水まわり修理はぼったくられるってホント?
消費者センターによると、「水まわりの修理を頼んだら高額な料金を請求された」「事前の話と異なる料金を請求された」といったトラブルが増えています。
「最近起きている水道業者とのトラブルには、大きく二つの種類があります」と話すのは、東京ガス・修理サービス担当の加藤利矢さん。
- 必要以上に高い料金設定で、最初からお金をだまし取るのが目的の悪質な水道業者に引っかかってしまうケース。
- 利用者が思うようなサービスを受けられず、施工後に業者とトラブルになってしまうケース。
詳しく教えていただきました。
悪意ある水道業者によるぼったくり被害の実例
まずは、金銭をだまし取るのを目的とした悪質な水道業者の事例をご紹介します。
事例1 見積もりがどこよりも安かったので依頼を決めたが、修理を希望したキッチン以外の修繕も勧められ、結果、見積もりと比較するとかなり高額な料金を請求された。
事例2 到着するなり「便器を外してみないと分からない」と言って勝手に便器を取り外した上、作業の中断を申し入れると取り外し料金に加えて現状復帰の料金も請求された。
事例3 水道局の局員を装って訪問してきた水道業者に言われるがままに、必要のない工事をしてしまった。
業者に悪意がなくてもトラブルは発生する!
水道業者とトラブルが起きるのは、悪意のある業者と関わった時だけとは限りません。
最近ではアプリなどで簡単に水まわり修理を依頼できるようになったため、思わぬ被害に見舞われる例も増えているといいます。
事例1 修理を依頼してから到着まではとてもスピーディーで対応も丁寧だったが、施工後にトラブルが発生。アフターケアの依頼をしようにも、唯一知っている連絡先がなかなかつながらずに困惑した。なんとかアフターケアの依頼はできたものの、当日の接客態度は最悪で、自宅でのやりとりは恐怖すら感じた。
事例2 庭の散水栓が漏水していたので修理してもらったところ、数日後さらに被害が拡大していることが発覚。隣家まで影響が及んでしまい、自宅の再工事に加えて隣家の補修工事費用まで負担するはめになった。
「法律が改正され『威迫して困惑させる行為』が禁止されてから、悪質な業者であっても物腰が柔らかいケースが増えており、接客態度だけでは優良業者との見分けがつきにくいのが現状。高齢者を中心に被害が報告されています。また、明らかな高額請求はすぐに摘発されるため、手口や価格設定も巧妙になってきています。
一方で『ぼったくり』などの悪意がない場合でも、施工者の技術が伴わず、トラブルに発展するケースも増えています。水まわりは生活に直結する部分ですから、短期間で確実に対応してくれる業者を選ぶことが一番大切です」(加藤さん)
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以下の記事もご覧ください。
東京ガスの「水とでんきの駆けつけサービス」って? 利用者のリアルな口コミも紹介
ここをチェック! 悪質水道業者を避けるコツ
急を要する水まわりの修理ですが、施工は自宅に業者を招き入れる場合がほとんどですから、身の危険を感じるようなトラブルを確実に回避するためにも、最初から優良業者を選びたいもの。
悪質な業者の特徴を把握して、優良業者を見つけるポイントを紹介します。
「指定給水装置工事事業者」であるかどうか
そもそも水まわりの修理は、配水管から水道メーターまでは水道局が費用を負担し、水道メーターの下流から給水栓(蛇口やトイレなど)までの修理費用は利用者が負担することになっています。この利用者が管轄する部分の工事をすることを許可されているのが「指定給水装置工事事業者」です。
加藤さんは、「蛇口やトイレの便器などは、利用者が直接DIYで修理することも可能ではありますが、料金を支払って修理の依頼をするなら指定給水装置工事事業者に依頼しましょう。登録の確認が取れない場合は、依頼を回避することをおすすめします」と言います。
「まずは居住エリアの水道局のホームページをチェックしてみましょう。そこには必ず指定給水装置工事事業者の一覧が掲載されています。電話で問い合わせても、登録済みの業者を教えてもらうことができるほか、そのエリアを統括しているメンテナンスセンターを紹介してくれるケースもあります。慌てずにまずは信頼度の高い行政の情報をチェックしてみると良いでしょう」(加藤さん)
また登録業者には指定番号が割り当てられます。ホームページなどに指定番号が記載されているかどうかもチェックポイントです。
お客さま窓口があるかどうか
悪質水道業者かを見極めるためには、連絡がつく番号が確認できることだけでなく、アフターサービスなどのお客さま窓口が別に設置されているかどうかも大事なポイントなのだそう。
「水道業者とのトラブルで困るのは大概、修理をした後です。依頼したのが悪質な業者でなかった場合でも、連絡先が技術者の携帯電話番号のみなど一つしかない場合は注意が必要。修理後に不具合が生じてもなかなか電話に出てもらえないなどで、アフターケアが十分に受けられないケースが増えています。その点、オペレーターなどを配置したお客さま窓口がある修理業者なら、スムーズに対応してもらえることがほとんどですから、選ぶときの基準にしてみてください」(加藤さん)
水まわり修理のクーリングオフはできる?
