プロ監修|れんこんの最適な「保存方法」とは?

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「れんこんは、保存方法によって食感が変わります。その特徴を押さえれば、鮮度をキープしたまま長期保存をしつつ、れんこんの食感を生かした料理を楽しむことができます」と小島さん。
「れんこんのシャキシャキ感を最大限に楽しみたいなら、冷蔵保存がおすすめ。ほくほくとした食感を引き出して、煮物や挟み焼きなどにするなら、冷凍保存がおすすめです。またひと手間を加えれば、シャキシャキ感をキープしつつ、冷凍で長期保存をすることもできますよ」(小島さん)
れんこんの【常温保存】はNG!
小島さんによると、れんこんは25℃以下の涼しい場所で保管する必要があるため、基本は冷蔵保存か冷凍保存するのがおすすめだそうです。れんこんが手に入ったら、常温保存は避けて、これからご紹介する方法でおいしく保存してみましょう。
【冷蔵保存】 れんこんは購入時の形にあわせて鮮度をキープ
提供:小島香住
れんこんのきんぴらやサラダ、酢れんこんなど、シャキシャキとした食感を生かした料理に使いたい場合は、冷蔵保存がおすすめだと小島さん。
鮮度をキープする冷蔵保存のコツは、購入時の形に注目するのがポイントなのだそう。
「れんこんは水の中で成長する野菜なので、乾燥に弱いです。断面が大きい場合と、節の部分でカットされている場合で、冷蔵保存の方法を変えると、より長持ちさせることができます」(小島さん)
【保存期間の目安:約1週間】節でカットされている場合
提供:小島香住
「ちょうど節の部分でカットされたれんこんが手に入ったら、湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存すると、節の途中でカットされたものより、数日長く保存することができますよ」(小島さん)
【保存期間の目安:約4~5日】切り口の断面が大きい場合
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「れんこんを買う際は、できれば節の部分でカットされているものを選ぶと、長持ちするのでおすすめです。でも、切り口が大きいものしかないときもありますよね。その場合は、ラップで断面をぴったり覆い、そのまま全体を包んで野菜室で保存してください」(小島さん)
土付きのれんこんが手に入ったら?
「土を洗い落とさずに、湿らせたキッチンペーパーや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存してください」(小島さん)
【冷凍保存】れんこんは好みにあわせて下処理を!
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「れんこんは、冷凍すると弾力が出るため、ほくほくとした食感を楽しめる煮物などに使うのが最適です。シャキシャキとした歯ごたえを生かしたい場合は、酢水に浸けたり、下ゆでをしてから冷凍すると、生のまま冷凍するよりも食感を残すこともできます。また、れんこんは塊で冷凍しても、半解凍すれば簡単にお好みの状態にスライスすることもできますよ」(小島さん)
【保存期間の目安:約1カ月】カットしてから冷凍する場合
1.れんこんの皮は必要に応じてむき、好みの形状にカットする
「れんこんの皮は食べられるので、必ずしもむく必要はありません。豊富に含まれるポリフェノールの一種・タンニンを余すことなく取れるので、ぜひ、皮ごと味わってみてください。ただし加熱すると、タンニンの働きで、皮の黒いプツプツとした斑点模様の色が濃くなります。タンニンと鉄分が反応してタンニン鉄になるため、鉄のフライパンなどを使うと、より黒くなりがちです。ただし、煮物にしたり、醤油などで味付けをしたりすると、ほとんど気にならないでしょう」(小島さん)
2.白く色の良い状態で保存したい場合や、シャキシャキとした食感を残したい場合は酢水に、アクだけが気になる場合は、水にさらす
「酢は、れんこんに含まれるタンニンの活性も止めるので、変色を防ぎ、色良く保存することもできます。また、でんぷんの働きを抑えることで、ほくほくではなくシャキシャキとした食感も引き出します。塊のまま酢水に浸けても、断面付近しか反応しないため、色やシャキシャキ食感を重視する場合は、薄切りにして酢水に浸けてから冷凍すると良いでしょう」(小島さん)
【酢水の分量】
水・・・500ml
酢・・・大さじ1
「酢の濃度は3%が目安です。酢水に浸けすぎると栄養素が流れ出てしまうほか、酢の匂いがれんこんに移ってしまうので、浸す時間は5〜10分程度にしてください」(小島さん)
3.キッチンペーパーで挟むようにして、しっかりと水分を拭き取る
4.冷凍可能な保存袋に入れ、空気を抜きながらジッパーを閉め、冷凍する
「カットしたものは、なるべく平らになるように入れると、空気を抜きやすいです」(小島さん)
シャキシャキ感を生かしたいなら、下ゆで後に冷凍を
提供:小島香住
「れんこんの冷凍保存をする際に、シャキシャキ食感を最大限にキープしたいなら、さっと下ゆでしてから保存するのがおすすめです。加熱してあるので、食べるときは、そのままサラダなどに活用できます」(小島さん)
【下ゆで後冷凍の手順】
- れんこんを薄切りにし、酢水にさらす
- 沸騰した湯に水を切ったれんこんを入れ、2分ゆでる
- ざるにあげて冷ます
- キッチンペーパーで挟むようにして、しっかりと水分を拭き取る
- 保存袋に入れて平らにならし、冷凍する
【保存期間の目安:約1カ月】すりおろしてから冷凍する場合
1.れんこんをしっかり洗い、すりおろす
「皮付きのまますりおろしてOKです。すりおろす場合は、水さらしは不要です」(小島さん)
2.すりおろしたれんこんを製氷皿や冷凍可能な保存袋に入れて冷凍する
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「保存袋で冷凍する場合は、平らにして箸などで線をつけておくと、使うときに便利です。また、製氷皿に入れて冷凍したときは、凍ってから保存袋に移すと、省スペースで保存できます。なるべく、保存袋の空気を抜くようにしながら、ジッパーを閉じてくださいね」(小島さん)
3.調理するときは凍ったまま、あるいは解凍して使う
「すりおろしたれんこんは、汁ものなどのとろみ付けや、すり流しに使うこともできます。その場合は、凍ったまま加えて大丈夫です。また、れんこん餅にしたり、肉だねに混ぜ込んだりする場合は、解凍してから使ってください」(小島さん)
【保存期間の目安:約1カ月】丸ごと冷凍する場合
- れんこんをしっかり洗い、キッチンペーパーで水分を拭き取る
- 冷凍可能な保存袋に入れ、極力空気を抜きながら、袋の口を閉じて冷凍する
「皮をむいたれんこんを使いたい場合は、先にむいてから冷凍してください」(小島さん)
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「冷凍したものをカットする場合は、半解凍して好みの厚みに切ってください。加熱の直前に切り、完全に解凍される前に加熱すると、食感良く仕上がります」(小島さん)
おいしいれんこんの見分け方

