火山の噴火が引き起こす多様な被害

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111の活火山(※)を持つ日本では、噴火はいつ起こるかわからない現象です。火山が噴火すると、さまざまな現象が発生し、被害の原因となります。特に、火山の近くでは、命に関わる危険な現象が短時間で発生するため、迅速な避難が不可欠です。
噴石、火砕流、火山ガスなど
火山からお住まいの地域までの距離が近い場合、噴火に伴う現象が発生してから短時間で居住地域に達する可能性があります。ハザードマップや自治体のサイトで、自宅周囲が危険エリアかどうか確認しておきましょう。避難の呼びかけがあった場合は、直ちに行動する必要があります。
火山灰
火山から噴き上げられた細かな岩石やガラスの粒子で、風に乗って広範囲に拡散します。火山から遠く離れた地域でも、健康被害や社会インフラのまひなど、長期間にわたる影響を及ぼす可能性があります。火山灰は、噴火地点から数百キロ離れた都市部にまで到達し、私たちの生活を根底から脅かすため、その特性を正しく理解することが不可欠です。
※気象庁「火山の監視」
※文部科学省「火山調査研究推進本部」
広範囲に影響を及ぼす「火山灰」の正体とその被害

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火山噴火の被害の中でも、特に広範囲に影響するのが火山灰です。その正体と具体的な被害を詳しく見ていきましょう。
火山灰と聞くと、木や紙が燃えたあとに残る、ふわふわした「灰」を思い浮かべるかもしれません。しかし、火山灰の正体は、マグマが冷えて固まった「細かい岩石の破片」や「ガラスの粒子」です。
つまり、火山灰が降り注ぐ中で息をするということは、細かな無数の粒子を肺の奥深くまで吸い込むことであり、呼吸器の粘膜を傷つけ、炎症を引き起こす可能性があります。まばたきをするたびに、その鋭い粒子が眼球の表面を傷つけるかもしれません。これは単なる「ホコリ」ではなく、体を傷つける可能性のある危険物質です。
火山灰が引き起こす健康への影響

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鋭利な破片である火山灰は、人体にさまざまな悪影響を及ぼします。
呼吸器系への影響
鼻や喉に炎症や痛みを引き起こし、咳(せき)やたんが増えたり、息苦しくなったりします。ぜんそくや気管支炎など持病がある方は、症状が悪化する危険性があるため特に注意が必要です。
目への影響
目に入ると、ガラスの粒子が角膜を傷つける恐れがあり、痛みや結膜炎を引き起こすリスクがあります。症状としては、かゆみ、充血、異物感などが現れることも。
皮膚への影響
皮膚に触れると、乾燥やかゆみ、炎症を引き起こすことがあります。
火山灰が及ぼす生活インフラへの影響
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火山灰は、私たちの日常生活や社会インフラにも深刻な影響を与えます。
交通機関のまひ
道路に積もった火山灰は非常に滑りやすく、視界も悪くなるため、スリップ事故や交通渋滞の原因となります。降灰により白線が見にくくなり、また車や自転車のブレーキも利きにくくなります。鉄道や航空機への影響も懸念されます。
停電の発生
湿気を含んだ火山灰が送電設備に付着すると、漏電やショートを引き起こし、広範囲で停電が発生する可能性があります。
建物への被害
雨水を含んで固まった火山灰は非常に重くなり、屋根に大量に積もると、その重みで建物が倒壊する危険性があります。
物流のストップ
道路の通行止めなどにより物資の輸送が困難になります。物流が止まると、各家庭での備蓄は命綱となります。
農作物への被害
火山灰が畑や田んぼに降り積もることで、農作物に大きな被害が出ることがあります。
このように、降灰は交通、電力、物流といった社会の生命線を同時に寸断するおそれがあり、都市機能に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
火山灰が降るエリアは広範囲!

