時間栄養学とは?
![田原先生](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/9a63da966c614ee7bafbc0daed2c3564/%E7%94%B0%E5%8E%9F%E5%85%88%E7%94%9F_%E5%86%99%E7%9C%9F1-medium.jpg)
Yu Tahara
テレビや雑誌などのメディアでも、最近度々取り上げられている「時間栄養学」。これは今まで「何を食べるか」ということに重点を置いてきた栄養学に、「いつ食べるか」という時間の概念をプラスしたもの。
放っておくと毎日10〜30分程度遅れていくという体内時計をリセットし、睡眠の質や腸内環境の向上、日々のパフォーマンスアップに、肥満やうつ病、生活習慣病を予防するなど、心身の健康をキープするために役立つ実践的な学問です。
体内時計のリセット方法として有名なのが、「起床したら朝食を食べ、日の光を浴びる」というもの。でも、毎日何かと忙しく生活している人には「規則正しい生活」を実践すること自体、ハードルが高いと感じてしまうことも。本当に知りたいのは、忙しい人でも実践できる具体策ではないでしょうか。
今回は、すぐに試せる時間栄養学の簡単な実践方法や、夜更かしで時差ぼけを起こした時のリセット方法、朝起きるのがつらい人の対策について、広島大学大学院 医系科学研究科 公衆衛生学 准教授で、日本時間栄養学会理事の田原優先生に伺いました。
朝型の社会生活を少しでも楽にするには
![目覚まし時計](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/4bb07465fec14958ad342c85a2740716/pixta_66114459_M-medium.jpg)
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「時間栄養学って、広い意味で『タイミングを考える栄養学』なんです。朝型・夜型というのは遺伝もありますから、どちらが良い悪いということはありません。でも夜型の人は朝早く起きなくてはいけないことが多いからつらいですよね。週末などの休日につい夜更かしをすると、月曜日の朝が特につらくなったりする。コロナ禍に調査したところ、通勤通学をしない分、朝起きる時間が遅くなって、平日も夜型化することで、生活リズムが整ったという側面もありました。
自分は夜型だから、朝早起きする必要がない仕事を選ぶとか、学校の1時間目は行かない! と決められれば良いけど、そういうわけにはいかない場合が多い。仕事のスタート時間が遅くてもお子さんがいれば、学校へ送り出すために保護者の方も朝早く起きなくてはなりませんしね」と田原先生。
休日も平日と同じような早い時間に起床することが心地よい朝型の人と違い、休日に夜更かしや朝寝坊を楽しむ夜型は平日に無理をして早起きをしていることが多く、睡眠不足にもなりがち。そのため生活リズムが狂いやすいタイプといえます。このような「社会的時差ボケ」を整えて、パフォーマンスや睡眠の質を高めるのに役立つのが時間栄養学なのだそう。
「朝食」と「日の光」で毎朝体内時計をリセット
![洗濯物](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/5f224fde112b4eeba896f4854b282e30/pixta_73648991_M-medium.jpg)
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毎朝体内時計をリセットして整える一番の方法は、やはり「朝食を食べること」と「太陽の光を浴びること」。
日光は、短時間でも屋外で浴びる方が格段に効果的だそう。ベランダで洗濯物を干す、子どもを家の外で見送るなど、5分でも10分でも太陽を直接浴びる事を朝の習慣にすると良いでしょう。
ちなみに田原先生によると、体内時計を整えるために起きなければいけない時間帯などの縛りはないのだそう。
そのため、例えば夜型の生活サイクルが心地良い場合、通勤・通学に支障がないのであれば、何時でも自分が気持ちよく起きられる時間に起床し、朝食を食べ、日の光を浴びればOKなのです。
生活サイクルを整えたい人は、まずは朝食を習慣化することから
![朝食](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/b1aa16583d71499985c600fb05036d79/pixta_98980073_M-medium.jpg)
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生活サイクルを整えるには、朝食の習慣化が大切だと田原先生。
特に、通学が必要なお子さんがいると、できれば余裕を持って起きられる朝型の子どもになってほしいと考える方も多いのではないでしょうか。
成績が上位層になるにつれて朝食をしっかりと食べているケースが多く、早寝早起きを実践できている子どもは、イライラする・気分が落ち込むなどのネガティブな感情になりにくいというという調査結果もあると田原先生は言います。
![グラフ](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/5ca07c8bf14f40fab212296eed5006cd/%E3%82%AF%E3%82%99%E3%83%A9%E3%83%95%20(1)-medium.jpg)
出典:早稲田大学 理工学術院 柴田重信研究室 ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活リズムと健康・学習習慣に関する調査2022」より
また、朝型の子どもは家族と一緒に朝食を取っていることが多いというデータがあるほか、朝食に和食を選ぶ人ほど、朝型であるという傾向もあると田原先生は話します。
![グラフ](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/6d37ccc2c5b94652a0fc2208e79bb879/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88%202023-11-16%2021.07.25-medium.png)
出典:食事管理アプリ「あすけん」ユーザー約4000人への調査研究
しかし今まで朝起きづらくて朝食を抜いていた人にとって、突然和食の朝食を用意するのはハードルが高いですし、それどころか朝は食欲がわかないという人も少なくないでしょう。
田原先生いわく「時間栄養学の基礎研究で分かっていることとして、朝食は炭水化物・タンパク質・食物繊維をしっかりと取れれば内容はなんでもOK。午前中のパフォーマンスを上げたい人や、生活サイクルを整えたい人は、まず朝食を習慣化することから始めてみる」という考え方でよいそうです。
いつ何を食べる? おすすめの食事内容は?
