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家の模型 電球

停電の備えは「家」から見直す! エネファームと太陽光発電で災害に強い住まい

突然、起こることも多い停電。明かりがなくなることだけでなく、冷蔵庫が冷えなくなる、エアコンが使えない暑さや寒さ、スマホが充電できないなど、停電が起こると暮らし全体に支障が出ます。そんな停電への備えについて、日頃から家事や暮らしのアイデアを発信し、多くのファンに支持されているインスタグラマーの「@designhouse_39」さんにお話を伺いました。あわせて、「自宅で電気をつくる・ためる」仕組みが停電時にどのように役立つのかを解説します。

最終更新日:2026.2.24

目 次

停電で困ることは? 日常生活への影響とリスク

停電時

PIXTA

停電が起こると、私たちの生活にはさまざまな困りごとが生じます。詳しく確認していきましょう。

明かりの喪失と転倒リスク

まず困るのが、明かりがなくなることです。室内が暗くなると足元が見えにくくなり、転倒の危険性が高まります。また、暗闇は強い不安感を引き起こすこともあります。

食料品の腐敗と衛生問題

冷蔵庫が使えなくなると、冷蔵・冷凍状態が保てず、食品が傷んだり、冷凍していたものが溶けたりする問題が発生します。さらに、トイレの水が流せなくなるなど、衛生面への影響も無視できません。

冷暖房停止などによる健康被害

エアコンなどの冷暖房設備が使えないことで、夏は熱中症や脱水症状、冬は低体温になる恐れもあります。

情報断絶による不安増大

テレビやパソコンが使えなくなることや、スマートフォンの充電切れによって、災害情報が得られない、家族と連絡が取れないといった情報の遮断は、不安をさらに大きくします。

私たちの生活は、多くの電化製品に支えられており、電気は欠かせない存在です。そのため、停電は日常生活が不便になるだけでなく、命や健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

自分や家族の安全と安心を守るためには、事前の停電対策が不可欠です。懐中電灯、ランタン、乾電池、モバイルバッテリー、非常食、飲料水、簡易トイレなど、多くの備蓄が必要になる一方で、近年注目されているのが「停電しても電気が使えるようにする」家自体の対策です。

【実例】インスタグラマー@designhouse_39さんに聞く! 「停電に強い家」の秘訣

戸建て住宅

提供:@designhouse_39

家を建てるときに決めるべきことが多く、ご自身の備忘録としてInstagramを始めたというインスタグラマーの@designhouse_39さん。ご自宅にはエネファームと太陽光発電を導入されているのだそう。
エネファームや太陽光発電といった住宅設備による停電への備えについてお話を伺いました。

エネファームと太陽光発電を設置した理由

太陽光パネル

提供:@designhouse_39

ーエネファームや太陽光発電を導入しようと、決めたポイントはどこだったのでしょうか?

DESIGNHOUSE 39「家を建てようと決めたときに大事にしたのが、暮らしやすさと安心・安全です。兵庫県在住なので、1995年阪神淡路大震災では、早朝の地鳴りと揺れで目を覚ましたことが、今でも忘れられません。幸い自宅は大きな被害を受けなかったものの、災害への意識を常に持つようになりました。
エネファームと太陽光発電などを導入した決め手は、リスクマネジメントができると感じたこと。電気やガスのどちらかだけに偏るのではなく、リスクの分散をし、エネファームで数日間は電気が使えることや、太陽光発電で自家発電ができることはとても心強いです」

ーご自身の被災体験があるからこそ、リスクマネジメントを大切にされているのですね。ライフラインが途絶えてしまうリスクを分散させることは、とても有効な備えだと思います。

DESIGNHOUSE 39「子どもがまだ小さいので、子どもに不安な思いをさせたくない、ということが一番にあります」

ー防災を考えるときには、身体の安全を守ることと同じくらい、心の安全=安心を守ることが重要です。電気がついて明るさが保てる、温かいお湯が出るということだけでも、不安を和らげることにつながりますね。

停電対策だけではない! エネファーム・太陽光発電による節約効果

ー設備導入には初期投資が必要だったと思いますが、それについてどう考えておられますか?

