ピーラーの種類について
OXO(オクソー)の高田 亜矢さんによると、OXOでは現在11種類のピーラーを取り扱っていますが、メジャーなのはY型ピーラーと呼ばれるものだそう。
「日本では野菜などの皮をむくのによく使われる、Y型ピーラーを思い浮かべる方が多いかと思いますが、欧米などでは、縦型またはI型と呼ばれるピーラーが主流です。韓国では千切りピーラーの人気が高いです」(高田さん)
国によってメジャーなピーラーは異なるようですが、一般的には上記の3つに加えて、柔らかい食材の皮むきに適したソフトスキンピーラーもよく使われているようです。高田さんに詳しく教えていただきました。
日本でポピュラーな【Y型ピーラー】
最初に紹介するのは、日本の家庭で最も見かけることが多いY型タイプのピーラーです。T型という名前で販売されていることもあります。
Y型ピーラーの使い方と適した食材
Y型ピーラーは丸い芋などよりも、にんじんや大根、きゅうりといった長細い食材に使うのに適しています。皮をむくのはもちろん、食材を薄くスライスしたいときにも活躍します。
「決まった使い方はありませんが、上から下よりは、手前から奥にスライドさせた方が手に当たる心配がなく安全性は高いと思います。野菜のカーブの幅によりスライスできる太さは異なり、きゅうりやにんじんは細く、大根だと太めにスライスすることが可能です」と高田さん。
メーカーによっては、じゃがいもの芽を取ることができる機能が付いたものもあります。
Y型ピーラーを使ったおすすめ料理
食材を薄くスライスできることから、鍋やサラダにスライスした野菜を入れたいときに便利。写真のようなにんじんやきゅうりのスライスを使ったサラダもキレイに作ることができます。
「スライスした野菜はストックしておくのにもいいですよ。そうするとちょっと食材を足したいときにも、すぐにプラスできます」(高田さん)
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欧米で主流の【縦型ピーラー】
日本ではY型ピーラーほど見かけませんが、欧米ではこちらが主流。高田さんも「便利ですよ」とイチオシのピーラーです。
縦型ピーラーの使い方と適した食材
縦型ピーラーの最大の特徴は、丸い食材に使いやすいということです。Y型ピーラーでも丸い食材の皮をむいたりスライスをすることができますが、滑って手に当たりそう、という不安があったり、均一な薄さにむけないというデメリットも。その点、縦型ピーラーは包丁と同じように刃を食材に当てて使うことで、カーブしている部分の皮むきやスライスも簡単にできます。
「例えばりんごの皮をむくときも、包丁で皮をむくのと同じようにピーラーを当てていくだけ。余計な力を入れなくても、スルスルと皮がむけます。個人的にはこれ1本あればいいと思うほど便利です。以前に実演販売でピーラー初体験のご高齢の方にも使っていただきましたが、あまりのむきやすさに感動されていました」と高田さん。
もちろん丸い食材専用というわけではなく、ごぼうやにんじんの皮をむくのにも適しています。
縦型ピーラーを使ったおすすめ料理
縦型ピーラーは丸い食材では皮むきをメインに活躍するため、じゃがいもやりんごの皮をたくさんむくときに時短になって便利です。
また、Y字型ピーラーと同じくにんじんや大根、ごぼうなど細長い食材のスライスにも適しているので、鍋やサラダのトッピングはもちろん、炊き込みご飯やスープの具材としても役立ちます。
付け合わせやきんぴらもすばやく作れる【千切りピーラー】
食材を細くするのに適している千切りピーラー。実はそれ以外の料理の時短にも役立ちます。
千切りピーラーの使い方と適した食材
縦と横の両方に刃があるため、食材を細くカットできるのが特徴。調理に合わせてにんじんやごぼうの千切りをあっという間に作ることができます。
高田さんによると、コツは「ピーラーで皮をむくように、食材の表面に千切りピーラーを当ててスライドさせてください」とのこと。
包丁で刻むよりも早く、均等な千切りを作ることができます。
千切りピーラーを使ったおすすめ料理
一番のおすすめ料理はやはりきんぴらごぼう。ごぼうやにんじんの千切りが簡単にできるので短時間で作れます。
韓国では自宅でキムチを作るため、にんじんを千切りにすることが多いそう。そのため千切りピーラーが人気だそうです。日本でもクラフトキムチなどが流行しているので、活用するのもいいかもしれません。
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皮むきに特化した【ソフトスキンピーラー】
食材をスライスやカットするのではなく皮むき専用のピーラーで、苦戦していた柔らかい食材の皮むきをラクにしてくれます。
ソフトスキンピーラーの使い方と適した食材
トマトや桃、キウイなど、柔らかい果肉の食材をむくためのピーラーです。ギザギザの細かい刃が皮と実の間にスルッと入るようになっているため、薄くキレイにむくことができます。
「基本的に使い方はI型ピーラーと同じで、包丁のようにピーラーを皮に沿わせるだけです。トマトの皮は湯煎してからむく人が多いと思いますが、これを使えば生でもキレイに皮がむけますよ」と高田さんも絶賛していました。
他にも便利なピーラーがいろいろ!
他にも持っていると便利なピーラーがまだまだあります。
シトラスピーラー&ゼスター
レモンやオレンジなど柑橘類の 硬い皮むき用ピーラー。皮を千切りのようにもできるので、レモンケーキやカクテルなどに用いたいときにも便利です。料理の先生やスイーツ作りが好きな人に愛用されています。
コーンピーラー
名前の通り、とうもろこしに当ててスライドするだけで、実を簡単にカットすることができます。とうもろこしが旬の時期には、缶詰ではなく生とうもろこしから粒をカットして食べたいという人にも好評。お子さんやご高齢の方など、とうもろこしの丸かじりが難しい方のためにも重宝されています。
アスパラーピーラー
アスパラの根元の硬い皮をむくことができるピーラーです。小さなカーブにも沿うようにデザインされているので、あっという間に下ごしらえができます。
キャベツピーラー
Y型ピーラーよりも横幅が広く、大量のキャベツを千切りにするのに活躍。他にも大根やなすなど、大きい野菜の皮むきや千切りにも適しています。
ピーラーの洗い方、お手入れ方法
ピーラーの刃は切れ味が鋭いので、スポンジと刃を動かして擦り合わせると、手やスポンジが切れてしまうのでNG。刃をスポンジで挟んだら、スポンジを手でぎゅっぎゅっと押して汚れを取りましょう。気になる細かい汚れは細めのブラシで洗うのがおすすめです。
「洗浄後はしっかりと水気を切って乾かしてからしまいましょう。水気が残っているとさびの原因になってしまいます」(高田さん)
ピーラーは、包丁のように刃を研ぐことは難しいため、切れ味が悪くなってきたと感じたら、買い替えるのがよいそうです。
おわりに
日常的に何気なく使っているピーラーですが、食材や用途に合った種類があることが分かりました。また、それぞれのピーラーに適した使い方をすることで時短になるだけでなく、簡単に作れる料理もさまざま。上手に使いこなせば毎日の料理も、楽しくラクになりそうです。