした。その一つとして、魚介類と塩、米飯を発酵させて作った「なれずし」(写真上)も誕生。お寿司の原型ともいわれています。

そんな発酵食品は近年、災害時の非常食としても注目されています。

東日本大震災:「塩麹」・・・第1次発酵食品ブーム
健康・美容:「甘酒」・・・第2次発酵食品ブーム
新型コロナウイルス感染拡大:「納豆」「キムチ」・・・第3次発酵食品ブーム

体に与える影響~腸内環境を整える発酵食品の効果と働き~

納豆

PIXTA

「麹を使っているような日本の発酵食品を効率良く消化・吸収するように、私たちの体は先祖から受け継いでいます」と藤本さん。

発酵食品に含まれる「植物性乳酸菌」「納豆菌」「酢酸菌(さくさんきん)」「酪酸菌(らくさんきん)」は、腸まで届いて働き掛けることができます。
それらが含まれる食品と、主な働きは以下の通りです。

・「植物性乳酸菌」が含まれる食品・・・・・・漬物
 主な働き: 食物繊維が腸内環境を整える

・「納豆菌」が含まれる食品・・・・・・納豆
 主な働き: 納豆菌が生成するビタミンK2や、カルシウムが吸収などを促してくれる

・「酢酸菌」が含まれる食品・・・・・・にごり酢・紅茶きのこ(コンブチャ)
 主な働き:殺菌効果・免疫力アップ・便秘解消など

・「酪酸菌」が含まれる食品・・・・・・ぬか漬け
 主な働き:善玉菌の繁殖、整腸作用など

これらの菌が腸に到達すると、腸内の免疫細胞が菌に対抗しようと活性化します。「免疫細胞は腸内に集中しているため、菌が生きたまま腸まで届く発酵食品をコンスタントに取ることで、免疫細胞のトレーニングになるのです」という藤本さんの言葉が印象的でした。

代表的な発酵方法は3つ

発酵にはさまざまな方法がありますが、中でも「乳酸発酵」「アルコール発酵」「酢酸発酵」は、三大発酵と呼ばれています。

  • 「乳酸発酵」・・・・・・乳酸菌によって糖から乳酸(等)を生成する
  • 「アルコール発酵」・・・・・・酵母菌によって糖からアルコールと炭酸ガスを生成する
  • 「酢酸発酵」・・・・・・酢酸菌によってアルコールから酢酸を生成する


発酵には他にも多様な方法がありますが、微生物の生成する酵素だけでも発酵は起こります。酵素アミラーゼによって食品中のデンプンがブドウ糖に分解されることを「糖化」といい、糖化の発酵方法で作られる主な食品には、「米麹から作られる甘酒」が代表例です。

発酵食品にはどんなものがある? 代表的なものや意外なものまで

発酵食品の例

PIXTA

日本では、発酵食品ブームによって納豆や甘酒の売場コーナーが拡張されるなど、再び発酵食品が注目されていますが、他にも世界にはさまざまな発酵食品があります。

発酵食品の種類

発酵食品には米麹などの麹、酵母や、乳酸菌、酢酸菌によるものなど、多くの種類があります。また、複数の発酵工程を経ているものもあります。

【乳酸発酵食品の例】
みそ、しょうゆ、魚のぬか漬け、ふなずしなどのなれずし、野沢菜・キムチなどの漬物、ヨーグルト、チーズ、発酵バター、メンマ、ザワークラウト、くずもち(久寿餅)など

【アルコール発酵食品の例】
清酒、ワイン、ビール、パン、焼酎、ベジマイトなど

【酢酸発酵食品の例】
米酢、ワインビネガー、モルトビネガー、バルサミコ酢、ナタデココなど

【カビによる発酵食品】
かつお節(枯節・本枯節)

