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ランドリールーム

共働き家庭必見! 理想のランドリールームの間取り術を専門家に聞く

忙しい共働き世帯にとって、家事の効率化は日々の課題です。特に洗濯は、「洗う・干す・しまう」といった一連の作業が必要となり、時間や労力がかかりがちです。そこで注目されているのが、これらの作業を一カ所で完結できる「ランドリールーム」です。ランドリールームのメリットや、設置を計画する際のポイント、設備選びのコツなどについて、東京ガスリノベーション リフォーム事業部の二級建築士・丸山陽子さんにお話を伺いました。

最終更新日:2025.9.19

目 次

ランドリールームを設置するメリット

美しいランドリールーム

PIXTA

これまで、洗濯スペースといえば「洗濯機を置く場所」というイメージが強く、空間としてはあまり重視されてきませんでした。しかし、近年は「ランドリールーム」という考え方に注目が集まっています。

洗濯に関わるすべての作業を一カ所で行うことができる

ランドリールームの最大のメリットは、洗濯に関わるすべての作業を、ひとつの場所で完結できることです。

従来、多くの家庭では、洗濯物を集めて洗濯機のある場所まで運び、洗濯が終わったら別の場所に運んで干し、乾いたら取り入れて畳み、収納するという流れが一般的でした。
しかし、近年は、乾燥機能付き洗濯機や衣類乾燥機の普及により、洗濯物をその場で乾かせるようになりました。そのため、畳む作業や収納まで含めた一連の流れを「ランドリールーム」という一つの空間で完結できるようになっています。

「ランドリールームを設置することで、『洗う・干す・しまう』という一連の作業をひとつの場所で完結できるため、忙しいご家庭でも洗濯にかかる時間の短縮やストレスの軽減が実現できるのです」(丸山さん)

家族のライフスタイルに合わせて多目的に活用できる

丸山さんによると、洗濯に関する作業をまとめて行えるランドリールームは、滞在時間が長くなるため、より広く、設備を充実させて快適な空間にしたいという希望が多いそうです。
そのため、家族構成やライフスタイルに合わせて柔軟に設計し、多目的に活用するケースも増えているのだそう。

「例えば、今後子どもが増える予定のお客さま宅では、娘さんが成長したときのことを考えたリクエストがありました。娘さんがお風呂に入っているときにお父さんが洗面所を使う場合を想定し、洗面所を広めの空間にして、洗濯機も設置しつつ、扉で仕切れるようにしてほしいというご要望でした。プライバシーを確保するため、細長い洗面脱衣室を計画し、洗濯機置き場+脱衣室+ユニットバスと洗面室を適宜引き戸で仕切れる形とし、洗面室の空間と分けたランドリールームを設計しました」(丸山さん)

このように、家族のプライバシーに配慮しつつ、限られた空間を有効に活用する工夫も求められています。

また、ランドリールームに衣類の収納機能を加えたいという要望もあるそうです。

「お子さまが独立された60代後半のご夫婦のお住まいをリフォームする案件では、『パジャマや下着類などを部屋まで取りに行くのが面倒』『私たちの着るものをすべて脱衣所、つまりランドリールームに収納したいので、そこを広くしてもらえませんか』というご相談をいただきました。しかし、このケースでは洗面所内に収納を設けることができなかったため、洗面所の引き戸を開けてすぐ正面の廊下に小さなクローゼットを設置し、そこに衣類を収納するという提案をしました」(丸山さん)

ライフスタイルに合わせて、ランドリールームやその周辺をより快適に暮らすために活用したいというニーズが高まっているようです。

理想的なランドリールームの間取りとは?

ランドリールーム

PIXTA

それぞれのご家庭にとって理想的なランドリールームを計画するには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。今回は、知っておきたいポイントを丸山さんに伺いました。

必要な広さの目安

ランドリールームを計画する際、まず検討すべきなのは「長さ」をどのくらい取れるかだそうです。

「狭い場合でも工夫次第で使いやすくできますが、ランドリールームは、洗濯機、洗面台、小さくても作業用のカウンターが並ぶと便利ですので、横長の方が作業的には望ましくなります。洗面台や洗濯機、さらにカウンターも置くとなると、長さ180~200cmほどは確保したいところです。それに加えて、80cmほどの通路幅が確保できるとよく、目安としては3㎡以上のスペースで計画ができるとより実用的と思われます」(丸山さん)

