【保存期間の目安:約3日】ほうれん草を買ってきたら、まずは基本の「冷蔵保存」

提供:小島香住
「ほうれん草は冷蔵で保存し、購入から3日以内には食べ切りましょう。購入後1週間程度は腐ることはありませんが、重要な栄養素であるビタミンCは3日で半減するといわれています。そのため、すぐに使わないなら冷凍保存を活用することをおすすめします」(小島さん)
ほうれん草を冷蔵保存する手順
- かるく湿らせたキッチンペーパーで、ほうれん草を株ごと包む
- ポリ袋に入れ、カップや容器に立てて野菜室に保存する
「冷蔵保存の場合、ほうれん草を洗うのは使うタイミングでOK。ほうれん草を包むキッチンペーパーは、ぬらしてからぎゅっと絞って使ってください。ほうれん草の保存適温は0度なので、野菜室より冷蔵室の方が適温ではありますが、ほうれん草にストレスを与えないよう立てて保存ができる野菜室を推奨します」(小島さん)
冷蔵室のドアポケットは立てて保存ができても、温度変化が激しい場所なので避けた方が良いそうです。
ほうれん草の根元をキレイに洗うには?
「ほうれん草は根っこまで食べられるので、ほとんど捨てる部分がない野菜。ただし根元に泥などが残っていることが多いので、キレイに洗い流してくださいね。コツを知っていれば簡単です」(小島さん)
【手順】
1.ほうれん草の根に十字の切り込みを入れる(株が細い場合は一文字の切り込みでもOK)

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2.流水をあてながら根元を洗う

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3.ボウルに水をはり、茎と葉をふり洗いする
ほうれん草はゆでなくてもあく抜きできる?
「ほうれん草には尿路結石の原因ともいわれるシュウ酸が多く含まれることから、下ゆでしてあくを抜かなければならないというイメージがあります。でも炒め調理しながらあく抜きをすることもできるんですよ」(小島さん)
小島さんに、簡単で時短が可能なほうれん草のあく抜き法を伝授してもらいました。
【手順】
- ほうれん草を洗って、ざく切りにする
- フライパンに油を熱し、塩をひとつまみ加える
- ほうれん草を加えて炒め、出てきた水分をペーパーで拭き取る

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炒める過程で出てくる水分と一緒にあくが抜けるのだそう。湯を沸かしたり、ゆでてから水切りしたりする手間が不要なので、ほうれん草を炒め調理する場合にはぜひ試してみてください。
【保存期間の目安:約1カ月】ほうれん草は「冷凍保存」でのストックが便利

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「ほうれん草は生のままでも、加熱してからでも冷凍保存が可能です。下ゆでしてから冷凍すれば省スペースでストックすることもできます」(小島さん)
ほうれん草を生のまま冷凍保存すると、ゆで時間が短縮できる
- ほうれん草を洗い、しっかり水気を拭き取る
- 乾いたまな板で3〜4cmくらいにざく切りにする
- 保存袋に入れ平らにならして空気を抜いて冷凍保存する
「ほうれん草の水気をとるには、キッチンペーパーで押さえるようにして水気を吸い取ることを繰り返します。また、生のまま冷凍すると葉が割れやすくなりますが、小分けにして冷凍することでダメージを少なくできるでしょう」(小島さん)
生のまま冷凍したほうれん草を食感良く調理するには?
「凍ったまま熱湯で30秒ほどゆでてください。生をゆでるより短時間で火が通るのも冷凍保存のメリットです」(小島さん)
ほうれん草の甘さを引き出したいなら、下ゆでしてから冷凍保存を
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「冷凍保存のために下ゆでする場合は、ゆでてそのまま食べるときよりも加熱時間を10秒程度短くしてください。ゆでたほうれん草の水気を絞るときに巻きすを使うと、葉が破れにくく、食感も守られます」(小島さん)
1.大きめの鍋やフライパンに湯を沸かし、塩を加える
※水1リットルに対して塩小さじ1の割合
2.沸騰した湯に、ほうれん草の根元を30秒浸した後、全体を湯に浸けて20秒ゆでる

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3.氷水で冷やしてから巻き簀に並べる

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4.巻きすで巻いて水気を切る

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5.3~4cmの長さに切り分け、ラップで包んで保存袋に入れて冷凍する
下ゆで冷凍のほうれん草なら解凍しながら一品が完成

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【材料】
下ゆでして冷凍したほうれん草…100g
薄めためんつゆや白だし…大さじ2
削りかつお…適宜
【手順】
- 凍ったままのほうれん草にだしをかける
- 解凍されたら混ぜ、お好みで削りかつおをトッピングする
「同様の方法でごまあえやナムルなども作れます。調味料をかけておき、最後に混ぜるだけで完成です。冷蔵庫でゆっくり解凍した方が食感が保たれるので、夕飯のおかずにするなら当日の朝や、前夜に準備するのが良いですね」(小島さん)
ほうれん草の栄養素や健康に役立つ効果は?

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ほうれん草には鉄分が含まれていることはよく知られていますが、ほうれん草の栄養成分にはどのような特徴があるのでしょうか。
「ほうれん草の鉄分は、ビタミンCと一緒にとることで吸収率がアップする非ヘム鉄です。しかもほうれん草自体にビタミンCが豊富なので、効率的に鉄分を摂取することができるのです。ただしビタミンCは水溶性のビタミンなので、ゆで調理などによる流失に注意しましょう。また、β-カロテンも豊富に含まれるため抗酸化作用も期待できます。そのほか、血液凝固や骨の形成を促進するビタミンKも含まれていますよ」(小島さん)
おいしいほうれん草の見分け方

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新鮮でおいしいほうれん草を購入するためには、葉が厚めでハリがあり、緑色が鮮やかなものを選ぶと良いそうです。
また、冬採りのほうれん草は、夏採りのものに比べてビタミンCの量が3倍になっているそう!
「最近では季節を問わず簡単に手に入るようになったほうれん草ですが、これは冬が旬の東洋種に、初夏が旬の西洋種を交雑した品種が主流になったため。生食に適したサラダほうれん草も多く流通していますし、冬には霜を当てて甘さを引き出したちぢみほうれん草なども登場するので、多彩な味わいを楽しむこともできます」(小島さん)
ほうれん草を使ったおいしいレシピ

TOKYO GAS
今すぐ試したい、ほうれん草を使ったおすすめレシピはこちら!
おわりに
ほうれん草の冷蔵保存にちょっとしたコツがあることや、下ゆで冷凍したほうれん草で簡単に副菜が1品作れるワザなど、知っていると便利な情報がいろいろ。上手な保存法を知っておけば、栄養豊富なほうれん草をお得にまとめ買いして有効活用ができそうですね。