部屋干しの洗濯物を早く乾かすためのコツ
部屋干しの場合、乾くまでの時間が長くなるので、外干しの時以上に生乾きのニオイが気になることがあります。また、室内に洗濯物を干すことで部屋の湿度が上がってしまうことも気になりますよね。
平島さんによると「洗濯物を早く乾かすには乾燥機など家電の力を借りるのが一番」とのこと。それを知った上で、まずは、家電を使わず洗濯物を早く乾かす方法を平島さんにお話しいただきました。
【早く乾かすコツ1】バスタオルと一緒に脱水する
洗濯の段階で可能な限りしっかり脱水を行うと、洗濯物の水分量が減り、乾きやすくなります。方法の1つとして、脱水を行う直前にいったん洗濯機を停止し、乾いたバスタオルを洗濯機に入れて脱水する方法があります。
「この方法で洗濯物が通常よりも早く乾きます。しかし、脱水で水分を吸わせたバスタオルも一緒に干さなくてはならないので、干すスペースが余分に必要になりますね」(平島さん)
【早く乾かすコツ2】脱水時間を長めに設定する
「洗濯物の素材によりますが確認して可能であれば、脱水時間を通常よりも長めに設定すると乾きやすくなります。例えば、通常4~5分のところを6~7分にするだけでも、乾き具合が違ってきますよ」(平島さん)
【早く乾かすコツ3】干す場所に注意する
早く乾かすためには、家の中のどこに干すかが重要なポイントになります。
「風通しの状況にもよりますが、窓際に干すのは避けたほうがよいでしょう。気温によっては窓ガラスに結露が発生してしまうこともあります。また、カーテンレールに干す方もいますが、これはカーテンレールが曲がってしまう可能性があるのでおすすめできません。
早く乾かすためには、風通しがよい場所に干すことが重要なので、できれば部屋の中心あたりで、エアコンや扇風機の風が直接当たる場所に干すといいでしょう」(平島さん)
【早く乾かすコツ4】干し方を工夫する
干す場所だけではなく、干し方も重要になります。
「まとめて洗濯をして、たくさんの衣類を所狭しと干す方もいますが、湿度の高い時期にはこの状態ではいつまでたっても乾きません。洗濯物同士の間隔はこぶし1つ程度はあけるようにして、風の通り道ができるように工夫しましょう。できるだけ大きい物干しスタンドを使用して、余裕のあるスペースで干すようにしてください」(平島さん)
多種類の洗濯物があるときはアーチ型に干す
ピンチハンガーに、さまざまなサイズの衣服やタオルなどを干す場合は工夫が必要です。「ピンチハンガーの中央に最も丈の短い洗濯物、一番外側に最も丈が長い洗濯物を干してアーチ型になるようにして干します。アーチ型は風通しがよく、水分が蒸発しやすいため、早く乾きやすいのです」(平島さん)
ズボンは内側が乾きやすいよう工夫する
ジーンズなど厚手のものは、内側がなかなか乾かないので注意が必要です。
「干すときは、中に空洞ができるように干してください。そうすると、中も外もしっかり乾きます。また、裏返しにして干すことで、ポケットも乾きやすくなります」(平島さん)
【早く乾かすコツ5】干した洗濯物の下に丸めた新聞紙を置く
部屋の湿度が高い時、ただ干しておくだけでは、部屋の湿度が高い時は洗濯物はなかなか乾きません。そこで、靴箱などでの除湿としてもにも使われることがある新聞紙を活用するのも手です。
方法としては、部屋干ししている洗濯物の下に丸めた新聞紙を置きます。または、ハンガーに新聞紙をかけて洗濯物と一緒に干すのもよいでしょう。
「新聞紙だけではなく、キッチンペーパーも同様に活用できます。しかし、除湿機や扇風機を使うより効果は劣ります」(平島さん)
家電を利用して洗濯物をより早く乾かす
「忙しい方やたくさんの洗濯物を乾かす必要がある方は、家電の力を借りるのが良いと思います」と平島さんは言います。今回は、より時短効果の高い順に家電を利用した乾燥方法を紹介します。
衣類乾燥機で乾かす
「私が最もおすすめするのは、短い時間で乾かせて仕上がりも良い衣服乾燥機の使用です。他の家電を使うより早く乾燥できることが多い上、干す手間がないからです。布団などもふっくらと仕上がりますよ。
乾燥機を使用すると衣服が縮むのでは? と心配される方もいますが、最近の乾燥機にはデリケートな衣服でも乾かせるタイプもあります」(平島さん)
ガス衣類乾燥機「乾太くん」でスピーディに乾燥!
衣類乾燥機にはガス式・電気式があります。ガス式は電気式より乾燥スピードが早いことが魅力です!
