カフェオレ、カフェラテ、カプチーノ、カフェモカの違いは?
カフェオレ、カフェラテ、カプチーノ、カフェモカなどなど、牛乳(ミルク)の入ったコーヒーにはいろいろな種類がありますね。コーヒーショップや喫茶店で選ぶ際に戸惑ってしまうという人も多いのでは? それぞれの違いについて、『Okaffe kyoto』のオーナーでカリスマバリスタの岡田 章宏さんに解説していただきました。
岡田さんによると、これはコーヒーの抽出方法や加えるミルクの量、ミルクの泡立て方など作り方の違いなのだそう(配合量などはお店や国により違いがあります)。
通常のドリップ抽出をしたコーヒーにミルクを加えるのが、カフェオレ。一方で、エスプレッソ抽出のコーヒーに蒸気で温めながら泡立てたミルクを加えたものが、カプチーノ、カフェラテ、カフェモカなのだそうです。さらに詳しく伺った内容を以下でご紹介します。
カフェラテとカプチーノの違いは【フォームミルクにした時の泡の量】
カフェでよく見かける「カフェラテ」と「カプチーノ」。どちらもコーヒーにミルクを加えたものであることは分かっていても、どう違うのか説明できますか? カフェラテとカプチーノの違いについて、岡田さんに教えていただきました。
(岡田さん)まず、カフェラテとカプチーノは、エスプレッソ抽出したコーヒーにスチームで泡立てたミルク(フォームミルク)を加えて作ります。一般的にカフェラテとカプチーノは、フォームミルクに含まれている泡の量が違うと言われているんです。
たくさん泡立てたフォームミルクを使うのがカプチーノ、あまり泡立てないフォームミルクを使うのがカフェラテになります。
(岡田さん)ただし、そのミルクの泡が、エスプレッソに対してどれくらい乗っているのかで、「カプチーノ」なのか「カフェラテ」なのか決まるという定義はありません。ミルクの泡が飲み口から1cmを「カプチーノ」と呼ぶお店もありますし、同じ比率で「カフェラテ」と呼ぶお店もあるんです。
カプチーノは泡が多い、カフェラテは泡が少ないという定義は一緒でも、コーヒーとの比率はお店によってそれぞれ違います。
(岡田さん)ちなみに、カプチーノ・カフェラテの作り方は、国によっても違います。アメリカでカプチーノを注文したら、泡がモコモコにのっている状態で出てきました。
一方、イタリアに行った時は、あまりカフェラテを見かけなくて、カプチーノを注文したらアメリカでいうカフェラテ(泡が少ない状態)が出てきたんです。ただ、これもその国のすべてのお店で統一されているかというとそうではなく、お店によっても異なります。
カプチーノとカフェラテの違いを見せていただきました!
岡田さんが実際にカプチーノとカフェラテの違いを見せてくださいました。透明のカップにつがれた2つのフォームミルク。左側が泡が少ないカフェラテ用、右側が泡が多いカプチーノ用です。同じ量のミルクに、同じ量のエスプレッソを注いでみると・・・
カフェラテとカプチーノで、エスプレッソの上にのっている泡の高さが異なりますね。これが、カフェラテとカプチーノの違いです。カフェラテの方が泡立ちが少ない(=含まれている空気が少ない)分、エスプレッソと混ざりやすいので、よりミルク感を強く感じます。
一方のカプチーノは、泡立ちが多い(=含まれている空気が多い)分、ミルクとエスプレッソが分離しやすく、カフェラテよりもエスプレッソ本来の味わいを楽しめます。
お店ではコーヒーカップに入って提供されるので気付きにくいですが、透明なグラスに入れると、違いは一目瞭然ですね。
カフェオレとカフェラテの違いとは?
カプチーノ以外にも、カフェラテとの違いが分かりにくい飲み物としてあげられる「カフェオレ」。名前も似ている2つの飲み物ですが、その違いはなんでしょう?
