未曾有の台風被害、停電の世帯は一時90万戸に
令和元年9月、千葉県に甚大な被害を及ぼした台風15号は、一時90万戸を超える大規模停電をもたらしました。
同10月には、台風19号によって関東・甲信・東北の広い範囲で大規模な浸水被害が。こちらも50万戸超の停電が発生し、多くの人々が深刻な事態に陥りました。
これらの2つの災害の特徴は、停電が長期化したこと。
電柱の倒壊や電源施設の浸水、広い範囲で同時多発的に災害が発生したことなど、さまざまな理由によって、半月を超えてもなお電気が復旧しないという地域が各地に・・・。電気というインフラが途絶えることの深刻さが、改めて浮き彫りになりました。
停電すると生活にはどんな影響が? お風呂にも入れなくなる⁉
停電によって、生活の多くが電気に依存していることを思い知らされました。
エアコンや冷蔵庫といった家電製品は、停電によって使えなくなることをイメージするのは容易です。しかし「盲点だった」という声が聞かれたのは、日ごろ電気で制御されていることを意識していない、こんなことでした。
●インターネットが使えない(モデムの電源が入らない)
●トイレが使えない(リモコン制御の家庭用トイレや、マンションの給水ポンプが電気で制御されているなど)
●固定電話が使えない(コードレス電話機が使えない、電話機の電源が入らない)
●車が使えない(信号がつかない、電気自動車のバッテリー充電ができない)
●買い物ができない(スーパーやコンビニのレジが使えない、ATMが使えない、クレジットカードが使えない)
●お風呂に入れない(室内の給湯パネルの電源が入らない、給湯設備が電気制御されている)
停電時に備えて、自家発電をする方法は?
長期間に及んだ今回の大規模停電。災害下では「電力トリアージ」によって、すぐに電力が復旧しないこともあることを教訓として学びました。
電力トリアージとは、電力供給が切迫した際に、電源車配備などの優先順位付けがされること。今回の災害下では、病院や災害対策を行う行政施設や避難所など、緊急性の高い施設等が優先されました。
また、災害復旧は上流部分から行われます。例えば、高圧線が復旧しても、低圧線や引込線の復旧は段階的。そのため近隣地域の中でも電気がはやく復旧する世帯とそうでない世帯が出てきます。
そこで見直されているのが、自家発電の重要性です。
自家発電の方法1 太陽光発電
自家発電の中で最も普及が進んでいる太陽光発電。住まいの屋根などにソーラーパネルを設置し、太陽光で作った電気を家庭で使用できる電力に変換するシステムです。ただし、太陽光を利用するので夜間は発電できません。最も電力を必要とする夜間に電気を使う場合は、発電した電気を蓄電池にためておく必要があります。
自家発電の方法2 エンジン式発電機
ガソリンなどでモーターを動かし、発電します。発電量が多いためテレビや冷蔵庫などの家電をつけることもできますが、臭いや稼働音がご近所の迷惑になる可能性も。価格は10万円前後と比較的安価に導入できます。
自家発電の方法3 手動式発電機
ハンドルなどを手回しして発電するものや、足踏み式の発電機など。1万円以内で購入できるものが多いため、非常持出袋に備えている人もいるのではないでしょうか。人力で発電するため発電量は少なく、照明や電力消費の多い生活家電などの電源供給は現実的ではありません。
自家発電の方法4 家庭用燃料電池
地下に埋設されているガス管を通って各戸に供給される都市ガスや、1戸1戸にボンベで設置されるプロパンガスは、倒木や飛来物などで電線が切れてしまう電力に比べると、台風下の影響が少ないといわれています。実際に、2019年の台風15号、19号でも、電源供給が途絶えたため給湯は使えないけれど、ガスコンロは使えるという声が聞かれました。※
※乾電池式のコンロのみ使用可。100V電源のコンロでの使用は不可。
※停電中は換気扇が作動しないため、窓を開けるなど必ず換気を行いながら使用してください。
エネファームはガスと水道が供給状態であれば、発電中に停電しても電気とお湯をつくり出すことができます。前述の台風の時も、エネファームが発電したおかげで、スマートフォンの充電や照明が使えて安心した、という声もありました。
停電発生時のイメージ
最新のエネファームなら、レジリエンス機能が標準搭載されているので、停電した際、エネファームが発電中で、都市ガスと水道が供給されていればそのまま発電を継続でき、発電した電気とお湯を使うことができます。また、最大使用電力※まで、停電時専用コンセントから電気を利用することもできます。
災害下でもライフラインが生き残ってくれると、それだけでも心強いもの。機器の大きさや発電出力など、ご家庭のニーズに合わせてお選びいただけます。
ぜひチェックしてみてくださいね。
※エネファームの機種により異なります
おわりに
約1か月の間に最強クラスの台風が2つも首都圏を直撃した令和元年。環境の変化による気候変動が著しい昨今、同じような台風や、これらを上回る未曾有の自然災害が今後起こらないとはいえません。行政レベルだけでなく、家庭レベルでも、よりいっそうの災害対策を進めていきたいですね。