![朝食](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/b046f1bdecf748b3b9b7b854a7d3961e/pixta_89391010_M-medium.jpg)
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田原先生によると、朝は体を目覚めさせるために炭水化物やタンパク質を取り、昼は血糖値の急上昇に注意しつつしっかりとエネルギーをチャージ。夜は睡眠の質を上げるためにも血糖値を上げすぎないよう、炭水化物の摂取を控えるのが、時間栄養学で推奨する大まかな1日の食事の流れなのだそう。
とはいえ、難しく考える必要も、わざわざ手間のかかる料理にチャレンジする必要もありません。
田原先生に実践のヒントを伺うと、予想外のアドバイスが返ってきました。
朝食はシリアルが完璧!?
![グラノーラ](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/63fbd178e6734854a46d9296d9ff9773/pixta_68806583_M-medium.jpg)
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「炭水化物・タンパク質・食物繊維をしっかりと取る」というと難しく感じますが、実際にはどのような朝食メニューが望ましいのでしょうか。
「炭水化物・タンパク質でいうなら、パンとチーズ、ソーセージ、牛乳やヨーグルトでも良いわけです。納豆ご飯でも良い。朝食の作用をさらに強めるなら、魚からDHA、シジミからオルニチンを一緒に取ると良いですね。そう考えると和食は朝食に向いているのが分かります」(田原先生)
パンとチーズや納豆ごはんでもOKと聞くと気が楽になりますが、さらにカンタンなのがシリアルだと田原先生。シリアルに牛乳をかけて食べれば、炭水化物や食物繊維など必要な栄養素をバランスよく取れるのだそう。
そのほか、田原先生が「スーパーで見かけたら買ってしまう」というのが「キクイモ」。イヌリンという水溶性食物繊維が豊富で、生のままサラダにして食べられる手軽さも魅力の食材です。食物繊維には腸内環境を整えるほか、食後に血糖値が急上昇・急下降して血管にダメージを与える「血糖値スパイク」を抑える効果もあります。
「血糖値スパイクは、1回起こすだけでも体に大きな負担がかかるので、起こさないようにするに越したことはありません。もし1日1回食物繊維を取るとしたら、一番効果的なのが朝食です。ポイントは発酵性で水溶性の食物繊維を選ぶこと」(田原先生)。
食物繊維は通常の食事だけでは不足しがちなので、サプリメントを上手に活用するのも一つのアイデアだと田原先生は話します。
「ちなみにわが家の朝食はパン、ソーセージ、卵焼きにヨーグルトですが、ヨーグルトに『サンファイバー』(タイヨーラボ)という食物繊維のサプリメントを混ぜて食べています」(田原先生)
参考:タイヨーラボ「サンファイバー」
ダイエット効果を狙うなら、朝食を抜いてもOK
「朝食を食べると体温が上がって交感神経が活性化し、午前中の集中力やパフォーマンス力が高まります。一方で、1日の食事の全てを8〜10時間以内に済ませ、14〜16時間の絶食時間を作ることでダイエット効果を得る8時間ダイエットという方法もあります。
このダイエットは食べない時間を長くキープすることが大事ですが、毎朝7時に朝食を食べる人は夕食を17時までに食べなくてはいけない。それならば夕食の時間を動かさずに朝食を抜く方が手っ取り早かったりするんですね。ただこの場合、午前中のやる気は出ないかもしれません。それでもOKで手軽にダイエットを優先したい人であれば、朝食を抜くのも1つの選択肢として有効です」(田原先生)
もちろん8時間ダイエットを行いつつ、高血圧予防や高血糖対策をするなら、夕食を減らして朝〜昼食に食事の比重を持ってくのがベストだと田原先生は話します。
昼食は抜かないことが大切
![ワンプレートランチ](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/a31d2bda7210437f95469e8cecff26a1/pixta_90231528_M-medium.jpg)
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「昼食は何を食べるかという以前に、抜かないことが大切。昼食を抜いてしまうと、夕食の後に血糖値が上がりやすくなってしまいます。
また量的には夜よりもお昼を多めにした方が良いですが、お昼にドカ食いをしてしまうと、食後に急激な眠気に襲われます。それを避けるなら、量にも気をつけた方が良いですね。糖の吸収をおさえるために白米ではなく玄米にするとか、食物繊維を取るためにサラダを追加するのもおすすめです。昼食に野菜に含まれるカリウムを取ると、取り過ぎた塩分を排出しやすくなるメリットもあります。
サラダ→メインディッシュ→炭水化物の順に食べることで血糖値の上昇を緩やかにすることもできますよ」(田原先生)
ちなみに食べる量や順番を気にしなくても大丈夫なのは「朝食」。適正糖質を心がけた生活に挑戦したい人は、昼と夜は血糖値の急上昇を避ける食事を心がけ、朝はしっかり食べるのがコツなのだそうです。
間食は積極的に食べるのが正解!