(岡田さん)カフェオレとカフェラテの大きな違いは、コーヒーの抽出方法とミルクの状態です。
ドリップ抽出したコーヒーにホットミルク(泡立てない温かいミルク)を加えたものが「カフェオレ」、エスプレッソ抽出したコーヒーにフォームミルク(泡立てた温かいミルク)を加えたものが「カフェラテ」になります。
(岡田さん)また、カフェラテとカフェオレは、言語も違います。カフェラテはイタリア語で、カフェがコーヒー、ラテは牛乳という意味です。
一方のカフェオレはフランス語で、カフェはコーヒー、オは前置詞+定冠詞の短縮系、レが牛乳という意味になります。日本語にすると、どちらも「コーヒー牛乳」ですね。
カフェマキアートは「染みのついた」と言う意味?
カフェマキアートは、エスプレッソに少量のフォームミルクを加えたもの。ちなみに、マキアートとはイタリア語で「染みのついた」という意味です。エスプレッソに注いだミルクが染みのように見えたことから名付けられたと言われています。
カフェラテに似てる「カフェモカ」とは? モカはチョコレートのことではない?
カフェメニューなどでもおなじみの「カフェモカ」。カフェモカと言えば、チョコレートシロップを使っているコーヒー飲料かと思いきや、意外にも「モカ」にチョコレートと言う意味はないのだとか。
(岡田さん)私たちが普段「モカ」と呼んでいるのは、エチオピア産のコーヒーのことです。
例えば、「モカブレンド」などと言ったりしますが、もともとはイエメンの「モカ港」という港の名前からきています。それとチョコレートは全然関係ないのですが、カフェモカとは、チョコレート入りのカフェラテのことを指します。
ちなみに、イタリアではカフェモカのような、チョコレート入りのコーヒー飲料は、あまり見たことがありません。イタリアでは、カプチーノにチョコレートやココアパウダーを合わせた飲み物は「マロッキーノ」と呼ばれています。イタリア語で「モロッコ風」という意味です。
エスプレッソ抽出とは?
岡田さんいわく、エスプレッソは焙煎したコーヒー豆を粉砕して粉状にし、9気圧の圧力をかけて20~30秒で20~30ccの液体を抽出して作るのだとか。通常のブレンドコーヒーより量が少なめですが、濃厚な味わいが特徴です。
イタリアなどで愛飲され、1杯を3口で飲みほすのが「通」などのルールもあるのだそう。日本の抹茶のようですね。
普通のドリップ抽出とエスプレッソ抽出との違い
エスプレッソ抽出は、圧力をかけて短時間でコーヒーを抽出するため、お湯の中に溶け出す成分の量が濃くなり、濃厚な味わいになります。ドリップコーヒーよりも豆の挽き目が細かくパウダー状なのは、短時間で成分を抽出するためと圧力に耐えられるようにするため。
エスプレッソを注文して、パウダー状にしたコーヒー豆をギュッと押し固める工程を見たことはありませんか? これはタンピングと言って、圧をかけた時に粉が不安定になって抽出ムラが生じないようにしているそう。
ちなみに、エスプレッソは抽出時間が短いためカフェインは溶け出しにくく、カフェインの含有量は普通のコーヒーより少ないのだそうです。意外ですね。
自宅で美味しいコーヒーを楽しむ方法について、岡田さんに教えていただきました!
自宅でゆっくり、お友達とカフェで、仕事の合間の休憩に。コーヒーは、いろいろなシチュエーションで楽しめる飲み物ですね。コーヒーをより身近に感じてもらうことで長く楽しんで欲しいという想いで活動されている岡田さんに、自宅で簡単にコーヒーを楽しむ方法について伺いました。
(岡田さん)コーヒー教室をする時にはいつも、「煎りたて・挽きたて・淹れたて」という3たてを美味しく楽しむコツとして伝えています。焙煎したコーヒー豆をその場で挽いて、淹れたてを飲む。これだけ守ってもらえれば、多少淹れ方や分量が異なっても十分に美味しいんです。
コーヒーは生ものなので、鮮度が命。焙煎から日にちが経てば経つほどガスが抜けて風味が落ちていくので、できるだけ焙煎してから日を置かずに飲むのがオススメです。
おわりに
コーヒーにミルクを加えると言っても、コーヒーがエスプレッソ抽出なのかドリップ抽出なのか、ミルクの泡の量は多いのか少ないのかで、風味も口当たりも全然違うことが分かりました。違いを知ると、お店で選ぶのも、飲み比べるのも楽しくなりそうですね。また、それぞれのお店のこだわりが垣間見えるので、より奥深いコーヒーの楽しみ方ができそうです。ぜひ、参考にしてみてください!