生姜は【冷蔵保存】で1カ月鮮度を保てる!?
提供:小島香住
「生姜は水に浸けて冷蔵保存するだけで、約1カ月、フレッシュな状態をキープできますよ」と小島さん。乾燥してダメにしてしまうことが多い生姜ですが、水に浸けて保存するというのは、まさに目からうろこの方法です。
【保存期間の目安:約1カ月】生姜の冷蔵手順
1.生姜をしっかり洗う
生姜の皮を傷付けないように気を付けながら、汚れをしっかり落とす。
コブの間に泥や汚れが詰まっている場合は、切り落としてキレイに洗う。
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2.保存容器に生姜と水を入れ、冷蔵保存する。
水の量は生姜が浸かる程度。
3.生姜を使うタイミング、もしくは1週間に1回程度、水を交換する。
水に浸けて冷蔵保存するときの注意点
「皮に傷が付いていたり、断面が包丁で切ったような平でなかったりすると、水が汚れて傷みやすくなるので注意が必要です。切り口はどうしてもぬめりやすくなるので、使う際は断面を薄く切り落としてから使うと安心です」(小島さん)
Q.冷蔵保存した生姜をすりおろす場合は?
「必要な分だけを切り取って使います。大きなものをすりおろして、残った生姜をすりおろした断面のまま、再び水に浸して冷蔵保存するのは避けてください」(小島さん)
Q.皮をむいた生姜が余ったら?
「包丁で皮をむいた生姜は、再び水に浸けて冷蔵保存しても問題ありません。ただし、スプーンなどで皮をこそげ取った場合は傷みやすいので、使い切るようにしてください」(小島さん)
新生姜も同じ方法で保存できる?

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「水に浸けて冷蔵保存する方法は、新生姜には向きません。新生姜はキッチンペーパーに包んでから、ポリ袋や野菜保存袋に入れて、野菜室で保存してください。保存期間の目安は約1週間です」(小島さん)
生姜は【冷凍保存】でも1カ月鮮度がキープできる
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「生姜は冷凍保存もしやすい野菜です。使いやすい形にカットしたり、すりおろしたりしてから冷凍しても良いですし、丸ごと冷凍してもOK。丸ごと冷凍した後で、カットすることもできます。また、解凍すると水分が出やすくなるので、その特性を生かしてジンジャーシロップを作るのもおすすめです」(小島さん)
【保存期間の目安:約1カ月】生姜の冷凍手順
カットしてから冷凍する場合
1.生姜をしっかり洗い、薄切りやみじん切り、針生姜など好みの形にカットする
「冷凍する場合は、皮に傷がつかないように注意する必要はありません。タワシで洗っても大丈夫ですよ。また、生姜は皮ごと食べることができるので、針生姜など、皮付きだと見た目が気になる場合以外は皮をむかなくてもOK。むしろ、栄養素を無駄なく取れるので、皮付きのまま調理することをおすすめします」(小島さん)
2.キッチンペーパーなどで軽く押さえて、水分を取る
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3.冷凍可能な保存袋に平になるように入れ、空気を抜きながらジッパーを閉める
「冷凍後に加熱する際は、凍ったまま使うことができます。また、全解凍して生のまま薬味などに使うこともできますよ」(小島さん)
すりおろしてから冷凍する場合
1.生姜をしっかり洗い、すりおろす
「皮付きのまま、すりおろしてOKです」(小島さん)
2.すりおろした生姜を冷凍可能な保存袋に入れ、平らに薄く伸ばし、空気を抜きながらジッパーを閉める
3.使用する際には、凍ったまま必要分を割って使う
「生のおろし生姜として食べるなら常温解凍を、加熱する場合は、凍ったまま調理して大丈夫です」(小島さん)
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丸ごと冷凍する場合
1.生姜をしっかり洗い、キッチンペーパーで水分を拭き取る
2.一つずつラップに包み、冷凍する
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「冷凍生姜は、凍ったままカットすることもできます。また、冷凍生姜をすりおろす場合は、手で持つ部分が解凍されないように、布巾などに包んで作業をすれば、残った部分をラップに包み直して冷凍庫に戻しても大丈夫ですよ」(小島さん)
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新生姜を冷凍する場合
「新生姜もひね生姜(通常の生姜)と同じように、冷凍することができます。薬味として自然解凍して、そのまま使うこともできるので、千切りなど、好みの形にカットしてから冷凍しても良いですね。千切りにして冷凍した生姜に豚のスライス肉などを巻いて焼き、醤油やお砂糖で甘辛く味付けしてもおいしいですよ!」(小島さん)
【保存期間の目安:約1カ月】冷凍生姜で作るジンジャーシロップ
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冷凍した生姜を解凍すると、水分が出やすくなるという特長を生かし、ジンジャーシロップを作るのもおすすめだと小島さん。「炭酸水や水、お湯、紅茶などで割って飲むとおいしいです。ビールで割って、シャンディガフにするのもいいですね」とのこと。
【材料】
生姜…5〜6個(350g)
砂糖…300g
クローブ(ホール) …3g
シナモンスティック … 1本
水…1L
レモン果汁…大さじ2
【手順】
1.レモン果汁以外の材料を鍋に入れ、火にかける
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2.沸騰したら中火にし、20分煮込む
3.生姜とスパイスを取り除き、レモン果汁を加えて混ぜる
4.冷めたら清潔な保存瓶に入れて保存する
保存容器は必ず消毒を !
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「ジンジャーシロップを長期保存するには、保存容器の消毒はマストです。大きな容器は煮沸消毒が困難なので、アルコールスプレーで消毒をするのがおすすめですよ」(小島さん)
【保存期間の目安:約1年】冷凍で手軽に! 新生姜で作る自家製ガリ

