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【里芋の下処理方法】皮むきやぬめり取りなどをプロが伝授

栄養価が高く、ねっとりした食感が特徴の里芋。煮物や豚汁などに入れるとおいしいですよね。正しい下処理の方法はご存じですか? 数々の有名和食店・みちば和食で料理長を歴任した、舘野雄二朗さんに家庭でできる上手な里芋の皮むきや、ぬめり取りの方法、コツを伺いました。

最終更新日:2024.9.27

目 次

【有名料理人に聞く】里芋の下処理方法とは?

里芋

PIXTA

寒い時期においしい里芋ですが、正しい下処理の方法は意外と知られていないようです。数々の有名和食店・みちば和食で料理長を歴任した、舘野雄二朗さんに家庭でできる里芋の下処理方法について教えていただきました。

「里芋の魅力は、ぬめりとねっとり感です」という舘野さん。里芋の下処理は、これらの魅力を取り去らない範囲で行うのがおすすめだそうです。まずは、里芋の下処理方法を順に見ていきましょう。

【里芋の下処理1】水洗い

里芋を水洗いする

uchicoto

泥付きの里芋は、ボールやたらいなどにたっぷり水を張り、芋と芋をぶつけあわせるように洗います。水が汚れたら入れ替えて、また芋をぶつけあわせて洗うことを繰り返し、里芋の皮の特徴である繊維をあらかた取ってしまいます。

里芋を天日干しする

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水がさほど汚れなくなったら、芋を新聞紙などの上に並べ、風通しの良いところで天日干しをしましょう。この工程で、里芋の皮のケバケバした繊維や余計なぬめりの大部分を処理できます。

余計なぬめりや繊維がついたまま里芋の皮むきをすると危ないですし、調理後の芋のぬめりを不快に感じることもあるのでしっかり洗いましょう。天日干しには時間がかかるので、舘野さんのお店では、調理の前日に洗って干していたそうです。

【里芋の下処理2】皮むき

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里芋の中でもっとも旨みと栄養があるのが皮の部分だそうで「皮を厚くむきすぎるともったない」と舘野さん。おすすめの皮むき方法を伺いました。

舘野さんのご自宅では、松の木で作られた「じゃっかじ棒」と呼ばれる、古くから里芋の皮むきに用いられてきた棒を現在も使っているとのこと。じゃっかじ棒で里芋を入れた桶やたらいをかき回すことで、ほとんどの皮がむけるそうです。
じゃっかじ棒の代わりにアルミホイルでこするという方法もあるようですが、余計な金属臭がついたり里芋の身を傷つけたりしかねないので、割りばしの角を添わせてむくのがおすすめだということです。

しかし、一般的に分かりやすく、失敗が少ない方法はやはり包丁でむく方法です。皮なりに包丁の刃を這わせ、できるだけ薄く皮をむきます。
側面が六面になる六方むきにすると見た目はキレイですが、里芋の風味や旨み、栄養分の多くを取り去ることになります。ハレの日やお客さまに出す料理にはよいですが、普段の里芋の皮むきは「なるべく薄めに」を心掛けましょう。

【里芋の下処理3】ぬめり取り

里芋の皮むきの後に、下茹でをしてぬめりを取ることがあります。ただし、この段階でぬめりをすべて取ってしまうと、メニューによっては里芋本来の風味や食感が感じられなくなるでしょう。好みやメニューにもよりますが、ぬめりをどのくらい残すのか、ぬめり取りするか否かを見極めて行いましょう。

里芋の下茹での方法は下記の通りです。

  1. 水洗いした里芋を鍋に入れ、水をかぶるくらい注ぎます。
  2. 強火にかけ、沸騰したら火を弱めて2〜3分茹でます。
  3. ざるにあげて、熱いままの里芋を40~50℃くらいのお湯でよく洗います。

舘野さんによると、下茹でした里芋を水洗いすると身が硬くなるそうです。お湯で洗うことで、里芋がフワッとした食感に仕上がります。

里芋のぬめり取りは必要?

里芋の煮っころがし

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下処理や食感として、里芋のぬめりを苦手とする方には、下茹でをしてから皮をむくという方法もあります。舘野さんによると、確かにぬめりもとれ、皮もつるんとむけるそうですが、この方法だと里芋の長所である、ぬめりが取れすぎて、ジャガイモのような食感になることもあるとのこと。

里芋を炊き合わせなどのさらっとした上品な味付けで食べるときには、ぬめり取りは有効です。しかし、里芋の煮っころがしやコロッケなど、ねっとり感が生きる料理にはぬめり取りは控えた方がよいかもしれません。

おいしい里芋の見分け方

里芋

PIXTA

里芋の旬は、10~11月です。この時期に泥付きで売られている里芋を買うと、おいしい里芋に出会えるそうです。行きつけの八百屋さんがある方は、おいしい里芋をお店の人に選んでもらうのがよいでしょう。

スーパーで袋入りの里芋を買うときは、皮に張りがあるかどうか、確認するのがよいそうです。舘野さんによると里芋を自分で選んだり、料理してみたり、経験を重ねることでおいしい里芋、好みの里芋を見分けられるようになるとのこと。

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おわりに

里芋の下処理は一見難しそうに見えます。そのため、下処理済みの里芋しか調理したことがない方もいるかもしれません。しかし、手順を覚えれば簡単で、お好みに合わせてぬめりの程度など調節できるようになります。ぜひ挑戦してみてくださいね。

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  • この記事取材先プロフィール

    舘野雄二朗

    舘野雄二朗

    1983年、道場六三郎氏の門下に入り料理界に。1997年に「ポワソン六三郎」料理長となる。2008年、「みちば和食 たて野」オープン。道場六三郎より受け継いだ柔軟な発想で創る「たて野」ならではの料理(道場和食)のコツを広く伝えたく、料理講習など活動の場を広げている。

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公開日:2017.1.28

最終更新日:2024.9.27

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