アボカド保存のコツは、食べ頃を見極めること!

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固い皮に覆われているアボカドは、見ただけでは食べ頃がわかりにくいフルーツです。切ってみたらまだ固かった、あるいは、熟しすぎか保存状態が悪かったのか、黒く変色していて食べられなかったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「アボカドを上手に保存するには、まずアボカドの状態を見極めることが重要」と小島さんは言います。
「熟す前にアボカドを冷蔵すると、食べ頃まで追熟できません。そのため、食べ頃を見極めて常温保存から冷蔵保存に切り替えるのがポイントになります。ただし、アボカドを押してやわらかさを確認すると、その部分から傷んでしまうので避けてくださいね」(小島さん)
手に入れた時のアボカドの状態でベストな保存方法が変わる
「まずは、アボカドの状態を見極める3つのポイントをチェックしましょう。購入する際、すぐに食べたい場合は食べ頃を、しばらく保存したのちに食べたい場合は追熟できる状態のアボカドを選ぶとベストです。食べ頃のアボカドも冷蔵保存すれば、ベストな状態を3日〜5日程度キープすることができます」(小島さん)
食べ頃になったら冷蔵保存! アボカドの食べ頃を見極める3ポイント
1.皮にハリツヤがあり、チョコレート色をしている
提供:小島香住
「アボカドは熟成が進むにつれて上部から皮が乾燥していきます。そのため、皮が乾燥して全体的にマットな質感になっているものは熟しすぎです。皮の色も黒すぎると熟しすぎのサイン。つやのあるチョコレート色(写真右)が食べ頃です」(小島さん)
2.ヘタがうっすら浮いている
提供:小島香住
「アボカドは熟すと、上部の皮から果肉が離れていき、皮が乾燥し始めます。そのため、ヘタが乾燥して、写真のようにうっすら浮いているのが食べ頃です。購入時にヘタが取れてしまっている場合は、皮のハリツヤや色で見極めるようにしましょう」(小島さん)
3.よりおいしいアボカドを選ぶならキレイな卵形
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「日本に輸入されているアボカドの多くはハス種という品種で、卵形をしているのが特徴。ゆがみの少ない卵形のアボカド(写真中央)は、まん丸な形やいびつな形のものより、育成状態が良くおいしい証拠です」(小島さん)
長期保存したいなら追熟が必要なアボカドを選ぶ
「ヘタと実の間に隙間がなく動かないもの、そして皮が緑〜深緑のものは、冷蔵保存をする前に追熟をする期間が必要です。ただし、その分、長く保存ができるということ。まとめ買いが習慣で、ある程度の期間ストックしたい人は、このような状態のアボカドを選ぶと良いでしょう」(小島さん)
アボカドの「常温保存」は追熟期間限定!
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「果皮が緑の若いアボカドを購入したときには、皮がチョコレート色になるまで常温保存で追熟します。追熟の日数は、写真のような緑色のものは約4日〜1週間、茶色がかった深緑色のものなら約2〜3日が目安です。
追熟の適温は15〜30℃で、25℃以上になると熟す速度が速くなります。アボカドは果肉がやわらかいため、固い場所に直接置いて追熟すると傷みやすいので、タオルなどの上に置くか、定期的に上下を変えると良いでしょう」(小島さん)
追熟を早めるコツもある
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「アボカドを早く追熟したいときには、バナナやリンゴと一緒に保存袋に入れて常温保存を。バナナやリンゴから発生するエチレンガスによって追熟速度があがるので試してみてくださいね。
ちなみに、アボカドと一緒に保存してもバナナやリンゴには何の影響もないので、4~5日程度の追熟期間後なら、そのままおいしく食べることができます。むしろバナナは1本ずつビニールや保存袋、ラップなどに包んだ方が、房のまま保存するよりも長持ちしますよ」(小島さん)
切ったらまだ固かったときの対処法
切ったアボカドがまだ食べ頃ではなかった場合は、以下2つの方法があるのだそう。
- 再度追熟する方法
- 加熱調理して食べる方法
「切ってしまうとどうしても酸化による変色が進むので、加熱して食べてしまった方が良いかもしれません。加熱調理した場合は、熟したアボカドとは異なる味わいになりますが、加熱調理は固いアボカドだからこそできるので、お好みで選んでみてくださいね」(小島さん)
【再度追熟する手順】
提供:小島香住
- 切り口にレモン果汁やオリーブオイルなどを塗り、ラップを密着させる
- 保存袋に入れ、25℃前後の室温で追熟させる
