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突然の停電! 慌てないために常備しておきたい明かりとは?

突然停電が起きたときには誰しも慌ててしまうものですが、普段から明かりを確保する方法を確認し、備えておけば安心です。そこで、常備しておきたい明かりや、簡単・身近な物で作り出せる明かり、明かりを確保するための自家発電など、まとめてご紹介します。

最終更新日:2024.11.15

目 次

大規模停電、どういうときに起きやすい?

蝋燭の火を囲む

PIXTA

災害が起きた時、同時に発生しやすい被害の一つに大規模停電が挙げられます。現代の生活に欠かせない電気は、地域や季節によっては命をも左右する重要なライフラインです。大規模停電につながりやすい災害とはどういうものがあるのか、最近の事例を基に確認してみましょう。

台風や豪雨による停電

令和に入ってすぐに起きた自然災害といえば、台風と豪雨。令和元年(2019年)9月の台風15号に「令和元年房総半島台風」、10月の台風19号に「令和元年東日本台風」と、それぞれに対し42年ぶりに名前が付けられるほどの大災害となりました。

どちらも豪雨とともに大規模停電の被害に見舞われ、特に台風15号においては飛来物や倒木の影響により、鉄塔の破損・崩壊や配電設備である電線が断線。そして断線と同時に電柱も多く損壊した結果、千葉県を中心に最大約934,900戸が停電しました。

物資や人員の不足、土砂崩れ等で侵入困難なエリアが多く発生した影響もあり、全体の復旧に掛かった期間は約2週間にも及びました。

大規模な地震の発生による停電

東日本大震災のほかに、日本初の「ブラックアウト(大規模停電)」としても話題になったのは、平成30年(2018年)9月に発生後、重要な災害として命名された「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」です。

最大震度は7と非常に強く、発生直後に近隣の火力発電所が停止し、その後風力・水力発電も停止した結果、最大約295万戸が停電に陥りました。

約2日で約99%の電力が復旧しましたが、電力需給が安定化するまでの間、道内の家庭や企業に約2割の節電タイムが呼びかけられたことなど、ニュースなどで見聞きした覚えがある方も多いのではないでしょうか。

停電時の復旧までにかかる目安の時間は?

電柱の整備

PIXTA

停電時はいずれ復旧すると分かっていても、暗闇が続く緊張感から精神的に疲れてしまい、不安になるものです。事例から見る電力復旧までにかかる目安の時間とは、一体どれくらいなのでしょうか。

被害の大きさによって復旧時間は大きく異なる

停電のピーク時間から復旧見通しの公表までに掛かった時間のグラフ

出典:台風15号・19号に伴う停電復旧プロセス等に係る個別論点について(経済産業省)

経済産業省の調査資料によると、停電のピーク時間から復旧見通しの公表までに掛かった時間は1日以内が多く、エリアごとに復旧時間の差こそあれ、比較的被害が少ない地域では概ね2日以内に電力が復旧したそうです。

しかしながら台風15号に関しては、約2,000本の電柱が損壊したことで、発生から48時間が経っても約50万戸超が停電の状態にありました。電柱の倒壊や土砂崩れなど、被害状況によっては停電が長期化してしまう可能性があることが分かります。

停電時にあると便利! 家庭で手軽に用意できる明かり

ランタン

PIXTA

台風の被害が少なければ復旧までの時間は2日以内が多いといっても、実際に停電になったときに明かりがないと、とても心細く不便な思いをすることでしょう。特に夜間に停電になった場合は、明かりがないことでケガをしてしまう可能性も高くなります。

そのような事態を防ぐために、普段から緊急時の明かりの備えをしておく必要があります。まずは家庭内で手軽に用意できる明かりをご紹介します。

定番! 懐中電灯を用意しよう

懐中電灯

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停電の時、真っ先に頼りになる明かりといえば懐中電灯ですね。それは今も昔と変わらず、少なくとも各家庭に1つは常備しておきたいアイテムです。

停電が起きるのは日中に限ったことではないので、夜間でも手を伸ばしやすいベッドの側・足元などに、電池を入れたまま・もしくは乾電池と一緒に置くのがおすすめです。

なお、長期間入れっぱなしの乾電池は、液だれ等といったトラブルが起きている可能性も。充電式の懐中電灯も含め、半年に1回程度は状態をチェックするのが理想的です。

単に明かりとしてだけではなく、ラジオや防水機能、自分の居場所を知らせるベル機能など、最近では懐中電灯も多様な進化を遂げているので、チェックしてみるといいですね。

定番のろうそくは注意が必要

ろうそく

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定番のろうそくは、ライトと違って電池の交換が必要ないというメリットもあります。最近では防災用として、24時間も長持ちするろうそくも販売されています。しかし、使い方を間違えてしまうと火災の2次災害を起こしかねないアイテムです。