![ポテトチップス](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/78b8b635ceb04d61ac911fec2aaf5678/pixta_74296126_M-medium.jpg)
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ダイエットしているから、夕方前におなかが空いても間食はガマンするべき? いえいえ、夕食の時間が遅い人ほど積極的に間食を食べた方が良いと田原先生はいいます。夕食前の間食は、夕食後の血糖値が急激に上がるのを抑えるセカンドミール効果を発揮します。
「セカンドミール効果という点から取りたいのが炭水化物と食物繊維。おにぎりでも焼きいもでもドライフルーツでも、それこそポテトチップスでも良いわけです。あとは食物繊維が入ったプロテインバーやチョイ食べスナックなども最近はたくさん売られていますよね。もし間食を食べ過ぎておなかがいっぱいになってしまったら、夕食は食べなければ良い(笑)。そうすれば8時間ダイエットにもなりますしね」(田原先生)
罪悪感を抱きがちだった間食もメリットがあったと聞くと安心しますね。
夕食はご飯を半分にすることからチャレンジ
![白米](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/0497186c34484d3eb13abc19df180693/pixta_73794306_M-medium.jpg)
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人間の体は夕食後に血糖値が上がりやすいことから、夕食は減らしたり、分食をしたり、食べない方が健康的と言われることもありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
「夕食こそ家族団らんの時間になっていたり、会食で利用されるケースも多かったりしてなかなか調整するのは難しい。だからまずは、ご飯をいつもの半分にするといった簡単なことから始めると良いと思います。それじゃ量が足りないと思うなら、間食で先に何かおなかに入れておけば良いんです。8時間ダイエットも8〜10時間の間、何を食べても良いなんて言われていますけど、研究結果ではしばらくすると体が変わってくるのか、だんだんと食べる量が減ってきて、腹8分目をキープできるようになるみたいですよ」(田原先生)
睡眠と時間栄養学の関係
![睡眠](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/d87175d2b9eb47408097074deddbd9fd/pixta_93212438_M-medium.jpg)
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時間栄養学的には、平日も週末も極力同じようなサイクルで睡眠をとり、体内時計を狂わせない生活を送ることがベストだそう。
「日本人は世界的に見ても慢性的な睡眠不足であるデータが出ていますが、日々蓄積する睡眠負債の影響を和らげるのにも時間栄養学は有効です」(田原先生)
夕食後に血糖値の急上昇を回避することは睡眠の質を上げることにつながり、睡眠の質が上がれば、睡眠不足によって血糖値を正常に保つホルモンに異常が起こるのを防ぐという、ポジティブな循環が生まれます。また、体内時計を朝型に近づけて、朝早く起きることが苦痛でなくなれば、自然と夜寝る時間も早まり、睡眠不足を減らすことも目指せるわけです。
「自分はずっと夜型で朝型になんかなれない! と思っている人も多いでしょう。でも大学生などの学生の頃を思い出してみてください。そういう方は今よりもっと夜型だったと思うんです。それが皆さん、就職したり、お子さんが生まれたりして生活習慣が変わって、20代・30代でグッと早起きの生活になる方が多い。もちろん頑張って、無理をして起きている方も多いと思いますが、それでも朝型になれないわけではないよ、という説得力がある説明になるのではないでしょうか」(田原先生)
夜型の人は寝だめよりも昼寝を
もともと遅寝・遅起きが心地よい夜型の人は、早起きをする必要のない週末に寝だめ(正確には睡眠補填)をするケースも多いでしょう。すると体内で時差ボケ、いわゆる「社会的時差ボケ」が起こり、平日の朝が余計につらくなるわけです。
![グラフ](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/47ac26c9246e404b9870c02b5d50138f/%E6%99%82%E9%96%93%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%AD%A6-medium.jpg)
