なぜお風呂にはカビが生える? どう掃除すれば良い?
お風呂を毎日掃除しているのに、いつの間にかカビが生えてしまう・・・というお悩みは多いのでは?
カビが繁殖するにはいくつかの条件があります。
(1)70%以上の湿度
カビ菌は湿度60%以上から活動するようになり、80%を越すと急激に繁殖します。
(2)20〜30℃の温度
カビ菌は20~30℃の温度で繁殖します。特に25~28℃は最もカビが発生しやすい条件です。
(3)養分
カビ菌は体から出る皮脂や垢、毛髪などを栄養にして繁殖します。
お風呂には、これらの三つの条件が揃っています。湿っている時間が長く、風通しもイマイチ、その上、皮脂を含んだお湯が全体に飛び散る・・・。カビ菌にとって最高の条件が揃っているといえます。
こまめに掃除や換気をすれば、カビの予防になりますが、一旦生えてしまったカビは洗剤を付けてこすってもなかなか落ちません。
こうしたガンコなカビを取り除くのに効果が高いのは、カビ取り用洗浄剤(塩素系漂白剤)。カビ取り用洗浄剤とは、塩素系の薬剤(次亜塩素酸塩など)が、カビの細胞と色素を分解するものです。カビの色素を漂白するだけでなく、カビ自体を除去することができるのです。
カビ取り用洗浄剤を使いこなす5つのコツとは?
強力なカビ除去の効果を持つカビ取り用洗浄剤。「お風呂用」となっているカビ取り用洗浄剤は、飛散しにくいよう泡状やジェル状になっています。液だれせずカビに密着するため、除去してくれる効果が高いのです。ここでは、カビ取りの効果を最大限にアップする5つのコツをご紹介します。
【カビ取りのコツ1】汚れを落としてからカビ取りをする
湯垢や皮脂などの汚れは、カビ取り用洗浄剤の効果を弱めてしまいます。まずは浴室用洗剤で黒ずみが気になる箇所を掃除してみましょう。「カビに似た汚れ」なら、意外につるんと落ちるかもしれません。
【カビ取りのコツ2】乾いた状態でカビ取りをする
カビ取りしたい場所が濡れていると、カビ取り用洗浄剤が薄まったり、液剤が密着しにくくなります。乾いた状態か、水気を拭き取ってからカビ取り洗浄剤を吹きつけましょう。
【カビ取りのコツ3】こすらず放置する
カビ取り用洗浄剤を吹きつけたら、こすらず数分間おいておくこと。目地などのカビをこすると、カビの菌糸が奥深くに入り込んで落としにくくなるため、数分置いてカビ取り用洗浄剤を浸透させます。
【カビ取りのコツ4】目より低い位置を狙い、15㎝ほど離してスプレーする
スプレーが近すぎると液剤が泡立ちにくく、離れすぎると泡が飛散して効果が薄れます。また目より上の高さにスプレーすると身体に浴びてしまって危険です。カビ取り用洗浄剤の説明書をよく読み、推奨されている場所からスプレーしましょう。
【カビ取りのコツ5】説明書の記載通りに使用する
泡状のカビ取り用洗浄剤の場合、スプレーのレバーは最後までしっかり引く必要があります。レバーを少ししか引かないと先端に液が溜まって、液体で出てくることがあるためです。泡状にならないとカビにしっかり密着しにくいですし、手元に液だれしてしまうと危険です。
またチューブに入ったジェル状のカビ取り剤の場合、強く押しすぎると、液が飛び出すことがあるので加減しながら押す必要があります。このようにカビ取り用洗浄剤には形状により使い方が異なるため、説明書の使い方を確認しましょう。
知っておきたい、お風呂のカビ取りの正しい手順
お風呂のカビ取りに必要な道具は
雑巾
手袋
マスク
カビ取り用洗浄剤
フローリング用ワイパー
ドライシート
では、お風呂のカビ取りの正しい手順をチェックしてみましょう。
【カビ取りの手順1】服を着替えて手袋・マスクをする