地震で物が散乱し、平常時には無い場所に燃えやすいものがあるなど、屋内はいつにも増して裸火から着火しやすい状況にあります。余震のおそれもあり、ろうそくが転倒することも考えられます。万が一着火した場合には、避難や消火が通常の火災より困難です。

避難や復旧活動の疲れから、注意が十分に行き届かない場合もありますので、特に地震発生後は明かり取りの目的で、ろうそく等の裸火は極力使用しないようにしてください。

ろうそくを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
●子どもの手が届く場所に置かない
●使用中は側を離れず、目を離さない
●就寝時には必ず火を消す

ヘッドライトなら両手の自由がきく!

ヘッドライト

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地震などの災害発生にともなう停電の場合、倒れた家具などでケガをする可能性もあるため、両手が空くヘッドライトがあると安心ですよ。

最近のヘッドライトは機能が改良され、数十メートル先まで明かりが届いたり、バッテリーが数日間持続するタイプもあるようです。なるべく重量感の無い、付け心地のよいものを選びましょう。

室内照明にはLED式ランタンがおすすめ

LED式ランタン

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LED式ランタンは、全方位に明かりが届くので、リビングなど家族が集まる場所での明かりに適しています。商品によっては乾電池式だけでなく、手回し充電式でUSBをつなぐことができる商品もあるので、用途に合わせて選びましょう。

懐中電灯は上手に活用して室内照明にも!

LEDランタンなどがない場合は、懐中電灯を活用して簡単に室内照明を作ることができます。部屋全体を照らすには不向きな懐中電灯ですが、ちょっとした工夫で簡単に室内照明としても使えるようになりますよ。

【ポリ袋ランタンの作り方】

ポリ袋ランタン

uchicoto

立てた懐中電灯にポリ袋をふんわりと被せ、空気が入った状態で持ち手の部分を結べば完成です。
安定感がない場合は懐中電灯をコップに入れて立てたり、壁に向けて横から照らす方法でも十分に周囲を照らすことができます。

【ペットボトルランタンの作り方】

ペットボトルランタン

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懐中電灯のライトの上に、水の入ったペットボトルを載せてください。小さい懐中電灯などの場合は、コップに懐中電灯を入れて、その上にペットボトルを載せると安定します。水の中で光が乱反射し、格段に明るく周囲を照らすことができます。

ライトだけじゃない! 身近な材料で用意する明かり

懐中電灯ややろうそくなど十分に備えているつもりでも、いざという時になって使えなかったり、すぐに見つけられないということも・・・。そんな時に慌てることのないように、家にある身近な材料で即席の明かりを作る方法をご紹介します。
※ご紹介する方法は、いずれもろうそく同様に地震の際の明かり取りとしては使用しないでください。火災につながる恐れがあります。

キッチンにあるもので作る簡易ランプ

オイルランプ

uchicoto

地震が起こって余震が続いている間にはおすすめできませんが、キッチン用品で作れる簡易ランプも頼りになります。約1時間使用しても火の勢いが衰えず、油もほとんど減りません。

【用意するもの】
●キッチンペーパー
●アルミホイル
●サラダ油
●耐熱容器
●ライターかマッチ

【サラダ油を使ったランプの作り方】

  1. 耐熱容器に油を注ぐ
  2. キッチンペーパーを丸めて芯を作る
  3. アルミホイルをひも状にしたものを芯に巻き付ける
  4. 芯を耐熱容器に入れ、アルミホイルの両端をコップに引っ掛ける
  5. 芯が油に対して垂直に立つように固定し、芯に油が染み込むまで少し待ってから、先端に火をともす


参考:警視庁「サラダ油で簡易ランプ」

ツナ缶でつくる簡易ランプ

ツナ缶でつくる簡易ランプ

uchicoto

非常食としても常備しておきたいツナ缶ですが、簡易ランプとしても活用できれば、使い終わった後そのまま食べることができて一石二鳥ですね。

用意するものは火をともす芯となるティッシュとツナ缶(オイル使用のもの)とマッチかライターだけです。視界が悪い状態では普段以上にケガの心配があるので、できれば指を引っ掛けて開くタイプのツナ缶を用意しておきましょう。

【ツナ缶ランプの作り方】

  1. ティッシュペーパーは半分に切り(もしくはちぎる)、細長く丸めて芯にする
  2. ツナ缶は指を引っ掛けて、少しだけ隙間が空いている状態にし、その隙間に芯を差し込む
  3. 芯にツナ缶の油が染み込むまで少し待ってから、先端に火をともす


参考:警視庁「ツナ缶で簡易ランプ」
参考:一般社団法人 ADI災害研究所「ツナ缶でランプをつくろう」

家庭用の発電設備で明かりやスマートフォンの充電などに必要な電気を確保する!

