タオルの寿命ってどれくらい?
毎日の生活に欠かせないタオルは、できるなら肌触りが良い状態のものを使いたいですよね。しかし、買ったときにはふわふわだったタオルも、何度か使ううちにぱさぱさになってしまったり、ニオイや黒ずみが気になってしまったことはありませんか?そもそも、タオルはどのくらい使用できるものなのでしょうか?(タオルの素材や種類によっても異なるため、今回は一般的な綿素材・パイル生地のタオルを中心にお話を伺いました。)
タオルドクターの阿部さんによると、タオルの寿命は、洗剤や洗濯機の種類、洗濯の回数、乾燥の仕方により大きく左右されるのだそう。
阿部さん「タオルの買い替えのタイミングを明確に申し上げることは難しいのですが、一言でいえば愛着心が無くなったときだと思っています。何らかの理由で、そのタオルに愛着が持てなくなってしまったときですね」
愛着が持てなくなってしまった時=タオルの寿命ということなのですね。
阿部さんによると、タオルに愛着が持てなくなる理由は、肌触りだったり、ニオイだったり、黒ずみだったりすることは多いとのこと。これらはお手入れの方法によって解決することができるかもしれません。
阿部さん「タオルは、洗濯をすることによって毛羽が落ちていって、本体がやせてしまいます。これが、ふわふわの状態が損なわれていく原因の一つです」
例えば、一般的なタオルだと、洗濯を重ねる度にどうしてもタオルのふわふわ感は次第になくなってきてしまうのだそう。ただ、丁寧に作られたタオルは、適切な洗濯・乾燥を行うことでふわふわ感をある程度保つことができるといわれています。
それでは、ふわふわの肌触りを長く保つためには、どういったお手入れが必要なのでしょう。詳しくは、以下の章でご紹介していきたいと思います。
タオルをふわふわにする秘訣とは?
阿部さんによると、タオルの寿命をなるべく長く保つための一番良い方法は、「他の洗濯物とタオルを分けて、洗剤の使用を少なめにして、たっぷりの水で洗い・すすぎを行い、乾燥機で乾かすこと」なんだそうです。
なぜなら長持ちさせる秘訣は、
- 雑菌が発生しない環境をつくること
- パイル(タオルの繊維)をたててあげること
の2点にあるからです。
寿命を縮める原因や、その対策について、詳しく教えていただきました。
【タオルをふわふわに保つコツ1】柔軟剤を使い過ぎない
洗濯物をふんわりとした仕上がりにしてくれるイメージのある柔軟剤ですが、タオルの場合は注意が必要です。
阿部さん「柔軟剤は、洋服などに使用する場合は乾燥時間の短縮にもなりますしメリットがあるのですが、タオルに使用すると、タオルが本来持っている吸水力が落ちてしまいます。もし可能であれば、お洋服とタオルを分けて、タオルは柔軟剤を使わずに洗濯するとよいですね」
また、タオルを洗うときには洗剤の量も若干少なくしたほうがよいのだとか。
阿部さん「一般的な家庭用洗剤は合成洗剤です。汚れが気になるときなどには多く投入したくなりますが、実はこれもタオルの寿命には良くありません。泥だらけのようにあまりに汚れがひどい場合は別ですが、日常使いなら洗剤はやや少なめにして、すすぎを1回多くする方が、タオルに余計な洗剤カスなども残らず、繊維も長持ちします」
最近の洗剤は、汚れを取る力が強いため、若干少なめでも大丈夫とのこと。特に、綿を使った製品だと綿が本来持つ吸水力を落としてしまう原因になってしまうのだそうです。
【タオルをふわふわに保つコツ2】洗う時の洗濯物の量に注意する
阿部さん「タオルをふわふわに仕上げるコツの一つは、パイルと言われるタオルの一つ一つの繊維をたたせてあげることです。そのためには、洗うときにたっぷりの水で泳がせるように、洗い・すすぎを行うとよいでしょう」
洗濯機のギリギリまで洗濯物を入れて洗っていませんか? たくさん詰め込んでしまうと、洗っている最中に洗濯機の中で泳ぎが生まれず、たたき洗いのような状態でパイルが寝てしまうんだそう。
