長ネギは新鮮なまま長期の「冷蔵保存」が可能!
提供:小島香住
地域によっては白ネギとも呼ばれる長ネギ。野菜室に転がしておいたら乾燥して使えなくなったという経験がありませんか? 長ネギは冷蔵庫に入れてもあまり日持ちしないイメージがあるかもしれません。でも、小島さんによると、長ネギは冷蔵で1カ月も鮮度を保てる長期保存向けの野菜だそうです。長期保存のコツを教えていただきました。
【保存期間の目安:約1カ月】カットして立てて冷蔵保存
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「長ネギを買ってきたらまず、保存袋や冷蔵庫のサイズに合わせてカットします。緑の部分と白い部分を分けるように切り分けると良いですね。それをぬらしたキッチンペーパーで包み、立てて冷蔵保存します。このように、野菜は育った環境に近い状態で保存すると、ストレスが軽減され、より長く鮮度を保つことができるんです。またカビなどを防ぐために、根がついている場合は、切り落とすのがポイントです」(小島さん)
保存の適温は0〜5℃なので、冷蔵室の方が適しています。しかし、立てて保存できる場所が温度変化の激しいドアポケットしかない場合は、スペースに合わせて長ネギをカットして、温度が安定した野菜室に保存した方がベターなのだそう。
【手順】
- 根を切り落とし、白と緑の部分に切り分ける
- 保存袋や冷蔵庫に立てて入るサイズに合わせて切る
- ぬらしたキッチンペーパーでそれぞれを包む
- 保存袋に入れ、野菜室に立てて保存する
「キッチンペーパーにしっかりと水を含ませるのがポイントです。保存袋に水がたまらない程度を目安にしてください。またポリ袋よりは保存袋の方が、水分の蒸発や匂いの漏れを防げるのでおすすめです」(小島さん)
緑の部分も捨てずに有効活用!
「やわらかい部分はヌタなどの料理に使われますね。また肉類をゆでたり煮たりするときの臭み消しに使う人も多いのではないでしょうか。長ネギの緑の部分は緑黄色野菜に分類されます。β-カロテンが豊富で、白い部分よりも甘みがあるのが特徴ですので、みじん切りにしてチャーハンに入れたり、肉料理の彩りとして上に散らしたり、捨てずに有効活用することをおすすめします」(小島さん)
甘みを引き出す長ネギの「冷凍保存」の方法
「長ネギはそのままでも、刻んでも冷凍保存することができます。生特有のシャキシャキとした食感はやや失われますが、冷凍すると甘みが増すので加熱料理におすすめです。使うときは解凍せずそのまま加熱できます。もちろん生のまま薬味にもできますよ」(小島さん)
長ネギの冷凍保存の方法について、小島さんに詳しく教えていただきました。
【保存期間の目安:約1カ月】丸ごと冷凍
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「長ネギは1本そのまま冷凍してもカチカチに凍ってしまうことはないので、凍ったまま好みの大きさに切り分けられるのもメリットですね」(小島さん)
【丸ごと冷凍の手順】
- 長ネギを洗い、キッチンペーパーなどで水気を拭き取る
- 冷蔵保存と同様に根を切り落とし、緑の部分と白い部分に切り分ける
- 冷凍保存袋に入るサイズに合わせて切る
- それぞれをラップに包み、冷凍保存袋に入れて冷凍する
【保存期間の目安:約1カ月】刻んで冷凍