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年間を通して手に入りやすいれんこんですが、鮮度やおいしさの見分けが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。保存していたれんこんが傷んでいないか、まだ食べられる状態なのかの見極めも難しいかもしれません。
そこで、れんこんを買うときのポイントや、状態を確認する方法などを小島さんに伺いました。
新鮮でおいしいれんこんを選ぶためのチェックポイント
- 切り口の色:白っぽくきれいな色をしている
- 穴の中の様子:黒ずんでいない
- 穴のサイズ:あまり大小がない
「れんこんは、根元に近い先にできた節は食感がしっかりしていて、先端の若い節のほうがやわらかいという特徴があります。ただ、カットして売られている場合、どれが先にできた節か、見た目での見極めは、野菜ソムリエプロでも難しいです。ちなみに、節によって栄養価が極端に変わるようなことはありません。これ長男かな、次男かななんて予想しながら料理をするのも楽しいですよ」(小島さん)
傷んでいるれんこんはどこで見分ける?
「切り口が茶色や赤色に変色している程度なら、タンニンが酸化して変色した可能性が高いため、食べることはできます。ただし、アクが強くなっている可能性はあるかもしれません。れんこんの穴の中までぬめりがある場合や、酸っぱいニオイを感じたら、腐敗している可能性が高いので、食べるのは避けましょう」(小島さん)
れんこんの栄養素や健康に役立つ効果は?

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「れんこんに豊富に含まれるビタミンCは、でんぷん質に守られているので、加熱しても壊れにくいのが特徴です。また皮付近には、タンニンというポリフェノールの一種が含まれているのも特徴。タンニンは、抗酸化作用の高い栄養素なので、皮ごと食べるのがおすすめです」(小島さん)
れんこんを使ったおすすめレシピ

いますぐ試したい、れんこんを使ったおすすめレシピはこちら!
おわりに
ほくほくとした煮物や、シャキシャキとした酢れんこんやきんぴらなど、特徴的な歯ごたえが魅力のれんこん。年間を通して気軽に手に入り、ビタミンCを豊富に摂取できるので、積極的に食べたい野菜です。鮮度の見極め方を再確認し、新鮮なうちに冷凍保存を活用して、無駄なく使いたいですね。



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