2025年の立春はいつ?
2025年の「立春 (りっしゅん)」は2月3日(月)です。
立春は二十四節気(にじゅうしせっき)の1つで、冬が終わり春の訪れを示します。二十四節気は立春から始まり、旧暦では立春の頃に元日がめぐってきたので、立春は新しい年の始まりを意味していました。立春の前日は季節の境目である「節分」。豆まきなどをして邪気を祓い、新年を迎えていたのです。
なお、「立春」は、立春に入る日のみを指す場合と、立春から雨水(うすい)までの約15日間を指す場合があります。後者の場合、2025年の立春は2月3日(月)~2月17日(月)です。
二十四節気とは?
二十四節気は古来より使われてきた季節の指標です。
1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを約15日間ごとに6つに分けて24に季節を区分しています。1年を太陽の動きに合わせて24等分して決められるので、毎年一定の日にちではなく、1日程度前後することがあります。
二十四節気それぞれの日付は、国立天文台が天文観測をして決めています。おおよその日付は推測できますが、前年2月1日に「暦要項(れきようこう)」で公告されるまで確定しません。
節分は年に4回ある!?
そもそも節分とは季節の分かれ目のこと。立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日を指し、1年に4回あります。
旧暦では、立春は新しい年の始まりの象徴でした。そこから、立春前日の節分は年の変わり目として特に重要とされ、今日のように節分といえば立春の前日をさすようになりました。
立春の日にちは固定ではなく年によって変わるので、節分も年によって日にちが変わります。
節分の由来について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
節分は豆まきだけじゃない!? 子どもと一緒に楽しむ方法
春の二十四節気(立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨)とは?
古来より使われてきた季節の指標「二十四節気」では、立春に春を迎えます。寒さはまだ厳しい時期ですが、立春を境に寒暖の差が大きくなっていきます。
立春から春分にかけ「春一番」と言われる強い風が吹くのは、日本海を北に進む低気圧に向かって南側の高気圧から風が吹き込むからです。
春の二十四節気には以下のものがあります。2025年の日付と合わせて詳しくご紹介します。
立春(りっしゅん):2月3日
寒さのピークが過ぎ、春の気配が感じられる頃。
雨水(うすい):2月18日
雪や氷は溶けて水に、雪は雨に変わっていき、陽気がよくなり始める頃。
啓蟄(けいちつ):3月5日
冬眠していた生き物が活動し始める頃。
春分(しゅんぶん):3月20日
春分の日は太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜の時間数がほぼ等しい。この日から夜よりも昼の時間が徐々に長くなる。
清明 (せいめい):4月4日
寒さが和らぎ春らしくなり、すべてのものが生き生きとして、清らかに見える頃。
穀雨(こくう):4月20日
農作物の成長を促すかのように春雨が降る頃。
この時期に吹く「春一番」には要注意!?
立春から春分の間に初めて吹く南寄りの強風を「春一番」と呼びます。元々は、漁師が使っていた風を表す言葉の1つ。春一番が吹くと、竜巻などの突風を伴うため警戒していたそうです。
気象庁による春一番の定義は観測する場所によって少し異なりますが、共通するのは以下の点です。
- 立春から春分までの期間に吹いた最初の強風。
- 日本海を進む低気圧に向かって、南側の高気圧から風力5(風速8m/s)以上の風が吹くこと。
- 気温が前日より上昇すること。
気象庁によると、関東地方の春一番で1番早かったのは2021年2月4日、遅かったのは1972年3月20日です。春一番は毎年吹くわけではなく、発生しない年もあります。
非常に強い風である春一番。発生する予報が出たら、安全に注意してくださいね。
立春をさらに3つに分けると…?
二十四節気それぞれをさらに3つに分け、72の候に区分した「七十二侯」もあります。立春の3つの候をご紹介します。
初侯・東風解凍(はるかぜこおりをとく)
東風(はるかぜ、ひがしかぜ、こち)が吹き、氷が解け寒さが緩む頃。東風とは春から夏にかけて吹く東寄りの風のことです。
東風は俳句で春の季語として使われています。菅原道真の「東風(こち)吹かば匂いおこせよ梅の花 主なしとて春な忘るな」という歌で有名ですね。
次侯・黄鶯睍睆(うぐいすなく)
鶯(うぐいす)が鳴き始める頃。鶯は「春告鳥」とも呼ばれ、春を代表する鳥のひとつです。「梅に鶯」といえば取り合わせが良いものの代名詞ですね。
末侯・魚上氷(うおこおりをいづる)
割れた氷の間から、魚が飛び跳ねる頃。冬の間、水の底でじっとしていた魚たちは春になって水温が上がってくると、浅瀬に移動してくるそう。
いくつ知ってる? 立春の行事といえば?
立春には新年を迎えるための様々な行事があります。また、立春以降の行事(ひな祭りや梅まつり)の準備も始まります。ここでは、立春の頃の代表的な行事をいくつかご紹介します。
【立春の行事1】「立春大吉(りっしゅんだいきち)」のお札を貼る
「立春大吉」とは、立春に貼る厄除けのお札のこと。
禅宗のお寺で、新しい年の始まりである「立春」の早朝に、一年間の除災招福の願いを込めて「立春大吉」と書いたお札を門に貼る習慣が由来と言われています。
その習慣が庶民に広がり、現在は一般の家庭でも玄関などにお札を貼るようになりました。
なぜ「立春大吉」なのでしょうか?
