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テント 男の子

【防災×アウトドア】防災グッズにもおすすめの「ランタン」! 選び方のコツと手作りアイデアとは?

アウトドアを楽しむためのスキルは、災害時にも役に立つことをご存じですか? 日常と非日常の境をなくす、フェーズフリーな防災情報を発信するCAMMOC(キャンモック)のメンバーに家庭でも簡単に取り入れられるアウトドア×フェーズフリー防災のポイントを6回にわたって教えていただきます。2回目の今回も代表の三沢真実さんに、アウトドアでおなじみのランタンをテーマにお話を伺いました。

最終更新日:2025.2.19

目 次

ランタンは防災グッズとしてもアウトドアでも大活躍

 夜のキャンプ

PIXTA

ランタンは周囲を明るく照らせるタイプの明かりで、キャンプの夜には欠かせないグッズです。懐中電灯は手に持つ必要があり、一方向しか照らせませんが、ランタンなら置く以外に吊ることもできて、使い勝手よく全方向を照らすことができます。

そんなランタンは、災害グッズとしても役立つアイテムです。

「靴やスリッパも履いていない状態で、突然停電した場合などは明かりがないと本当に危険です。住み慣れた自宅であっても、地震で揺れた後には、落下物やガラスの破片などが散乱している可能性もありますので、非常用の明かりの確保はマスト。そんなときに、ランタンがあると便利です。アウトドア用と限定せずに、普段から暮らしの中で使ってみませんか」(三沢さん)

ランタン

画像提供:三沢真実

上の写真は、三沢さんの自宅のアイテム。オブジェかと思ったら、ソーラー式ランタンなのだそう。

「このランタンは瓶型なので、中に自分の好きなモノを入れて飾っておけるところが魅力です。自分らしくカスタマイズできるのでプレゼントにもおすすめですよ」(三沢さん)

家庭で備える市販ランタンの選び方

吊るせるランタン

uchicoto

三沢さんの自宅には、上の写真のように吊るせるタイプや巻きつけられるタイプのもの、防水機能のあるものなど多くの種類のランタンがあるそうです。

巻きつけるランタン

画像提供:三沢真実

巻きつけるタイプのランタン。柱やポールなどに巻きつけ設置するので、ランタンフックがない場所にも設置できます。頭に巻いてヘッドライトとしても使用可能。

置くタイプや吊るすタイプのランタン

画像提供:三沢真実

上の写真は、置くタイプや吊るすタイプのランタン。


ランタンはショッピングサイトで検索しても無数にあり、値段も性能もピンキリ。

自宅で楽しんだり、いざという時の備えとしてランタンを購入する場合には、どんな基準で選べばよいのかを三沢さんに教えていただきました。

ランタンはいくつ必要?

「防災グッズとして備えるなら、まずはリビングで使うランタンが一つは必要と考えてください。加えて、トイレやほかの部屋に行く場合に足元が危ないので、持ち運びができるタイプを家族の人数分そろえるとよいでしょう。また、入浴時の停電に備え、浴室に置ける防水機能付きのものや、就寝時の停電に備えた寝室用もあると安心です」(三沢さん)

防水機能つきのランタン

画像提供:三沢真実

防水機能つきのランタン

食卓やリビングで使うランタンはできるだけ明るいものが安心

家族が集まる場所で使うランタンは、周囲全体が照らせるものを用意しましょう。
置き型のほか吊るして使えるタイプもあります。

「ランタンの光に慣れていないと、一つでは明るさが物足りなく感じるかもしれません。特にお子さんのいる家庭ではお互いの顔が見えた方が安心できます。明るく照らせるタイプのランタンを選ぶか、複数個用意するのがよいでしょう」(三沢さん)

お風呂でも使える防水機能付きのランタン

入浴時に停電した場合などには、防水機能付きのランタンがあると安心です。

「私は普段の入浴時にも、浮かして使えるタイプの防水機能付きランタンを使っています。暗闇にプカプカ浮いているランタンの明かりを見ると癒されますよ」(三沢さん)

寝室に置くならしっかりと固定できるタイプを

1日のうちで灯りが必要な時間が12時間、そのうちの睡眠時間が8時間だとしたら、夜間の被災は寝室の可能性が高いため、寝室にランタンを置いておきましょう。

「睡眠中に大きな地震が起こった場合は、無防備な状態の可能性が高く反応も遅くなりますので、寝室では特に物が倒れたり落ちたりしない対策が必要です。大きな揺れでは、置いただけのものが飛んでしまう可能性もあります。
ランタンを危険なく、すぐに点灯できるように備えるには壁やベッドの足に固定するなどの工夫をしましょう」(三沢さん)

ランタンのタイプと連続点灯時間もチェック

「充電式は、電池式と比べてコストパフォーマンスが良いものが多く、電池を買い換えるよりも手間がかからないため、日常的に継続して使いやすいといえます。

しかし、ライフラインがストップした際には給電できない可能性があるので、電池式のランタンも用意し、予備の電池も持っていると安心です。

ソーラー式は、電気が止まり、電池の予備も無くなってしまっても、太陽さえ出ていれば充電することができます。受電のスピードは比較的遅く、天気に左右されるデメリットもありますが、停電が長く続いても電気を生み出す術があるというのはとても心強いことです。

また、ランタンを選ぶ際には連続点灯時間も必ずチェックを。『弱』機能で最低でも12時間は持続するものを選びましょう」(三沢さん)

家族でランタンを手作りするのもオススメ!