依頼した修理のほかに不必要なサービスまで勝手に付けられた場合、クーリングオフの対象になるケースがあります。
水まわりの修理は、自ら業者を呼んで説明を受け、契約書にサインをして料金を支払ってしまうと、そのお金を取り戻すのは難しいことが多いといわれていますが、お客さま窓口が設置されているような修理業者と万が一トラブルになった場合は、きちんと返金される場合がほとんどだと加藤さんは話します。
「自宅の中で業者に高圧的な態度を取られるなどして、身の危険を感じて料金を支払ってしまった場合には、業者を帰したあと、すぐに消費者ホットラインへ問い合わせをしてください。正当な訴えであれば、さほど時間もかからず返金されるでしょう。
ただしこれは、お客さま窓口など、修理を担当する技術者とは別に必ず連絡の取れる連絡先がある場合です。修理後に業者と連絡がつかないと手続きが進まなくなるケースもあるので注意してください。
またクーリングオフの説明は、作業前に必ず行う必要があるものです。説明すらしない業者は、そのままお引き取りいただいた方が良いでしょう」(加藤さん)
ホームページに記載された料金が極端に安い場合
最近は、悪徳業者でも多くの人に見てもらえるように、お金をかけてキレイなホームページをつくる時代です。ホームページが検索の上位であったり、キレイで見やすいからといって優良業者とは限らないので注意が必要。とても見やすいホームページで、料金が格安だったので依頼したら、見積もりと比較できないくらい請求額が高かったなどのトラブルも実際に起きているそうです。
「修理料金が300円『から』などと書いてあったりすることも。1時間程度の一般的なトイレや水まわりの修理は、出張費を含めて大体1万円前後からですから、相場と比べて最低価格が低すぎますし、『から』と書いておけば仮に請求額が1万円でも虚偽の価格を記載していたことにはなりません。
最近はスマートフォンで簡単に調べられるので、先に相場を知っておき、料金が安すぎる業者は避けた方が良いでしょう。逆に、ホームページに施工例が載っていたり、明確な料金表が掲載されていたりする場合は信ぴょう性が高いですね」(加藤さん)
相場と見積もりの額に大きな差がある場合は注意した方がよさそうです。
なお、東京ガスの水まわりの修理サービスは下記の料金体系としています(2024年時点・税込み価格)。
※別途、部品代がかかる場合あり
参考:東京ガスの水まわり修理 料金表
作業前にきちんとした説明と見積もりの提示があるか
水道業者が現場に到着したら、まずは修理する場所を実際に確認し、修理に必要な作業を決めて見積もりを作成します。利用者にどのような作業になるのか説明しつつ、見積もり内容を伝えたら、クーリングオフの説明もした上で契約書にサインを求めます。
利用者の許可なく、業者が勝手に追加の作業をした場合は、料金を支払う必要はありません。しかし、業者に「事前に追加の作業が必要になる場合があると説明した」と言い張られて、支払いを拒否するのが難しくなったケースもあるそうです。
大切なのは、必ず作業前に実際の現場をきちんと確認した上で、これから行う事の内容が明記された見積もりを書面で発行してもらうこと。また、追加で作業が必要になった場合は、行う前にきちんと説明をするよう、念のため一声かけておくのも良いでしょう。
「基本的にご自宅に伺って作業しますから、必ずインターホン越しに身分証を見せるのが通例化しています。特に料金をその場で支払う場合は身分を明かせないとおかしいので、名刺などの用意もしているはず。それらを要求してもはぐらかされる場合は断る方が良いでしょう。
きちんとした業者であれば、修理する場所の説明は立ち会いのもとに行い、交換する部品をお見せするのが基本。作業後は取り外した部品も確認のためにお見せします。交換したはずの部品をみせてくれないなど、この工程を省く業者は実際に作業を行っているか疑わしいので注意してください」(加藤さん)