作業用のカウンターについて、丸山さんは以下のように説明します。

「作業内容は主に洗濯物を畳むことです。ドラム式洗濯機の場合、上部が平らなので、そこで畳むこともできますが、ランドリールームのインテリアをおしゃれに工夫し、人工大理石の板や真っ白なカウンターなどがあると、『ここで片付けよう』と家事のモチベーションも上がると思います」(丸山さん)

理想的な広さは、ランドリールームを利用する人数や使い方によって異なりますが、カウンターの長さが重要なポイントになります。

「あるお宅では1.5m程度の長めのカウンターを作りました。これはお母さまが『娘と一緒に洗濯物を畳むから』とおっしゃって、2人で作業できるスペースを作ったケースです」(丸山さん)

このように、ランドリールームの広さはご家族のニーズに合わせて考えるのがよいでしょう。

使いやすさを重視した形状に

ランドリールームの形状は、使いやすさに大きく影響します。
奥行きについては、洗面台の奥行きと通路幅の両方を考慮する必要があります。

「ランドリールーム内をゆとりを持って通れるようにするには、通路幅は約80cm必要です。洗面台の奥行きはおおよそ60cmですので、それを考慮して設計します」(丸山さん)

ランドリールームの間取りを4つの実例でご紹介!

ここでは、リフォームや新築で設計した実際のランドリールームの例を4つご紹介します。それぞれのご家庭のニーズに合わせたランドリールームの実例をご覧ください。

【実例1】裏庭を活用した効率的な動線と将来を見据えた空間づくり(Fさま邸)

Fさま邸

東京ガスリノベーション株式会社

ポイント

  • ランドリールームからすぐに出られる裏庭を、洗濯物の干し場として活用。雨の日には乾燥機を利用。
  • 天候に左右されない洗濯動線を確保し、乾燥後はそのままクローゼットに収納できる効率的な設計。
  • 広いウォークインクローゼット(WIC)がランドリールームに併設されており、衣類を収納しやすい動線。
  • Fさま邸

    東京ガスリノベーション株式会社
    必要なときだけ使える引き戸の設計が好評。収納スペースも充実

  • Fさま邸

    東京ガスリノベーション株式会社
    洗濯機から乾燥機への移動がスムーズにできるランドリールーム

  • Fさま邸

    東京ガスリノベーション株式会社
    ランドリールームから、物干し場にもなる裏庭にはすぐ出られる

    「現在は広い空間として使用していますが、将来的に必要になった際には、プライバシー確保のため引き戸で仕切ることができる柔軟な設計です。誰かがお風呂に入っているときでも、他のご家族が気兼ねなく洗面所を使うことができます。また、生活動線を考えて、裏庭を新たな物干し場として活用することができました。一連の動作がスムーズに行えるよう、晴れの日は裏庭に干し、雨の日は乾燥機で乾かして、乾いたらすぐにWICに収納することができます」(丸山さん)

    【実例2】洗濯、アイロン掛けまでスムーズにできる動線と収納スペースを確保(Sさま邸)

    Sさま邸

    東京ガスリノベーション株式会社

    ポイント

    • 洗濯に関わる作業を一カ所でまとめて行えるよう配慮し、脱衣や洗濯物干し、アイロンがけがスムーズにできる空間を実現。
    • 帰宅の脱衣や手洗いからリビング・居室への移動、玄関側のクローゼットへの行き来がスムーズになるよう、動線を考慮して通路幅を確認。
    • 限られたスペースを有効に使い、設置を希望される収納ケースに合わせて棚の高さや奥行きを決定。
    • 不要な扉をなくしたことで、手に物を持っていても移動が容易に。
    • Sさま邸

      東京ガスリノベーション株式会社
      洗濯機の上にはランドリーパイプを設置。洗濯機の正面には棚を設置

    • Sさま邸

      東京ガスリノベーション株式会社
      アイロン台を置いて作業できるスペースを確保

    • 邸

      東京ガスリノベーション株式会社
      洗面スペースは、WICと脱衣室の間に配置。不要な扉を設けずスムーズに行き来できるように

      「お客さまの基本となる考えやイメージ、ご希望を形にしたランドリールームとなりました。強度や見た目など、施工面での細やかな配慮がご好評をいただいております」(設計担当者・丹波重美さん)

      【実例3】洗面脱衣室に物干しスペースを設置、楽な家事動線を実現(Mさま邸)

