トイレが下水臭い･･･液体や粉末のパイプクリーナーで解消できる?

トイレから下水臭のようなニオイがすると、下水の詰まりが原因かもと考えがちで、それなら、パイプクリーナーで何とかなるのでは? とパイプクリーナーの使用を検討する方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、加藤さんによると、通常は便器に張っている水が封水といってふたの役割をしているため、下水からトイレにニオイがあがってくることは考えにくく、下水臭の原因は、下水の詰まりが原因でないことがほとんどとのこと。ですので、パイプクリーナーを使用しても、期待したような効果が得られないことも。また、パイプクリーナーの中にはトイレでの使用を想定していない商品も多くあるようです。

もし、パイプクリーナーを使用する際には商品の注意書きにある「用途欄」をチェックしてみてください。トイレに使えるパイプクリーナーの場合は、定められた使用法で利用しましょう。

それでは、ニオイの原因はどこにあるのでしょうか? トイレのニオイの元になることが多い場所とその対策を加藤さんに伺いました。

加藤さんによると、下水のニオイと勘違いして修理を依頼された場合、実際は下水とは関係なく、便器に付着した汚れからニオイが発生しているケースが一番多いのだそう。

トイレでニオイが気になったら、まずは便器の掃除をしてみるのが良さそうですね。

便器に付着した汚れには、黄ばみや黒ずみ、尿石など、さまざまな汚れがあります。それぞれ対処法は異なりますので、その汚れにあった方法で掃除する必要があります。

以下の記事で詳しく掃除方法をご説明してますので、参考にしてみてください。

加藤さんによると、床(クッションフロア)についている汚れからニオイが発生するケースも多いそうです。はねた尿などが床に蓄積したり、壁に付着することもニオイの原因となります。

壁・床を汚してしまった場合は速やかに清掃するようにしましょう。

「家族4人の場合は最低でも一週間に1回程度は掃除するのがおすすめです。こまめな掃除がニオイ対策には有効です」(加藤さん)

また、温水洗浄便座まわりの掃除が行き届かずニオイの原因になっていることもあるそう。

「温水洗浄便座はスライドできます。温水洗浄便座の下は尿はねなどの汚れが蓄積されがちなので、半月に1回程度は便座をスライドさせて水拭きなどで掃除してください」(加藤さん)

思った以上に尿は飛び散っているケースも多いようです。気になる方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

マンションなど集合住宅の場合は換気扇が汚れていることでニオイがこもっていることがあります。

「トイレそのものの清掃はされているのに、換気扇のフィルタの詰まりによって悪臭が充満しているケースがありました」(加藤さん)

見落としがちな換気扇ですが、しっかりチェックしておく必要がありそうですね。

「換気扇にシートを装着されている場合は、定期的にシートを交換するようにしてください。シートの目詰まりがニオイの充満の原因になることもあります」(加藤さん)

換気扇掃除について、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

最近のトイレは便座と床(クッションフロア)が接着されています。

加藤さんによると、「結露などが原因でクッションフロアにカビが生えるケースは稀ですが、クッションフロアが使われていないトイレや、築年数が経ったトイレなどはカビが原因でニオイが発生することも考えられます」とのこと。

カビをみつけたら除去剤などを使って清掃しましょう。
トイレの正しい掃除方法やコツはこちらの記事を参考にしてみてください。

自分でさまざまな対策をしてみてもニオイがおさまらない場合は、プロに相談するのがおすすめです。

「プロが下水臭の相談を受けた場合は、まず原因を探すことから始めます。清掃がきちんとなされているか、定期的な部品交換がなされているかなどを点検します。

そしてトイレ自体に問題が見つからない場合は、排水管の高圧清浄を提案します。なぜならトイレがにおうお宅は、洗面所やお風呂場もうっすらニオイが充満しているケースが多く、このようなケースでは下水配管の洗浄を行うのが効果的だからです」(加藤さん)

排水管の高圧洗浄にかかる作業時間は2時間程度で、費用は3万円前後です。
「広いご自宅の場合は、清掃する排水管も長いことから所要時間も費用も多く必要になります」(加藤さん)

東京ガスの修理サービスでは、高い技術品質を持つ作業員による高圧洗浄を行っています。戸建て住宅での高圧洗浄(野外高圧洗浄)に対応しており、ご自宅の状況をみて作業内容を作業員がご説明します。

東京ガスの修理サービスでの高圧洗浄作業は一か所あたり29,700円(税込)です(2023年時点)。
作業内容としては、まず排水桝を確認し、ファイバースコープで排水管内の状況を撮影し確認します。その後高圧洗浄を行い、排水管のつまり除去を行った後にファイバースコープにて排水管内を確認し、作業完了となります。

なお、マンションやアパートなどの集合住宅の定期的な高圧洗浄(室内高圧洗浄)は東京ガスでは行っておりません。
基本的には管理会社やオーナーへの事前連絡が必要になるので、排水管がつまってしまい高圧洗浄を行いたい場合でも、まずは管理会社に確認をするようにしましょう。

トイレが下水臭いときの原因や対策について東京ガス 修理サービス担当の
加藤さんにお話を伺いました。下水のニオイのようだと感じても、実は排水管から上がってきたニオイではなく、便器や床、壁、換気扇の汚れが原因のニオイであることが大半とは驚きですね。
トイレのニオイが気になる時はプロに相談すれば、数時間で解決することも可能です。プロの力を借りてニオイ問題を解決しましょう。