見積もりよりも高額の請求をされた場合
もし作業中に、見積もりの作業内容では修理が完了しない事態が発覚した場合は、一度作業を中断し、改めて見積もりを作成するのが正しい流れなのだそう。
「最初に聞いていた見積もりの額より高額な請求をされた場合は、料金を支払う必要はありません。その場でお客さま窓口に電話するなどして、相談すると良いでしょう。もし相手の態度が高圧的で恐怖を感じた場合は、とりあえず支払って業者に引き取ってもらい、お客さま窓口と消費者センターに問い合わせると良いでしょう。ただし、この方法も、連絡先が技術者の携帯番号のみだと使えないので注意してください」(加藤さん)
早く直したいと焦っている利用者の弱みにつけ込んで、勢い任せに書類へサインを求める業者には要注意です。業者側に有利になるような文言が隠されている場合もありますから、促されるままにサインしないように注意しましょう。
最初から「高圧洗浄が必要」とすすめられた場合
水まわりの不具合は、その根本的な原因を解決するために排水管の高圧洗浄が必要になる場合がありますが、本当に高圧洗浄が必要なのか、業者の対応や説明をしっかり聞きましょう。
疑問を感じたら一旦依頼を中止し、数社に見積もりを依頼するのが無難です。
「高圧洗浄のぼったくりは、屋内の清掃は実施していたが屋外の清掃は音だけ出してやっていなかった、という事例もあります。直接見えない管洗浄だけに、不安に感じる点ですが、機器を持っている業者ならファイバースコープを使って、実際に詰まっている場所をリアルタイムに見せてくれるケースもあります。それが無理でも、作業前と作業後の写真を見せてくれるなど、確認作業に応じてくれる業者を選ぶと良いでしょう」(加藤さん)
一世帯に対し、1カ所の高圧洗浄が6万円や7万円といった価格は基本的にあり得ないと加藤さん。ただし二世帯住宅だと一世帯分の料金が2倍になることもあるので、きちんと説明があるかどうか業者の対応をチェックすることが重要です。また、ホームページの料金案内も確認しておきましょう。
「例えば、詰まってしまった場所がトイレだけで、他の水まわりは普段通り流れるのに家中の管洗浄を提案されたら、その高圧洗浄は必要ない可能性が高いです」(加藤さん)
ここも合わせてチェック! その他の注意点
また、予約していた時間通りに来なかったり、料金の支払い方法などが事前の案内と異なる場合も悪質な業者の可能性があると加藤さん。支払い方法についても事前に確認しておくとよいでしょう。
不当請求された場合の対処法
もしぼったくられた可能性に心当たりがある場合は、今すぐ独立行政法人「国民生活センター」の消費者ホットラインに連絡をしましょう。
参考:消費者庁「消費者ホットライン」
また、業者は契約時に書面でクーリングオフが可能であると伝える義務があります。もし説明がなかったと言い切れる場合は「特定商取引法違反」に問える可能性があるので、警察に相談するのも一つの手段です。そのほか、民事訴訟でクーリングオフを求めることも可能です。
「作業前に業者の対応に恐怖や違和感を感じた場合、出張費などを請求されたらひとまず支払って、そのまま帰ってもらうのが良いでしょう。出張費であっても、恐怖を感じたなど正当な理由があれば返金の対象になります。見積書と完了報告書の内容が違うなどの場合はすぐに取り締まってもらえますから、泣き寝入りはしないで積極的に動いてください。ただし、あくまでも事後にきちんと連絡がつく窓口を設けている業者に限ります。事後に連絡が取れないと、かなり不利になりますから注意してくださいね」(加藤さん)
安心できる水まわり修理のために
「もし、依頼できる業者の選択肢が少ない場合、いきなり修理出張を頼むのが不安であれば、まずは見積もりだけ出してほしいと依頼するのも一つの手です。見積もりに納得できたら、そのまま作業をしてもらうのも良いでしょう」(加藤さん)
