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小学生の自由研究に! 親子で「火のパワーとエコ」~マシュマロをあぶってみよう~【東京ガス都市生活研究所】

夏休みはキャンプに行ったり、親子で一緒に料理したりと、火を使う機会が多くありますよね。せっかくなので、体験にとどまらず、火の仕組みや使い方について考えるきっかけにしてみましょう。東京ガス都市生活研究所の研究結果から、マシュマロを題材にした自由研究のアイデアをご紹介します。夏休みの自由研究として、そのまま使えるワークシートもダウンロードできます。

最終更新日:2024.9.26

目 次

今年の自由研究テーマは『火のパワー』で決まり!

ガスコンロ

TOKYO GAS

家庭の中で火を見る機会が少なくなり、火を上手に使うことがエネルギーを上手に使うこと、そして、それが省エネにもつながるという意識が希薄になってきているようです。ガスコンロの火加減を調節して、適正な火力にすることは省エネにつながることはよく知られていますが、家の中で、火はどんなところで使われているのでしょうか。

そこで、今回は家庭で使っている火のパワーについて親子で考え、マシュマロを使った実験を通して火のパワーを確認しながら、自由研究に取り組んでみましょう。

さっそく自由研究に取り組んでみよう!

焼きマシュマロ

PIXTA

では早速、自由研究の進め方をご紹介していきます。今回ご紹介する自由研究では、まず家の中のどんなところで火を使っているのか、火が必要となる機器を調べてリスト化し、次に、火が燃える仕組みを考え、火を観察し、実際にマシュマロを実際にあぶってみて、火がものを変化させる力があることを確認していきます。

さらに、人間はなぜ、いつから火を使うようになったのかなど考えを深めていきましょう。もっと研究を深めたい場合は、マシュマロが火で溶ける性質を活用したお菓子を作ってみてもいいですね。そのまま使えるワークシートもダウンロードして活用してみてください。

【チャレンジ方法】

1. 火が燃える仕組みを考える。
2. 家の中で使っている火を使う機器をリスト化する。
3. ガスコンロの火を観察する。
4. 火でマシュマロをあぶってみる。
5. マシュマロを溶かしてお菓子を作る。
6. 火の役割や歴史を考える。

ワークシートをダウンロードしよう!

ワークシート

東京ガス都市生活研究所

実験結果を記録するためのワークシート「炎のパワーチャレンジシート」は、以下からダウンロードできます。炎の観察やマシュマロをあぶる実験の記録だけでなく、マシュマロを溶かして作るお菓子のレシピ、火の使われ方のまとめまでできるようになっています。

火が燃える仕組みとは?

火が燃えるための3要素

イラスト:東京ガス都市生活研究所

まずは、火が燃える仕組みを確認してみましょう。火が燃えるには、次の3つの条件が満たされていることが必要です。

・酸素(空気)があること
・燃料になる燃えるものがあること
・熱(着火源、マッチの火など)があること

「酸素」と「燃えるもの」に「熱」が加わることで火がつきます。一つでも欠けると、火はつきません。この3つの量を増やしたり減らしたりすることで、火をコントロールすることができるのです。

まずは、家にある火を使う機器を探してみよう!

家庭でエネルギーを使用する場所

イラスト:開隆堂「今日からはじめる省エネ教育」(2021年4月)

では、ガスコンロ以外で、家の中で火を使っている機器は何でしょうか? 探してみましょう。

ガス給湯器やガス衣類乾燥機、ガスファンヒーターなども火力を調整することで動いています。また、熱源(暖房や調理)としてだけでなく、火はエネルギー源としても使われています。私たちの使う電力消費量の調整も、主に火力発電所で賄われています。実は電気を上手に使うことも、火を上手に使うことにつながっているのです。

エネルギーを身近に確認できるのはガスコンロ!?

ガスコンロの着火の仕組み

TOKYO GAS

さて、家の中を探してみて、火を使う機器はいくつ見つかりましたか?
家の中にある火を使う機器というと、真っ先にガスコンロを思い浮かべた方も多かったのではないでしょうか?

では、そんなガスコンロはどんな仕組みで火がつくのでしょうか?

火が燃えるには、燃えるものと酸素が必要でしたね。ガスコンロの場合は、あらかじめ空気を取り込んだ状態のガスを燃やします。そして、点火した時に電流を流して一瞬だけ火花を発生させる「点火プラグ」が着火源になります。

ガスの炎を観察してみよう!

ガスバーナーの炎の温度

イラスト:東京ガス都市生活研究所

では、次にガスコンロの炎を観察してみましょう。炎というとキャンプファイヤーやろうそくの炎を思い浮かべて、赤色をイメージする方も多いと思いますが、おうちにあるガスコンロの炎をよく見てみると、青色ですね。これは、ガスがたくさんの酸素を使って完全燃焼しているからです。ガスの完全燃焼には、ガス1に対しておよそ14倍もの空気が必要です。

炎の温度は、外炎は1800℃程度、内炎は1200℃程度と、とても高温になります。このおかげで、お湯を沸かしたり、肉や魚に火を通したり、調理をすることができるのです。

ガスコンロの火でマシュマロをあぶってみよう!

