この記事でわかること
- ガスコンロの温度が何度か
- 温度センサーの仕組みや機能
- ガスコンロの温度センサーや全体のお手入れ方法
火加減による温度
調理中のガスコンロの火加減は「強火」「中火」「弱火」「とろ火」と表現されます。これらが具体的に何度なのか見ていきましょう。また、温度ごとの代表的な調理メニューもあわせて紹介するので、料理をする際の参考にしてください。
強火

ガスコンロにおける強火は、鍋底全体に火があたるくらいの火加減のことです。誤解されがちですが、ガスコンロの火力を最大にすることが強火ではありません。火が鍋底からはみ出さないように注意しましょう。
鍋底の温度は約200度〜230度です。温度調節の設定は各メーカー・商品によって異なるので、鍋の中の様子を確認しながら調理しましょう。
強火を使った主な調理例としては以下が挙げられます。
- 中華野菜炒め
- ステーキ など
強火の具体的な使用目的としては、以下のとおりです。
- 野菜炒めなどでシャキッと仕上げる
- 煮汁を煮立てる
- 肉に焼き目をつける
- お湯を沸かす など
中火

中火は鍋の底に火の先が触れる程度の火加減のことで、幅広い料理に使用できます。鍋底の温度は約160度〜180度です。
調理例として、以下の料理が挙げられます。
- 肉じゃが
- かぼちゃの煮物
- ホットケーキ
- 天ぷら など
中火を使用する目的は、以下のとおりです。
- 揚げ物をする
- 煮物の具材に火を通す
- 肉や魚の中心まで火を通す
- 煮魚、麺類をゆでる など
弱火

弱火は鍋底に直接火があたらないくらいの弱い火加減のことで、鍋底の温度は150度前後です。主に煮込み料理で使用するので、鍋の中の様子を見ながら調整しましょう。
具体的な調理例としては、次のようなものが挙げられます。
- シチュー
- 煮物
- カレー など
弱火を使用する目的は以下のとおりです。
- コトコト煮込む
- 分厚い具材の中にしっかり火を通す
- 油に香りをじっくり移す など
とろ火

とろ火は弱火よりもさらに弱い最小の火加減のことで、鍋底の温度は140度前後です。
とろ火を利用する主な料理例としては以下が挙げられます。
- 薄焼き卵
- 煮豆
- おかゆ
- 汁気の少ない煮物
とろ火を使用する主な目的は以下のとおりです。
- 火がすぐ通り、焦げやすいものを加熱する
- 弱火メニュー以上に長時間じっくり火を通す
- 保温や温め直し
ガスコンロの温度センサー(Siセンサー)とは

「Siセンサーコンロ」とは、Safety「安全」、Support「便利」、Smile「楽しく」を約束する、Intelligent「賢い」センサーを全てのバーナーに搭載したガスコンロのことです。
法制化により、2008年10月以降家庭用のガスコンロは全口センサー搭載が義務化され、3つの安全機能(調理油過熱防止装置・立ち消え安全装置・コンロ消し忘れ消火機能)を標準でつけることになりました。
ガスコンロの温度センサー(Siセンサー)の仕組み

Siセンサーコンロには「調理油過熱防止装置」と「立ち消え安全装置」、「コンロ消し忘れ消火機能」が搭載されています。
調理油過熱防止装置は、ガスコンロの中心にあり、鍋底に触れる支柱の部分です。鍋底の温度を常に感知して、温度を一定に保ったり、火加減を自動で制御したりする役割を担います。これにより、異常な温度上昇を検知した際に速やかに消火します。
立ち消え安全装置は、バーナー部分の横にある小さなつまみのようなものです。ガスコンロの火が消えてしまったときに、それを検知して自動的にガスを止める役割を持ちます。これにより、煮こぼれや風などによって意図せず火が消えてしまった際のガス漏れを防ぎます。
コンロ消し忘れ消火機能は、タイマーとは別に備わっています。ガスコンロの点火後一定時間が経過すると自動で消火され、火災を防止します。機種によっては、点火後どのくらいの時間で消火するか、設定を変更できます。
Siセンサーコンロに標準搭載されている安全機能とは
安全機能その1

