そうめんをおいしくゆでるコツは?

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短時間でゆで上がるそうめんですが、ゆで方によっては、同じそうめんでも味わいが変わります。せっかく上質なそうめんを購入しても、ゆで方次第ではおいしく味わえないこともあります。
誰でも失敗せずにおいしくゆでる方法を、川畑さんに教えていただきました。
ゆでるための道具をそろえる
そうめんをゆでる際に用意するものは、以下の4つです。
- 鍋:できるだけ大きめのもの
- 菜箸:滑りにくい材質のもの
- ざる:目の細かいもの
- タイマー(タイマー機能付きのコンロでも代用可能)
「鍋は大きめのものを用意するのがポイントです。そうめんが鍋の中でぐるぐると回るくらい、たっぷりのお湯でゆでることが、おいしく仕上げるコツです。持ち手付きのざるをご用意いただくと、水切りの際に便利です」(川畑さん)
そのほか、ゆで上がったそうめんを冷やすための冷水や氷も用意しておくとよいでしょう。
手順1. お湯を沸かす

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- そうめん1束につき、600mlのお湯を沸かします。
- そうめんを入れるまでは、強火でしっかりと沸騰させておきます。
まず、たっぷりのお湯を用意しましょう。
手順2. 沸騰したお湯にそうめんを入れる

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- そうめんの帯を外し、沸騰したお湯に麺同士がくっつかないよう、ばらすようにして鍋に入れます。
そうめんの帯の外し方

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紙などの帯で束ねられていることが多いそうめんですが、慌てて帯を外そうとして、麺がばらばらになったり、折れてしまったりした経験のある方も多いのではないでしょうか。
帯を上手に外すコツはあるのでしょうか。
「ゆで始める前に、ゆでる分量のそうめんの帯をトレイなどの上であらかじめ外しておくと、帯が外せず慌てることがないのでいいですね」(川畑さん)
ちなみに、そうめん1束は50gのことが多いですが、商品によっては異なるグラム数の場合もあります。
手順3. 火加減を調整しながらゆでる

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製品の袋に記載されているゆで時間にあわせてタイマーをセットし、そうめんをゆでます。
「そうめんを鍋に入れたら中火にし、湯の中でそうめんが自然に回るような状態にします。箸で軽く混ぜますが、麺同士がくっついて固まってしまわないように箸で軽く混ぜるのがポイントです」(川畑さん)
吹きこぼれそうになったら火を弱め、袋に記載されたゆで時間までゆでます。
川畑さんによると、ゆでているときの火加減の調整も、おいしく仕上げるための重要なポイントだそうです。
「最初は強火でしっかりとお湯を沸騰させ、そうめんを入れたら吹きこぼれないよう、火力を調節してゆでていきます。以前は吹きこぼれそうになったときに差し水をしていましたが、それでは湯温が下がりすぎておいしくゆで上がらないため、火加減を調節してゆでてください」(川畑さん)
ゆで時間については、どのような点に気をつければよいでしょうか。
「ゆで時間は、規定通りの時間を守ることが大切です。多くのそうめんは、長くても2分程度と短時間なので、タイマーを使って正確に時間を計ることを推奨しています」(川畑さん)
また、ご家庭に大きな鍋がなく、「そうめんが湯の中で自然に回るような状態」を作るのが難しい場合は、「鍋の中でそうめんが固まらないよう、お箸でほぐしながらゆでていただくとよいでしょう」とのことです。
手順4. 湯切りをする
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- 規定のゆで時間になったら、すぐにざるにあげて湯を切ります。
「規定の時間までゆでたら、麺を2~3本取り出して水で冷やし、固さをチェックして、OKだったらざるにあげましょう」(川畑さん)
手順5. もみ洗いをする