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「新生姜はガリ(甘酢漬け)にして食べる方も多いのではないでしょうか。通常、ガリを作るときは生姜を湯通しする必要がありますが、調味料と一緒に冷凍すれば、その手間を省いてもしっかり漬かるので、安心して長期保存ができますよ」(小島さん)
【材料】
新生姜…100g
甘酢用
酢…100ml
砂糖 …75g
塩 … 少々
【手順】
- 洗った新生姜を薄切りにする
- 調味料を鍋に入れて、ひと煮立ちさせる
- 調味料が熱いうちに、1の新生姜を浸す
- 冷めたら汁ごと冷凍可能な保存袋に平らにして入れ、冷凍する
「半日ほど冷凍したら食べられます。一度に食べる分ずつ、小分けして冷凍すると便利です。食べるときは自然解凍してくださいね」(小島さん)
調味料に生姜を【漬けて保存】で、冷蔵庫で約1カ月保存OK
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「生姜は調味料に漬けると、冷蔵庫で長期保存ができます。ご飯のお供になったり、そのまま食べたりと、楽しみ方もいろいろなので、ぜひ試してみてください」(小島さん)
ご飯のお供その1:生姜のオイル漬け

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【材料】
生姜…1個(50g)
塩…ひとつまみ
酢…小さじ1
鶏ガラスープの素…小さじ1/2
ごま油…小さじ1
太白ごま油…大さじ1.5
【手順】
- 生姜をみじん切りにする
- 調味料をすべて混ぜ合わせ、1の生姜を加えてよく混ぜる
- 消毒した瓶などに入れて、冷蔵庫で保存する
- 24時間程度漬ければ完成
ご飯のお供その2:生姜の醤油漬け

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【材料】
生姜…1個(50g)
醤油…25ml
砂糖…大さじ1
酢…大さじ1/2
【手順】
- 生姜をみじん切りにする
- 調味料をすべて混ぜ合わせ、1の生姜を加えてよく混ぜる
- 消毒した瓶などに入れて、冷蔵庫で保存する
- 24時間程度漬ければ完成
新生姜で作りたい! 生姜のはちみつ漬け

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【材料】
生姜(新生姜)
はちみつ
【手順】
- お好みの量の生姜、または新生姜を洗い薄切りにする
- 消毒した瓶などに1の生姜を入れ、生姜が浸かる程度まではちみつを入れる
- 冷蔵庫で保存する
「1〜2日程度で食べられるようになります。半日程度漬けておけば水分が出てくるので、早めに食べたい場合は半日後くらいから食べることができますよ。ひね生姜(通常の生姜)でも作ることができますが、新生姜のほうが口当たりが優しくておすすめです」(小島さん)
生姜の【常温保存】はNG