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「長ネギに含まれる殺菌成分・アリシンや硫化アリルは揮発性なので、刻んで加熱したり冷蔵保存をすると抜けていきますが、冷凍保存なら損失を最小限に抑えることが可能です。
小口切りにした長ネギを冷凍する場合、塊になってしまうと使いにくいので、ラップなどで使いやすい量を小分けにしてから冷凍するのがおすすめ。斜め切りやみじん切りにするなら、なるべく薄く広げて凍らせると、調理の際にパキパキと折って取り出すことができて便利です」(小島さん)
【刻んで冷凍する手順】
- 長ネギを洗って小口切り、みじん切り、斜め切りなどにする
- 小口切りにしたものはラップで小分けする
- 薄く広げて冷凍保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍する
「刻んで冷凍した長ネギは、薬味として生のまま食べることもできますが、食感は少し損なわれます。また冷凍することで細胞が壊れることで辛みは感じにくくなるため、生の食感や辛みが好きな方は、物足りなく感じるかもしれません。さらに辛みを和らげるために水さらしをするならば、冷凍前に行い、しっかりと水気を拭き取ってから冷凍してください」(小島さん)
長ネギの上手な「常温保存」の方法
次に、長ネギの常温保存について、小島さんに教えていただきました。
【保存期間の目安:約1週間】新聞紙に包んで保存
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「長ネギは保存の適温が0〜5℃ですから、本来は常温保存に向きません。緑色の葉先が切られていない長ネギに限り、気温が低い冬に室温の低い冷暗所であれば、新聞紙に包んで立てた状態で約1週間程度は保存できるでしょう」(小島さん)
【保存期間の目安:約2カ月】土付きネギ限定の裏技! 土に埋めて長期保存
「洗ってある長ネギと違い、多めの本数がまとめて売られていることも多い土付きネギは、土に埋めるとなんと約2カ月も保存することができます。庭に埋めるスペースがなくても、ある程度高さのあるプランターや鉢、大きいペットボトルなどを使えばOK。葉の部分を残して白い部分を土に埋めるようにしてください」(小島さん)
真っすぐに立てて埋めるほどの深さがなくても、斜めに埋めても大丈夫とのこと。
「この場合、本能で葉が真っすぐ上に伸びようとするため、ネギが曲がっていきますが、特に問題はありません。むしろ同様の原理を利用した『曲がりネギ』もあるくらいです。これはネギにストレス負荷をかけて、白い部分をやわらかく甘く育てる栽培方法なんですよ」(小島さん)
長ネギの根元の部分を使ってリボベジも可能

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「長ネギの根元部分を使って、再生野菜・リボベジとして常温で緑の葉の部分を育てることもできます。毎日容器は洗い、水も取り換えると良いでしょう。カビが生えてきたら捨てるようにしてくださいね」(小島さん)
長ネギのリボベジについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。参考にしてみてくださいね!
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ネギをリボベジ! プロから学ぶ再生野菜【リボベジ生活のススメ vol.2】
長ネギの栄養素や健康に役立つ効果は?

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「長ネギに含まれる辛み成分・硫化アリルは生で食べると血液をサラサラにする効果が期待できます。また加熱すると甘み成分に変わるのも特徴です。そして、カルシウムや葉酸、β-カロテンが豊富です。緑黄色野菜に分類される緑色の部分は、ビタミンCやビタミンKも白い部分より多く含まれます」(小島さん)
おいしいネギの見分け方

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東日本でネギといえば「長ネギ」(白ネギ)ですが、西日本では、ネギ=「葉ネギ」(青ネギ)というイメージがあります。最近では用途に応じて長ネギと葉ネギを使い分けることが増えています。
そこで、おいしい長ネギと葉ネギの選び方を小島さんに伺いました。
新鮮でおいしい「長ネギ」を選ぶなら
- 葉巻がしっかりと詰まってふかふかしていないもの
- 白と緑色の境目がはっきりしているもの
- ハリツヤがあり乾燥していないもの
- 太さが上から下まで均一なもの
新鮮でおいしい「葉ネギ」を選ぶなら
「葉ネギは鮮度を保つために空輸で運ばれるブランド品種があるほど、鮮度がおいしさに直結する野菜です。葉先が枯れているものは収穫から時間がたってしまっている証拠なので、避けた方が良いでしょう」(小島さん)
- 葉先まで緑色が濃く、葉が真っすぐに伸びているもの
- 根がしっかりとしていてキレイなもの
葉ネギの保存法
「葉ネギは長ネギと同じように、ぬらしたキッチンペーパーを巻いて冷蔵保存するのが基本です。ただし、キッチンペーパーは、長ネギのときより少し強めに絞って使うと良いでしょう。また刻んで冷凍保存することもできますよ」(小島さん)
長ネギを使ったおいしいレシピ
今すぐ試したい、長ネギを使ったおすすめレシピはこちら!

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おわりに
ネギにはさまざまな種類がありますが、保存方法に大きな違いがなく、気をつければ長期保存も可能だということが分かりました。特に土付きの長ネギなら土に埋めて長期保存できるというのは驚きですね。ネギは栄養が豊富な上、いろいろな調理法で毎日のように使える野菜なので、上手に保存・活用していきたいですね。