DESIGNHOUSE 39「確かにまとまった金額の初期投資は必要です。だけど、家を建てるということは、一生のうちに何度もあることではないと思い、『あとから後悔しないか』を夫婦で話し合って導入を決めました。家族が安心・安全に暮らせることと、導入コストをてんびんにかけたときに、やっぱり家族の安心には代えられないと思ったんです」

ー安心・安全と費用のバランスは大切な視点ですね。

DESIGNHOUSE 39「実際エネファームを導入したことでガス料金は上がりましたが、その分電気料金はぐっと下がりました。太陽光発電を導入しているので、毎月の売電利益も出ています。導入コストはかかりましたが、中長期的にみるとそんなに大きな負担ではないのかなと感じています」

QOL(生活の質)が上がる! ガスのある暮らしで

洗濯機と乾太君

提供:@designhouse_39

ー災害に対するリスクマネジメントとしてだけではなく、エネファームやガス機器の導入で普段の生活の中でメリットを感じていらっしゃることがあればお伺いできますか?

DESIGNHOUSE 39「家族で過ごす時間が長いリビングには、エネファームの温水を利用した床暖房を導入しているのですが、足元から暖かくなるので、寒い時期もとても快適に過ごすことができています」

ー他に導入されたガス機器はありますか?

DESIGNHOUSE 39「妻の希望でガス衣類乾燥機『乾太くん』を導入したのですが、とにかく乾くのが早い。子どもがいるため、天候に左右されずに洗濯できることで重宝しています。夫婦ともに働いているので、家事の時間短縮になるのもありがたいです」

ー安心・安全だけではなく、コストパフォーマンス(コスパ)とタイムパフォーマンス(タイパ)にも優れていることで、生活の質も上がったと実感されてらっしゃることがわかりました。

自宅で電気をつくる・ためる! 停電に強い家を実現する設備の仕組み

家のオブジェとLED電球

PIXTA

阪神淡路大震災での被災体験がある@designhouse_39さんは、備蓄などに加え、自家発電できる設備を導入することで、積極的に停電災害への備えをされています。

停電対策の備蓄品と自家発電設備の違いは、「特別な備え」なのか「日常的な備え」なのかという点です。@designhouse_39さんが導入されている「エネファーム」や「太陽光発電」は、平時にも使う設備が停電時に活用できることで、普段の暮らしの延長で「停電への対策」ができていると言えます。

「エネファーム」と「太陽光発電」について、どのような仕組みで、停電時にどう役に立つのかを防災士の視点を交えて解説します。

ガスから電気とお湯を同時に生み出す!「エネファーム」

パワコン・蓄電池

提供:@designhouse_39

エネファームとは「家庭用燃料電池」のことで、都市ガスから電気と湯を同時に作り出すシステムです。
都市ガスから取り出した水素を、空気中の酸素と化学反応させることで「電気」をつくり、同時に発電時に化学反応で発生した熱を利用して「お湯」を沸かすことができます。
エネファームで作ったエネルギーは、自宅で使う電気、給湯、温水暖房設備に利用することができるので、環境にも家計にもやさしいのが特徴です。

エネファームが停電時に役立つ理由

エネファームのエネルギー源はガス。エネファームには、停電時でも発電を継続できる機種があり、条件が整えば照明や通信機器など必要最低限の電力を確保できます。また、給水が確保されていれば、ガスが停止した場合でも電気を使ってヒーターでお湯をつくることができます。
経済産業省の資料によると、南海トラフ大地震発生時には、停電は最大約2710万戸、ガス供給停止は最大約180万戸と想定されています。このことからも、エネファームで停電に備えることは有効な手段の一つだといえるでしょう。

