その毛布洗える? 自宅で洗濯するための5つの手順とは?
肌に直接触れる毛布は清潔に保ちたいもの。でも自宅で洗濯するのは厳しそう・・・。そんなイメージはありませんか?
毛布を自宅で洗う手順は、たった5つ。以下の通りです。
1.「洗濯表示を確認」
2.「洗濯機の取扱説明書を確認」
3.「洗う準備」
4.「(実際に)洗う」
5.「干す」
想像以上にシンプルです。以下に詳しい手順をご紹介します。
教えてくれたのは、ライオン株式会社の大貫和泉さん。繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士などの資格を持ち、洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきた“お洗濯マイスター”。お洗濯のプロ中のプロです。
【毛布の洗濯手順1】まずは洗濯表示を見て、自宅で洗えるか確認
(大泉さん)「まず自宅で洗えるかどうかをチェックします。“家庭洗濯”の洗濯表示があることを確認してください。表記がなかったり、×印が付いている場合は、手洗いを含め自宅で洗うことはできません。その際は、クリーニング可能なマークがあるかを確認しクリーニング業者に出してください」
洗濯桶の中に水が溜まっている上図マークが、洗濯表示の中で家庭洗濯ができるかどうかのマーク。
一番左のように「×」で描かれているものは家庭洗濯ができないことを意味します。
真ん中は、「水温(液温)は30℃を限度とし、洗濯機で洗濯ができる」ことを示す洗濯表示。40と書いてあれば、40℃が限度になります。
一番右は「手洗いができる」ことを示します。
(大貫さん)「平成28年12月より現在の新しい洗濯表示に切り替わりました。それ以前の衣類は、旧絵表示のままなので、注意してください。旧絵表示の“家庭洗濯”は、現在のような手桶に水がはっている図ではなく、長方形の洗濯機に水がはっているような図です(上写真の一番左)。手洗い表示も、“手洗イ”と明記されています。インターネットでも調べられる他、当社の『これ洗える?』アプリで調べれば従来の絵表示と、新洗濯表示を見比べることもできます」
また、「ネットを使用」などの注釈が書かれている毛布に関しては、洗濯ネットを使用しましょう。毛布専用のドラム型の洗濯ネットが市販されています。100円ショップなどでも販売されていますよ。
【毛布の洗濯手順2】洗濯機の説明書を確認
次にお使いの洗濯機の取扱説明書を見て、「毛布コース」や「大物洗いコース」などの毛布が洗えるコースがあるか、お使いの毛布がご家庭の洗濯機で洗える毛布か、洗濯可能な重さかを確認しましょう。
(大貫さん)「“故障につながりかねない”ということで万全を期しているのでしょう、メーカーによっては、ネットの有無、毛布の折りたたみ方を指定している洗濯機もあります。取扱説明書やホームページにて毛布の洗い方の記述を確認しておくようにしてください」
洗濯機によっては、洗濯時のかたよりや生地の傷みを防ぐために「洗濯ネット」や「洗濯キャップ」を必要とする場合がありますので、準備しておきましょう。
【毛布の洗濯手順3-1】洗う準備「おしゃれ着用洗剤がおすすめ」
洗濯表示と洗濯機の取扱説明書を確認したら、次は「洗う準備」。大貫さんは、「毛布を自宅で洗濯する場合は、おしゃれ着用洗剤がおすすめです」と説明します。
(大貫さん)「おしゃれ着用洗剤とは弱水流でも十分に汚れが落ちるように開発されたものです。色あせ、型崩れ、毛玉、テカリ防止効果などもあります。弊社で言えば、アクロンがおしゃれ着用洗剤ですね。おしゃれ着用洗剤を使うことで毛布が長持ちしますよ」
また漂白剤を使用する場合には注意点があると言います。
(大貫さん)「液体タイプの酸素系漂白剤を使用してください。塩素系は真っ白になってしまいます。粉末タイプの酵素系漂白剤は、毛・絹には使えません」
気になる箇所は、「直接おしゃれ着用洗剤を塗布してから洗えば効果的」とのこと。
洗濯後のふわふわ感をお求めの方は、お好みで柔軟剤を使うとさらに良いそうです。
【毛布の洗濯手順3-2】洗う準備「毛布を折り畳む」
洗い方にも注意が必要です。毛布の畳み方に、ポイントがあるのだとか。
(大貫さん)「まず、汚れている部分を外側にして、同じ幅で折り返しながら重ねるようにジャバラ状(屏風だたみ)に折りたたんでください」
(大貫さん)「折りたたんだら、ロール状にして、そのまま毛布専用の洗濯ネットに入れてください。汚れの目立つ方を下にして入れると、より落ちやすくなります」
【毛布の洗濯手順4】「洗濯機で洗う方法」
後は、洗濯機の「毛布コース(メーカーによっては「大物洗いコース」)」を選択するだけでOK。
