カーテンはおうちで洗える?
辻田さんによると、日本で販売されているカーテンのほとんどが家庭の洗濯機で洗えるのだそう。
「国内で流通しているカーテンの素材は、ポリエステル、アクリル、レーヨン、綿、麻などがありますが、全体の90%ほどがポリエステル製です。ポリエステルは型崩れしにくく、しなやかで耐久性も高いので洗濯に適しています。また、ポリエステルに麻や綿が10%前後含まれている混紡製品もおうちで洗濯できるものが多いです」(辻田さん)
ただし、辻田さんによると、洗濯で縮みやすい素材である麻や綿100%のもの、アクリル樹脂でコーティングされているもの、遮光性を高めるためにラミネート加工が施されているものは、おうちでは洗濯できないことがあるそうです。
カーテンの上手な洗濯方法
おうちでカーテンを上手に洗濯する方法を、カーテンのエキスパートである辻田さんに教えていただきました。
その1.洗濯表示を確認して洗濯方法を決める
日本で流通しているカーテンのほとんどがポリエステル製ですが、例外もあるため、まずは洗濯表示を確認しましょう。
「カーテンは、品質表示法により洗濯表示が義務付けられています。それを見ることで、おうちで洗えるのか、洗濯機が使えるのか、手洗いのみ可なのかなどが分かります。
例えば、洗濯機で洗えるならおけのマークが、手洗いのみ可能な場合はおけに手を入れているマークになっています。家庭で洗濯不可のものはおけに×が描かれたマークです」(辻田さん)
上のマークは、家庭での洗濯機洗いができることを示している洗濯表示。記号の中の数字は洗濯液の上限温度を表しています。下部に線があるものは弱い洗い方をする場合に表示されます。ご自宅のカーテンに上のマークが表示されていれば、洗濯機で洗うことが可能です。
「洗濯方法が分からないときや疑問点がある場合は、遠慮なくカーテンメーカーにお問い合わせください」(辻田さん)
以下の記事では、2016年に変更された洗濯表示について解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
2016年12月から変更された「新たな洗濯表示」の見方とは?
その2.洗濯前の下準備をする
カーテンを傷めずにきれいに洗うためには、洗濯前の下準備が必要です。
1.ほこりをハタキなどで落とす
「カーテンに付いているほこりを軽くハタキなどで落としてください。ブラシだと繊維にダメージを与える可能性があるので、避けたほうがよいでしょう」(辻田さん)
2.フックをすべて外す
カーテンについているフックをすべて外します。
「フックは一般的には、プラスチック製のアジャスターフックと呼ばれるものが多く、取り外せるようになっています。金属製のフックはもちろん、そうでない場合も、布地に絡んで破損させてしまう可能性があるので、洗う前にすべて外してください」(辻田さん)
3.洗濯機洗いの場合はたたんでネットに入れる
「洗濯機で洗う場合は、プリーツに沿ってたたむと、ちょうど扇子のような感じに細長くなります。その後、縦方向にたたみ、1枚ずつ洗濯ネットに入れてください」(辻田さん)
洗濯槽でつけ置き洗いをする場合も、たたんで洗濯ネットに入れて行います。
4.汚れがひどい場合はつけ置きする
「黒ずみやカビがある場合など汚れがひどい場合は、洗剤を入れて、40℃以下の液温で30分から1時間つけ置きしてから洗濯するとよく落ちます。洗濯機で洗えるカーテンなら、洗濯槽でつけ置きするのもおすすめです。
白いレース生地は、酸素系漂白剤を加えてつけ置きするときれいになりますが、生地によっては糸が劣化したり、白っぽく変色したりすることがあるので当社ではおすすめしていません」(辻田さん)
その3.カーテンの素材に合った洗剤を使う
「素材がポリエステル、レーヨン、アクリルなら、衣類の洗濯で使用されている洗濯用液体洗剤(中性洗剤または弱アルカリ性洗剤) を使用してください。特に、中性洗剤はアルカリ性の洗剤と比べると色落ちなどが発生しにくく、素材を傷めにくいのでおすすめです。
綿や麻を含むカーテンで、おうちで洗える場合は、シワやちぢみをなるべく防ぐために、これらの繊維に対応している洗剤を選んでください。熱いお湯で洗ってしまうと生地が縮む可能性があります。洗濯をする時は、水または30℃以下のぬるま湯が適しています」(辻田さん)
【洗濯機】で洗う方法と注意点
カーテンを家庭の洗濯機で洗う時に知っておきたいことを辻田さんに伺いました。
1.弱水流・水位最大で洗う
「日本で流通しているカーテンの多くが、水温40℃までで、洗濯機で弱く洗えることを示す上のマークがついています。そのため、ほとんどの場合、弱水流に設定することになると思います。また、繊維同士がぶつかり合って生地が傷まないように、水の量(水位)を設定できる洗濯機の場合は、最大量で洗うのがおすすめです」(辻田さん)
