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気になるトイレの嫌なにおい「原因は男性の○○かも・・・」 原因と対策を掃除のプロに聞いてみた

ライオン株式会社が行った実験によると、トイレの嫌なにおいの原因は「男性のおしっこ」にあるそうです。尿ハネの量は、なんと1日で約2,300滴・・・。尿ハネを防ぐ方法、トイレを汚しているのは男性だけなのか? オススメの掃除方法や頻度などを掃除のプロの藤原千秋さんに聞きました。

最終更新日:2024.1.14

目 次

男性が「立ちスタイル」から「座りスタイル」に変わるきっかけ

――近年、トイレの嫌なにおいの原因は「男性のおしっこ」だと見聞きするようになりました。なにかきっかけがあるのでしょうか?

藤原 千秋さん

uchicoto

藤原:たしかに、インターネットをはじめとする各メディアで取り上げられるようになりました。でも、トイレの嫌なにおいの原因が男性のおしっこだと明らかになったのは、ここ数年の話じゃないんですよ。

ライオン株式会社が2005年に行った実験で、男性が立って小用を足す立ちスタイルでは、1日で周囲に尿ハネが約2,300滴も飛び散ることがわかったんです。とくに、便器の奥狙いが最も飛び散りやすいそうです。

なぜ約2,300滴もの尿ハネがあるかわかったかというと、ブラックライトを当てて数えたから。なかなかキツイ研究ですよね(笑)

尿ハネ量の比較画像

便器内の狙う位置によって尿ハネの量に差がでることがわかった(※画像はライオンプレスリリースより)

――約2,300滴ですか、想像するだけで嫌なにおいがしますね・・・。なぜ、2005年の実験結果が最近になって認知されはじめたのでしょうか?

藤原:企業のプレスリリースの情報って、出回るまで時間がかかるんです。でも、ライオン株式会社が実験を行ってくれたおかげで、少しずつ便座に座って小用を足す男性が増えました。

とはいっても、すべての男性が座りスタイルに変わったわけではありません。男性が自発的に座りスタイルになるきっかけの多くは、ひとり暮らし。

トイレに入る男性

PIXTA

――なるほど。ひとり暮らしをすることで、トイレ掃除が面倒くさいことだと気づくんですね。

藤原:自分が飛び散らかしたものにうんざりして、座るようになったという話はよく聞きます。あとは、結婚や同棲をしてトイレ掃除をするパートナーから苦情があり「座ってしてね」と言われることもあるそうです。

最近のトイレは進化していて、水が溜まる部分に泡が立ち、男性が立ちスタイルで小用を足しても、尿ハネを極力減らすように泡がキャッチしてくれるタイプのものがあります。

ですが、掃除の観点からすると、なるべく飛び散らないように小用を足すのがベスト。やはりトイレの嫌なにおいを防ぐ、掃除の手間を減らすことを考えると座りスタイルをオススメします。

トイレの嫌なにおいの原因は、男性のおしっこだけではない

――やはり、男性は座りスタイルで小用を足すべきなんですね。

藤原:はい。でも、女性が便器を汚していないかというと、そんなことはないんですよ。女性が1回小用を足すと、便座の先端部分の裏側に約500滴の尿ハネが飛び散るそうです。座ったとき、真下に見えるところですね。

女性がよく使うトイレは、便座の裏側に汚れが溜まっています。先端部分の裏側が汚れると、尿ハネが床にたれ落ちることもあります。

便器

PIXTA

――トイレの嫌なにおいの原因は、男性の立ちスタイルのおしっこだけではない。

藤原:座りスタイルで小用を足しても、便器は汚れます。いま説明したように座りスタイルでは便座の裏側が汚れ、床にたれ落ちる。そうすると、便器と床が接している部分にも尿ハネが溜まります。

それに加え、目に見えないため気づきにくいのですが、腰から下の高さの壁にも尿ハネは飛び散ります。

――なるほど・・・。だからトイレ掃除は便器だけではなく、壁や床も掃除しないと嫌なにおいが消えないんですね。

藤原:汚い話ですが、排便中におならをすると便器の中のものが四方八方に飛び散ります。トイレって、我々が想像している以上にあらゆるものが飛び散るんですよ・・・。

だから、トイレ内にギャラリーを作っている人は要注意!

トイレ内にカレンダーやポスターを貼っている、本を置いている方は気をつけてください。とくに、本はトイレ用として処分すること。トイレに置いてある本はおしっこやうんちが飛び散っていますから、自宅のリビングや通勤中の電車の中で読んではいけません。

プロがオススメするトイレの掃除グッズは?

藤原 千秋さん

uchicoto

――そこまで飛び散っているとは・・・、想像以上でした。

藤原:そう、トイレの嫌なにおいの原因となる尿ハネは意外と飛び散っているんです。それを意識して掃除するだけでも、大分違います。

――トイレの掃除グッズを選ぶときの注意点はありますか?

藤原:洗剤の液性に注意してください。液性は、酸性・弱酸性・中性・弱アルカリ性・アルカリ性の5種類。「混ぜるな危険」って聞いたことありますか?

――はい。洗剤のCMなどで聞いたことがあります。

藤原:異なる液性を混ぜて使うと効果を打ち消し合ってしまうだけではなく、ものによっては塩素ガスが発生して人体に悪影響を及ぼす危険があります。トイレはせまい空間ですから、最悪の場合、命を落としてしまうことも・・・。

トイレの洗剤としては中性かつ、除菌効果と消臭力の強いものがオススメですね。

――藤原さんがオススメするトイレの掃除グッズは?

