こんなにある! チョコレートの種類
チョコレートと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
板チョコレートや箱に詰まったトリュフ、チョコレートがかかったスナック菓子、アーモンドチョコ・・・など、チョコレートの種類はさまざま。幅広い世代に愛されているチョコレートですが、意外とその種類や定義を知らない方も多いのではないでしょうか? 作り方や原材料の違いによるチョコレートの種類について、詳しくご紹介します。
チョコレートの定義とは?
チョコレートとは「カカオ豆を主原料としたもの※」のことを指します。
※チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則、チョコレート業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約及び施行規則、チョコレート利用食品の表示に関する公正競争規約及び施行規則より
実は、チョコレートはかつて飲み物で、その後、固形の食べられるチョコレートが発明されました。今や日本では、チョコレートと言えば食べるものを指しますが、一方で世界ではいまだに飲み物としてチョコレートを食している地域があります。
よくある質問として、ココアとチョコレートの違いがありますが、原材料に違いはないのだそう。チョコレートとココアの違いについて、詳しくは以下記事でご紹介しています。参考にしてみてくださいね。
チョコレートはどうやって作られる?
そもそも、チョコレートはどうやって作られるのでしょうか。
- カカオの収穫・発酵
- 焙煎(ロースト)
- 分離
- 混合
- 微細化(微粒化)
- コンチング
- テンパリング
- 充填
- 冷却
という流れが一般的です。
カカオは、収穫されると現地で発酵させ、乾燥させてから麻袋に詰めて出荷されます。発酵させることによって、チョコレートの独特の香りが引き出されるといいます。
また、チョコレートの滑らかな口どけは、「微細化(微粒化)」によって生まれます。
微細化とは、ロールにかけてざらつきがないよう滑らかにする工程を指します。こうすることで、チョコレートの成分が安定した状態になり、口どけが滑らかになります。ただチョコレートを溶かして冷やし固めただけだと、食感が固くぼそぼそとした口当たりになってしまうのだそうです。
成分によって変わるチョコレートの名称
チョコレートは「カカオを原材料とするもの」ですが、もう少し細かく見ていきましょう。
まず、チョコレートの素材そのもののことを「チョコレート生地」といいます。チョコレートは、カカオニブ、カカオマス、ココアバターなどカカオ由来の成分と、脂肪分などから成っており、含有されている成分の割合によっていくつかの種類に分かれます。
チョコレート生地はカカオ分(カカオニブ、カカオマス、ココアバターなどのカカオを原料とした成分)を21%以上含むものを指し、準チョコレートよりもカカオ成分が多く、チョコレートの風味が強いのが特徴です。
一方で準チョコレート生地は、カカオ分を7%以上含むものを指します。チョコレート生地よりカカオ分が少なく手軽な価格なので、チョコレート菓子などにもよく利用されるそうです。
チョコレートとチョコレート菓子の違いって?
チョコレートを使ったお菓子のパッケージの裏側に「チョコレート菓子」や「準チョコレート」などの表記を見たことはありませんか? これらも、成分や量の違いによって分類されています※。
チョコレートは、含まれる成分やその割合によって、かなり細かく区分されているんですね。
※チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則、チョコレート業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約及び施行規則、チョコレート利用食品の表示に関する公正競争規約及び施行規則より
原材料や成分によるチョコレートの種類とその特徴
成分による違いや規格を押さえたところで、ここからは、皆さんが普段目にすることの多い、「ミルクチョコレート」や「ビターチョコレート」など、さまざまなチョコレートの特徴を見ていきましょう。
ミルクチョコレートの特徴
チョコレートといえば、ミルクチョコレートを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ミルクチョコレートは、チョコレート生地が60%以上で、乳製品を使っているものを指すのだそう。乳製品を使用することでミルクの滑らかな甘さが楽しめるのが魅力です。
ビターチョコレートの特徴
ビターチョコレートは、別名ブラックチョコレートとも呼ばれますが、実は成分の割合について明確な定義がないんだとか。一般的には、乳成分が少なく、カカオ分が多めのもの、あるいはカカオ分60%以上くらいのものをビターチョコレートということが多いようです。
ホワイトチョコレートの特徴
真っ白な見た目をしているホワイトチョコレート。白さの秘密は、原材料の違いにあります。
