地震対策、周りの人たちはどんな準備をしてる?
東京ガス都市生活研究所では、東日本大震災以降、暮らしとエネルギーの意識・実態の変化について調査を実施し、経年変化を追っています。
一都三県に住む生活者の地震への備え、省エネ行動の実態と意識について明らかにした、都市生活レポート「地震への備えに関する実態と意識」(2015年)からいくつかのデータをご紹介します。
備えができている人はたったの2割!? 地震の備えの現実は?
「地震への備えがどれくらいできているか」について聞いたところ、意外な結果が見えてきました。
上のグラフのように「地震への備えが必要だと思う」と回答した人は約95%にものぼります。一方で「(備えが)実現できている」と答えた人は、約2割に留まりました。
多くの人が、備えが必要だと思いつつも、実際はできていないようです。
1位は◯◯! 地震に備えている物ランキング結果!
それでは、実際に地震への備えとして、どんな物を準備しているのでしょうか?
いざ震災が起こって避難したときに、「うちだけ◯◯がない・・・!」と慌てなくて済むよう、皆さんがしている「地震のために備えている物や準備していること」を見ていきましょう。
第一位は「明かり」!
地震への備えとして最も多く行われていたのは、「懐中電灯やランタン等の明かりの準備」で、約7割の人が準備していると答えています。
地震で電気の供給が途絶えることも考えられます。明かりの準備は必要不可欠です。
第二位は「乾電池や充電池のストック」
第二位は「乾電池や充電池のストック」でした。
懐中電灯やラジオなどがあっても、電池がなければ意味がありません。携帯電話なども、充電方法を含めて確認しておきたいですね。
第三位は「飲料水のストック」
第三位は「保存用の飲料水のストック」で、約6割の人が備えていると答えています。
防災のために備えておくべき飲料水の量は、1日一人3リットル×家族全員分×3日分が必要だと言われています。今一度、家族の人数分のストックがあるかどうか、また賞味期限なども確認しておきましょう。
参考:東京都防災ホームページ「災害が起きる前に(自宅編)」
第四位は「避難場所の確認」
第四位は「避難場所の確認」でした。
近所や職場、子どもの遊び場の近くの「避難場所」、避難道路の確認を家族で確認しておきましょう。万が一の時の集合場所、また、家の中で安全な場所はどこかも確認しておきましょう。
地震の時に家の中で【安全な場所】はどこ? 身を守るための安全対策とは?
第五位は「食料品のストック」
第五位は、「保存用の食料品のストック」でした。
食料は、家族全員分×3日分が必要だと言われています。赤ちゃんがいるご家庭では、粉ミルクも忘れずに準備しておきましょう。
定期的に保存期限を確認することはもちろん、「ローリングストック」という、缶詰など保存のきく食品を多めに備蓄し、普段も食べながら補充していく方法もおすすめです。
【注目の備蓄法】食べながら備える&消費期限切れも防ぐ!「ローリングストック法」とは?
六位以下も重要! チェックしたいポイント
他にランキング上位に上がっていた物として、「卓上カセットコンロ・IHヒーターの準備」「防災リュックなどの防災グッズ一式の準備」「加熱不要で食べることができる食料品のストック」などがありました。
また、物以外の備えとしては、「家具の転倒防止」や「テレビの転倒防止」など、家の中の安全にかかわることがあがっていました。
また、「勤務先や学校からの自宅までの徒歩ルートの確認」や「家族との安否連絡方法の確認」をしておくことも大切です。
家族の連絡先や電話番号の控え、災害用伝言ダイヤルの使用方法など、家族の安否確認をするための方法も、家族で話し合っておきたいですね。
予期せず突然起こる災害。準備をしていたとしても、やはり慌ててしまいます。万が一に備えてしっかり準備しておくことで、突然の災害時も慌てず行動できるようにしておくことが大切です。
地震の備え、見落としがちなポイントとは?
備えは大事だとわかっていても、なかなか実施できていない人も多い状況。
「地震が起こっても我が家は被害に遭わないだろう」という気持ちがある方もいるのではないでしょうか?
「地震が起こっても我が家は倒壊しないと思うか?」ということを、住宅の形態・築年数別に聞いた結果が下のグラフです。
戸建住宅の結果を見ると、築年数が浅いほど、「地震が起こっても我が家は倒壊しないと思う」と答えた割合が高くなる傾向にあります。
築15年よりも、築20年や築30年の方が「あてはまる人」が多いのは、ちょうど「リフォーム」の時期であるため、耐震診断や耐震補強をした人がいるためかもしれません。
次に集合住宅を見ると、築5年以上は、築年数が浅いほどあてはまる割合が高くなる傾向にありますが、築5年未満は低くなっています。この理由は定かではありませんが、今回の調査では、築5年未満は「賃貸住宅」の割合が7割と、他の築年数の集合住宅よりも賃貸の割合が高くなっており、このことが影響しているとも考えられます。
賃貸住宅を選ぶ際は、立地や家賃、間取りなどが重視されていて、耐震性までは意識せずに選んでいる方が多いのではないでしょうか。
住宅を買い替える際に重視する点について聞くと、「基礎・構造・工法」「耐震性」は1位と3位に挙げられており、持ち家においては耐震性が重視されていることがわかります。
持ち家だけど築年数が古い、賃貸住宅で耐震性をチェックしていなかった、という方は、【家自体】の耐震性も確認してみるとよいかもしれません。
場合によっては耐震診断などをして、不安が大きければ、引っ越しやリフォームなどを検討することも地震の備えとして重要かもしれませんね。
おわりに
東京ガス都市生活研究所の調査をもとに、地震に備えている物・コトや、見落としがちな重要ポイントである「住宅の耐震性」についてご紹介しました。
いつ来るか分からない「地震」。後悔しないように、日頃の備えはもちろんですが、家そのものの耐震性も、必要に応じて対策しておくとよいかもしれません。