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ブロッコリー

ブロッコリーの保存は生のまま冷凍! 水っぽくならない解凍技も伝授

野菜室に入れていたブロッコリー、油断していると黄色く変色したり、ツボミが開いていてガッカリ…そんな人は今日から生のまま冷凍庫に入れることをおすすめします。また、数日のうちに使う予定があるなら野菜室よりベストな保存場所があるのだそう。冷凍したブロッコリーでもコリッとした食感を残せる方法や、ゆでるより栄養素を残せる調理法まで、野菜ソムリエで管理栄養士の小島香住さんに教えていただきました。

最終更新日:2025.2.19

目 次

【保存期間の目安:約1カ月】イチオシのブロッコリー保存は生のまま「冷凍保存」

ブロッコリー_生で冷凍

提供:小島香住

ブロッコリーは野菜室で保存すると、あまり日持ちのしない野菜という印象はありませんか? とはいえ、買い物から帰ってきた後に、ブロッコリーをゆでてから冷凍するのはちょっと面倒ですよね。実は、手間いらずで長期保存できる方法があると小島さん。

「ブロッコリーは生のまま冷凍すれば1カ月程度保存することができます」(小島さん)

保存する前に知っておきたい、ブロッコリーの正しい洗い方

ブロッコリーを冷凍する時は、凍ったまま調理できるように、洗ってから冷凍するのが鉄則です。
ところが意外と知られていないのがブロッコリーの正しい洗い方。

「ブロッコリーは上から水をかけてもはじいてしまい、房の内側までしっかりと洗うことができません。きれいに洗うにはちょっとしたコツがあります」(小島さん)

ブロッコリー_ふり洗い

提供:小島香住

  1. ボウルにブロッコリーの房が入るくらいの水を入れる
  2. ブロッコリーの茎をもち、房を下向きにして水の中に入れる
  3. 手首をひねるようにくるくると回してふり洗いする


「殺菌効果をプラスするには、1Lの水に対して大さじ1杯の酢を入れると良いですよ」(小島さん)

ブロッコリーを生のまま冷凍する方法

ブロッコリーを1週間以上保存したい場合は、購入後すぐ生のまま冷凍するのがおすすめ。1カ月ぐらいの長期保存が可能で、食べたい分だけ取り出せます。また、栄養素の損失も最小限にできるのがメリットだと小島さんは話します。

【手順】

  1. ブロッコリーを洗って水気を切る
  2. 小房に切り分ける
  3. ジッパー付き保存袋に入れて冷凍する


「洗ったブロッコリーは下に向けたまま水気を切り、表面をキッチンペーパーでふけばOKです。房の表面に油膜があるので水をはじく反面、水切れが良いのがブロッコリーの良いところ。小房に分ける場合は、好みの大きさで良いですが、なるべくサイズをそろえておくと、加熱調理時に均一に火が通りやすいですよ」(小島さん)

冷凍ブロッコリーは、歯ごたえも楽しめる焼き調理で解凍!

「ブロッコリーの房は小さなツボミが集まったもの。冷凍したブロッコリーはツボミが崩れやすいので、加熱調理する場合はあまり触らないように気をつけてください。コリッとした食感を楽しみたいときは冷凍のまま焼くのが水っぽくならないコツ。表面に軽く焼き色がつく程度焼けばOKです」(小島さん)

小島さんによると、冷凍すると細胞が壊れるため熱が入りやすくなるので時短調理できるそう。また水でゆでないことで栄養素の流出も最低限に抑えられるとのことです。

「焼いた冷凍ブロッコリーは、甘みやうまみが凝縮されていて家族にも好評。わが家ではほかの食べ方ができなくなりました(笑)。サラダでもあえ物でも、ゆでブロッコリーと同じように料理に使えます」(小島さん)

ブロッコリーを加熱してから冷凍する方法

「冷凍ブロッコリーを自然解凍してそのまま食べたいなら、冷凍する前に加熱しても大丈夫です。ただし解凍するとやわらかくなってしまうので、ほどよい食感を残したい人は少し硬めに火を通しておくのが良いですよ」(小島さん)

ブロッコリーを冷凍前に加熱する場合、小島さんのおすすめは、フライパンを使って「蒸す」方法です。ゆでるよりも栄養素をキープしやすく、短時間で仕上がり、食感はゆでたものと変わらないのでメリット大です。

ブロッコリー_フライパン蒸し

提供:小島香住

【ブロッコリーのフライパン蒸し手順】

  1. ブロッコリーを洗って小房に分ける
  2. 火をつける前のフライパンに、ブロッコリーと水(ブロッコリー1株分につき約100cc)、お好みで塩ひとつまみ(小さじ1/3〜1/2)を入れる
  3. フタをして中火にかける
  4. フライパンに入れた水が沸騰したら、約3分を目安にざるにあげて、そのまま冷ます


「ブロッコリーの栄養素は水に流出しやすいので、加熱後はざるにあげたら水につけずにそのまま冷まします」(小島さん)

【加熱したブロッコリーの冷凍手順】

  1. ブロッコリーが冷めたらキッチンペーパーなどで軽くおさえて水気をとる
  2. ジッパー付きの保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて口を閉じたら冷凍する

【保存期間の目安:約1週間】ブロッコリーの「冷蔵保存」は野菜室ではなく冷蔵室に!