まずは動きやすい服装に着替えます。カビ取りに使う洗剤には漂白剤が含まれているため、飛び散ると服の色が落ちてしまうことがあります。エプロン着用も効果的ですが、袖口など濡れやすい部分は特に気をつけて。液剤を吸い込んでしまわないようマスクをつけ、手荒れを防ぐため手袋も装着しましょう。
【カビ取りの手順2】浴室を乾かす
カビ取りをする箇所に水分が残っていると、上からスプレーしても液剤の効果が薄まります。濡れている部分は、雑巾でしっかりと水気を拭き取っておきましょう。おすすめなのは、浴室用洗剤でしっかりと汚れを落としたあと、全体を浴室乾燥で乾かしてからカビ取り用洗浄剤を使用すること。時間があればこの方法が効果的です。
【カビ取りの手順3】換気扇を回す
カビ取り用洗浄剤には塩素が含まれており、空気中にある炭酸ガスと反応して有毒ガスが出ます。必ず換気扇を回して換気を行いながらカビ取りをしましょう。有毒ガスは低い場所にたまりますので、低姿勢で掃除をし続けるのはNG。長時間の掃除になる場合は、こまめに浴室から出て新鮮な空気を吸うよう心がけましょう。
【カビ取りの手順4】カビ取り用洗浄剤をかけてパックする
壁など垂直の部分や液だれしやすい箇所は、カビ取り用洗浄剤を吹きつけたあとラップを貼り、泡が乾いたり流れ落ちたりしないようにしましょう。密着させると効果が高まります。
【カビ取りの手順5】天井のカビには注意
掃除を忘れがちな天井はカビの巣窟になりがちです。天井のカビにスプレーは危険です。フローリング用ドライシートにカビ取り用洗浄剤をしみ込ませてフローリング用ワイパーに装着。それを使って天井に塗り付けましょう。その後、水を含ませたシートで拭き取ります。
【カビ取りの手順5】浴室全体を洗い流す
所定の時間を置いたらシャワーで浴室全体を洗い流しましょう。洗剤をかけたところだけ流すと浴室内に洗剤が残って有毒ガスを発生させたり、肌に洗剤がついてかぶれてしまったりする恐れがあります。カビ取り用洗浄剤が残らないよう、浴室全体をていねいに流しましょう。
お風呂のカビの繁殖を防ぐポイントは?
しっかりと掃除をしてカビを除去したら、カビを増やさないための予防も行いましょう。
【カビ予防のポイント1】天井をアルコール処理
浴室の天井に一度カビが繁殖してしまうと厄介です。またカビが生えてしまわないように、普段から予防をしておきましょう。フローリング用ワイパーにドライシートを装着し、アルコール消毒液をたっぷりとしみ込ませて天井を拭きます。
【カビ予防のポイント2】換気扇を掃除する
換気扇の汚れを放っておくと、換気効率が下がる、カビが発生する、浴室内に悪臭がたまりやすくなるなどの悪影響につながります。換気扇の汚れの正体はカビとホコリ。換気扇自体がカビやホコリによって悪臭を放つこともありますので、年に数回は外して洗いましょう。
【カビ予防のポイント3】入浴後は冷水をかける
毎日お風呂を最後に使った人が、浴室全体に温水をかけてシャンプーなどの石鹸カスの汚れを流してください。次に冷水のシャワーをかけることで、浴室の温度を下げカビの発生を抑えることができます。
【カビ予防のポイント4】「換気」より「乾燥」を使う
1日の最後に雑巾で浴室内の水気を拭き取るのがベスト。スクレーパーを使うのも簡単に水切りができておすすめです。浴室暖房乾燥機がある場合は「換気」より「乾燥」モードを使うと一気に短時間で浴室内を乾かせるので、カビの繁殖を防ぐことができます。
【カビ予防のポイント5】防カビ剤を使う
防カビ剤も便利です。くん煙剤や天井に設置するタイプの防カビ剤、置き型タイプなどがありますよ。
おわりに
お風呂の壁や天井、よーく見ると思ったよりカビが生えていることも。お風呂場中のカビを一気にリセットしたら、カビ予防のポイントをおさえて普段からカビを増やさないようにしていきたいですね。