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火山から遠くても「降灰」のリスクと無縁ではありません。火山災害は、火山の麓だけの問題ではなく、噴火によって上空高く舞い上がった火山灰は、風に乗って数百キロ先まで運ばれることがあります。
例えば、埼玉県には活火山がありませんが、富士山が噴火した場合には、県内に火山灰が積もることを想定して対策を立てています。さらに、東京都もその行政区域内に伊豆大島や三宅島といった活火山を抱えており、火山のリスクは関東地方全体の日常と隣り合わせであることがわかります。火山噴火は、発生場所から遠く離れた都市部にも影響を及ぼす「広域災害」となりうるのです。
山梨県「富士山ハザードマップ」によれば、富士山の噴火が起きた際に、火山灰が2cm程度降るエリアは東京の広範囲にわたり、千葉県や埼玉の川越あたりまでとされています。
気象庁のサイトでは、どの地域に灰が降るかを示す「降灰予報」が発表されます。噴火情報が入ったらまず確認しましょう。風向きなども考慮して、どの地域にどのくらいの降灰が見込まれるかを予報しています。
参考:気象庁「降灰予報」
参考:埼玉県「火山灰対策」
「もしも」のために今日から始める! 家庭でできる火山噴火への備え

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突然の噴火に慌てず、安全に行動するためには、事前の準備が何よりも重要です。今日からできる家庭での備えを確認しましょう。
避難するときのための非常持ち出し品チェックリスト
いざというときにすぐ持ち出せるよう、以下のものをリュックサックなどにまとめておきましょう。ただし、重くなりすぎないように注意が必要です。
身を守るもの
目や呼吸器、皮膚を保護することが最優先です。皮膚を守るために長袖、長ズボン、手袋などを着用しましょう。
- ヘルメット
- 防じんマスク
- ゴーグルまたは眼鏡 ※コンタクトレンズは危険なので使用を控えましょう
- 手袋
- 長袖の服、カッパ・防寒具
情報収集と避難生活のためのもの
- 携帯ラジオ
- 電池交換式モバイルバッテリー
- ヘッドライト
- 着替え、タオル、ティッシュペーパー
- 常備薬
飲料水・食料
- 飲料水(500mlペットボトルをリュックに入る分だけ入れておく)
- 非常食(避難所にたどり着くまでの当日と翌日の分。調理せずすぐに口に入れられるもの)
自宅に必要な備え

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避難所に避難する必要がなかった場合でも、噴火が起きた際には、停電や断水、物流にトラブルが起きる可能性があります。
上述した飲料水、非常食などに加え、以下も常備しておくと安心です。
- 簡易トイレ
- カセットコンロ・ボンベ
- 照明器具(ヘッドライト・ランタン)
- 情報収集用の携帯ラジオ
- モバイルバッテリー
- 医薬品・衛生用品
- 現金・貴重品
- 季節の衣類・防寒着もしくは防寒具など
また、買い物や仕事などで外出する際には、室内に火山灰を持ち込まない工夫が必要です。服にも付着するため、上からカッパや防寒具を着て外出し、室内では脱ぐようにします。
実際に噴火が起きた際の過ごし方
実際に噴火が起きた場合には、避難指示があったり、自宅が倒壊の危険がある場合には避難するとともに、自宅でも過ごし方に注意する必要があります。以下を確認しておきましょう。
- 不要不急の外出は避け、できるだけ屋内で過ごす
- 建物の中に灰を入れないよう、ドアや窓の隙間をテープや湿ったタオルでふさぐ
- 建物の中に入ったら、上着を払って灰を落とす
- 自動車の運転は極力避ける
家族で話し合っておくべきこと

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噴火が起きて避難する最中に、家族が離れ離れになる可能性もあります。安全に行動できるよう、事前に以下のことを話し合っておきましょう。
ハザードマップの確認
お住まいの市町村が発行する火山ハザードマップで、危険が予想される区域と、最寄りの指定避難場所の位置を確認します。
避難経路の確認
自宅から避難場所までのルートを実際に歩いて確認し、危険な箇所がないかチェックしておきます。
非常用持ち出し袋の確認
避難するときに持っていく、非常用持ち出し袋の場所や中身を確認しておきましょう。折りたたみヘルメットなど使い方が特殊なものは、取り出してかぶる練習をしておくと安心です。
おわりに
火山から遠く離れた地域にまで影響を及ぼす「火山灰」は、健康や生活インフラに深刻な問題を引き起こします。
火山噴火への備えは、火山の麓に住む人だけの特別なものではありません。火山灰による影響は、風向き次第で日本のどこにでも及ぶ可能性があるからです。





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