【保存期間の目安:約1カ月】土付きの里芋は「常温保存」が基本!

提供:小島香住
「旬が秋〜初冬の里芋は、室温が10℃〜25℃なら常温保存が最適です。ただし、直射日光が当たらない場所で保存すること、湿気がこもらないように気をつけることがポイント。里芋は土がついたまま売られていることも多いですが、土付きの場合は販売用の袋から出して、新聞紙やキッチンペーパーで包んでから紙袋などに入れて保存します」(小島さん)
里芋を常温保存する手順
- 里芋をキッチンペーパーで包む(新聞紙があればまとめて包んでもOK)
- 紙袋に入れたら袋の口を折って、直射日光の当たらない場所で保存する
「里芋を常温保存するなら、カビなどを防ぐためにポリ袋ではなく紙袋に入れてまとめると良いでしょう。写真ではキッチンペーパーが小さいので里芋を一つ一つ包んでいますが、新聞紙があれば、まとめて包んでもOKですし、その状態でまとまるなら紙袋は不要です。もし買ってきた里芋が湿っていた場合は、乾燥させてから保存するようにしてください」(小島さん)
【保存期間の目安:約1カ月】夏場や洗い里芋は野菜室で「冷蔵保存」

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「室温が25℃を超える夏場に里芋を保存する場合は、野菜室での冷蔵保存に切り替えましょう。冷蔵保存する場合は、紙袋ではなくポリ袋や野菜保存袋に入れてまとめてください。また、土をあらかじめ落としてから売られている洗い里芋は、夏場以外でも冷蔵保存を推奨します。里芋は土が剥がれると水分が抜けやすく、傷みやすくなるので注意してくださいね」(小島さん)
里芋を冷蔵保存する手順
- 里芋をキッチンペーパーや新聞紙で包む
- 野菜保存袋やポリ袋に入れて口を閉じ、野菜室で保存する
「冷蔵庫は空気がこもりがちなので、土付き里芋は保存前に風通しの良い室内で土をしっかり乾燥させてカビを防ぐのがポイントです」(小島さん)
【保存期間の目安:約1カ月】「冷凍保存」した里芋は短時間で味がシミシミに!

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「里芋は冷凍しても風味や食感が損なわれにくい野菜です。また一度冷凍することで味が染みやすくなるので調理時間の短縮にもなります。そして何より、買ってきた状態から栄養素の変化が起こりにくいのが冷凍保存のメリット。常温保存中に気温や湿度の変化からうっかり腐敗させてしまうといった失敗が心配な人にも冷凍保存はおすすめです」(小島さん)
里芋は生でも加熱してからでも冷凍保存ができるので、自分に合った方法で冷凍保存すると良いそう。以下にそれぞれの手順を解説します。
里芋を生のまま皮ごと冷凍する手順
- 里芋を洗った後、キッチンペーパーで水気を拭き取る
- 1個ずつラップで包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍する
里芋の土を上手に落とすコツは?

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「里芋についた土は、たわしなどで優しくこすり洗いをするとキレイに落とせますよ。たわしがなくても、丸めたアルミホイルで代用できるので、試してみてくださいね」(小島さん)
皮ごと冷凍した生の里芋の調理方法は?
「冷凍状態のまま加熱します。ゆでる場合は沸騰したお湯で10分程度茹でてください。おすすめは電子レンジ加熱。6個程度を600wで2分加熱したら、上下をひっくり返して再度2分加熱すると、ムラなく火が通ります」(小島さん)
加熱してから冷凍するならホイル焼きがおすすめ!
「里芋を加熱してから冷凍する場合は、ゆでるより、皮付きのまま魚焼きグリルでホイル焼きにするのがおすすめです。お湯を沸かす手間もなく、洗い物が最小限で、栄養素の流出もないと良いことずくめなんですよ」(小島さん)
魚焼きグリルで里芋をホイル焼きにする手順
- 洗った里芋をアルミホイルで包む
- 魚焼きグリルで10分焼く
- つまようじを刺してスッと通るほどやわらかくなっていればOK
「里芋は加熱すると、手で簡単に皮がむけます。生の状態で皮をむくとぬめりが気になるという方はぜひこの方法を試してみてください」(小島さん)

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加熱した里芋を冷凍する手順

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- 加熱して皮をむいた里芋をジッパー付き保存袋に入れる
- なるべく空気を抜いて保存袋の口を閉じ、冷凍する
時短で味染み! 加熱後冷凍した里芋で煮物を作ろう
「味がしっかり染みた里芋の煮物を作ろうとすると、それなりに時間がかかりますよね。でも加熱後に冷凍した里芋を使えば、味が染み込むまで約10分! 常備しておくと重宝しますよ」(小島さん)
【材料】
冷凍里芋…200g
酒…25ml
しょうゆ…大さじ1
砂糖…大さじ1
水…200ml
【手順】
- 鍋に材料をすべて入れ、中火にかける
- 煮立ったら弱火にして落としぶた蓋をして10分煮込む
里芋を触ってかゆみが出るのを防ぐには?!
「里芋のぬめりの元はシュウ酸カルシウムという物質で、このぬめりがかゆみにつながることがあります。ぬめりを肌に付けないためには、加熱してから皮をむくのが一つの策。また水にぬれることでぬめりが出やすくなるので、生の里芋の皮をむくときには、水気に注意。里芋本体だけでなく、包丁やまな板などの調理器具もぬれていないか気をつけましょう」(小島さん)
里芋の栄養素や健康に役立つ効果は?

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イモ類=高カロリーと思いがちですが、里芋はイモ類の中ではカロリーが低いので、摂取カロリーを気にする人にとっては安心です。
また、小島さんによると、「特有のぬめりや粘りは水溶性食物繊維で、胃や腸の粘膜を保護したり、血糖値上昇を抑える働きも。カリウムも豊富なので、むくみが気になる人にはおすすめです」とのこと。日々の食事に積極的に取り入れたい食材ですね。
おいしい里芋の見分け方

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新鮮でおいしい里芋を選びたいなら、以下のポイントを参考に。
- 洗い里芋より土付きの里芋
- しま模様がはっきりしているもの
- 周りについた土が湿っているもの
「里芋についている土が湿っているのがとれたてのサインです。保存の前に乾燥させる必要がありますが、新鮮な里芋を選びたいなら湿った土がついているものを。また皮が緑色になっている里芋は避けてください。緑化したじゃがいもとは違い、食べても毒性はありませんが、えぐみがありおいしくないのでご注意を」(小島さん)
里芋を使ったおいしいレシピ

TOKYO GAS
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おわりに
保存中に腐らせてしまうことも案外多い里芋ですが、ポイントをおさえれば常温保存でかなり長持ちすることがわかりました。また、皮むきも簡単にできる加熱方法や冷凍保存で時短調理が可能になることを知ると、里芋料理のハードルがぐっと下がりそうです。栄養的にもメリットの多い里芋を今まで以上に食卓に登場させてみませんか。
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