      Mさま邸

      東京ガスリノベーション株式会社

      ポイント

      • 広めの洗面脱衣室に物干しスペースを設け、そのすぐ近くにWICを配置。
      • ​洗面脱衣室にランドリーパイプを設置することで、洗濯物を一時的に掛けたり、室内干しもできるため、実用性が向上。
      • 洗面脱衣室とWICを近接させ、家事移動がスムーズになるよう工夫。
      • Mさま邸

        東京ガスリノベーション株式会社
        洗面脱衣室の上にはランドリーパイプを設置

      • Mさま邸

        東京ガスリノベーション株式会社
        洗濯機置き場の上部には、造り付けの収納棚を設置

      • Mさま邸

        東京ガスリノベーション株式会社
        洗面脱衣室の隣横にはWICがあり、洗濯して畳んだ衣類をすぐに収納できる

        「バルコニー、洗面脱衣室、WICを近接させ、コンパクトな動線となるよう間取りを計画しました。洗面脱衣室に物干しを設置し、洗濯機の左側のドアを開けるとベランダにつながります。お客さまのご要望をくみ取り、さまざまな間取りを提案した結果、最適な設備をご提案でき、ご好評をいただきました」(設計担当者)

        【実例4】洗濯、乾燥、衣類収納をコンパクトな動線で。乾太くんも活用(Mさま邸)

        ポイント

        • 洗濯、乾燥、衣類収納スペース(WIC含む)をコンパクトな動線で完結。
        • 洗面室を6.7㎡(約3.7畳)確保し、十分な広さもあって無理なく作業が可能。
        • 洗面室内に衣類収納スペースと天井のランドリーパイプを設置し、しまう収納と掛ける収納の両方を実現。
        • 日常着は、洗濯から乾燥、収納までを洗面室で完結。
        • Mさま邸

          東京ガスリノベーション株式会社
          洗面室の衣類収納スペースの対面に洗濯機とガス衣類乾燥機(乾太くん)を設置

        • Mさま邸

          東京ガスリノベーション株式会社
          洗面室の洗面化粧台の横に、洗濯機とガス衣類乾燥機(乾太くん)を設置

          「動線を意識し、主寝室とWICも引き戸でつなげたことで、廊下も含めて回遊動線を実現しました。特にお客さまに好評だったのが、乾太くんの導入です。40~50分ほどでふんわりと乾くため、忙しい朝の時間帯にも便利に使えるので、設置条件が合う方にはぜひおすすめしたいとのことです」(設計担当者)

          効率性を高めるランドリールームの設備

           ドラム式洗濯機に洗濯物を入れる男性

          PIXTA

          ランドリールームの効率性を高めるためには、設備が重要な役割を担います。実際にどのような設備を導入するのがよいのか、丸山さんにお話を伺いました。

          衣類乾燥機や浴室暖房乾燥機の活用

          洗濯物を短時間でしっかり乾かせる衣類乾燥機は、忙しい共働き世代にとって非常に便利なアイテムです。

          また、浴室暖房乾燥機も、ランドリールームと連携した洗濯システムの一部として活用できます。特に梅雨の時期や冬場など、外に干すのが難しい季節には、その利点がより際立ちます。

          「浴室暖房乾燥機のメリットとしては、衣類乾燥機能を活用することで、雨の日や花粉の季節でも浴室内を利用して、洗濯物を気にせず干せる点にあります。また冬場に暖房機能を活用する事でヒートショック対策、通年で24時間換気機能を活用することで健康的な住環境を維持することができる点もメリットと考えられます」(丸山さん)

          浴室暖房乾燥機は使い方次第で、より快適な日常生活のサポートをしてくれるのですね。

          ガス衣類乾燥機「乾太くん」で、ランドリールームを進化させよう!

          乾太くん

          Rinnai

          今回ご紹介したランドリールームの実例でも愛用されている「乾太くん」。その最大のメリットは「圧倒的なパワーによるスピード乾燥」です。洗濯機から取り出した約5kgの洗濯物をなんと約52分でフル乾燥できます。ランドリールームをより便利に進化させたい方はガス衣類乾燥機「乾太くん」の導入を考えてみてはいかがでしょうか。

          おわりに

          共働き世帯の増加や家族構成の多様化が進む現代では、「洗う・干す・しまう」を一カ所で完結できるランドリールームは、家事の効率化や快適な暮らしにつながる大きなメリットがあるといえるでしょう。洗濯だけの場所から、家族のライフスタイルに合わせた多機能な空間へと進化しているランドリールームの設置を、ぜひご検討されてはいかがでしょうか。

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          公開日:2025.9.19

          最終更新日:2025.9.19

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