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週末の睡眠時間が伸びるのは平日が寝不足だから。睡眠負債を減らし、週末の時差ボケを起こりにくくするのにおすすめなのが昼寝です。
「私の職場には中国からの留学生が多く在籍しているのですが、皆さん昼寝をするんですよ。学校でそういう習慣をつけるようになっているそうなんです。昼寝をしたらスッキリして、午後の仕事もバッチリみたいな。いかに睡眠負債が大きくても、スッキリ目覚めるために、昼寝は15分程度に収めるのがコツ。でも仮に15分でも積もり積もれば平日の5日間で合計1時間15分ですから、その分、週末の睡眠時間が短くなるかもしれないですよ」(田原先生)
睡眠の質を上げるなら夜食は避けて
田原先生によると、就寝中に血糖値が高いと睡眠の質が落ちるため、夕食後に夜食を取るのはあまりおすすめできないそう。切り替えられるならば、夜食よりも夕食前の間食を取った方が良いとのことです。
「寝る1時間前におにぎりを3個とか、たくさん食べるのはよくないですが、夜に仕事をしたり勉強をしたりする場合、おなかがすき過ぎて集中できないくらいだったら、何か食べた方が良いですよね。ただ、夜食そのものを評価した研究データはないので、今後の研究に期待したいです」(田原先生)
運動するなら朝がおすすめ
![ビジネスウーマン](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/7058f6c8bce841258279f14499ebd503/pixta_88917755_M-medium.jpg)
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「睡眠の質を上げるという点で、夜遅い時間に激しい運動をするのも避けた方が良いでしょう。体内時計のリセットを手助けする意味では、夜よりも朝に運動するのがおすすめです。運動しながら日差しを浴びられるウォーキングなら、通勤・通学時に取り入れやすそうですね」(田原先生)
夜更かしした次の日のリセット方法
![睡眠](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/be5fe41069774fd2981a421380a4765c/pixta_103242533_M-medium.jpg)
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例え毎日、体内時計を整えるために頑張っていたとしても、たまには夜更かしをして朝寝坊をしてしまう休日もあることでしょう。田原先生によると、そんな時のリセット方法も、特別なことをする必要はないとのこと。
「夜更かしをしちゃって、次の日にリセットをしたい。それならいつも通り朝早く起きて、しっかりと朝ごはんを食べて・・・食べたくないかもしれないですけど、とにかく何か食べて(笑)、しっかりとお日さまの光を浴びる。あと追加するなら運動ですかね。通勤前に少しウォーキングするなどして。結局、体内時計を整える最強の組み合わせは朝の『食事』『光』『運動』なんです。それでも眠かったら昼寝をすればOKです」(田原先生)
忙しい人が時間栄養学を実践するためのコツは?
![働く女性](https://uchi-images.tokyo-gas.co.jp/assets/63c373f8ba254f27ab826dbde10189d6/9c3fca2959b24edea007a7569800f19d/pixta_39869265_M-medium.jpg)
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「忙しい毎日にさらに何か特別なことをしなくちゃと思うより、まず朝に何かしら食べて、日の光を浴びて、体内時計をリセットすることから始めるのが良いと思います。生活サイクルを整えていく方が先で、和食の朝ごはんを用意するのは、時間に余裕ができるくらい早く起きられるようになってからで良いんですよ。残業が多くて、どうしても夕食の時間が遅くなる人なら、夕方におにぎり一つでも間食で食べて、その分、夕食の時に食べるお米を減らせばいいんです」(田原先生)
コツは、やれることから始めることのようです。
おわりに
「翌日朝ごはんを食べて、日の光を浴びる」「朝食はパンとハムでも、シリアルでも食べられるものからトライ」「昼ごはんは抜かない」「昼ごはんの後は昼寝する」「間食は積極的に取る」「夕食のお米を半分に減らしてみる」。
「時間栄養学」ってなんだか難しそうだし、規則正しい生活は息苦しそうだと感じていた人も、これらのどれか一つでもできると思ったら、時間栄養学の始めどき。起きるのがユウウツだった毎日が、気付けばちょっと楽になっているかもしれません。まずは一番効果の出やすい朝の時間から、少しずつ習慣を変えていってみませんか?