【乳酸菌+カビによる発酵食品】
ブルーチーズ、白カビチーズ

【酵素による発酵食品】
塩辛、紅茶、ウーロン茶、サラミ、アンチョビ、酵素ドリンク

【酵素+乳酸菌による発酵食品】
魚醤(ナンプラー・ニョクマムなど)

くずもち

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くずもち(久寿餅)は、小麦デンプンを発酵させた和菓子の中で唯一の発酵食品です。作りたてのおいしさは格別で、ぜひ食してほしい和のスイーツ。ミネラル豊富な「黒蜜」や、たんぱく質の宝庫「きな粉」をたっぷりかけて堪能したい一品です。

発酵食品を食習慣に! メニューに一品プラスで健康効果がアップ

キムチ

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朝・昼・晩と三度、毎日の食事の支度は大仕事です。できあいのものは飽きるし、ミールキットも長くは続けにくい、家族の健康も考えて栄養バランスも整えたいけれど、時間も無い・・・。

そこで藤本さんがおすすめしてくれたのは、発酵食品を使った「ちょい足し」調理法。甘みがほしいときに甘酒をほんの少しプラス、味が薄いなというときには塩麹をちょっと足すなど、できることから取り入れるのが、無理なく長く続けられるポイントだとか。

免疫の要、腸内環境改善【腸活】

「腸活」とは、腸内細菌のバランスを整える活動。食べたものは各消化器官で消化・吸収され、腸内細菌の働きによってビタミンが生成されます。また、女性らしさを保つホルモン「エストロゲン」や、幸せを感じるホルモン「セロトニン」の分泌にも腸内細菌が大きく関与しています。

発酵食品の中には、腸内環境を整える善玉菌のエサとなるオリゴ糖や水溶性食物繊維を含むものが多くあります。病原菌が体内に侵入しても老廃物と一緒に排出することで健康を保てるほか、整腸にもよいとされています。

「3年くらい続けることで体質が変わることも」と藤本さん。発酵食品を取る食習慣を続ければ、風邪を引きにくくなり乾燥肌も改善するなど、健康にも美容にもうれしいメリットが期待できます。

新陳代謝をアップ&脂肪を分解する発酵食品

甘酒

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代謝をアップさせるには、脂肪の分解を促すビタミンB群が豊富に含まれている麹を食事に用いることで効果が期待できます。米麹を使った甘酒は、新陳代謝に必要なタンパク質や、老廃物の排泄を促す食物繊維やオリゴ糖を含むので、コンスタントに取りたい食品です。

うま味プラスで、発酵調味料を使ったヘルシー料理

塩麹

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奥深い味わいを出す「うま味」。発酵食品のうま味といえば、微生物が生成するアミノ酸です。いつものレシピに発酵調味料を使えば、うま味と栄養価がアップした料理を作ることができます。

藤本さんのおすすめは、砂糖の代わりに「麹の甘酒」を使うこと。ドレッシングやタレ、牛乳・ヨーグルトなどに加えるだけ。酸味にもよく合うので、トマトジュースやオレンジジュース、アセロラジュースに合わせて、ドリンクとして楽しんでもよいでしょう。

また、「塩麹」は塩の代わりに料理に使うのもおすすめ。炒め物のほか、肉や魚など食材の漬け置きにも。パサつきがちな豚ヒレ肉や鶏ムネ肉・ささみが、麹の作用でしっとり柔らかくジューシーに仕上がります。

藤本さんおすすめ発酵食品レシピ【発酵検定公式テキストより】 

酵母

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手作りするにはハードルが高いと思われる人もいますが、気軽に手作りできる発酵食品もあります。お子さまと一緒に楽しめる発酵食品作りにチャレンジしてみませんか。発酵を育てる過程も楽しめます。

甘酒

甘酒には、米麹に水を加え発酵させたタイプと、酒粕に砂糖とお湯を加えたタイプの2種類があります。酒粕タイプの甘酒は、アルコールが含まれるので芯から体を温めますが、お子さまには麹を使った甘酒がおすすめです

