暑中見舞いと残暑見舞い、違いは何?
暑中見舞いや残暑見舞いは、夏の季節のあいさつ状と捉えている方も多いと思いますが、その違いは何でしょうか? うっかりミスをしないよう、確認しておきましょう。
暑中見舞いとは?
「暑中」とは、二十四節気(にじゅうしせっき)の「小暑」(2024年は7月6日~7月21日)から「大暑」(2024年は7月22日~8月6日)の期間で、一年で最も暑さが厳しい時期を示しています。その期間に親しい人やお世話になった人たちへ送るあいさつ状が「暑中見舞い」になります。
残暑見舞いとは?
「残暑」とは、二十四節気の「立秋」(2024年は8月7日)以降の暑さをいいます。暦の上で秋になっても長引く暑さをお見舞いするのが「残暑見舞い」になります。
残暑見舞いを送る時期について
残暑見舞いは、「立秋」(2024年は8月7日)~8月末までに出すのが基本的なマナーとなっています。
いつまでに送るべきかに明確な決まりはありませんが、季節のあいさつ状なので、暑さがおさまるという意味の「処暑」(2024年は8月22日)までを目安に、遅くとも8月末までには届くようにするとよいでしょう。立秋前は暑中見舞いになりますので、間違えないようにしてください。
なお、暑中見舞いと残暑見舞いは、どちらか片方を出せばよいとされています。
【2024年版】「暑中見舞い」はいつまでに出す? 書き方やマナー、例文をご紹介
喪中でも残暑見舞いは送って大丈夫?
残暑見舞いや暑中見舞いは、祝賀のあいさつである年賀状とは違い、暑い最中の体調を気遣うものなので、一般的には、喪中の方に送っても構わないとされています。
ただし、忌明け後に、はがきなどのデザインに考慮して出すようにしましょう。
残暑見舞いの基本の書き方
残暑見舞いは、季節のあいさつ、相手の健康を気遣うなどの本文、結びのあいさつ、日付の4点をおさえて書くのが基本です。
季節のあいさつ
書き出しは「残暑お見舞い申し上げます」が決まり文句。わざわざ「拝啓」「前略」などを使う必要はありません。ただ、恩師や目上の人に出す際には、「残暑お伺い申し上げます」とする場合もあります。
本文
相手の健康を気遣う言葉、自分の近況を伝える言葉で構成されることが多く、そこに、必要に応じて書きたい文面を添えることになります。暑中見舞いをいただいたお礼や、自分らしいエピソードを添えるとよいでしょう。
結びのあいさつ
相手の無事を祈る、思いやりのある一言で締めくくります。
日付
詳細な日付は入れず、「○○年 晩夏」とするのが一般的ですが、晩夏を立秋、秋暑など他の言葉にしたり、「○○年 八月」としてもよいでしょう。
【用途別】残暑見舞いの文例
一般向け
残暑お見舞い申し上げます
立秋とは名のみの厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
お陰様で、わたくしたち家族全員、つつがなく暮らしております。
連日の残炎もあと一息といったところです。
なお一層のご自愛をお祈り申し上げます。
令和〇年 立秋
友人向け(暑中見舞いに対するお礼)
残暑お見舞い申し上げます
暦の上では秋になりましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。
先日は素敵なお葉書をありがとう!元気な様子が伝わってきて嬉しかったです。
そろそろ夏の疲れが出てくる頃。お互いに気をつけないといけませんね。
近いうちに会えるのを楽しみにしています。
令和〇年 晩夏
ビジネス向け
残暑お伺い申し上げます
貴社におかれましては益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。
まだまだ残暑厳しき折柄、皆さまくれぐれもご自愛くださいませ。
今後とも変わらぬご支援ご愛顧を、どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和〇年 秋暑
メールで送る際に気を付けたいこと
残暑見舞いをメールで送る際には、2つの大まかなポイントがあります。
1つは「件名は用件がわかるように簡潔に」、もう1つが「送る相手によって本文を使い分ける」ということです。
近年は特に迷惑メールなどが増加しているため、日々色々なメールが送られてきます。それを警戒され、お送りした残暑見舞いメールが迷惑メールに分類されてしまうと、目にふれずに終わってしまうかもしれません。
件名の欄には「○○(氏名)より残暑見舞い」などと明確な情報を記載しておくとよいでしょう。
本文は、ビジネスの相手や会社の人には基本的に敬語、友人や知り合いなどには軽いタッチで楽しく書くことができます。また、メールを書く時には、機種によって依存している絵文字や顔文字などは使わないようにするのが一般的です。
その他、画像メールだとプロバイダやサーバーの影響で送れないということもあるので、そちらも注意しておくことが必要です。
おわりに
残暑見舞いは、厳しい残暑が続く時期に相手を思い、無事を祈る気持ちを表すものです。こちら側の近況報告とともに、相手の体調などへの気遣いや日頃の感謝などを添えて送りましょう。形式にとらわれ過ぎず、心のこもった残暑見舞いを送ってあげてください。