阿部さん「洗濯物を詰め込み過ぎないことの他に、タオルを洗うときには節水モードも避けたほうがよいでしょう。洗濯機の設定がカスタマイズできるなら、すすぎを1回追加するのもおすすめです。また、タオルを水に浸し、たっぷりと水を含ませた状態で洗濯機に投入するのも方法の一つです」
【タオルをふわふわに保つコツ3】天日干しで干しっぱなしにしない
「過乾燥」という言葉をご存じでしょうか。乾燥させすぎてしまうと、タオルのふわふわした手触り感は失われてしまいます。
「タオルは、人間の肌と似ているんです」と阿部さんは言います。
阿部さん「人間の肌も水分と一定の油分が必要なように、タオルにも適度な水分と油分が必要です。天日干しにすると、水分が飛ばされ、乾燥しすぎてしまいます。もちろん、パリッとした肌触りが好みであればそれもよいのですが、ふわふわとした肌触りを好むのであれば、乾燥機の使用がおすすめです」
油分を保つという点では、合成洗剤を使うのではなく、洗濯用のせっけんを使って洗うのがおすすめとのこと。合成洗剤だと洗浄力が高すぎて必要な油も落としてしまうのですが、せっけんだとある程度油分を持っているので、洗うたびにタオルに必要な油分が吸収され、洗い上りがしなやかになるそうです。
【タオルをふわふわに保つコツ4】洗濯した後すぐにタオルを干す
阿部さん「濡れた状態で放置すると、パイルが寝てしまいますし、何より菌が繁殖し、嫌なニオイの原因になってしまいます。洗濯をしたら、すぐに干すようにしましょう」
濡れている時間をいかに短くできるか、はタオルのふわふわの手触りを保つためにも大事な要素。衛生上の問題もありますので、洗濯したらすぐに乾燥させるようにしましょう。
その他、タオルのニオイや黒ずみが気になる方は、以下のお手入れ方法を参考にしてみてください。
寿命の長いタオルを選ぶコツは?
購入する段階で、寿命の長いタオルを見分けるコツはあるのでしょうか?
阿部さん「もしできるなら、タオルは売り場で、目で見て、触って選ぶのが一番良いです。タオルをぎゅっと握って、反発があるようなものだと、繊維の密度が高く、撚り(より)もしっかりしているので長持ちしやすいでしょう。繊維の密度が粗いものは洗濯するたびに毛羽がどんどん抜けていってしまうので、寿命という観点から言えばおすすめはできません」
その他にも、黒いニットなどを着ている場合は、タオルをニットに軽く当ててみるとよいのだとか。毛羽が落ちやすいタオルは、その時点でニットにタオルの繊維がつくので、素人でも判断することができるのだそうです。
タオルの乾燥ならガス衣類乾燥機がおすすめ
阿部さん「タオルの乾燥にコインランドリーをおすすめすることも多いんです。やはり、ガスのパワフルなパワーは、タオルのパイルをたててふんわり仕上げるためにはピカイチだと思います」
衣類乾燥機にはガス式・電気式があります。ガス式は電気式より乾燥スピードが早いことが魅力です!
ガス式の「乾太くん」は、スイッチをオンにして数秒で温風が出て、そのままドラム内を約80~100℃の高温で運転し、一気に洗濯物を乾かします(一部モードで80℃以下)。 また、上の排湿筒から余分な水分を排出していきます。ガス式では短時間で、一気に湿気を排出するため、このような仕組みとなっています。
だからガス式は短時間で乾くんですね。
さらに、ガスならではの強い温風をたっぷり送り込みながら乾燥させるので、洗濯物の繊維が根元から立ち上がり、肌触りの良いふわっとした仕上がりになります。
衣類から寝具、靴まで乾燥できる乾太くんをぜひチェックしてみてください。
おわりに
「まずは、できることから行っていただくのが良いと思います。合成洗剤の量を少し減らして、すすぎの量を1回多くするだけで、タオルの仕上がりや寿命は劇的に変わると思いますよ」と阿部さん。タオルの買い替えの頻度が高くて困っている方や、吸水力が落ちてしまって困っている方は、タオルそのものだけではなく、日ごろのお手入れを見直してみてはいかがでしょうか。