(大貫さん)「水に浮きやすく浸らないことがあるので、水が溜まったら洗濯機を一時停止して、両手で5~6回ほど押し沈めてから洗濯を再開させると確実です」
古い洗濯機や容量の小さな洗濯機を使用している場合、毛布の洗濯に対応していないこともありますが、ここ10年くらいの洗濯機なら、「毛布コース」や「大物洗いコース」があるものが多いと思います。「毛布コース」があること、そして“家庭洗濯”の洗濯表示が〇になっているのなら、毛布は苦もなく自宅の洗濯機で洗えてしまうというわけです。
スイッチ一つを押すだけで、実は洗えたんですね・・・。
【毛布の洗濯手順4】「手洗いの場合は浴槽で足踏み洗い
もちろん、洗濯機で洗わない方法もあります。それがお風呂の浴槽などで洗う「足踏み洗い」です。
(大貫さん)「汚れている箇所がある場合は、あらかじめ洗剤を直接塗布するなど前処理をしてください。その上で、水をはった浴槽におしゃれ着用洗剤を入れて洗剤液を作ります。水かさは、毛布が浸るくらいで大丈夫です」
(大貫さん)「足踏み洗いをする場合は以下のプロセスで洗うようにしてください」
(1)毛布がつかる程度の水を浴槽に入れたあと、おしゃれ着用洗剤を使用量の目安を参考に入れる。
(2)屏風だたみをした毛布を縦横方向に踏み洗う。その際、滑らないように、必ず壁や手すりなどにつかまりながら全体を踏み洗う
(3)まんべんなく踏み洗ったら、栓を抜いて洗剤液を流す
(4)シャワーを上から当てながら、再び踏み洗いをして洗剤液を洗い流す
(5)すすぎを行うため、再度毛布が浸かる程度の水(ぬるま湯)を溜めて、足踏みを行う
(6)栓を抜いてすすぎ液を流す
(7)その後、すすぎの工程である(4、5、6)を繰り返す
(8)すすぎを終えた毛布を、浴槽のエプロン部分にかけて、1時間ほど水が流れ落ちるまで放置
「水がある程度抜け切ると、大分、毛布が軽くなるので持ち運びがしやすくなりますよ」と大貫さん。さぁ、あとは干すだけです!
【毛布の洗濯手順5】重みを分散し、日陰で風が通るように干す
洗濯機、足踏み洗い、どちらで洗っても毛布の干し方は一緒とのこと。
(大貫さん)「物干し竿が二本ある場合は、 M字になるように干します。途中で表と裏をひっくり返すと早く乾きやすいですよ。また、物干し竿が1竿しかない場合は、上の写真のようにピンチハンガーを使って、風の通り道を作ってあげると乾きやすくなります」
(大貫さん)「日向に干すと色あせの原因になってしまうので、日向ではなく、ニット、セーター類と同様に、日陰に干すことが望ましいです。部屋干しをする際、匂いが気になるという方は、抗菌・除菌効果のある液体タイプの酸素系漂白剤を入れると良いですよ」
そして、あとは乾くのを待つだけです。いかがでしょうか、意外に簡単と思われた方も多いのでは?
(大貫さん)「洗濯機と足踏み、どちらの方がより汚れが落ちるといったことは比べられませんが、ボタン一つですすぎを含めた全工程を行う洗濯機の方が、圧倒的に楽チンです(笑)。洗濯機でも十分に汚れは落ちますので、ぜひ試してみてください」
取材協力:ライオン社Lidea「毛布の洗い方」
おわりに
毛布の洗濯、いかがでしたでしょうか? 内容をおさらいすると、
1.自宅で洗えるか、“洗濯表示を確認する”
2.自宅の洗濯機が毛布を洗える洗濯機かを確認する
3.洗剤選び、汚れの前処理、畳み方などの“洗う準備”
4.「毛布コース(大物洗いコース)」、または「足踏み洗い」で“洗う”
5.色あせ、型崩れを防止して“干す”
この5つの手順を、正しい理解を持って丁寧に行うだけで、家庭でも簡単に毛布をキレイに洗うことができるのです。乾いた後の毛布の清潔感、ふわふわな感触には感動すら覚えますよ。
クリーニングに出さずとも、近くのコインランドリーに行かずとも、こんなに簡単だった自宅での毛布洗濯。これからは積極的に洗ってみてはいかがでしょう!?
自宅で毛布を乾かすなら、ガス式の衣類乾燥機がおすすめ!
衣類乾燥機にはガス式・電気式があります。ガス式は電気式より乾燥スピードが早いことが魅力です!
ガス式の「乾太くん」は、スイッチをオンにして数秒で温風が出て、そのままドラム内を約80~100℃の高温で運転し、一気に洗濯物を乾かします(一部モードで80℃以下)。 また、上の排湿筒から余分な水分を排出していきます。ガス式では短時間で、一気に湿気を排出するため、このような仕組みとなっています。
だからガス式は短時間で乾くんですね。
さらに、ガスならではの強い温風をたっぷり送り込みながら乾燥させるので、洗濯物の繊維が根元から立ち上がり、肌触りの良いふわっとした仕上がりになります。
衣類から寝具、靴まで乾燥できる乾太くんをぜひチェックしてみてください。