「切ってしまった場合は、室温が低すぎたり高すぎたりすると追熟に適さないので注意してください。傷みやすいので、早めに食べ切ることをおすすめします」(小島さん)
【加熱調理する方法】
提供:小島香住
「サラダなどに使う場合は、電子レンジ600wで1分程度加熱して様子を見てください。やわらかくなっていれば食べられます。
またグリルにしたり、天ぷらやフリッターなどの揚げ物にするのもおすすめです。特に硬くないと調理しにくい揚げ物は、未熟なアボカドに適した料理です」(小島さん)
食べ頃のアボカドは野菜室で「冷蔵保存」
提供:小島香住
「アボカドは5℃以下では低温障害を起こすことがあります。そのため、冷蔵するときにはキッチンペーパーなどで包んでから保存袋やポリ袋に入れて保存します。低温障害を起こすと、皮の色やハリツヤは変わらなくても、果肉が種の周りから黒く変色してしまいます」(小島さん)
【手順】
- キッチンペーパーで包んでから保存袋やポリ袋に入れる
- 野菜室の上の方に、転がらないようにして保存する
【保存期間の目安:約1〜2日】カットしたアボカドを冷蔵保存する場合
「アボカドを半分だけ使って、残りを残しておきたい場合は、種がついている方を残すと良いでしょう。もし種を一度とってしまっても穴にポコっと戻せば大丈夫ですよ」(小島さん)
【手順】
- 酸化を軽減するため、断面にレモン果汁やオリーブオイルを塗る
- ラップを断面に密着させるように巻いて、野菜室で保存する
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「もし種を戻せない場合は、種をとったあとの穴にもレモン果汁やオリーブオイルを塗り、なるべくラップを密着させるようにします。
皮をむいてカットしてしまったアボカドを保存したい場合は、レモン果汁やオリーブオイルであえてから保存容器に入れて冷蔵保存してください」(小島さん)
アボカドの酸化による変色を防ぐには?
「切った玉ねぎと一緒に保存容器などに密閉して冷蔵保存すれば、玉ねぎの断面から発生する硫化アリルが酸化を防いでくれます。玉ねぎの香りがアボカドに移るので、サラダなどで一緒に食べる場合におすすめです。
また電子レンジで20秒程度(600W)加熱すると表面の酵素を失活させることができ、変色を止める効果があります。さっと湯通ししても同じ効果が期待できますよ」(小島さん)
【湯通しの手順】
- 沸騰したお湯にアボカドを入れ、数秒間ゆでる
- ザルに取り出し粗熱をとったら、軽く水分を拭き取る
アボカドも「冷凍保存」ができる!
「アボカドは冷凍保存が可能です。解凍後は少し食感がやわらかくなり、多少ザラつきを感じますが、冷凍前とさほど変わりません。カットしてから冷凍しても、皮付きのまま丸ごと冷凍してもOK。使い方は生のアボカドと同じです。またアイスのように凍ったまま食べてもおいしいですよ」(小島さん)
【保存期間の目安:約1カ月】アボカドを丸ごと冷凍保存する場合
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【丸ごと冷凍する手順】
- アボカドの皮の上からラップで全体を包む
- 保存袋に入れて冷凍する
【保存期間の目安:約1カ月】アボカドをカットして冷凍保存する場合
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「あえ物やサラダのトッピングには、半解凍で使うと崩れにくいです。冷凍したアボカドは、完全に解凍されるとやわらかく、少し水っぽくなるので、ディップのベースなどに使うのに向いています」(小島さん)
【カットしたアボカドを冷凍する手順】
- カットしたアボカドをレモン汁であえる(表面全体に行きわたるように)
- 小分けにしてラップで包む
- 保存袋に入れて冷凍する
アボカドの栄養素や健康に役立つ効果は?

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「アボカドには抗酸化物質が豊富に含まれているだけでなく、若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンEが豊富で、エネルギー代謝を促進するビタミンB群は果実類の中でもトップクラス。人間が体内で合成できない必須脂肪酸(不飽和脂肪酸)や、むくみ防止・高血圧対策に効果が期待できるカリウム、そして食物繊維も豊富に含まれています」(小島さん)
栄養豊富なアボカド、いろいろな食べ方で楽しんでみたいですね。
アボカドを使ったおいしいレシピ

今すぐ試したい、アボカドを使ったおすすめレシピはこちら!
おわりに
アボカドをおいしく味わうための保存法は、熟し加減との関連が深いことがわかりました。次回アボカドを選ぶ際は、小島さんが教えてくれた3つのチェックポイントを参考にしてみてください。アボカドの食べ頃を知った上で保存方法を選べば、アボカドのおいしさをより生かすことができますよ!