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ナンプラー

発酵調味料「ナンプラー」のおいしい使い方や選び方がわかる!【専門家監修】

タイ料理店やレトルトのタイ料理商品が増えている今、ナンプラーは日本でもすっかりおなじみの調味料となりました。手に入りやすくなり、その独特の風味も広く受け入れられつつあります。一方で、ナンプラーを使ってみたいけど使い方がよくわからないという方も多いようです。ナンプラーとはどのようなものなのか、また、その上手な使い方について、タイ料理研究家であり、タイ料理教室『ティッチャイタイフード』代表の長澤恵さんにお話を伺いました。

最終更新日:2026.3.12

目 次

タイ料理の風味を決める「ナンプラー」とは? 基本の知識を深掘り

ナンプラー料理

uchicoto

ナンプラーはタイの魚醤で、タイ料理に欠かせない調味料です。
魚醤とは、味噌や醤油などと同じ発酵調味料ですが、ナンプラーは「魚醤」といわれる通り、大豆ではなく魚を発酵させて作られるものなので、魚由来の強い風味が特徴です。

ナンプラーの原料や製法を紐解く!

ナンプラーの原料

タイ伝統の魚醤であるナンプラーの原料はカタクチイワシです。
タイ語で、『ナン(ナーム)』が水、『プラー』が魚という意味です。

ナンプラーの製法

ナンプラーの作り方

uchicoto

カタクチイワシを塩で漬け込むと、どんどん水が出てきます。2年くらい漬け込んで熟成させると、水の塩辛さがマイルドになっていき、その上澄み液がナンプラーとなります。

「この最初に取る上澄み液がナンプラーの『一番しぼり』といわれるもの。そして残った魚に再び塩と水を加えて撹拌し、澄んでくるのを待ってとったものが二番しぼり。もう1度同じ工程を繰り返して、タイでは三番しぼりまで取りますが、一番しぼりとそれ以降のものではかなり風味が変わります」(長澤さん)

ナンプラーのしぼりの種類

  • 一番しぼり……最初の熟成で得られる上澄み液
  • 二番しぼり……残った魚に塩と水を加えて撹拌し、澄んできた液
  • 三番しぼり……さらにもう1度、二番しぼりと同じ工程を繰り返して得られる液


「ナンプラーは一番しぼりから三番しぼりまであります。日本で流通しているものは一番しぼりがほとんどですが、タイ国内では、加工品に使用するような三番しぼりまでさまざまなものがあり、一番しぼりは少ないです」(長澤さん)

ナンプラーとベトナムの魚醤ヌクマム(ニョクマム)は同じ?

ナンプラー

uchicoto

ナンプラーと混同されがちなものに「ヌクマム」(日本では「ニョクマム」と記載されることも)があります。風味が似ていることから、エスニック系の料理レシピでは「ナンプラーまたはヌクマム(ニョクマム)」と書かれていることも。
ヌクマムもナンプラーと同じ魚醤ですが、タイではなくベトナムの調味料です。ヌクマムはベトナム各地で作られていますが、フーコック島産が有名です。

ナンプラーの原料と製法

PIXTA

「以前、タイに視察に行った際、ベトナムにも寄って実際にヌクマム工場を見学したことがあります。材料も同じカタクチイワシで、作り方もナンプラーとまったく同じなんですが、味わいは異なるんです。風土などが関係するのでしょうが不思議ですよね」(長澤さん)

ヌクマムはナンプラーより塩分の多いものや少ないものなどさまざまですが、魚由来の発酵調味料ならではの香りやうまみはよく似ています。ヌクマムのパッケージに記載されている数字(25、35、40など)は、うまみ成分の含有量を示していて、数字が大きいほどうまみが強いことを表します。

【プロが教える】ナンプラーのポテンシャルを最大限に引き出す使い方と選び方

ナンプラー

uchicoto

ナンプラーならではの風味やうまみを存分に味わうための使い方のコツはあるのでしょうか? 長澤さんに教えていただきました。

あなたにぴったりの一本を見つけよう! ナンプラー選びのポイント

megumi nagasawa

megumi nagasawa

最近は日本でもスーパーや通販で、さまざまな種類のナンプラーを手に入れることができます。
カタクチイワシと塩という原材料は同じでもメーカーによって少しずつ、香り、塩味、うまみ、色などが異なるので、できれば気になるものをいくつか試してみるのも良いかもしれません。うまみやコクを補強するために砂糖を加えているものもあります。

ナンプラーを何種類か常備しているという長澤さんに、ナンプラー選びの目安を伺ってみました。

「選んでいただきたいのは、雑味や濁りがない上澄みである『一番しぼり』のナンプラーです。『一番しぼり』と明記されているものを選ぶとよいでしょう。

このほかの選び方の目安としては、ナンプラー入門編としては、クセが少なくすっきりとした味わいの日本のメーカーのものがおすすめです。『ヤマモリ』の製品のように一滴ずつ使えて、開封後も鮮度が保ちやすいパッケージのものもあります。ナンプラーは酸化すると生臭さが出てくるので、劣化させないことがとても大切です。