調理油過熱防止装置「油の過熱を防ぎ、揚げ物調理も安心」
温度センサーが鍋底の温度を検知し、油温を常にチェック。油温が約250度を保つように自動的に火力を調節し油の発火を防止します。
注) 鍋底の温度が250度をキープするように自動で火加減調節。250度を超えると自動消火します。
安全機能その2
立ち消え安全装置「吹きこぼれて火が消えてもガスを自動的にストップ」
煮こぼれや風などで火が消えても自動的にガスを止め、ガス漏れを防ぎます。
安全機能その3
コンロ消し忘れ消火機能「万一火を消し忘れてしまっても一定時間で自動的に消火」
長時間の煮込み料理などで火を消し忘れてしまっても大丈夫。自動的に消火します。
温度センサーを一時的に解除する方法とは
安全機能が働くことで、火加減の調整に不自由するかもしれません。「高温モード」「あぶり・高温炒め」などと呼ばれるセンサー解除スイッチを用いると、ある程度強火を維持しても消火されません。
Siセンサーコンロに搭載されている「調理油過熱防止装置」は鍋底の温度を感知して、油温が約250度を保つように自動的に火力を調節し油の発火を防止する安全機能です。しかし、特に高温で調理したいときは、調理中に自動消火されるととまどうでしょう。
一時的に「調理油過熱防止装置」の機能を解除し、250度以上の強火調理を可能にします。高温の炒め物やあぶり調理にも最適です。
注) センサー解除をしていても、ある温度以上に達すると安全のため自動消火します。
注) 揚げ物を行う際は、センサー解除はしないでください。
センサー解除スイッチは、「高温モード」「あぶり・高温炒め」と表記されていることが多いので、自宅のガスコンロを確認してみましょう。
リンナイ社デリシア(RHS31W38M15RCSTW)の場合

温度センサーが、火力を自動調節したり火を消してくれるのは、安全性を保つ一面があります。しかし、炒め物のときにはやや火力不足を感じるでしょう。
高温調理や鍋の空焼きをしたいときには、一時的に一部のセンサー機能を止めることができます。「あぶり・高温炒め」ボタンを「ピピピッ」と音が鳴るまで3秒以上押し、ランプが点灯すれば設定完了です。取り消す際はもう一度スイッチを押せば、ランプが消灯します。「あぶり・高温炒め」設定時に他のスイッチを押した場合も、操作が取り消されますので注意してください。
常に温度センサーを外すのは危険

火加減が変わってしまうのが不便だからと、温度センサーを常に解除するのは大変危険です。家庭で起こる火災の多くは、油の過熱による発火が原因といわれています。2008年に安全装置つきのガスコンロが義務付けられたのも、こうした状況が背景にあります。安全性を保つ上で重要な機能ですので、必要なときのみ解除してください。
ガスコンロの温度センサー(Siセンサー)が備える標準以外の安全機能
ガスコンロの安全機能は、Siセンサーコンロが標準的に備えている機能のほかにも、多数存在します。ここでは、バーナーとグリルのそれぞれの使用時に働く安全機能を紹介します。
バーナー使用時の安全機能
バーナー使用時の安全機能は、以下の3つです。
- 鍋なし検知機能
- 早切れ防止機能
- 焦げ付き消火機能
鍋なし検知機能は、火の消し忘れを防止する役割を持ちます。鍋を置いていないと点火せず、点火中にバーナーから鍋を離すと自動的に弱火になり、一定時間たつと消火します。
早切れ防止機能は、炒め物など高温での調理時に途中で消火せず、弱火・強火を繰り返して自動的に火力を調節する機能です。
焦げ付き消火機能は、煮物調理などで水分がなくなったときなど、鍋の焦げ付きを初期段階で検知し、自動で消火します。料理の焦げはもちろん、火災のリスクも低減できる安全機能です。
グリル使用時の安全機能

グリル使用時の安全機能は、以下の2つです。
- グリル過熱防止機能
- グリル防炎機能
グリル過熱防止機能は、温度センサーがグリルのバーナーにも搭載されており庫内温度をチェックします。異常な温度上昇を検知すると自動消火する機能です。
グリル防炎機能は、ガスコンロのバーナー奥にある排気口からグリルの火があふれるのを防止する機能です。
ガスコンロの温度センサーの便利な機能
温度センサーがついたことで、お料理がもっと簡単・便利になる機能がたくさんあります。
上手に使いこなせば、ガスコンロをフル活用して調理することも可能です。時短にもつながるので、ぜひ活用してみてください。
湯沸かし機能
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湯沸かし機能は、鍋のお湯が沸騰したら音で知らせてくれたり、自動で火を消してくれたりする機能です。沸騰した状態で余計な加熱をせずにすむため、エコかつ省エネになります。
また、タイマーをセットしておき、時間経過によって自動消火することも可能です。うっかり火を消し忘れる心配が減り、火災のリスクを低減します。
自動炊飯機能

鍋でご飯を炊くときに、自動で火加減を調整してくれる機能です。火加減の調整に慣れていない人でも、ボタン一つでご飯を炊くことができます。
火加減をガスコンロにまかせ、炊飯中も他の調理に集中できます。蒸らし時間を除けば約20分と、短時間で炊けるのもポイントです。
温度調節機能