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- 湯切りしたそうめんに流水をかけながら、もみ洗いしてぬめりを落とす。
川畑さんによると、この「もみ洗い」が、そうめんをおいしく仕上げるための最も重要なポイントなのだそう。
「湯切りしてざるにあげたそうめんに水をどんどんかけて、ふきんを軽く絞るような感じでもみ洗いします。コシのあるそうめんなら強度があるので、もみ洗いしても切れることはありません。しっかりぬめりを取ることで、よりおいしくなります」(川畑さん)
もみ洗いをすることで、そうめんにコシが生まれ、よりおいしい食感になります。
手順6. 水を切る
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- 水気を切ってから器に盛りつける。
水気を切るには、そうめんを入れたザルを軽く振るとよいでしょう。
「もみ洗いした後は、一度水気を切り、食べる直前に氷水に入れるのがおすすめです」(川畑さん)
裏技?「火を止めて蒸らす」作り方について

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数年前に話題となった、そうめんを熱湯に入れて「火を止めてから蒸らす」という調理法について、川畑さんにお話を伺いました。
「私たちの組合では、あくまで各そうめんのパッケージに記載されている時間が、最もおいしくゆで上がる時間だと考えています。火を止めてから蒸らすという裏技の場合、それぞれのそうめんに合った加熱が難しくなったり、加熱時間が長くなることで麺がやわらかくなりすぎてしまうこともあると思います。やはり、規定通りのゆで方が一番おいしく仕上がると思います」
そうめんのゆで時間は長くても2分程度と短いので、各商品に記載されている通りにゆでるのがよさそうですね。
そうめんをおいしく味わうためのコツ

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そうめんは、ゆでてからすぐに食べるだけでなく、時間をおいて食べたり、冷凍保存したりと、さまざまな食べ方ができます。
シチュエーションにあわせてそうめんをもっとおいしく味わうために、知っておきたいポイントを伺いました。
すぐ食べる場合
そうめんをしっかり冷やすことが、おいしく食べるコツです。
「ゆでたてを召し上がる場合は、あらかじめつゆも冷やしておき、そうめんを氷水でしっかり冷たくして召し上がっていただくのが一番おいしい食べ方です」(川畑さん)
時間をおいて食べる場合
「ゆでた後、しばらく時間をおいてから食べる場合は、麺がほぐれにくくなることがあるため、氷水には入れず、ラップをして冷蔵庫に入れておくのがおすすめです。時間がたって固まってしまった場合は、水をかけて麺をほぐしてからお召し上がりください」(川畑さん)
ゆでてから冷凍保存する場合
「ゆでたそうめんは冷凍保存が可能です。ゆであげた後に水気をよく切り、冷凍用保存袋に入れるかラップで包んで冷凍してください。食べる前に、電子レンジで加熱するか、沸騰した湯に入れて解凍し、水分を切ります。冷やしそうめんとして召し上がる場合は、もう一度流水で洗ってからお召し上がりください」(川畑さん)
ゆでて冷凍したそうめんは、2週間程度を目安に食べ切ることをおすすめします。
ゆでてから炒めたり、煮たりする場合
そうめんを炒めたり、煮たりする料理に使う場合は、ゆで時間を調節するのがポイントです。
「冬はにゅうめんにしたり、鍋の締めの麺として使うのもいいですね。その場合は、もう一度加熱することを考慮して、気持ち固めにゆでるのが良いでしょう」(川畑さん)
時短調理できるのもそうめんの魅力

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川畑さんによれば、そうめんは時短調理が可能なので現代のニーズに合った食材だそう。
「そうめんは、パスタなど他の乾麺類に比べてゆで時間が短く、調理も手早く済むので、忙しいときにも便利です。また、賞味期限も長いため、保存食としてもおすすめです」(川畑さん)
夏の定番としてだけでなく、一年を通して楽しめる万能食材として、ぜひそうめんを活用してみてはいかがでしょうか。
そうめんをもっと楽しむおすすめレシピ
そうめんは、冷やしそうめん以外にもさまざまな調理法で一年を通して楽しめる食材だと川畑さんは話します。
冷たいものと温かいもの、両方のレシピをご紹介いただきました。
少し意外な組合せの一品も、とてもおいしいアレンジなので、ぜひお試しください。
豚しゃぶちらし

