「エアコンをつけると花粉が入ってくる」は誤解だった!?
エアコンの室外機は部屋の外に設置しているので、エアコンは外気とつながっているイメージがありますね。そのため、エアコンをつけて花粉症の症状が出たら、外の空気に含まれる花粉が侵入したのだと誤解する人も少なくないようです。
でも、エアコンは室内の空気を吸い込み、熱交換器の機能で冷やしたり、温めたりした風を再び室内へ送り出しています。つまり、エアコンが吸い込んでいるのは、室内の空気なんです。※一部の最新機種でエアコンを運転しながら外気を取り込み、換気をしてくれるものもあります。
エアコンをつけて、花粉症の症状が出る理由とは・・・
エアコンをつけて咳やくしゃみが出るのは、エアコンの風が室内の花粉を巻き上げたり、エアコンのフィルターやエアコン内に付着したホコリや花粉が室内に排出されることが原因だと言われています。
花王株式会社 生活者研究センターの研究によると、室内の花粉の6割は窓などの換気による侵入、4割が洗濯物や衣類について持ち込まれることがわかっています。場所別でみると花粉の割合は、床が55%、布団22%、洗濯物15%という結果に。
エアコンは室内の空気を吸い上げて、温めたり冷やしたりして排出するため、エアコンをつけると部屋の中に空気の流れができます。そのため、床や室内干ししている洗濯物に付着していた花粉を、エアコンの風が巻き上げてしまうことになるんです。
またエアコンのフィルターやエアコン内に花粉が付着していると、エアコンを稼働する度に部屋中に花粉を撒き散らすことにも繋がります。
こうした事態を防ぐために、室内の花粉対策として重要なのは、「エアコン掃除」「床掃除」「洗濯物の花粉対策」の3つです。この記事ではエアコンの掃除方法を詳しくご紹介します。床掃除と洗濯物の花粉対策についてはリンク先をご覧ください。
出典:花王株式会社 生活者研究センター「花粉に関する生活者実態とその対策の検証」2006年1月
花粉対策が必要な時期とは
花粉症といえば、春先の「スギ花粉」がよく知られていますが、実はさまざまな種類の花粉が一年中飛んでいます。南北に長い地形の日本では、地域によって気温差も大きく、同じ種類の花粉でも飛散時期にはズレもあります。
花粉が多く飛散する時期は、エアコンを使う頻度が高い時期とも重なっています。こうした時期はこまめな掃除が必要です。
【エアコンの花粉対策1】まずはフィルターを掃除する
空気の通り道になるエアコンのフィルターは、とても汚れやすい部位です。エアコンのフィルターが詰まっていると、エアコンの効きが悪くなる、悪臭のもとになる、健康被害の原因になるなど、さまざまなリスクが高まります。
【準備するもの】
●掃除機
●中性洗剤
●歯ブラシ
●清潔なタオル
●スポンジ
●45Lなど大きめのポリ袋もしくは新聞紙
フィルター掃除の手順
1.エアコンの下に45Lポリ袋や新聞紙を敷く
エアコンのフタを開ける際、フィルターから落ちるホコリをポリ袋や新聞紙でキャッチします。終わったあとは、ポリ袋や新聞紙を丸めて捨てるだけなので、後片付けも簡単です。
2.取り外す前にフィルターに掃除機をかける
フィルターをそのまま取り出すとホコリが落下する可能性があります。取り外す前にフィルターに軽く掃除機をかけておきましょう。こびりついたホコリはのちほど歯ブラシで取るので、目に見える大きなホコリを吸う程度でOKです。
3.エアコン本体からフィルターを外す
ホコリをある程度吸ったら、フィルターを外します。フィルターの網目はとてもデリケート。力を加えると破れることがあるため、力加減には十分に注意しましょう。
4.フィルターを水洗いする
外したフィルターを丸洗いしていきます。コツは、フィルターの裏面から水をかけること。ホコリはフィルターの表面に付着しているので、裏面から水をかけると簡単に洗い流せます。色素沈着やニオイが気になるときは、水で薄めた中性洗剤をかけて、スポンジや歯ブラシで優しく汚れを落とします。
5.しっかり乾燥させて元通りにセットする
清潔なタオルでフィルターを挟むようにして水気を拭き取ります。日陰干しでしっかり乾燥させてからエアコンにセット。エアコンは電化製品なので、水で濡らしてしまうと故障の原因になります。乾燥してから取り付けましょう。
フィルター掃除の注意点
フィルター掃除をする前は、必ずエアコンの電源プラグを抜きましょう。電気系統に水がかかると、ショートや腐食の原因になることがあります。
