給湯器をつけっぱなしにすると料金がかさむ?
給湯器のリモコンパネルには、「運転」や「入/切」というスイッチがありますが、利用する度につけたり消したりせず、ずっと「入」の状態にしてあるという家庭も少なくありません。
これは「常時給湯器が働き続けている=お金がかかっている」という状況なのでしょうか。
給湯器はつけっぱなしでもガス代はかからない
給湯器のスイッチを「入」にしてつけっぱなしにしているだけでは、ガス代はかかりません。ガス代がかかるのは給湯や温水式床暖房・追い焚きを利用した時だけです。
ガス給湯器でお湯を使用する際は、機器が水流を感知すると必要な部品が稼働して燃焼がスタートし、ここで初めてガスを消費する仕組みだからです。
「うっかり稼働」には注意を
お湯を使ったり温水式床暖房をONにしたりして給湯器を稼働させなければガス代はかかりませんが、うっかり稼働させてしまっている場合があります。
例えば、洗面所などのシングルレバー水栓では、手を洗おうとハンドルをひねった際、お湯を出すつもりはなくても温水側でハンドルをひねると給湯器は稼働してしまいます。
すぐに冷水側へスライドさせたとしても、稼働してしまっているのでガス代は発生します。
このような状況を防ぐために、使用頻度の低い時間帯や不在時などは、リモコンパネルのスイッチを「切」にしておくと、ガス代を節約することができます。
給湯器をつけっぱなしにすると電気代はかかる
給湯器のリモコンパネルが「入」の状態は、「切」の場合よりも待機電力が増加しています。
家庭で消費する電力のうち、5%は待機電力だと言われています。下の画像は、1世帯当たりの待機時消費電力量に対し、機器の主電源オフを徹底する、プラグをコンセントから抜く、節電タップを利用する等した場合の年間の省エネ効果です。
家電の待機電力をオフにすると、年間で4,277円の節約になり、CO₂排出量も67.0kg削減できます。※
※参考:東京ガス「ウルトラ省エネブック」
給湯器の待機電力を少しでも減らすことを考えるなら、リモコンパネルのスイッチをこまめに切るようにしましょう。
金額として大きな節約とはなりませんが、節電になるという意識で取り組んでいきたいですね。
給湯器のつけっぱなしは危険? 故障につながる?
給湯器のスイッチをつけっぱなしにしていると、劣化や故障が早まってしまうのではと不安になりませんか?
結論から言うと、給湯器をつけっぱなしているだけで故障してしまうということは、ほぼありません。以下に詳しく解説していきます。
給湯器のつけっぱなしによって壊れることはほぼない
ガス給湯器でお湯を使用する際、まず給湯器内のパイプに水を流した後、点火してガスが燃焼し、パイプ内の水を温めてお湯にします。このお湯がお風呂や台所などの水栓に給湯される仕組みです。
つまり、水栓でお湯を出したり、お風呂や床暖房などのスイッチが入るまでは、給湯器内ではなにも起こりません。
そのため、給湯器のリモコンパネルを「入」にしてつけっぱなしていたとしても、故障の原因となることはほぼないと言えるのです。
使用年数10年以上の給湯器は「つけっぱなし」に注意を!
給湯器をつけっぱなしにしていても壊れることはほぼないと紹介しましたが、これは「設計標準使用期間」以内であるということが前提です。
給湯器の設計標準使用期間は、給湯器メーカーが標準的な使用で安全上支障がなく使用することが出来る期間として設定している期間で、多くの場合が10年と設定されております。
それを超えた場合は、標準的な使用であってもトラブルが発生してしまう可能性があります。
主要部品などが故障してしまう場合などもあるため、製造年から10年以上経った給湯器の場合は「つけっぱなし」に注意が必要です。
給湯器のつけっぱなしに関するQ&A
給湯器をつけっぱなしにすることに関する疑問や不安にお答えしていきます。
給湯器をつけっぱなしで旅行に行って大丈夫?