室内照明

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近年、相次ぐ地震や台風による停電被害を受け、家庭用発電設備の需要が高まっているようです。設置には初期費用がかかりますが、もし長時間の停電が起きても、自家発電できれば明かりを確保することができますし、ある程度の電力をまかなうことができるのは心強いですよね。

発電機にはその種類によって、メリットとデメリットがあります。どの種類が向いているのか、どのくらいの費用がかかるのか、購入を検討している場合はぜひ参考にしてみてください。

手動型の発電機

防災グッズ

PIXTA

手動型発電機の価格は約1万円からと、比較的導入しやすい価格帯です。最近ではソーラー充電にも対応しているものや、ラジオ付きの商品、SOS機能を搭載した多機能品が人気のようです。

ハンドルを回したりペダルを踏むことで発電するため、燃料は必要ありませんが、デメリットはその発電量の少なさ。一時的な明かりであれば確保できそうですが、生活を維持するには頼りなく、発電時には休みなく身体を動かす必要があります。その点から主な用途は懐中電灯やスマートフォン、携帯ラジオへの充電など限られたものとなりそうです。

太陽光発電と蓄電池

太陽光発電

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停電対策のほかにも普段の電気代の節約や、売電可能という観点から多くの家庭に普及している太陽光発電。発電した電力は家庭用電力へと変換でき、蓄電池と組み合わせることで、悪天候でも自家発電した電力を使用できるのが魅力です。停電時の明かりの確保には大活躍しそうですが、初期費用は使用する機器やメーカーによっても異なりますが、約200万円が目安といわれています。

エンジンタイプの発電機

エンジンタイプの発電機

PIXTA

燃料にカセットボンベやガソリンを使用するエンジンタイプ発電機のメリットは、カセットボンベを使うものの場合はボンベのサビにさえ注意をすれば約6年間は燃料を保存ができること。また、手動式に比べて発電力が高く、常に一定の発電量をまかなうことができる点でしょう。これなら、安定的な明かりの確保ができそうですね。価格も10万円前後と比較的手に入れやすい価格のものが多いようです。

デメリットとして挙げられるのは、使用時の音が大きい点。いくら低騒音型や防音型を選んでも、稼動音は残ってしまい、近隣への迷惑やトラブルにつながる懸念があります。小型の方が多少は静音であるという場合もありますが、基本的には重量と発電量は比例するため、小型のタイプを選ぶと発電量が少ない可能性があります。

家庭用燃料電池(エネファーム)

エネファームのある住宅イメージ

TOKYO GAS

地下に埋設されているガス管を通って各戸に供給される都市ガスや、1戸1戸にボンベで設置されるプロパンガスは、倒木や飛来物などで電線が切れてしまう電力に比べると、台風下の影響が少ないといわれています。実際に、2019年の台風15号、19号でも、電源供給が途絶えたため給湯は使えないけれど、ガスコンロは使えるという声が聞かれました。
 
※乾電池式のコンロのみ使用可。100V電源のコンロでの使用は不可。
※停電中は換気扇が作動しないため、窓を開けるなど必ず換気を行いながら使用してください。
 
エネファームはガスと水道が供給状態であれば、発電中に停電しても電気とお湯をつくり出すことができます。前述の台風の時も、エネファームが発電したおかげで、スマートフォンの充電や照明が使えて安心した、という声もありました。

停電発生時のイメージ

災害発生時のエネファームの使用イメージ

TOKYO GAS

最新のエネファームなら、レジリエンス機能が標準搭載されているので、停電した際、エネファームが発電中で、都市ガスと水道が供給されていればそのまま発電を継続でき、発電した電気とお湯を使うことができます。また、最大使用電力まで、停電時専用コンセントから電気を利用することもできます。
 
災害下でもライフラインが生き残ってくれると、それだけでも心強いもの。機器の大きさや発電出力など、ご家庭のニーズに合わせてお選びいただけます。
ぜひチェックしてみてくださいね。
 
※エネファームの機種により異なります

おわりに

台風、豪雨、地震など、度重なる災害に見舞われてきた日本。今後も、大規模な災害がいつ起きるか分かりません。1年に1度は停電に備えて家族で話し合って、災害時の備えについて確認しておけるといいですね。

東京ガスでは、防災に役立つ様々な情報をお知らせしています。ぜひチェックしてみてください。

災害時に役立つ 東京ガスの防災関連情報

復旧マイマップ サンプル図

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公開日:2020.7.17

最終更新日:2024.11.15

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