水まわりの修理は生活に直結する場所の修理なので、確実に直せるよう技術の高さも重要です。
東京ガスの水まわり修理では、技術者のテクニカルコンテストを行うなど、スタッフの技術力向上およびモチベーションアップにつながる取り組みも積極的に行っており、コンテストでは、技術だけでなくスタッフの対応力などもチェック項目に入れています。
ガス機器や電気設備だけじゃない! 東京ガスが水まわりもサポート
東京ガスでは、暮らしを快適で安心にするためのさまざまなサービスを提供しています。ガス機器や電気設備に関するサービスに加え、水まわりのトラブルには、以下のサービスをご用意しています。
東京ガスの水まわり修理
キッチンやお風呂、トイレなどの水もれ、つまりなど、水まわりのトラブルは24時間365日受付、当日の駆けつけも可能です。さらに、東京ガスグループの技術認定を受けた修理スタッフが、作業内容・価格を事前に丁寧にご説明し、ご了承いただいてから作業するので安心です。※
※修理サービスは、東京ガスグループ、もしくはプレミアアシスト社、提携するネットワーク企業のいずれかが対応いたします。(東京ガスグループとは、東京ガスライフバル、エネスタ、エネフィットのことです。)
東京ガスの「水とでんきの駆けつけサービス」で急なトラブルに備えませんか?
「水とでんきの駆けつけサービス」は、月額サービス料385円(税込み)で水まわりと電気設備(※1)の急なトラブル発生時に駆けつけ対応するサービスです。(※2)
トラブルに関する出張費・応急処置費が無料(※3)になり、追加費用が発生する場合は、作業前にお見積りをご提示するので安心してご利用いただけます。
※サービスの詳細は当社ホームページをご確認ください。
※1 水まわりとは、ガス機器、家電製品、雨水配管を除きます。また、住宅外設備(庭、屋上、駐車場、ベランダ等)は露出部分のみとします。電気設備とは、電気のご使用に必要な設備であり、家電製品・照明器具本体等を除きます。
※2 東京ガスのガスをお使いの方が加入できます。
※3 無料の範囲は、水まわりは不具合の原因調査及び応急処置における出張費及び30分以内の作業費(作業員1名)、電気設備は同60分以内の作業費(作業員1名)です。30分(60分)を超える場合の超過分の作業費、部品代、特殊作業費用、追加人員が発生した際の費用等は、お客さまのご負担となります。
「ガス機器スペシャルサポート」のオプション申し込みで、水まわりのトラブルにも備えませんか?
ガス機器の故障も、水まわりや電気設備のトラブルも、ある日突然やってくるもの。
定額でガス機器のもしもの故障に備えられる東京ガスの「ガス機器スペシャルサポート」※は、オプション申込みで水まわりのもしもにも備えることができます。ガス機器スペシャルサポートに加入されている方、もしくはこれから加入しようとお考えの方は、水まわりオプションも検討されてはいかがでしょうか。
※東京ガスのガス供給エリア(東彩ガス地区、東日本ガス地区、日本瓦斯(ニチガス)真岡地区は除く)にお住まいで、東京ガスがガス小売事業者となる家庭用のガス小売契約を締結し、かつ当該契約に基づくガスの供給を受けているお客さまが対象となります。
※ガス機器スペシャルサポートのサービス提供開始後1年間は解約できません。また、水まわりオプションのサービス提供開始後1年間は、水まわりオプション及びガス機器スペシャルサポートを解約できません。
※一部対象外機器、設備、サービス適用には条件等があります。
おわりに
水まわりの故障は一刻も早く解決したくなりますが、焦って悪質な業者に依頼してしまうと、必要以上に不便な生活が続く羽目にもなりかねません。まずは情報を集めて、しっかりしたサービスが受けられるよう、慎重に業者選びをしてみてくださいね。