ガス式の「乾太くん」は、スイッチをオンにして数秒で温風が出て、そのままドラム内を約80~100℃の高温で運転し、一気に洗濯物を乾かします(一部モードで80℃以下)。 また、上の排湿筒から余分な水分を排出していきます。ガス式では短時間で、一気に湿気を排出するため、このような仕組みとなっています。
だからガス式は短時間で乾くんですね。
さらに、ガスならではの強い温風をたっぷり送り込みながら乾燥させるので、洗濯物の繊維が根元から立ち上がり、肌触りの良いふわっとした仕上がりになります。
衣類から寝具、靴まで乾燥できる乾太くんをぜひチェックしてみてください。
浴室乾燥機を使う
「干す手間はかかりますが、浴室乾燥機を利用すると洗濯物を早く乾かせます。特に新しい機種だとかなり短時間で乾きますよ。
屋内で洗濯物をしっかり乾かすには、衣類乾燥機か浴室乾燥機のどちらかがあったほうがいいと思います」(平島さん)
浴室暖房乾燥機の「乾燥」機能を活用しよう!
浴室暖房乾燥機が付いている場合は、入浴後に2時間ほどの「乾燥」運転がおすすめです。
上の図は浴室のカビの生え方を比較実験したものです。
「何もしない」浴室にカビが生えるのは当然の事ですが、「換気だけ」していてもカビは生えてきます。それに比べて「浴室乾燥」をすると、すばやく湿気が取り除かれ、カビが生えにくくなることが分かります。
「浴室乾燥」は浴室をカラッと乾いた状態をキープできるので、カビの発生も抑えて浴室のお掃除の手間を減らすことができます。夜、洗濯と入浴をした場合、就寝中に洗濯物と浴室を一緒に乾燥するのも経済的でおすすめです。
エアコンの除湿機能や除湿機を使う
「エアコンの除湿機能や除湿機の使用もおすすめです。除湿機能がないエアコンでも、エアコンからの風が当たる場所に洗濯物を干すと乾きやすくなります」(平島さん)
扇風機・サーキュレーターを使う
洗濯物を少しでも早く乾かすには、水分が室内にとどまらないように、空気の通り道をつくることが大切です。24時間換気システムが付いている建物なら、稼働させることで空気の流れができます。24時間換気システムがない場合は、部屋の扉を開け、換気扇を回すなどして空気の流れをつくるとよいでしょう。
「換気扇を使用したうえで、さらに扇風機やサーキュレーターを使うと、より効率的に水分を蒸発させることができるので、さらに乾きやすくなります」(平島さん)
洗濯物を早く乾かす方法でよくある質問
洗濯物を早く乾かしたいとき、「これはやっていいの?」「こんなときはどうしたら?」といった疑問について、平島さんにお答えいただきました。
Q:洗濯物にドライヤーを当てても大丈夫でしょうか?
「ドライヤーは冷風ならば使っても大丈夫です。通常より多少早く乾かせます。ただし、温風は繊維を傷める可能性があるだけではなく、火事の原因になることもあり危険なので使用しないでください」(平島さん)
Q:たくさんの洗濯物を室内で早く乾かす方法は?
「一番早く乾き、仕上がりもよいのは、最新の衣類乾燥機です。特にガス衣類乾燥機である乾太くんは、乾きムラなく50分ほどでしっかり乾かせます。タオルなどはふわふわで優しい肌触りになり、仕上りもよいです。うちの子どもたちは肌が弱いので、とても助かっています。
あるいは干す手間はありますが、浴室乾燥機を使うのもよいでしょう。また、布団乾燥機の衣類乾燥機能を使うのもおすすめです。
家の中で最も乾燥しやすい場所は、換気扇が付いている浴室なので、乾燥機がない場合は、浴室に干して乾燥機をつけながらサーキュレーターなどで風を送ると早く乾きます」(平島さん)
Q:夜に洗濯物を早く乾かす方法は?
「夜であっても、室内であれば早く乾かす方法に変わりはありません。衣類乾燥機や浴室乾燥機が使えない場合は、換気扇を付けた浴室で風の通り道をつくって干してください」(平島さん)
Q:衣類乾燥機の手入れは必要?
「衣類乾燥機にはフィルターがあり、そこにホコリがとどまってしまうと、乾燥時間が長くなったり、洗濯物にホコリがついたりします。そのため、運転のたびにフィルター掃除が必要とされている機種も多いです。掃除はフィルターを外してホコリを取るだけで簡単なので、毎回お掃除したほうが安心して使用できますよ」(平島さん)
浴室乾燥機についても、フィルターの掃除はこまめに行いましょう。
Q:宿泊先の部屋で洗濯したものを早く乾かしたいときには?
「宿泊施設の環境にもよりますが、ビジネスホテルなどは室内が乾燥していることが多いので、洗濯物が乾きやすいともいえます。洗濯物をバスタオルで巻くようにして水分を拭きとり、しっかり脱水した後、エアコンの風が直接当たる場所に干すのがおすすめです」(平島さん)
おわりに
洗濯研究家の平島利恵さんに、室内で洗濯物を早く乾かす方法を教えてもらいました。部屋干しした洗濯物がなかなか乾かないと、イヤなニオイがついてしまう、家の中に湿気が滞留するといったさまざまなリスクがあります。今回紹介した洗濯のプロの具体的なアイデアを活用して、快適な生活を送りましょう!