ここでは麹を使った「甘酒」を紹介します。

【材料】
米麹・・・200g
水・・・400~800ml(水が少ないと食べる系の甘酒になる)

【作り方】
1. 炊飯器の内釜にタオルを敷いて準備する。
2. 耐熱容器に米麹と水を入れて、容器のふたを軽く開けておく。
3. 容器を内釜の中に入れ、炊飯器のふたは開けたまま55~65℃程度で5時間以上保温する。甘みが出れば出来上がり。
※日本工業規格の一般家庭の炊飯ジャーでふたを開けておいた場合、55~65℃の保温になります。

甘酒は保存性が低いので、粗熱がとれたら冷蔵保存し1週間から10日ほどで使い切りましょう。

塩麹

塩麹は冷凍でも保存できるので、みそやしょうゆと並んで常備しておきたい発酵調味料です。

【材料】
米麹・・・100g
塩・・・30g
水・・・100g程度

【作り方】
1. 米麹をポリ袋に入れ、その上から軽くつぶす。
2. 保存容器の中に塩を入れ、その上につぶした米麹を入れる。
3. フタを閉じて塩と麹が混ざるように振る。
4. 3の保存容器に水を入れる。フタをしてから振って混ぜ、常温で5~7日間、1日1回よく振る。

麹が柔らかくなり、塩の角が取れたら完成です。完成したら冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。

マイぬか床や甘酒仕込みで無添加のお漬物

冷蔵庫専用ぬか床保存バッグは、ぬか床初心者に人気です。バッグに野菜の切れ端などを入れて冷蔵庫で保存、2~3日に1回かき混ぜるだけ。寝る前に仕込んでおけば、朝ご飯に出来立ての漬物がいただけます。

「ぬか床」は、米ぬかを発酵・熟成させています。続けるうちに風味が変化していき、マイぬか床へと成長するのも楽しみの一つ。

また、麹の甘酒を使って手軽にできる漬物もありますので、ご紹介します。

【材料】
甘酒・・・100g
酢・・・20ml
しょうゆ・・・20ml

きゅうり・人参・大根などお好みの野菜
塩・・・少々

【作り方】
1. 調味料をよく混ぜ合わせる。
2. 野菜を塩もみする。
3. 2を1に漬け込み、冷蔵庫で保存する。1~3日程度で食べ頃に。

出典:「発酵検定公式テキスト」

おわりに

日本発酵文化協会の藤本さんに、発酵食品の起源や健康・美容効果をはじめ、手作りレシピも教えていただきました。体に備わる免疫力を鍛え、災害時用ストックにも取り入れたい発酵食品。しょうゆやみそ・酢・塩麹といった発酵調味料、甘酒・納豆・ぬか漬けなど、身近な発酵食品から日常生活に取り入れましょう。あらためてそのパワーを意識しながら取ることで、免疫力アップの相乗効果が期待できますね。

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  • この記事取材先プロフィール

    藤本倫子

    日本発酵文化株式会社 常務取締役 運営統括マネージャー / 一般社団法人日本発酵文化協会 上席講師

    藤本倫子

    東京農業大学在学中、日本酒の魅力に出合い、卒業後、東京大学医科学研究所にて癌細胞を学ぶ。株式会社八海山に入社し、営業企画室・商品開発室に10年所属し、「千年こうじや(米・麹・発酵をテーマとした店舗)」の立ち上げを行う。発酵マイスター・プロフェッショナルを取得し、日本酒・発酵セミナー活動の立ち上げを行い、年間受講者は3,000人を超える。2017年7月、発酵食文化の啓蒙活動に専念するため、独立。

    日本全国の発酵食品を一人でも多くの方に、楽しく学んでいただくことをモットーに、全国でセミナー活動中。発酵検定公式テキスト監修

    一般社団法人日本発酵文化協会

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公開日:2022.2.7

最終更新日:2024.5.20

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