マシュマロをコンロの火であぶっているところ

写真:東京ガス都市生活研究所

では、ここからは実際に、ガスコンロを用いた実験を行っていきましょう。火にはものを変化させる力があることを、マシュマロをあぶって確認していきます。

【用意するもの】

竹串に刺したマシュマロ

写真:東京ガス都市生活研究所

・ガスコンロ
・竹ぐし(人数分)
・マシュマロ(人数分)
・ストップウオッチ

【実験方法】

1. 竹ぐしにマシュマロを刺して、ガスコンロであぶる
2. 回しながら焼き、焦げないようにし、きつね色になるまでの時間を計る
3. 熱いので、少し冷ましてから食べる

※マシュマロをあぶるのと、ストップウオッチで時間を計るのは、おうちの人と分担して行いましょう。

【注意事項】

火を使うときには安全に留意しましょう。火にはものを変化させる力があること、正しく扱わないと危険なものにもなることを意識してください。コンロの周りを片づけ、余分なものがない状態で行いましょう。

また、鍋なし検知機能のついたコンロでは、点火時に鍋がないと点火しないため、センサーを解除する必要があります。
鍋なし検知機能のついたコンロのセンサー解除方法について、機種により解除方法が異なりますので、お使いの機種のマニュアルを確認するようにしてください。

温度センサーの仕組みや解除方法について、詳しくは以下記事でもご紹介しています。参考にしてみてください。

【記録しよう】

ワークシート記入例

マシュマロはどう変化したか、シートを使って記録します。おうちの人に写真を撮ってもらいましょう。ここでは記入例を示していますが、実際には3回程度試してから、記入しましょう。

実験をするときには、何回行っても同じような結果になるのかどうかを確認する必要があります。今回、きつね色になるまでの時間を計っていますが、これも3回以上行うことで、平均値を出すことができます。研究者になったつもりで、少なくとも3回は行ってみてくださいね。

火のパワーで溶けるマシュマロ

マシュマロ

写真:東京ガス都市生活研究所

なぜマシュマロは火であぶると溶けたのでしょうか。その秘密は材料にあるようです。
マシュマロは、砂糖、ゼラチン、卵白などからできています。中でもポイントはゼラチンです。ゼラチンは、冷やすと固まりますが、熱を加えると溶ける性質を持ちます。

マシュマロは日本では、そのまま食べるのが一般的ですが、北米では、キャンプファイヤーの際にマシュマロを串に刺すなどして直火で焼いてとろけさせそのまま熱いうちに食べたり、熱いココアなどに浮かべたりと楽しまれているようです。

では、マシュマロの熱を加えると溶けて、冷やすと固まる性質を上手に使って、おいしいお菓子を作ってみましょう!

作ってみよう!「マシュマロック」

マシュマロック

写真:東京ガス都市生活研究所

【材料】4~6人分

マシュマロ・・・100g
バター・・・30g

[A]
 コーンフレーク・・・20g
 ポップコーン(塩味)・・・20g

【作り方】

1. フライパンにマシュマロとバターを入れて、中火にかけます。
2. 1が溶けたら、Aを混ぜます。
3. バットに広げ、少し冷めてからスプーンや手で丸めます。
※手で触るときにはやけどしないよう注意してください。

【エコポイント】

溶かしたマシュマロに少しずつ残っているお菓子を合わせて、新しいお菓子にします。

火の役割や歴史について考えよう!

焚火の炎

PIXTA

火を使うことは人類最大の知恵と言われています。炎は煮炊きをするためだけでなく、暖をとるため、明かりを灯すためのものでもありました。

かまど

PIXTA

最初地面を少し掘り下げて薪をくべる形式だった炉は、6世紀ごろに、かまどが出現し炊事専門の場所となっていきました。

囲炉裏

PIXTA

かまどが炊事専用になっていくのに対し、炉は、炊事だけでなく、暖房や照明の役割を果たす囲炉裏(いろり)となって広まりました。その後、照明道具の発達にともなって囲炉裏は明かりとしての機能を失います。しかし、周りを囲んで暖をとったり、食事を煮炊きしたり、魚を焼いたりできることから、家族の団らんの場になっていきました 。

コロンビア二口七輪

写真:東京ガス ガスミュージアム「コロンビア二口七輪」

やがて木炭の普及や焜炉(こんろ)、七輪などが登場すると、囲炉裏で炊事する機会は減っていきます。一方、炊事専用のかまどは、明治中期には薪からガスに取って代わり、炊事といえば煙やすすが出るのが当たり前だった生活が一変します。

横浜のガス燈

写真:東京ガス ガスミュージアム「横浜のガス燈」

明治30年代に入り、最初は明かりとして使われ始めたガスの炎は、次第に煮炊きや給湯、暖房用へと普及していきました。

火の変遷

イラスト:東京ガス都市生活研究所

このように人間は長い時間をかけて火を取り入れ、暮らしを豊かにしてきたのです。どんなときにどんなどころで火を使っているか、普段の生活を振り返ってみましょう。さらに、昔の人がどんなふうに火を使っていたのか、自分で調べてみるのも面白そうですね。

おわりに

今回は、火の仕組みや使い方について考えたり、マシュマロをあぶる実験を行ったりしながら火のパワーを確認してきました。

家庭の中で火を見ることが少なくなり、子どもたちが直接体験できる機会も減ってきていますが、簡単な実験や調理を通して学べることはたくさんあります。火は目に見えるので、火を上手に使うことがエネルギーを上手に使うことへの意識にもつながります。自由研究をきっかけに、暮らしの中の火の役割について考えてみましょう。

文筆:東京ガス都市生活研究所 所長(博士)/エコ・クッキングナビゲーター/東京家政大学 非常勤講師/キッズデザイン協議会 理事 三神彩子

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公開日:2022.6.23

最終更新日:2024.9.26

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