2.脱水は短時間に設定
「脱水する時間が長いと、シワができてしまったり、生地が傷んでしまったりすることがあります。そのため、脱水時間は短く設定しましょう」(辻田さん)
3.乾燥機能は使わない
洗濯乾燥機で洗う場合も、シワや縮みを防ぐために乾燥は行わず、脱水した後に干すようにします。
【手洗い】の方法と注意点
上の洗濯マークがついているカーテンは洗濯機での洗濯はできませんが、手洗いなら可能です。
「カーテンを手洗いする場合は、ネットに入れるわけではないので、大きめにたたみます。そして、30℃以下のぬるま湯を使って押し洗いをしてください。もみ洗いをするとシワがつきやすくなります。また、手洗いしかできないカーテンは、洗濯機で脱水することも避けてください」(辻田さん)
辻田さんによると、ひどく汚れてしまっている時は、しっかりと汚れを落とすために、洗濯機洗いが可能なカーテンでも手洗いしたほうがよいこともあるそうです。
コインランドリーで洗う場合の注意点
「コインランドリーでの洗濯は、基本的には自宅の洗濯機での洗濯と変わりません。乾燥機や乾燥機能は使用せず、洗いのみにしてください。コインランドリーのドラム式洗濯機は少ない水で洗う仕組みなので、洗剤を持参する場合はドラム式専用の洗剤を使った方がよいでしょう」(辻田さん)
その4.カーテンの干し方
「カーテンを干す際、布地の変質や縮みを防ぐために、急速に乾かさないことが重要になります。そのため、乾燥機はもちろん、直射日光の当たる場所で干すこともおすすめできません。屋外で干す場合は陰干しするようにしましょう」(辻田さん)
直射日光が当たらない場所であれば、カーテンレールにつって自然乾燥するのもおすすめだそう。
「カーテンレールにつる前には、汚れの付着を防ぐためにあらかじめカーテンレールや窓ガラスを掃除してください。また、床が水滴でぬれないよう、念のためタオルやビニールなどを敷いたほうがよいでしょう。
レールにつった後は、全体を軽く下に引っ張って寸法を整えてください。手でたたいておくと乾燥後のシワをある程度防止できます」(辻田さん)
カーテンのおすすめ洗濯頻度は?
辻田さんによると、厚地のカーテンは年に1回程度、レースカーテンは年に2~3回程度が目安とのこと。
「時間がたつほど汚れが落ちにくくなるだけでなく、洗濯によって繊維がもろくなってしまうこともあります。そのため、タイミングを決めて、定期的に洗濯してください。
タイミングについては、ご家庭ごとで適した時期でよいかと思いますが、花粉症の方がいる場合は、花粉症シーズンが終わった後にも洗濯するのがおすすめです。特にレースのカーテンは花粉がつきやすいので、シーズンが終わってから花粉を洗い流すために、洗濯するとよいでしょう」(辻田さん)
普段の手入れ+洗濯でカーテンをきれいに
カーテンをいつもきれいにしておくためには、洗濯だけではなく、日ごろのお手入れも大切だそう。
「カーテンの汚れの主な原因は、空気中のほこりやタバコのヤニ、キッチンから出る煙などです。普段のお掃除の際に、生地を傷めないよう軽くほこりをはたくか、軽く掃除機をかけるなどしてほこりを落としてください。
また、カーテンだけでなく、カーテンレールや窓ガラスもあわせてお手入れすることをおすすめします。カーテンレールや窓ガラスの汚れは、カーテンへ移りやすいだけでなく、ほこりやごみが水分を含むことで、カビも発生しやすくなるからです。窓の結露もカビや汚れの原因になりますので、こまめに拭き取ってください」(辻田さん)
窓のお手入れについては以下の記事も参考にしてみてくださいね。
窓の頑固な汚れは、プロのハウスクリーニングに依頼するのがおすすめです。
後回しにしてしまいがちな網戸や窓の掃除。気づかないうちに頑固な汚れが蓄積してしまった・・・という方も多いのでは。
そんな時は、一度ハウスクリーニングの専門業者にお願いしてみるのもおススメです。
砂埃、粉塵、タバコのヤニ等の汚れ、結露によるカビなど窓の周りは汚れがいっぱいです。
東京ガスのハウスクリーニングは、自社研修を受けたプロが、ガラス部分はもちろん、ほこりの溜まりやすい網戸やサッシまで、徹底的に汚れを落とします。
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おわりに
カーテンメーカーのリリカラ株式会社 辻田徹人さんに、家庭でできるカーテンの洗濯方法を伺いました。日本で流通しているカーテンのほとんどがおうちで洗濯できるとのことなので、定期的に正しい方法で洗濯して、一年中きれいに保ちたいですね。