【わらび餅とくず餅の違い】わらび餅とは?
わらび餅の原料は、山菜でおなじみの「ワラビの根」から取り出したデンプンで、「わらび粉」と呼ばれます。わらび粉は、ワラビの根から取り出したデンプンを乾燥させて作るそうです。このわらび粉を使うことから「わらび餅」と呼ばれるようになりました。
わらび餅の主な作り方とは
わらび粉を水で溶かし、砂糖を加えて火にかけて、よく混ぜながら練ると、次第にツヤと粘り気が出てきます。透き通るまで練ったらスプーンなどで食べやすい大きさに丸めて冷やし、きな粉や黒蜜をかけていただきます。
わらび粉100%のわらび餅は珍しい?
私達が普段よく見かけるわらび餅は白っぽい色をしていますね。実は、わらび餅として売られているもののほとんどが、サツマイモやタピオカから取れたデンプンや、葛粉を利用して作られているそうです。
一方、わらび粉100%で作ったわらび餅は、黒っぽい色をしています。
わらび粉はとても貴重で、1kgの根から30gほどしか採れないそうです。とても高価なことから、100%わらび粉を使用したわらび餅にはなかなかお目にかかれません。
【わらび餅とくず餅の違い】くず餅とは?
「くず餅」もわらび餅と同様に涼やかな見た目が特徴で、夏の涼菓子として多くの人に親しまれていますね。
くず餅には、わらび餅によく似た透き通ってぷるぷるしたものと、白色で三角や四角にカットされたものがあります。
どちらも「くず餅」と言いますが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか?
葛粉を使った「葛餅」
わらび餅とよく似た、透明でつるりとしたくず餅は、「葛粉」を原料として作られ、漢字では「葛餅」と書きます。
葛粉は、「クズ」というマメ科の多年草の根から採れるデンプンを精製して作られます。特に奈良県吉野産のクズは良質と言われ、その地域で加工した粉は「吉野葛」として広く知られています。
葛粉に水と砂糖を加えて火にかけながらよく練ると、透明でつるんとした食感になり、これを食べやすい大きさに切って、きな粉や黒蜜をかけていただきます
見た目もさることながら、作り方もわらび餅と似ていますね。
関東では、小麦粉を使った「くず餅」がスタンダード?
一方で、上の写真のタイプは、小麦を乳酸菌で発酵させた「小麦でんぷん」を使って作るそうです。和菓子の中で発酵という工程は珍しく、和菓子唯一の発酵食品と言われています。
江戸時代に生まれたこのタイプは「九寿餅(くずもち)」と呼ばれ、関東ではこちらが一般的です。黒蜜やきなこをかけて食べるのは「葛餅」と同じですが、材料も作り方も全く異なるんですね。
おわりに
夏の代表的な涼菓子として、似たようなイメージのある「わらび餅」と「くず餅」ですが、主な違いは原材料にありました。また、同じ「くず餅」でも地域によって異なる和菓子になるんですね。わらび餅やくず餅を食べる際は、材料なども意識して、違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。