エアコンの種類によっては、フタの内部にも電気系統が配備されているものもあります。フィルターを洗ったあとの水分が電気系統にかからないように、フィルターは十分に乾燥させましょう。
フィルターを乾かしている間に本体のホコリを掃除機で吸って、しっかり絞った雑巾で拭いておくと、より清潔にエアコンを使用できるようになりますよ。
【エアコンで花粉対策2】スプレー式のエアコンクリーナーでエアコン内部まで洗浄
ドラッグストアやホームセンターなどに行くと、スプレー式のエアコンクリーナーがパーツ別にいろいろと並んでいます。中には花粉を防ぐ機能を持つタイプもありますよ。
エアコンクリーナーでキレイにできるのは「フィン」「ファン」「フィルター」「ドレンホース」の4つのパーツ。「フィン」と「ファン」は名前はよく似ていますが、部位は異なります。
フィンクリーナー
フィンはフィルターを外すと見える、薄い金属の板が並んでいる部分のこと。ここは、空気の温度を変える役割があり、結露によってカビが発生しやすい部品のため、定期的に掃除しておく必要があります。
ファンクリーナー
ファンは温度調整された空気を送り出す部分のこと。エアコン内部の部品で直接触れることができないため、奥まで洗浄液が届くノズル付きタイプのスプレーが便利です。クリーナーを使う際はポリ袋で周辺を養生しておく必要があります。
フィルタークリーナー
フィルターにこびりついた花粉やゴミ、カビなどを浮かせて落とすタイプが多く販売されています。
ドレンホースクリーナー
ドレンホースは、室外機につながるホースのことです。ドレンホースが詰まっていると、エアコンからの水漏れにつながる可能性もあります。
スプレー式のエアコンクリーナーの注意点
エアコンクリーナーは便利ですが、使い方を誤るとエアコンの故障や健康被害につながることがあります。
エアコンは精密機械で電装部に水がかかると故障の原因になり得ます。電装部は必ずポリ袋などでカバーしましょう。またスプレーを浴びたり、触れないよう注意します。マスクやメガネがあると良いでしょう。
また、天井埋込タイプやカーエアコンなどエアコンクリーナーを使用できないタイプのエアコンもあります。使う前は取扱説明書で確認する必要があります。エアコンクリーナーを扱うことに不安がある人は、プロにエアコン掃除を依頼したほうが安心ですね。
【エアコンで花粉対策3】空気清浄機との位置関係を見直す
花粉症に悩んでいる方は、空気清浄機を使っている人も多いですね。
空気清浄機はエアコンの対角線上に置いて使用すると、エアコンの気流との相乗効果で、空気を効率よくキレイにすることができるそうです。
【エアコンで花粉対策4】フィルターシートを取り付ける
エアコン専用の「フィルターシート」と呼ばれる、キレイになったフィルターの上に取り付けるシートも市販されています。花粉やハウスダスト用のシートもあります。
エアコンの空気の吸い込み口で花粉やハウスダストが取り除かれるため、エアコンから出てくる空気もクリーンになりますよ。
フィルターはパルプやポリエステルなどの不織布でできたものがほとんどです。エアコンの本体カバーの前面に貼るタイプ、内部のフィルターの上に貼るタイプなど、さまざまな種類があるため、機種に合ったものを選びましょう。
※取り付けできないタイプのエアコンもあります。詳しくは取扱説明書をご参照ください。
おわりに
花粉のシーズンに実は重要だったエアコンの掃除。こまめにフィルターや内部を掃除しておけば、エアコンをつける度に花粉が室内に待ってしまう事態を防ぐことができますよ。
参考:ダイキン工業株式会社「花粉の困りごとと解決法」
エアコン内部の掃除は、プロによる【エアコンクリーニング】がオススメ
梅雨から夏、冬と使用頻度の高いエアコン。いざ使おうとしたらなんだかカビ臭い・・・という経験はありませんか?
カビの繁殖や汚れの蓄積を防ぐには、定期的に専門業者にクリーニングをお願いするのがオススメです。
東京ガスのハウスクリーニングは、自社研修を受けたプロが、フィルターやカバーはもちろんフィルターの奥にあるアルミフィンやファンについたカビ等の汚れも、専用の洗剤と高圧洗浄機を使って徹底的に洗浄してくれますよ!
ご自宅向けにはもちろん、ご両親へのプレゼントにも喜ばれること間違いなしです。
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