出典:経済産業省「災害対策について」

クリーンエネルギーで安心を! 「太陽光発電」

屋根に設置された太陽光発電用ソーラーパネル

PIXTA

太陽光発電とは、シリコン半導体などを利用し、太陽の光を直接エネルギーに変える発電方法のことです。
代表的な「シリコン系太陽電池」は、太陽の光によってプラスの電気を帯びるシリコン半導体と、マイナスの電気を帯びるシリコン半導体同士を張り合わせることで、乾電池のような状態をつくりあげます。
太陽光発電の最大のメリットは、太陽の光がある限り発電できる半永久的なエネルギーということです。さらに、排出ガスやCO2、使用済み燃料なども発生しないため、太陽光発電が作り出す電気は、地球環境にやさしく安全でクリーンなエネルギーなのです。

停電時に役立つ太陽光発電と、併せて備えたい「蓄電池」のススメ

壁に設置された蓄電池設備とパワコン

PIXTA

自宅で発電できる太陽光発電システムを導入していれば、災害などで停電しても、晴れた日中には自家発電によって一部の電気機器を継続して使うことができます。
それに加えて、蓄電池があれば、日中に発電して余った電気をためておき、夜間や雨の日など太陽光発電ができないときに使うことができるので、停電への備えとしてより有効です。

最適な停電への備えは? ライフスタイルにあわせた設備の選び方

リビングのファミリー

PIXTA

災害時の停電に最も有効なのは、エネファーム+太陽光発電+蓄電池の組み合わせです。これにより、電気とガスの両方でリスクを分散し、日中だけでなく夜間も安定した電力供給が可能になります。

しかし、現実的には、費用が掛かることに加え、導入するタイミングも考える必要があり、導入できるか、効果的に使えるかは、建物の状況にもよります。そのためすべてを一度に備えるのは難しいと感じる家庭も多いでしょう。

日中に在宅していることが多いのか、普段どれくらいの電力を使っているのかなど、それぞれの家庭のライフスタイルや家族構成を考慮し、どのような組み合わせで導入するのが停電対策として適しているのかを考えてみましょう。
すでに建物がある場合には、まずどんな設備が導入できるのかを専門家に相談することもおすすめです。

住まいの備え+備蓄で、より安心・安全な暮らしに

備えとは「いざというときに、自分や大切な人の体と心を守るため」のものです。
エネファームや太陽光発電、蓄電池といった停電時に役立つ「住まいの備え」に加えて、停電した時にどんな「困ったこと」が起こるのかを想定し、必要だと思われるものを備蓄することも大切です。
より安心で安全な暮らしのために、普段の備えを今一度見直してみてはどうでしょうか。

おわりに

日々の生活に欠かすことができない、ライフラインの一つである電気。裏返せば、停電時には多くの困ったことが起こるということです。
今回、家づくりで停電への備えをされている@designhouse_39さんのお話を伺うことで、備えが安心につながることを再確認することができました。災害はいつどこで起こるかわかりません。まずは、普段の生活も便利にしてくれる停電への「備え」を知ることから始めてはいかがでしょうか。

  • この記事取材先

    @designhouse_39

    インスタグラマー

    @designhouse_39

    妻と小学生の子どもと3人暮らし。
    2023年に家を建てたことをきっかけにSNSを開始。現在は「ホテルライクな家づくり」をテーマに、暮らしに役立つ情報を発信し続け、多くのファンに支持されている。
    https://www.instagram.com/designhouse_39/

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  • この記事執筆者

    徳山理恵

    防災士・1級危機管理士

    徳山理恵

    3人の子を持つ母であり、防災士、一級危機管理士等の資格を持つ防災・防犯のプロ。家族が安心して暮らせる環境を整えるため、女性の視点から仕事・子育て・家事のほか組織づくりやまちづくりまで、さまざまなリスク管理を提案している。講演やワークショップなどのほか、執筆や商品監修なども行う。

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公開日:2026.2.24

最終更新日:2026.2.24

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