奈良県三輪素麺工業協同組合
暑い季節におすすめの人気レシピです。
「そうめんだけではあっさりしすぎて物足りないと感じる方や、もう少しボリュームを出してお肉も一緒に楽しみたい方におすすめです」(川畑さん)
■材料(4人分)
そうめん…8束 ※1束…50g
しゃぶしゃぶ用豚肉…8枚
キュウリ…1本
ゴマだれ(市販のもの)…適量
薬味(ゴマ・のり・大葉・ネギなど)…適量
■作り方
- 豚肉は少量のだし汁でさっとゆで、冷ましておく
- キュウリは千切りにしておく
- そうめんをゆでて、しっかりと水気を切っておく
- 器にそうめん、1の豚肉、2のキュウリ、薬味を盛りつけ、市販のごまだれをお好みでかける
にゅうめん

奈良県三輪素麺工業協同組合
そうめんを温かく食べたいときの定番料理です。
「にゅうめんを作るときも、冷たいそうめんと水洗いまでの工程は同じです。煮る前に一度水で締めると、よりおいしくなります。その後、にゅうめんのつゆに入れて温めます」(川畑さん)
■材料(4人分)
そうめん…4束
〈にゅうめんのつゆ>
だし汁…5カップ
薄口醤油…1/2カップ
みりん…1/3カップ
■作り方
- にゅうめんのつゆの材料をすべて鍋に入れ、一度煮立てて火を止める
- そうめんをゆでて、冷水でよく洗って水を切る
- 1を再び温め、そこにそうめんを入れて少し煮る
※薄焼き卵や三つ葉、味つけ椎茸など、お好みの具材をのせてもおいしくいただけます
そうめんペペロンチーノ

奈良県三輪素麺工業協同組合
そうめんを使ったパスタ風のレシピです。
「唐辛子とニンニクで食欲アップ、肉料理のつけあわせにもぴったりです」(川畑さん)
■材料(4人分)
そうめん…6束
ニンニク…4片
鷹の爪…2本
オリーブオイル…大さじ6
パセリ…適量
塩…適量
コショウ…適量
■作り方
- 鷹の爪は種を除いて輪切りにし、ニンニクはみじん切りにする
- フライパンにオリーブオイルを熱し、弱火でニンニクがきつね色になるまで炒めてから、鷹の爪を加える
- 2.に、ゆでて水洗いし、水気を切ったそうめんを加えて炒め、塩とコショウで味を調える
- 麺を皿に盛りつけ、みじん切りにしたパセリを散らす
ガスコンロの便利機能で、そうめんをもっとおいしく
ガスコンロの調理機能を活用すれば、おいしいそうめんが作れます。
「そうめんのゆで時間は、きちんと守る必要があるので、タイマーはぜひ使いたいですね。ガスコンロの調理タイマー機能を使えば、さらに便利にゆでられると思います」(川畑さん)
また、麺ゆで機能が付いたガスコンロもあります。この機能は、お湯が沸くと麺を入れるタイミングをお知らせしてくれて、麺をゆでている間も自動で火力を調節してくれます。
「火力を自動で調節して吹きこぼれを防いでくれる、そうした機能はとても便利だと思います」(川畑さん)
こうした便利な機能を活用すれば、そうめんをよりおいしくゆでられそうですね。
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Rinnai
最新のガスコンロには、料理を強力にサポートする便利機能が満載です。
自動で火加減を調整する揚げ物・焼き物に便利な「温度調節」機能や、ボタン一つでガス火炊きのご飯が炊き上がる「自動炊飯」機能。お湯が沸いたり、設定した時間になると消火する「湯わかし」や「コンロタイマー」機能など、「ガスコンロ」には調理をサポートする機能がたくさんあります。(※)
また、“魚を焼く”イメージの強い「グリル」ですが、実は肉や野菜料理、トーストやピザ、揚げもののあたため直しにも使える万能調理器です。
専用容器対応のグリルでは、手軽にオーブン料理も楽しめますよ。(※)
ガスコンロで「おいしい」をもっと簡単に! レパートリーをグンと増やしましょう!
(※)搭載機能や機能名は機種によって異なります。
おわりに
そうめんはさまざまな調理法に対応できる優秀な食材です。川畑さんによれば、普通にゆでたり、炒めたりするのはもちろん、鍋の締めやすき焼きの後のうどんの代わりに使うなど、さまざまな料理に自由に活用できるとのこと。ゆで時間が短いという特長を生かして、日本伝統の麺で新しいレシピにもトライしてみてはいかがでしょうか。