タイ産のナンプラーも各種輸入されていますが、こちらは香りや塩味、ナンプラーならではのうまみも強めです。大容量タイプも多いので、タイ料理好きにおすすめです。私のタイ料理教室では消費量も多いので大容量のタイ製のナンプラーをよく使用しています。現地でも人気がある『メガシェフ』のものは少量ボトルもあります。どちらも輸入食料品店などで手に入りますよ」(長澤さん)

味と香りを逃さない! ナンプラーを加えるベストなタイミング

「ナンプラーは、加熱調理の途中で加えると、熱によって特徴的な香りやうまみが飛んでしまいがちです。そのため、炒め物、煮物などに用いるときは仕上げに加えるのがおすすめです。ただ、ナンプラーは塩分が強いので、使う量には注意が必要。料理にもよりますが、小さじ半分程度から試して、ちょうど良い量を見つけていきましょう」(長澤さん)

タイ料理以外にも大活躍! ナンプラーを使いこなす意外な活用術

 女性 調理

PIXTA

ナンプラーは、タイ料理に欠かせない調味料です。しかし、実はタイ料理以外にも相性の良い料理があるとのこと。
長澤さんにナンプラーの意外な使い方を教えていただきました。

味噌汁の隠し味に!

「お味噌汁を作るとき、味噌を少し減らして、最後にナンプラーを足します。白だしのようなうまみと塩味があるナンプラーを加えることで、味がしまっておいしいですよ。具材も特にタイ風にする必要はなく、いつものお味噌汁の具で大丈夫です。

鍋料理のだしに少量でうまみ倍増!

「寄せ鍋などの鍋料理を作るときに、だしに少し加えるとうまみが増しますよ」(長澤さん)

風味豊かな「魚の漬けだれ」に!

「ナンプラーは醤油と同じ発酵調味料なので、醤油の代わりに使うこともできます。例えば刺身用のマグロやサーモンなど、風味の強い魚をナンプラーとアルコール分を飛ばしたみりんを合わせたものに漬けてヅケ用にすると、程よい塩味とまろやかなうまみが楽しめますよ」(長澤さん)

やみつき「ナンプラー唐揚げ」の下味に!

「鶏むね肉をナンプラーと酒、ニンニク、しょうがに漬け込んでから唐揚げにすると、お箸が止まらない唐揚げになります。簡単でとてもおすすめです」(長澤さん)

和風だしとは一味違う「ナンプラーお浸し」に!

「下ゆでしたほうれん草などを、ナンプラーとアルコールを飛ばしたみりん、水を合わせたもので調味する『ナンプラーお浸し』は、和風のおだしで作るよりも、しまった味になりますよ」(長澤さん)

パスタの隠し味に!

「ナンプラーの塩味は、パスタなど、アンチョビやイタリアの魚醤、コラトゥーラを使用するイタリアンとも相性は良いですね」(長澤さん)

ナンプラーの代替は可能?

ナンプラー

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「ナンプラーは、カタクチイワシを発酵させた独特の風味が特徴なので、ほかの調味料で代用することは難しいです。植物性の発酵調味料である醤油とは香りが大きく異なりますし、魚介を原材料にしているオイスターソースも風味がまったく別物なので、代用できるとは言い難いでしょう。

ただし、塩味とうまみという意味では、他の魚醤や、白だし、アンチョビペーストなどで代用できるかもしれません」(長澤さん)

ナンプラーから広がる世界! 各地の魚醤の魅力

調味料

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魚醤は世界各地で古くから作られてきた調味料です。
その土地で手に入りやすい魚を活用し、発酵させることでうまみを引き出した魚醤の歴史は、なんと古代ローマ時代にまでさかのぼれるのだそう。「ガルム」は、古代遺跡に生産の痕跡が残っており、現在のアンチョビの原形ともいわれています。
古代から現代まで、それぞれの風土や食文化に合った魚醤が生まれ、受け継がれてきました。
例えば、日本では秋田県のしょっつる、石川県能登のいしる、香川県のいかなご醤油が、日本三大魚醤として知られていますが、最近では、甘えび、うに、サンマなど、さまざまな魚介類を原料にした魚醤も登場しています。

世界で作られているナンプラー

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ナンプラーを使ったおいしいレシピ

ウチコトで紹介しているナンプラーを使用したレシピをご紹介します。いろいろ試して、自分好みの使い方を見つけてくださいね。

おわりに

ナンプラーは「タイ料理にしか使えない」「使うのが難しそう」と思われがちですが、その風味を生かしてさまざまな料理においしく活用できることがわかりました。ぜひお気に入りのナンプラーを見つけて、いろいろな料理にどんどん使ってみてくださいね!

  • この記事取材先

    長澤恵

    タイ料理研究家 ティッチャイタイフード主宰

    長澤恵

    OL時代の旅行をきっかけにタイ料理に魅せられて一念発起して日本のタイ料理店に転職。何度もタイを訪れタイ語を学びつつ、現地の料理学校やレストランで修行を積みながら、食材豊かなタイの地方料理に魅せられていく。2010年に錦糸町にてタイ料理教室TitCaiThaifoodスタジオをオープン。企業のメニュー開発・商品開発・食文化セミナー・ウェブサイトや書籍等の執筆・タイツアー企画などタイに関わるあらゆることに積極的に活動中

    https://www.titcaithaifood.com/

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公開日:2026.3.12

最終更新日:2026.3.12

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