にんにくの保存は冷凍・冷蔵・常温のどれが正解?
強い香りで料理に欠かせないにんにくですが、使い切れず余らせてしまうことも多いもの。余ってそのまま置いておくと、いつの間にかカビてしまうこともあります。にんにくを上手に保存するにはどのような方法があるのでしょうか。
管理栄養士の内山由香さんによると、夏以外の季節であれば、風通しの良い場所で常温保存もできるそう。また、冷蔵や冷凍のテクニックを使えばさらに長持ちさせられます。具体的な保存方法について教えていただきました。
【にんにくの常温保存】
ネットに入れて保存(保存目安:約2週間)
にんにくを常温で保存する場合は、売られている時に入っているネットに皮付きのまま丸ごと入れて、風通しの良い冷暗所でつるして保存しましょう。保存ができる期間の目安は約2週間程度です。
特に手を加える必要がなく、最も手軽な方法ではありますが、夏の時期には高温多湿になり傷みやすいので、冷蔵保存や冷凍保存がよいでしょう。
【にんにくの冷蔵保存】
丸ごと保存(保存目安:約1カ月)
冷蔵保存する場合には、にんにくを丸ごとペーパータオルなどで包んで密閉袋に入れ、冷蔵庫で保存します。保存ができる期間の目安は約1カ月程度です。
丸ごとではなく、1片ずつ保存したい場合も、乾燥を防ぐために皮はむかないほうがよいそうです。常温保存と異なり、冷蔵しておけば、季節に関わらず安定した状態をキープすることができるのでおすすめです。
冷蔵庫の中でも、特に温度の低いチルド室で保存すれば発芽しにくくなります。
カットして保存(保存目安:約1週間)
あらかじめ、にんにくを薄切りやみじん切りなどにしておき、切り方ごとに分け、使用する1回分ずつ小分けにしてラップで包み、密閉袋に入れて冷蔵保存しておくと便利です。約1週間程度、保存することが可能です。
ラップに包まずにそのまま薄切りやみじん切りにしたものを直接密閉容器に入れておいてもよいのですが、ニオイがついてしまうため、上の方法がオススメです。また使いかけなどで一部カットした場合も、同様にラップをぴったりと密着させて包んでから密閉袋に入れましょう。
【にんにくの冷凍保存】
皮をむいて一片ごと保存(保存目安:約1カ月)
にんにくは冷凍しても、カチコチには凍らないそう。皮をむいた状態で保存しておくことで、必要になった際にすぐに取り出して使えますね。保存ができる期間の目安は約1カ月程度です。
- 冷凍保存をする場合には、1片ずつバラバラにします。
- さらに皮をむいた状態で密閉袋に入れ、冷凍庫で保存しましょう。
- 冷凍したにんにくは、解凍せずそのまま調理に使用できます。
カットして保存(保存目安:約2週間)
にんにくは冷凍しても凍らないため、冷凍してからカットすることもできますが、あらかじめみじん切りやペーストにしておくと、調理の際に時短になりますね。冷蔵の時と同様に、ラップに包んで密閉袋に入れてから保存します。保存期間は約2週間です。使う時は冷凍のまま調理に活用できます。
皮ごとそのまま保存(保存目安:約6カ月)
にんにくを皮付きのまま冷凍することもできます。房から外したにんにくは皮付きのまま密閉袋に入れて冷凍庫へ。冷凍のまま調理に使うことができますが、皮はむいてから調理しましょう。冷凍のまま、しばらく水に浸けると皮がむきやすくなります。
皮つきのまま冷凍することも可能で、その場合は6カ月ほど保存できるとのこと。ただし、徐々に風味が落ちてくるので、1カ月以内に使い切るのが良いそうです。
【にんにくの瓶詰め保存】
にんにくの瓶詰めを作っておくと多様な料理に活用できて便利です。醤油漬けやオイル漬けの場合、短期間であれば冷暗所にて常温保存も可能ですが、冷蔵に比べて変質しやすくなるので冷蔵保存がおすすめです。
ペーストやみじん切り(保存目安:2週間程度)
皮をむいたにんにくと、にんにくの30~40%量のオリーブ油、塩少々をフードプロセッサーに入れて、ペースト状またはみじん切りにする方法です。
清潔な瓶に入れて冷蔵保存すれば、2週間程度日持ちします。
オイル漬け(保存目安:約2~3カ月)
薄切りやみじん切りにしたにんにくを、たっぷりのオリーブ油で軽く煮てオイル漬けにする方法です。煮沸した清潔な瓶で冷蔵保存しておけば、約2~3カ月の保存が可能です。ペペロンチーノなどのパスタソースや、サラダのドレッシングなどに使用することができます。
醤油漬け(保存目安:約1年)
皮をむいたにんにく2個と醤油1カップ、みりん大さじ4を鍋に入れてひと煮たちさせ、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存する方法です。
清潔な保存瓶で冷蔵庫に入れておけば、約1年保存することができます。醤油はにんにく風味の調味料として使用でき、にんにくは刻んで冷奴などに乗せるのがおすすめです。
にんにく保存に関するQ&A
にんにくの皮がカビたり、一部腐ってしまったらどうする? 判断の目安は?
もしも保存している途中で、にんにくがカビてしまったり腐ってしまった場合は、すべて廃棄した方がよいでしょう。カビているのが皮だけに見えても、目には見えない菌や毒素などが付いている場合があります。もしカビが生えていなくても、以下の状態が見られる場合には使用を控えましょう。
- にんにくが湿っている、柔らかくなっている
- 変色している
- にんにく臭以外の、酸っぱいニオイがする
芽が出てしまったにんにくは食べられる?
芽が出てしまったにんにくは、食べてもよいのでしょうか?
芽が出たにんにくは、食べても問題ありません。ただ、にんにく中の栄養素が発芽に使われてしまっているため、芽の出ていないにんにくと比べると、香りが弱かったり味や風味が劣るそうです。購入後は早めに使用したり、上の保存方法をお試しください。
おわりに
内山さんによると、ご自身はにんにくを切った状態で冷凍されることが多いそう。いつでも使えて便利ですね。また風味を活かしたいなら冷凍より冷蔵で保存しておいて早めに使うのが良いとのこと。ご自身に合った方法はどれか、いろいろと試してみると良いですね。
にんにくの大量消費レシピ
えのきのアヒージョ
出来立て熱々をバケットにのせて召し上がれ! 残ったオイルはパスタやスープに使えば、えのきの旨みを丸ごといただけます。
にんにくのポタージュスープ
にんにくは水から一度ゆでることで、風味やニオイがマイルドに。風邪予防にもピッタリのスープです。
にんにくマヨネーズソース
にんにくが効いたマヨネーズソースは、グリルした野菜と相性抜群です。
にんにくのお粥
刻んだ香菜、フライドオニオン、ラー油を添えて。夏バテ予防も期待できそうなお粥です。