藤原:使い捨てのウェットシートです。

トイレの嫌なにおいの原因は尿ハネ以外に大腸菌や黄色ブドウ球菌なども含まれているので、繰り返し同じものを使うと衛生状態を保つことが難しいんですね。例えば、雑巾でトイレ掃除をして、洗濯後繰り返し使うことも可能ですが、面倒だし衛生面に難がある。

使い捨てウェットシートを使うと、ストレスなく日々の掃除を続けることができます。

――トイレの嫌なにおいをなくすために掃除をしても、習慣にならなかったら意味がないですもんね。

トイレ全体の拭き掃除に使えるウェットシートはいいですね。便器だけではなく、床と腰から下の壁も拭いてください。この時、便座はプラスチック製のものが多いので、強い洗剤を使うと変色・変形の恐れがあります。中性の洗剤だとそういった便座や壁紙を傷めるリスクは少なくなります。

トイレ掃除をする女性

PIXTA

トイレは家族の健康に直結する場所

――トイレ掃除の頻度はいかがでしょうか?

藤原:トイレ掃除の頻度は、トイレの使用頻度によって変えればいいと思います。例えば、家族が多ければトイレの使用頻度が増えますから、トイレ掃除の頻度は増やしたほうがいいでしょう。

あとは、立ちスタイルで小用を足す小さな男の子や介護が必要なお年寄りなど、尿ハネ対策のコントロールが難しい方が家族にいる場合も、トイレ掃除の頻度は増やしたほうがいいですね。

トイレが汚れやすい家庭だと1日2回掃除をしている方がいますが、尿ハネ対策が徹底できるのであれば週1回で構いません!

――週1回なら無理なく続けられますね!

藤原:トイレは健康に直結する場所です。ひとり暮らしであれば深く気にする必要はないかもしれませんが、家族で暮らしている場合、誰かがお腹の風邪をひくとトイレを起点にパンデミック(感染)するんですよ・・・。

尿ハネのことだけを考えれば、先ほど紹介したように便器の中や便座の裏、床と腰から下の壁を掃除すればいいでしょう。家族間のパンデミック防止にはドア、ドアノブ、トイレットペーパーホルダー、あとはフラッシュバルブという水を流すレバーも掃除したほうがいいですね。

トイレの洗浄レバー

PIXTA

――そこまで考えたことはありませんでした・・・。

藤原:ドア、ドアノブ、トイレットペーパーホルダー、フラッシュバルブを掃除するためのグッズとして、除菌効果のある洗剤を使うことをオススメします。中にはノロウィルスの対策ができるものもありますよ。

トイレットペーパーにシュッとかけて、拭き掃除をするだけで十分です。

プロがオススメする簡単で衛生的なトイレ掃除

最後に、藤原さんが教えてくれた誰でも簡単にできるトイレ掃除の方法を紹介します。用意するのは、スプレータイプのトイレ用洗剤とトイレ用ウェットシート、いらなくなった靴下とスーパーやコンビニでもらえるビニール袋だけ。

【においを撃退するトイレ掃除のコツ1】床や腰から下の壁、便座をウェットシートで拭く

トイレの床掃除

uchicoto

まずはレジ袋に手を入れ、ウェットシートで床や腰から下の壁、便座を拭きます。ビニール手袋ではなくレジ袋を使う理由は、衛生面の観点から。ビニール手袋を繰り返し使うと、気づかないうちに汚れや雑菌が付着してしまうからです。

【においを撃退するトイレ掃除のコツ2】靴下で便器内を掃除する

レジ袋の上から靴下をはめる

uchicoto

レジ袋の上からいらなくなった靴下をつけ、

ビニール袋をはめた手に靴下をはめ、便器内を掃除する

uchicoto

続いてスプレーを便器に吹きかけ、いらなくなった靴下で便器を拭き掃除します。ポイントは、汚れが溜まりやすい便器のフチの裏側までしっかり掃除すること。

掃除に使用した靴下をビニール袋に入れる

uchicoto

掃除が終わったらレジ袋をクルッとひっくり返せば、そのまま捨てることができます。簡単ですし、衛生的にも問題はありません!

ウェットシートは使い終わった後トイレに流せるようになっているものが多いですが、一度に2〜3枚流すと詰まりの原因になります。藤原さんのようにレジ袋の中に入れて捨てるか、トイレに流すときは1枚ずつにしましょう。

【トイレのにおいを防ぐコツ】薄手のトイレマットを敷く

トイレマット

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床に飛び散る尿ハネは、薄手のトイレマットを敷くことで対策ができます。トイレマットを使わず床を拭き掃除してもいいのですが、藤原さんによると「マイクロファイバークロス製で乾きやすい薄手のトイレマットを使い、2〜3日に1回洗濯したほうが嫌なにおいが残りづらく掃除が楽になる」そう。

おわりに

においが気になりがちなトイレ。簡単で誰でも試しやすい方法をいくつもご紹介いただきました。ぜひ、お試しください!

トイレの頑固な汚れはプロに依頼するのもおススメ!

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一度キレイになったトイレは、その後自分でも掃除もしやすくなります。
利用した方の中には、せっかくお金をかけて綺麗にしてもらったのだから、綺麗な状態を維持しようと感じる方も多いそう。

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公開日:2019.7.26

最終更新日:2024.1.14

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