あなたのお掃除スタイルは? 6つのお掃除タイプをご紹介
コロナ禍で、私たちの暮らし・衛生意識は大きく変わりました。今までは多少汚れていても気にならなかったけれど、コロナ禍で家の中をきれいに保つ意識が高まった、という人が増えました。また、在宅時間が増えたことで、掃除を含め、家事負担が増えたと多くの人が感じています。多少負担が増えても苦にならない人もいれば、ストレスがたまって仕方がない人もいるでしょう。あなたは日々の掃除をどのような気持ちで行っていますか?
東京ガス都市生活研究所で、1都3県に住む30代から50代の既婚女性を対象に掃除の意識・実態に関する調査を行ったところ、女性には6つのお掃除タイプがあることが分かりました。あなたはどのタイプに近いでしょうか?
いつもピカピカ派
掃除好き度★★★★★★(6点満点)
【徹底的に掃除をして、常に家がピカピカな状態を維持していたい】
・6タイプ中、最も掃除好き
・日々しっかりと掃除を行っており、自宅の掃除状態の満足度が最も高い
・夫に任せた掃除の仕上がりに満足できないため、夫が非協力的でも不満は少ない
楽しくお掃除派
掃除好き度★★★★★☆
【掃除をして、「きれい」を実感できることが楽しい】
・6タイプ中2番目に掃除好き
・掃除だけではなく料理も好きで楽しんでいる
・掃除を楽しく行っているため、夫が非協力でも不満は少ない
健康第一派
掃除好き度★★★★☆☆
【家族の健康を守るために掃除をする】
・コロナの影響で、家の中を衛生的に保つ意識が最も高まったタイプ
・リビング掃除の際、アルコール消毒液の使用率が高め
・人体・環境にやさしい洗剤を使いたいという意識が高く、浴室やコンロ・レンジフード掃除の際、ナチュラル洗剤の使用率が高め
ゆるやかお掃除派
掃除好き度★★☆☆☆☆
【掃除は面倒な作業で、できるなら頑張りたくない】
・掃除頻度は低く、生活に支障がなければ多少汚れていてもいいと思っている
・夫が掃除に協力的で、夫が行った掃除の仕上がりに対する不満は少ない
・自分に対しても夫に対しても、求めるきれいの水準が“ゆるい”ため、家族での分担がうまくいくタイプといえる
家族とシェア派
掃除好き度★☆☆☆☆☆
【掃除は苦手なので家族とシェアし、他のことに時間を使いたい】
・掃除好き度が最も低い
・「多少お金をかけてでも、掃除の手間を減らしたい」という意識が高い
・夫の協力率は最も高いが、「家族が掃除をしてくれない」という不満が強い
・ゆるやかお掃除派に比べ、汚れは気になるが、自分の時間を確保するため、家族や他人と掃除をもっと“シェア”したいと感じている
お掃除ルーティン派
掃除好き度★★★☆☆☆
【掃除=日々のルーティン】
・掃除に対して特に期待も不満もなく、淡々と行っている
・掃除好き度は女性の全体平均と同程度
・掃除頻度や掃除1回にかける時間は比較的長く、特に水回りの掃除を丁寧に行っている
・夫はあまり協力的ではないが、強い不満はない
コロナ禍をきっかけに増えた家事負担
ここまで6つのお掃除タイプの特徴を見てきましたが、あなたはどのタイプに近かったでしょうか。お掃除好きでも、コロナ禍によって増えた掃除はストレスに感じる、という人も多いのではないでしょうか。
実際、女性の約6割が、外出自粛の影響で自分自身の家事負担が増えたと感じています。
中でも、見えない菌が気になる健康第一派と、掃除に時間をかけたくない家族とシェア派は、特に高くなっています。いつもピカピカ派や楽しくお掃除派も高いことから、掃除好きであっても、コロナ禍による掃除負担増加はストレスになっていることが分かります。
意外? 実は男性の方が掃除好き!
では、女性の家事負担を軽減するにはどうしたらいいでしょうか。
掃除に関する意識について聞いてみたところ、男性の方が女性よりも「掃除は好きだ」「掃除は楽しい」と思っていることが分かりました。特に、若い男性ほど掃除に対してポジティブな気持ちがあります。掃除が嫌いな方がストレスを感じながら行うのではなく、「好き」「楽しい」と思っている方に任せてみてはいかがでしょうか。
家族で上手に家事分担するためのヒントとは?
実際に、「配偶者や子どもに任せたい家事」について聞いてみたところ、女性の1位は掃除でした。
その一方で、女性の約5割が、「家族に任せた掃除の仕上がりに満足できないことがある」と回答しています。任せてはみたけれど、仕上がりに満足できないから自分で掃除する、では、任せた方は余計にストレスに感じてしまい、任せられた方もあまりいい気持ちはしません。それぞれが得意なこと、好きなことを活かして家族で家事を分担するためには、各自のやり方を尊重することが必要かもしれません。
また、女性の約5割、男性の約3割が「家の掃除は頑張ってきれいにしても誰からも感謝されない」と回答しています。感謝されたり褒められたりすると、やる気につながることも多いものです。家事は、「やって当たり前」、「できて当たり前」ととらえるのではなく、一言「ありがとう」と伝えることで、お互いのストレスを減らし、スムーズな家事分担につながるのではないでしょうか。
さらに、リビング掃除を誰が行っているかについて聞いてみたところ、男性と女性では認識に大きな違いがあることがわかりました。
「妻が思う夫の実施率」は29%ですが、「夫が思う自分の実施率」は57%と高く、夫は妻が思っているより「自分はやっている」と認識しているようです。お互いが納得できる家事分担の実現のため、まずはこの認識の違いを少なくすることから始めてみましょう。
例えば、その日に自分が行った家事をそれぞれ書き出し、比較してみてはいかがでしょうか。お互いが好きな家事、得意な家事を書き出すことで、より良い分担方法が見つかるかもしれません。
お掃除ロボットやプロに任せて負担を軽減!
掃除の負担を軽減するためには、お掃除ロボットを導入したり、思い切ってプロに任せたりすることも一つの手です。女性の約4割が、「多少お金をかけてでも掃除の手間を減らしたい」と思っています。また、男女とも、若年ほど「掃除する時間があるなら、家族との時間・自分の時間に使いたい」と思っています。お掃除ロボットやプロの力を借りることで、家事負担の軽減につながるだけでなく、これまで掃除に費やしていた時間を自分の時間・家族との時間に充てることが可能になります。
おわりに
今回の調査で、掃除の目的や求める仕上がり度合は人によって異なることがわかりました。家事分担においては、男性の掃除好きな面が生かされておらず、掃除の実施状況の認識には男女で大きな差があることが明らかになりました。お互いのやり方を尊重しつつ、話し合うことで認識の違いを小さくし、それぞれが「好き」「得意」な分野を受け持つようにすれば、上手く家事を分担することができるのではないでしょうか。
「やって当たり前」と思うのではなく、一言感謝の気持ちや褒め言葉を伝えることも、円満な家事分担のコツです。家事分担で解決できない場合は、お掃除ロボットを導入したり、思い切って外注化することも検討してみましょう。この機会に、ご家庭の家事スタイルを見直してみませんか?
執筆:東京ガス都市生活研究所 研究員 笹岡恵梨