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「生姜の適正保存環境は、温度15℃、湿度95%です。スーパーで売られている生姜は、基本的に常温保存は推奨できません。もし、土付きの生姜が手に入った場合は、土が付いたままキッチンペーパーや新聞紙に包み、ポリ袋などに入れて常温で保存できますが、保存期間の目安は2〜3日と短めです」(小島さん)
いまさら聞けない!? 生姜調理の疑問を解決
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「『生姜ひとかけ』の大きさがわからない」「すりおろし生姜をうまく作るコツは?」といった、生姜調理の疑問に、小島さんが答えてくれました。
Q.生姜ひとかけってどのくらい?
「レシピなどで、よく登場する生姜ひとかけとは、重量でいうと約15g。親指の第一関節までより、一回り大きめくらいが目安でしょうか。生姜のコブ1つ分と考えても良いですね」(小島さん)
Q.生姜って皮をむかなくても良いの?
「生姜の皮には、生姜特有のジンゲロールやショウガオールが豊富に含まれます。皮をむくと香りも弱まるので、栄養素を丸ごと取るためにも、皮ごと食べるのがおすすめです。ただし針生姜などの色をキレイに仕上げたい場合は、皮をむくと良いでしょう」(小島さん)
生姜のコブの付け根や節などには、汚れがたまりがちなので、皮ごと食べる場合は、節の部分でカットして、丁寧に汚れを落としてから調理するのがポイントだそう。
Q.生姜を切るときは方向に注意したほうがいい?
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「生姜は、皮のしま模様と垂直に繊維が通っています。繊維の向きに沿って切ると、包丁の刃が入りやすく、食感が残りやすくなります。繊維を断ち切るように切ると、やわらかな食感になりますが、包丁やスライサーに繊維が引っかかりやすくなるので、注意してください」(小島さん)
Q.生姜を上手にすりおろすコツってある?

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「繊維の向きに対して垂直にすりおろすと、繊維が取り出しやすく、スムーズにすりおろせます。また、伝統的な金属製のおろし金や、丸い穴があいているような和式のおろし器を使うと、ふわふわな食感になりやすいです」(小島さん)

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「一方で、グレーターと呼ばれる洋式のおろし器ですりおろすと、香りが残りやすいという特徴があります」(小島さん)
Q.生姜をたたくってどうやるの?
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「生姜をたたく際は、飛び散りやすいので、ポリ袋や保存袋などに入れて、麺棒などで割るようにたたいてください」(小島さん)
おいしい生姜の見分け方

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スーパーなどで、年間を通して販売されている生姜(ひね生姜)と、秋に旬を迎える新生姜について、それぞれおいしい生姜の見分け方を小島さんに聞きました。
ひね生姜の選び方
- 皮に傷がないもの
- 表面が滑らかなもの
- しま模様が等間隔のもの
- ふっくらしたもの
- 切り口が黒ずんでいないもの
新生姜の選び方
- クリーム色とピンク色
- 表面がカサカサに乾いていないもの
- 皮に傷がないもの
- 切り口がきれいなもの
「ひね生姜は、傷むととろけるようになるので、そのような箇所がないかをよく確認すると良いでしょう。また、コブが付いていると、ひとかけの目安にしやすいですが、小さすぎるコブが、たくさん付いているようなものは使いにくいので、選ぶ際にはコブのサイズ感もチェックするのがおすすめです。コブが大きめの生姜は、冷蔵保存をする場合にも、鮮度が保ちやすいですよ」(小島さん)
生姜の栄養素や健康に役立つ効果は?

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「生姜特有の辛み成分・ジンゲロールは血行促進作用があり、身体を温める働きがあります。ジンゲロールは加熱するとショウガオールに変わり、また、加熱することで香り成分のジンゲロンが生成されます。
ジンゲロンは、香料に使われることもある成分です。そのため、生姜は加熱すると、ショウガオールが胃腸を刺激して内臓の働きを促進し、さらにジンゲロンの香りによって食欲が増進します
また生姜は生で食べると、ジンゲロールの辛み成分により発汗が促されるので、表面体温を下げることで、こもった熱を外に出す働きも期待できます。夏は生で食べるのもおすすめですよ」(小島さん)
出典:https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1811/01.html
生姜を使ったおすすめレシピ
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おわりに
生姜は和洋中のさまざまな料理に使えて、調理方法が豊富な野菜です。コツさえ知っていれば、冷蔵で長期保存が可能なことがわかりました。また、調味料と合わせて保存することで、さらに活用の幅が広がるのも魅力です。用途にあった保存方法を選んで、生姜を無駄なく使い切りたいですね。



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