Mami Misawa

Mami Misawa

防災グッズとしても役立つランタンは、身近なもので手作りすることもできます。お子さんと一緒に楽しみながらトライしてみませんか?

簡単なランタンの作り方を知っておくと、いざという時に役立つだけでなく、あるものを使って工夫するスキルも上がりそうです。

ペットボトルランタンの作り方

ペットボトルランタン

uchicoto スマートフォンのライトを使ったペットボトルランタン

【材料】

  • ペットボトル(250ml)
  • ライト(懐中電灯など)
  • 必要に応じてアレンジのための油性マジックペン、セロハンやビーズなど


【作り方】

  1. ライトの上に水を入れたペットボトルを乗せる
  2. ライトのスイッチを入れると、光が乱反射して明るく広がる


必要なものはペットボトルとライトのみ。外出先などで被災した場合にも役立ちそうなテクニックです。

お子さんと一緒に作るなら、写真のようにペットボトルに油性ペンで絵を描いたり、水の中に色つきのセロハンやビーズなどを入れると、カラフルで楽しいランタンになりますよ。

ポリ袋ランタンの作り方

ポリ袋ランタン

uchicoto

【材料】

  • ポリ袋
  • ライト(懐中電灯など)


【作り方】

  1. ポリ袋に空気を入れ、膨らませた状態で袋の口の部分をライトに結びつける
  2. ライトのスイッチを入れると、光が袋の中に明るく広がる


「色つきのポリ袋で作ると子どもたちは喜びそうです。遊びで作るだけなら寒色系のポリ袋でもよいですが、色が寒々しく感じるかも。被災時に作るなら暖色系の方が暖かみがあるのでおすすめです」

突然の停電! 慌てないために常備しておきたい明かりとは?

ちょっとしたアレンジで世界にひとつのランタンも作れる

ランタン

uchicoto

手作りやアレンジで自分だけのランタンを作ることは、子どもたちがランタンというアイテムに親しむのにも役立ちます。

上の写真は、数年前に三沢さんのお子さんがお絵描きしたランタンだそう。

「市販の防水機能付きランタンに、油性ペンで絵を描きました。ランタンは実用品なので、子どもがアレンジしたランタンをおじいちゃんやおばあちゃんへのプレゼントにしてもよいかもしれません」(三沢さん)

世界に一つの特別なランタンは、気持ちまで明るくしてくれそうです。

「おうちでランタンナイト」を楽しもう

室内テントで遊ぶ男の子

PIXTA

さまざまなデザインやタイプがあるランタン。まずはお気に入りを探すことからはじめて、普段の暮らしに取り入れてみませんか。ランタンの使い方や明かりに慣れておけば、災害時にもとまどうことなく使いこなせるでしょう。

お子さんのいる家庭では、おうちの中や庭にテントを張ってキャンプ気分でランタンを使ってみてもいいかもしれません。ランタンの明かりを囲んで食事やゲームをすると盛り上がりそうですね。

テントを張るのは難しいという場合は、押し入れや物置の中でランタンを使ったり、家中の電気を消して、ランタンの光のみで過ごす「ランタンナイト」の時間を設けるのもいいでしょう。ランタンを持って子どもたちと家の中や庭を探検するのも、災害で停電したときの予行演習になりそうです。

おわりに

アウトドア用のツールと思われがちなランタンですが、災害時にも大いに役立ちます。三沢さんのアドバイスを参考に、おうちの防災グッズとして採用してみませんか。また、身近な材料でランタンを手作りする方法も、知っておけばもしもの時に活用できます。お気に入りのランタンを日々の暮らしに取り入れて、楽しく防災対策をしてみましょう。

次回は、寝袋についてお話を伺います。お楽しみに!

  • この記事取材先

    CAMMOC 三沢真実

    CAMMOC合同代表/キャンプコーディネーター/空間コーディネーター/防災士

    CAMMOC 三沢真実

    CAMMOC
    関東地方を中心に活動中。アウトドアスタイルをメインに自然を生かした空間コーディネートやメディア向け撮影スタイリングを手がける。近年は「SDGs防災キャンプ~キャンプをしながら無理なく無駄なく楽しく防災~」を提唱。防災キャンプ講座や執筆、オリジナル商品の開発などに力を入れている。2024年8月には著書「ラクして備えるながら防災フェーズフリーな暮らし方」を発売。
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公開日:2025.2.12

最終更新日:2025.2.19

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