不在期間にもよりますが、給湯器のスイッチが「入」になっていても、給湯器自体に問題はありません。
ガス代は発生しませんが、待機電力は発生するため、少しでも抑えるために不在の場合は「切」にしておくことをおすすめします。
また、寒い時期は凍結してしまう場合がありますので、給湯器のコンセントは必ず挿したままにしておきましょう。
冬期は凍結に注意
給湯器の給水、給湯、追い焚きふろ配管などは、寒い時期は凍結してしまう場合があります。
予防策として、まずリモコンパネルのスイッチを「切」にし、お湯の出る蛇口から4mm幅の水を出し続けましょう。かけ流して捨ててしまうのではなく、浴槽やバケツなどで溜め水にして使用すれば水も無駄になりません。
給湯器と浴槽を循環している配管や給湯器内部は、リモコンパネルのスイッチが「切」の状態であっても、外気温が0℃~5℃以下になると凍結防止機能が作動します(作動する温度域はメーカーによって異なります)。
コンセントを抜くと、この機能も作動しなくなるので、給湯器のコンセントは必ず挿したままにしておきましょう。
また、長期間使用しないときや不在時に凍結の恐れがあるときは、「機器の水抜き」をすることをおすすめします。機器の取扱説明書をよく読み、凍結破損から守りましょう。
参考:東京ガス「配管の凍結予防について」
給湯器のコンセントってどこにあるの?
給湯器のコンセントは、戸建てであれば配管カバーの中や外壁にあるのが一般的です。
集合住宅の場合は、分電盤から直接機器へ電気ケーブルが接続されているというケースもあります。
給湯器をつけっぱなしにしておけば、お湯になるのが早くなる?
給湯器のスイッチをつけっぱなしにしていても、常に燃焼して水を温めたり、お湯を保温しているわけではないため、お湯の出が早くなることはありません。
給湯器の修理はプロにご相談を!
お湯が出ない、温度が不安定、異臭がするなど、給湯器のトラブルが起きたときは、自分で対処せずプロに相談しましょう。
修理や点検時に連絡すべきところ
トラブルが起きた給湯器が、賃貸物件に設置されているのか、持ち家か、戸建てかなどで連絡先や手配先が異なります。
まず賃貸物件の場合は、集合住宅・戸建てにかかわらず、管理会社や貸主に連絡しましょう。物件に最初から設置されている設備は貸主の所有物なので、故意の破損以外は貸主の負担で修繕します。
分譲の集合住宅の場合は、設置されている設備は自身の所有物になるので、自分で専門業者を手配して費用も負担することになります。
もし、経年等により修理ができずに交換する場合は、管理会社や管理組合に連絡をしましょう。集合住宅ではインフラを共有している等の特性があり、設置できる機種が限られている可能性があるため、確認できるとよいでしょう。
また、持ち家で戸建ての場合も、手配や費用負担もすべて自分で行う必要があります。そのため、対応してくれる専門業者を事前にリストアップしておくと、困った場合にも焦らず対応できるのでおすすめです。
費用の目安
点検や修理などは機種や内容によって金額が大きく異なります。ガス給湯器はライフラインに関わる大切な機器なので、必ず訪問して見積もりを提示してくれる専門業者に依頼しましょう。
修理費用
故障部品や故障の状況によって費用が大きく異なるのが給湯器の修理です。
相場としては1~5万円台ですが、燃焼部や電装基板などの部品が故障すると費用が高額になる傾向にあります。必ず専門業者に訪問してもらい、状況を確認してもらった上で修理を依頼しましょう。
東京ガスの修理サービスでは、24時間365日いつでも、WEB・電話で最短当日の訪問日時からご予約できます。作業内容や立ち入り場所も事前にご説明し、技術力のある修理スタッフがトラブルの原因や症状を確認し、診断結果をもとにお見積りを作成します。
お見積りは修理基本料、技術料、部品費など全て含めた総額をご提示するので、事前のお知らせなく追加請求が発生することはありません。技術認定を受けた修理スタッフが丁寧に作業するので安心です。
交換費用
給湯器本体は50万円前後で販売されているものが多いですが、取り外しや設置に関わる工賃などもかかるため、給湯器の交換は点検や修理と比較するとかなり高額となります。
東京ガスの「ガス機器スペシャルサポート」なら、もしもの時の備えにもなり、買い替え特典として最大5万円のサポートも。
「ガス機器スペシャルサポート」は、月々定額の1年契約で、急なガス機器の故障に備える修理保証サービスです。
さらに、水まわりから、電気設備、エアコンまで、壊れると困るあれこれのもしもに備えるオプションメニューもご用意しています。
※東京ガスのガス供給エリア(東日本ガス地区、東彩ガス地区・日本瓦斯(ニチガス)真岡地区は除く)にお住まいで、かつ東京ガスと家庭用のガス小売契約を締結しているお客さまが対象となります。
おわりに
ガス給湯器のリモコンパネルのスイッチを「入」のままつけっぱなしにしていても、故障の原因にはなりません。ただし製造から10年以上経過している給湯器の場合は注意しましょう。必要に応じて点検や修理、交換をおこなって、安心安全に給湯器を使っていきたいですね。