エアコン買い替えの前に! 知っておきたい選び方のポイント

エアコンを購入する際、機種や機能も大切ですが、実は、部屋の広さやコンセントなどの設置環境を確認することがとても重要になります。設置環境を確認しておかないと、せっかく購入したエアコンが設置できないなんていうことにもなりかねません。

そこで、三菱電機株式会社でルームエアコン「霧ヶ峰」の販売・プロモーションを担当している岩崎慎司さんに、エアコンの選び方のポイントを教えていただきました。エアコンの買い替えを検討されている方は、ぜひチェックしてみてください。

エアコンを使用するためには取り付け工事を行う必要がありますが、その工事の時に「設置ができない」とならないように、下記のポイントをチェックしておきましょう。

まずは、エアコンを設置したい場所にコンセントがあるかを確認しましょう。

岩崎さん「エアコンのコンセントには、差込口(プラグ)の形状の種類の他に、100Vと200Vの種類があります。エアコンごとに対応する電源プラグは異なり、仕様書などで確認することができます」

三菱電機さんのホームページやカタログでは、仕様書内の施工情報に掲載しているそうです。
また、そもそも設置したいところにコンセントがないという場合は、設置場所を変更するか、別途工事が必要になるのだそう。

差込口の形状などは素人には分かりにくい部分もあるので、エアコンを購入する前に、ご自宅のコンセントを撮影しておいて、販売店などで聞いてみてもよいでしょう。

次に確認したいのが、エアコンを設置するスペースの広さです。

岩崎さん「エアコンの横幅は、機種によって大きく変わるものではないのですが、奥行きは横幅に比べて機種に差があります。最近のエアコンは、フロントパネルを開いて掃除できるようになっているので、前方にスペースがあることもチェックしたいですね」

実際、岩崎さんもエアコンを購入された際、照明の近くに設置をしてしまい、フロントパネルが開けにくくなってしまった経験があるのだそう。
縦横だけではなく、奥行きも確認するとともに、エアコンのフロントパネルを開ける際に障害となるものがないかの確認も忘れないようにしましょう。

エアコンに欠かせない室外機。室外機は、エアコンの冷風や温風を生み出す装置ですので、正しく設置する必要があります。

岩崎さん「室外機は、ベランダなどの屋外の水平な場所に設置します。室外機の大きさは、エアコンの出力能力に左右されるので一概には言えませんが、外のスペースが狭くて心配という方は、工事の前に一度工事業者に見てもらうのもいいと思います」

出力能力とは、エアコンが冷風や温風をだすパワーのこと。6畳用と18畳用では、エアコン本体ではなく室外機の大きさが変わるそうです。例えば、三菱電機さんのZシリーズだと6畳用が幅800×高さ550、18畳用が幅800×高さ714だそうです。

工事の中でも、配管は確認したいポイントの一つなのだとか。

岩崎さん「エアコンを設置する時には、配管も併せて設置しなくてはいけないのですが、その配管を通す穴の大きさはすべて同じという訳ではありません。一般的な配管のサイズはあるのですが、メーカーや機能によって必要な配管のサイズが異なるのでもしかしたらご自宅にある配管の穴の大きさでは通らないこともあります」

マンションや戸建ての場合は、ダクト口のサイズを確認しておくこと。賃貸物件の場合は管理人さんに聞けばサイズが分かるので、換気機能の付いたエアコンを購入したい方は事前に調べておきましょう。

岩崎さん「エアコンの工事は専門の業者に行っていただくのがほとんどだと思うのですが、その工事の内訳がどこまで入っているのかを確認するとよいでしょう。例えば、設置はするけど取り外しの工事は含まれているのか、リサイクル料は別でかかるのか、などですね」

新規に取り付ける場合と買い替える場合で対応内容が異なることもあるため、事前に工事の内訳と見積もりを確認しておくと安心です。

岩崎さん「エアコンを購入すると、大抵チェックリストのようなものが付いています。ただ、チェックリストだけでは確認しきれない環境もあるので、もし不安なら購入の前に一度設置をする場所の現地調査をしてみるのもおすすめです」

エアコンを選ぶときに気になるのが「○○畳用」などの広さの目安の記載。

「出力能力の違いによって分けられており、快適性や効率性を考えたときに最適なサイズを推奨としています」と岩崎さん。

お部屋の広さとエアコンの出力能力があっていないと、どのようなことが起きるのでしょうか。

岩崎さん「部屋に対してオーバースペックの出力能力のものを選んでしまうと、エアコンがすぐに設定温度に達してしまい、その後は温度維持をして電力を余分に消費してしまいます。逆に、小さい出力能力のものを選んでしまうと、部屋に対して十分に機能しない可能性があります」

どちらにしても、電力消費が大きくなってしまうなどの弊害がありますので、お部屋の広さにあった出力能力のエアコンを選びたいですね。

例えば、寒がりで冬は少し強めに暖房をかけたい方、あるいは、家が冷えやすい場合などは、6畳のお部屋でも8畳用を選ぶなど、ワンランク高い出力能力のものを選ぶのもよいのだとか。

岩崎さん「エアコンを販売するときには、ご自宅が鉄筋か、木製かをお伺いしています。住宅の気密性によって、エアコンの効きが大きく左右されるためです。あくまで目安にしてもらえればと思います」

また、リビングは人の出入りが比較的多く、逆に寝室は人の出入りが少ないので、それによってもエアコンの効きは変わるそうです。

上記のポイントを基に、ご自宅の環境やライフスタイルと照らし合わせながら、最適なエアコンを選びたいですね。

岩崎さん「1年で一番エアコンの需要が増えるのは夏なので、6月ごろから販売量も増加していきます。繁忙期になると、工事も待ち時間が発生して使いたいときに設置できない可能性もあります」

スムーズに買い替えを行いたい方は、4～5月ごろから検討を始めるのがおすすめだそうです。

エアコンの買い替え時の判断がつかない･･･という方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

エアコンを選ぶ際、機能やデザインに目が行きがちですが、実はとても大事なのが設置環境です。せっかくエアコンを購入したのに取り付けられなかったということにならないように、ぜひ事前にチェックしてみてくださいね。

三菱電機株式会社「トラブル回避のための購入前のチェックポイント」