桜餅の生地は小麦粉と道明寺粉の2種類ある!?
色と香りで春を感じさせてくれる「桜餅」。桜の葉で餅を包む工夫は江戸時代に発案されたそうです。ちなみに、桜餅は2種類あることをご存知ですか?
桜餅には、小麦粉を水で溶いて平鍋で薄く焼いた生地で餡を包んだものと、道明寺粉から作った生地で餡を包んだ2種類があります。桜餅と言われて思い浮かべるものは、お住まいの地域によって違うようです。
一般的に、小麦粉から作る桜餅は関東で食べられていることが多く、道明寺粉で作る桜餅は関西で食べられていることが多いのだとか。
また、桜餅といえば包んである「桜の葉を食べるか食べないか」、人によって好みが異なり議論になることも多いもの。それについても最後にご紹介します。
まずは2種類の違いについてご紹介していきます。
関東の桜餅は小麦粉から作られる
関東で多いと言われている桜餅の皮の材料には小麦粉が使われています。小麦粉に水を混ぜて薄く焼いた皮で餡をくるんだものです。
ちなみに関東の桜餅といえば、東京都墨田区向島にある株式会社やまとの「長命寺桜もち」が有名ですが、これはお店の近くにある「長命寺」というお寺が、桜餅の発祥と深い関係があるからなのだそうです。
江戸時代、長命寺の門番だった新六が隅田川沿いの桜から落ちる葉を惜しんで、何かに活用できないか考えていました。そこで葉っぱを塩漬けにしてお餅を包んで売ったところ、それが人気を得て「桜餅」の発祥になったそうです。
関西で多い道明寺粉製の桜餅。 元々は保存食!?
関西の桜餅は、「道明寺粉」で作られているものが多いのだとか。
道明寺粉とは、もち米を一度蒸した後に乾燥させて、2ツ〜3ツ割にしたもの。これを蒸して色付けしたもので餡を包んで作ります。そのため、お米の食感が残るつぶつぶとした皮が特徴です。
道明寺粉の歴史は古く、千年以上も前に大阪にある真言宗の尼寺「道明寺」というお寺で作られていた保存食「道明寺糒(ほしい)」が元になっているのだとか。長期保存できることから一般的な保存食としても用いられ、水やお湯でふやかすなどして食べられていたそうです。
気になる小麦粉の桜餅と道明寺粉の桜餅のカロリーは?
実際食べるときに気になるのが、カロリーですね。
日本食品標準成分表によると
小麦粉の桜餅100gあたりのカロリーは 239Kcal
道明寺粉の桜餅100gあたりのカロリーは 200Kcal
道明寺粉の桜餅の方がややカロリーは控えめのようです。
ドーナッツ(375Kcal/100g)、ショートケーキ(327Kcal/100g)などの洋菓子に比べると、カロリー控えめなのは嬉しいですね。
参照:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」
気になる桜餅の「葉」みんな食べている?
桜餅といえば、餅を包んでいる「塩漬けの桜の葉」の存在が欠かせません。
葉は食べる人と食べない人で意見が分かれるようですが、正式な食べ方は、葉をむいて食べることが推奨されているそうです。葉の移り香を楽しみつつも、桜餅そのものの味を感じることがオススメなのだとか。
もちろん葉は食べても問題ないので、お好みで楽しんでくださいね。
家庭で簡単! 桜餅レシピのご紹介
家庭で簡単! 一口サイズの桜餅「道明寺小桜」
お花見にもぴったりなひと口サイズのかわいらしい桜もちを、ご自宅でも作ってみませんか?
レシピをご紹介しますので、ぜひお試しください。
さくらの葉の香り塩気がアクセント!「さくら餅」
ピンク色に焼いた皮にあんを包んで、塩漬けの桜の葉を巻けば本格的な和菓子の出来上がりです。
おわりに
桜餅には2種あり、違いは材料でした。小麦粉から作る桜餅も道明寺粉から作る桜餅も、今では地域を問わず手に入りやすくなっています。両方を用意して違いを味わってみるのも楽しいかもしれませんね。