「立春大吉」の4文字は左右対称で表から見ても裏から見ても変わりません。そのため、このお札を玄関などに貼っておくと、鬼が入ってきても後ろを振り返ると全く同じ「立春大吉」の文字が見えるので、鬼は「まだこの家に入っていなかったのか」と勘違いをして引き返してしまうとされ、一年間の厄除けとして玄関などに貼るようになったそうです。
【立春の行事2】初午(はつうま)
初午とは、2月最初の「午(うま)の日」をさし、稲荷神(いなりしん)のお祭りが行われる日です。五穀豊穣や商売繁盛、家内安全を祈願して各地の稲荷神社で開催されます。
2025年は2月6日(木)が初午です。詳しくはこちらの記事もご覧ください。
【2025年】「初午(はつうま)ってなに?」意味や由来、いなり寿司を食べる理由をご紹介
【立春の行事3】針供養(はりくよう)
針供養とは、2月8日または12月8日に、折れた針や古くなった針を豆腐やこんにゃくに刺し、川に流したり神社に納めたりして供養し、裁縫の上達を願う行事です。
柔らかい食べものに刺すのは、硬い生地などを刺してきた針への感謝と労いの気持ちを表し、供物としての意味もあるといわれています。
【立春の行事4】ひな人形を飾る
ひな祭りには、春の訪れを祝う意味もあります。そのため、暦の上で春になる立春を迎えたら、ひな人形を飾り、準備を進めて良いとされています。
立春を過ぎたらいつでも大丈夫なので、次の節気である「雨水」に飾り始めるのも良いでしょう。ひな人形の由来は、厄を移した人形を水に流していたことが始まりです。水が豊かに流れる雨水は、厄払いに効果的な節気とされ、この時期にひな人形を飾ると良縁に恵まれるといわれています。
ひな祭りの意味と由来、お祝いの仕方などについてはこちらの記事をご覧ください。
【3月3日】桃の節句(雛祭り)の意味と由来&お祝いの仕方
立春には日本酒を!? 食べる縁起物とは?
立春は新しい年の始まりであり、おめでたい日です。そのお祝いにふさわしい様々な行事食がありますよ。
【立春の行事食1】立春朝搾り(りっしゅんあさしぼり)
立春朝搾りとは、立春の朝に搾った日本酒のこと。
立春の前日である節分の夜から一晩中もろみを搾り続け、立春の早朝に搾りあげます。火入れをしない生原酒は、フルーティな味わいなのだとか。
【立春の行事食2】朝生菓子(あさなまがし)
朝生菓子とは、朝作ってその日に食べる生菓子のこと。とりわけ、立春の朝に作った生菓子をその日のうちに食べると縁起が良いとされています。
この時期の生菓子として、「立春大福」という春らしい食材や色味を使った各店オリジナルの大福が販売されます。また、花びら餅や草餅・うぐいす餅・桜餅など春限定の和菓子をいただくのもいいですね。
【立春の行事食3】立春大吉豆腐
立春大吉豆腐とは、体を清め幸せを呼び込むために食べる豆腐です。
「白い豆腐には邪気を追い祓うほどの霊力が宿る」と考えられていました。新年に沢山幸せが訪れるよう願い、立春に豆腐を食べる風習ができたそう。また、立春前日の節分に豆腐を食べると、罪穢れ(つみけがれ)が祓われるとも言われています。
立春を自宅でお祝い! オススメの手作りレシピとは?
立春朝搾りのおつまみに!
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豆腐を食べて邪気を追い祓う!
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立春の時期に出す季節の手紙といえば?
立春を過ぎたら、挨拶状は小寒や大寒の「寒中見舞い」から「余寒見舞い」へ変わります。余寒見舞いは、寒さの残る時期に相手を気遣って出す季節の便りです。暦の上では春とはいえ立春の頃はまだまだ寒いので、寒さをいたわる気持ちをしたためます。
一般的に、余寒見舞いは2月末頃までが出状の目安ですが、宛先が厳寒地であれば3月上旬まで余寒見舞いを送ることができますよ。
手紙の冒頭に「余寒お見舞い申し上げます」などと書いたあと、「春とは名ばかりに厳しい寒さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか」「暦のうえでは春ですが、そちらでは今なお雪が降っていることと存じます。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」など、寒さの様子とともに安否を尋ねる挨拶を書くとよいでしょう。
話題の春節。立春と旧正月は何か関係があるの?
立春を迎える2月上旬は、中国や韓国などで旧正月を盛大にお祝いする「春節」が話題になりますね。立春と関係があるのでは? と思った方もいるのではないでしょうか。立春と旧正月の違いをご紹介します。
立春
二十四節気の1番目の節気。暦の上では、春の始まりを表す。太陽の動きに基づいて決まる。
旧正月
新暦からみて、旧暦の正月や1月1日にあたる日。中国や台湾では、春節とも言う。太陽と月の動きに基づいて決まる。
立春も旧正月も新しい年の始まりを指し、日程も近いので混乱しがちですが、立春が太陽の動きに基づいて決まるもので、旧正月が太陽と月の動きに基づいて決まるものだという違いがあるのですね。
おわりに
二十四節気とともに季節の移り変わりの目安である雑節には、立春前日の「節分」、立春から数えて88日目の「八十八夜」、210日目の「二百十日」など、立春を基準にしたものがあります。それほど立春は、新しい年の始まりとして重要視されていました。今でも立春には“始まり”を祝う習わしがたくさんあるので、取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考:三浦 康子「2025年の立春はいつ?意味や節分との関係を解説」<All About「暮らしの歳時記」>
参考:三浦 康子「針供養とは?2025年針供養の日はいつ? 針を豆腐に刺す意味・由来」<All About「暮らしの歳時記」>
参考:国立天文台「令和7年(2025) 暦要項」
参考:国立天文台「時憲暦」
参考:国立天文台「二十四節気とは?」
参考:国立天文台「こよみ用語解説 二十四節気」