ブロッコリー_フライパン蒸し

提供:小島香住

ブロッコリーを購入してから1週間以内に食べるなら、下処理なしに保存できる「冷蔵」がおすすめです。

「生ブロッコリーの最適な保存温度は0〜5℃です。3〜7℃の野菜室よりも、0℃設定のチルド室の方が適温です。ただし、野菜は栽培されていた状態に近づけて保存するのが一番ストレスを与えにくく、劣化を抑えることができるので、立てて保存ができる2〜6℃設定の冷蔵室がベストな保存場所といえます」(小島さん)

また、ブロッコリーはエチレンガスを発生させるので、そのまま野菜室などに入れると、他の野菜や果物の劣化を早めてしまうため注意が必要です。もちろんブロッコリー自体も乾燥が進んで、しわしわになったり変色したりするので、冷蔵保存するときは、必ずポリ袋などに入れましょう。

【手順】

  1. 湿らせたキッチンペーパーでブロッコリーを包む
  2. ポリ袋に入れて、コップなどを使い冷蔵室の倒れにくい場所に立てて保存する

【保存期間の目安:約1〜3日】加熱後の冷蔵保存は日数注意

ブロッコリー_タッパーで保存

提供:小島香住

「ゆでたり蒸したりしたブロッコリーが余ったら、冷ました後保存容器に入れれば冷蔵保存も可能です。しかし、冷蔵保存はあまり日持ちがしないので早めに食べ切ってくださいね」(小島さん)

ブロッコリーは常温保存しない

「保存適温からもわかるように、ブロッコリーは常温保存にはむかない野菜です。水分が抜ける、つぼみが成長して開花する、開花しようとして栄養素を消費するなど、デメリットしかないので、常温に置くことは避けましょう」(小島さん)

黄色くなってしまったブロッコリーは食べられる?

「食べられます。ポタージュや、クラッカーやバゲットにつけて食べるディップソースのような形が残らない料理に使えば、見た目がさほど気にならないのでおすすめです」(小島さん)

ブロッコリーのディップソース

ブロッコリー_ディップ

提供:小島香住

【材料】約1人分
ブロッコリー…1株

<A>
ツナ缶…1缶
オリーブオイル…大2〜3
塩胡椒…適量
好みでマヨネーズやクリームチーズ(好みの固さに調整)

【作り方】

  1. ブロッコリーを洗って小房に分け、フライパン蒸しする(約5分)
  2. ミキサーやフードプロセッサーに水気をとった1.と<A>を混ぜてすりつぶす


「全ての材料をまな板の上でみじん切りにしながら混ぜ合わせてもOK。写真のように、お好みでピンクペッパーなどを散らしてもおいしいです。日持ちはしないので、調理当日に食べ切ってください」(小島さん)

ブロッコリーの栄養素や健康に役立つ効果は?

ブロッコリーとミニトマトの炒め物

PIXTA

「ブロッコリーはビタミンCが140mg/100gと非常に豊富で、ゆでても55mg/100gは残るのが特徴です。β-カロテンが豊富な緑黄色野菜でもあり、カルシウム代謝に役立つビタミンKも含まれます。ちなみにブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトは、高い抗酸化作用で注目される高濃度なスルフォラファンが含まれるので、こちらもぜひ食べてみてくださいね」(小島さん)

おいしいブロッコリーの見分け方

ブロッコリー

PIXTA

最近は一年中、スーパーなどで気軽に手に入るブロッコリー。輸入ものも増えていて、生鮮ならメキシコやアメリカ、冷凍ならエクアドルや中国産のものも売られています。とはいえ四季のある日本では、収穫時期がずれる産地リレーで、通年を通して国産のブロッコリーを食べることができます。

ちなみにブロッコリーの旬は冬。おいしいブロッコリーを選ぶには以下のことに注意して選ぶと良いそう。

  • 緑色が濃くツヤがあるもの
  • 花蕾がしまっていてハリがあり、こんもりとしているもの
  • 切り口に大きなスが入っていないもの


「寒い時期に紫がかったブロッコリーに出会えたらラッキーです。ブロッコリーは寒さに当たるとアントシアニンという成分が生成されて、房が紫がかった色になります。これは冷気が直接当たった頭頂部に見られることが多く、ブロッコリーが寒さから身を守ろうと糖度を高めたサイン。加熱すれば緑色になるので、食べる時の見た目は変わりません。甘みが増した旬の味を楽しんでみてくださいね」(小島さん)

ブロッコリーを使ったおいしいレシピ

今すぐ試したい、ブロッコリーを使ったおすすめレシピはこちら!

おわりに

ブロッコリーの調理といえば、まずお湯を沸かすというイメージがあり少し面倒な印象でした。しかし、生のまま冷凍したりと、思いの外手軽で、保存や料理方法に幅があることがわかりましたね。料理の彩りとしてはもちろん、主役級にもなり得る野菜なので、どんどん食べる機会を増やしていきたいですね。

  • この記事取材先

    小島香住

    野菜ソムリエプロ/管理栄養士/ベジフルビューティーセルフアドバイザー/冷凍生活アドバイザー

    小島香住

    高校時代に食べ物と体の関係に興味を持ち、管理栄養士専攻科の大学に進学。大手食品メーカーでコンビニエンスストアのメニューや自社商品の企画開発に従事するかたわら、野菜ソムリエプロの資格を取得。フリーランスに転身後は企業のレシピ開発や食関連のPR活動、コラム執筆やセミナー講師としても活躍中。
    https://kasumivegefru.shin8.biz

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公開日:2025.2.14

最終更新日:2025.2.19

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