揚げ物をおいしく仕上げるポイントは、調理中の温度管理。でも、揚げ物をしている間中かかりっきりになってしまっては、他の料理に集中できません。同時調理の失敗を避けるために役に立つのが「温度調節機能」です。
設定温度になるまで加熱し、設定温度になったら火加減を調整して油の温度を一定に保ってくれるので、揚げ物はもちろんフライパンをホットプレートのように使用することもできます。
ホットケーキや卵焼きなど、温度調節が難しく焼きむらができやすいものも、ガスコンロにまかせて簡単・きれいに調理できます。
最新のガスコンロはSiセンサー搭載! 安全&マルチに調理可能
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最新のガスコンロには、料理を強力にサポートする便利機能が満載です。
自動で火加減を調整する揚げ物・焼き物に便利な「温度調節」機能や、ボタン一つでガス火炊きのご飯が炊き上がる「自動炊飯」機能。お湯が沸いたり、設定した時間になると消火する「湯わかし」や「タイマー」機能など、「ガスコンロ」には調理をサポートする機能がたくさんあります。注)
また、魚を焼くイメージの強い「グリル」ですが、実は肉や野菜料理、トーストやピザ、揚げ物の温め直しにも使える万能調理器です。
専用容器対応のグリルでは、手軽にオーブン料理も楽しむことができます。注)
注) 搭載機能や機能名は機種によって異なります。
東京ガスがおすすめするガスコンロは、こちら
ガスコンロの温度センサーや全体のお手入れ方法
ガスコンロの点火プラグや立ち消え安全装置の汚れは、点火不良や不完全燃焼の原因になる可能性があるため、こまめなお手入れが大切です。
バーナーキャップをまっすぐに上に持ち上げて取り外し、各部のお手入れを行いましょう。お手入れがすんだら、温度センサーがスムーズに動くか確認してください。
バーナーキャップのお手入れ
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バーナーキャップは、中性洗剤を含ませた布で汚れを取り除いてから、水分が残らないよう乾いた布でしっかりとふき取ります。
炎口が目づまりしていたら、つまようじや歯ブラシなどの先の細かい道具で汚れを取り除きましょう。目づまりや汚れを放置したまま使用すると、不完全燃焼や点火不良の原因になります。
バーナー本体およびバーナーリングのお手入れ

バーナー本体は、やわらかい布で汚れをふき取ります。バーナーリングの凹部は、歯ブラシなどで汚れを取り除きましょう。
これらの箇所の汚れを放置すると、ごとくが安定しなくなるため、注意が必要です。
温度センサーのお手入れ

温度センサーは、水を含ませてから、かたくしぼった布で汚れをふき取ります。その後、水分が残らないように乾いた布でしっかりふき取りましょう。
なお、お手入れの際に温度センサーを無理に回転させると故障の原因となります。また、温度センサーが曲がったり、傷がついたりしないよう気をつけましょう。
立ち消え安全装置のお手入れ

立ち消え安全装置は細かい部分なので、歯ブラシなどで汚れを取り除きます。電極(点火プラグ)の先端はとがっていますので、けがに注意してください。
また、汚れや水気が残っていると、点火不良の原因になります。汚れを取り除いたあとは、水気を十分ふき取りましょう。
ガスコンロに関するよくある質問
ここでは温度以外に、ガスコンロに関してよくある質問を紹介します。
ガスコンロを使用している方は、ぜひ確認してください。
ガスコンロの耐用年数は?
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一般社団法人日本ガス石油機器工業会(JGKA)や各メーカーは、ガスコンロの設計上の標準使用期間を10年と定めています。そのため、購入から10年が経過したガスコンロは交換をおすすめします。
ガスコンロに不調がある場合も、購入から10年以上経過しているかどうかが、修理をするか、交換するかの目安です。10年以上使用しているガスコンロは、修理しても、またすぐに別の箇所が故障する可能性が高いため、交換の方がコストを抑えられるケースが多いです。
買い替えのタイミングは?ガスコンロの不調
購入から10年がたっていなくても、以下のような症状が現れたら、交換することが選択肢に入るでしょう。
ガス機器の経年劣化の例 | チェック項目 |
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ただし、これらの症状は、バーナーや温度センサー部分の汚れを取り除くことで解消することもあります。まずはお手入れをしてみるのがおすすめです。
お手入れをしても解決しない場合は、ガスコンロ自体が故障や劣化をしている可能性があるため、交換を検討しましょう。
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コンロの耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
コンロの交換費用は10万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、1回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。