ホワイトチョコレートは、カカオの成分の中でも「ココアバター」と言われる油脂成分に、砂糖と乳成分を入れて作ります。カカオマスやココアパウダーはほとんど使用しないため、茶色みや苦みが抑えられています。
ルビーチョコレートの特徴
バリーカレボー社によって開発された、ピンク色の見た目が特徴的なルビーチョコレート。詳細は公開されていませんが、着色料は使っておらず、鮮やかなピンク色はなんとカカオ由来なのだそう。日本には2018年ごろ上陸し、徐々に市場にも広がり始めました。ミルク、ビター、ホワイトに続く第4のチョコレートといわれています。
製造方法や形状によるさまざまなチョコレートの姿
ここまで、チョコレートの基本的な分類を見てきました。ここからは、基本的なチョコレートを使用して作られる、さまざまなチョコレートの形状の種類をご紹介します。
クーベルチュールチョコレート
クーベルとは「カバーする」という意味の言葉。その名の通り、ケーキにかけるチョコレートや、焼き菓子のコーティングなど、お菓子作りによく使われます。油脂分が高く、きれいに固まるように作られた、製菓用のチョコレートといえます。
板チョコレート
その名の通り、板状にしたチョコレート。チョコレートといえば、こちらを思い浮かべる方も多いでしょう。英語ではチョコレートバー(chocolate bar)といい、日本でも馴染みのある形のチョコレートです。
ボンボンショコラ
一口サイズのチョコレートの総称で、中にフルーツソースなどの詰め物(センター)をしていることが多いのですが、詰め物に決まりはないのだそう。その形や詰め物によっても、いくつか名前が変わるのが特徴です。
トリュフ
ボンボンショコラの中でも、丸い形をしているものを指します。世界三大珍味のトリュフに似ていることから名付けられました。
センターはガナッシュですが、外側はココアパウダーやココナッツパウダーをまぶすなど、さまざまなアレンジが可能です。
ガナッシュ
ボンボンショコラのセンターとしてよく使用されます。
チョコレート生地と生クリームを合わせたもので、クリーム状の質感が特徴です。舌触りも滑らかで、トリュフなどでは、外のチョコレートと中のガナッシュで違った滑らかさを楽しむことができます。
生チョコレート
生チョコレートとは、ガナッシュ単体で食べられるようにしたものを指します。日本では、石畳状の四角い形にして、冷やして固めたものにココアパウダーをまぶしたチョコレートが有名ですね。
プラリネ
プラリネは、国によって指すものが異なります。
一つは、砂糖を煮詰めてキャラメル状にしたものを、ローストしたナッツと混ぜ、すりつぶしてペースト状にしたものです。こちらは、ボンボンショコラのセンターにもよく使われます。
もう一つは、ボンボンショコラ自体のこと。ドイツやフランスでは、ボンボンショコラが「プラリネ」と呼ばれています。
オランジェット
砂糖漬けにしたオレンジの皮(オレンジピール)にチョコレートをかけたもの。程よい酸味と苦みがあり、チョコレートとの相性がよく、おつまみにもなるチョコレートです。
マンディアン
チョコレートにアーモンドやヘーゼルナッツ、ドライフルーツなどをのせたもの。コイン型のものや、板チョコレート型のものなどがあります。
チョコレートにトッピングをするだけで作れるので、手作りでも人気があります。
ロシェ
フランス語で「岩」を意味するロシェ。ごつごつとした見た目が特徴のボンボンショコラの一種です。岩のような見た目は、アーモンドなどのナッツ類を表面にまとわせることで表現しています。
【番外編】最近よく聞く“Bean to Bar”とは?
最近「○○産カカオのチョコレート」など、産地にこだわったチョコレートを見かけることはありませんか?
実は、チョコレートもコーヒーのように、豆の味や風味が産地によって大きく左右されます。そのため、最近ではカカオ豆の産地農園と契約し、カカオ豆の仕入れからチョコレートにするまでを一貫して管理・製造することで、豆や生産者による味の違いを楽しめるようにする「Bean to Bar(豆から板まで)」という作り方をするブランドも増えているんです。
ちなみに、Bean to Barの”Bar”は、板チョコレートを指しているんですよ。
簡単! チョコレートを使ったレシピのご紹介
買っても、自分で作ってもおいしいチョコレート。
ここでは、チョコレートを使った簡単に作れるお菓子レシピをご紹介します。
グリルで簡単「ホワイトチョコレートラスク」
カリッと焼いたバゲットに、溶かしたホワイトチョコレートをつけるだけの簡単レシピ。表面のデコレーションを工夫するのも楽しいですよ。
大人のおやつに!「チョコカステラボール」
カステラが上品な大人のおやつに大変身します。生地にたっぷりチョコレートを混ぜ込んだラムレーズン入りカステラボールです。
フライパンでできちゃう「簡単チョコプリン」
少ない材料で出来る簡単でおいしいチョコプリンです。板チョコレートを1枚丸ごと使うことで、チョコの濃厚な味わいが楽しめます。
おわりに
一口にチョコレートといっても、成分や見た目が異なりさまざまな種類があることが分かりました。チョコレートの違いを知れば、自分でよりおいしく味わえることはもちろん、プレゼントする時にも役立つはず。これを機にチョコレートをもっとおいしく楽しみましょう!