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 冷蔵庫を移動させる軍手をはめた手元

引越しで家電は壊れる? 見落としがちなリスクと対策

「引越し先で冷蔵庫が冷えなくなった」「洗濯機から水漏れするようになった」「エアコンの効きが悪くなった」。引越しは新生活のスタートですが、家電にとっては大きな環境変化です。家電メーカー各社も冷蔵庫や洗濯機などの運搬時に注意が必要であると案内しています。本記事では引越し時に家電へどのような負荷がかかるのか、運搬前にやっておきたい準備、買い替え判断のポイント、そして保証の考え方について解説します。

最終更新日:2026.11.5

引越しは「家電が壊れやすいタイミング」

家電を運ぶ人

PIXTA

家電は普段の使用や経年劣化だけでなく、運搬や設置環境の変化によっても不具合が発生することがあります。特に引越しでは、運搬時の振動や衝撃、傾き、温度変化が起こります。

また、運搬時だけでなく、配管や配線の脱着作業時にも不具合が発生することがあります。

例えば、冷蔵庫は、メーカー各社が運搬時の注意事項として「横倒しで運搬しないこと」「運搬後すぐに電源を入れないこと」などを案内しています。

洗濯機は、運搬前に排水や水抜きを行う必要があり、ドラム式洗濯機では輸送用固定ボルトの使用が推奨されています。テレビやパソコンなどの精密機器も衝撃に弱く、梱包や運搬には注意が必要です。

出典:パナソニック株式会社「冷蔵庫を運搬・移動するときの注意点」
出典:日立グローバルライフソリューションズ株式会社「よくある質問(引っ越しなど冷蔵庫を運搬するときの注意点が知りたいです。)」
出典:シャープ株式会社「冷蔵庫のお引っ越し(運搬について)」
出典:日立グローバルライフソリューションズ株式会社「よくあるご質問(洗濯機の設置方法や搬入・移動について知りたいです。)」
出典:パナソニック株式会社「よくあるご質問(FAQ)【洗濯機全般】洗濯機を引っ越し・運搬する時の水抜き方法」

これは故障? 設置不良?

新居への搬入後、家電に不具合が発生した場合、必ずしも本体の故障が原因とは限りません。初期の設置不良によってトラブルが引き起こされているケースも多く見られます。

例えば、ドラム式洗濯機の場合、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 排水ホースの接続不良による水漏れや排水エラー
  • 水平設置の不足によるガタつき、異常振動や騒音


また冷蔵庫は運搬時の振動によって内部のコンプレッサーオイルや冷媒液が不安定な状態になっています。

そのため、搬入後すぐに電源プラグを差し込まず、設置から一定時間を空けてから電源を入れるよう案内されているケースが一般的です。設置不良を防ぐためにも正しい手順を確認しておきましょう。

出典:日立グローバルライフソリューションズ株式会社「よくある質問(引っ越しなど冷蔵庫を運搬するときの注意点が知りたいです。)」

引越し業者に補償してもらえることも

「保証書在中」と書かれた家電製品の保証書封筒

uchicoto

故障の原因が経年劣化ではなく、引越し作業中の過失によるものであり、かつ修理や交換が必要となるような重大な損傷だと判明した場合は、引越し業者の補償対象になる可能性があります。

なお、国土交通省の「標準引越運送約款」では、破損の申告期限は作業完了から3か月以内と定められています。故障の原因を特定するには、メーカーの協力も必要になります。

加えて、時間が経つと因果関係が証明しにくくなるため、気づいたらすぐに購入時の保証書や領収書を確認し、メーカーや販売店に相談しましょう。

持ち家の場合、加入している火災保険の特約が使えることがあります。賃貸の場合でも個人賠償責任保険等でカバーできることがあるため、保険証券も確認しておくと良いでしょう。

出典:国土交通省「標準引越運送約款」

引越し前に準備が必要な家電

冷凍庫についた霜

PIXTA

一部の家電は、移動させる前に適切な準備が必要です。特に冷蔵庫、ドラム式洗濯機、大型テレビなどは、事前の対策を怠ると故障や破損のリスクが高まるため注意が必要です。

また、エアコンの移設には、室内機・室外機の着脱だけでなく、配管の調整や冷媒ガスの回収など、専門的な知識と技術を要する作業が伴います。

適切な工事が行われないと、配管の破損をはじめ、新居での冷暖房能力の低下、ガス漏れ、内部結露による水漏れなどのトラブルにつながる可能性があります。

自分で取り外そうとはせず、必ずプロに任せましょう。ほとんどの引越し業者で、オプションサービスとしてエアコンの移設工事に対応しています。

冷蔵庫は「水抜き」と「霜取り」が必須

「水抜き」と「霜取り」

PIXTA

冷蔵庫は運搬前に庫内を空にし、電源を切って「霜取り」と「水抜き」を行う必要があります。これを怠ると、運搬中に庫内で溶け出した水が漏れ出し、周囲の荷物を濡らしたり、冷蔵庫自体の故障につながる恐れがあります。

事前の準備として、まずは冷蔵庫の中身を消費するか、一時的にクーラーボックスへ移動させて庫内を完全に空にします。

その後、電源プラグを抜きますが、当日に慌てないよう、引越しの前(遅くとも15〜24時間前まで)にはこの準備を終えておくことが大切です。電源を切ることで、冷却器に付着した霜が時間をかけて自然に溶け出します。

内部を傷つける恐れがあるため、金属製のヘラなどで無理に霜を削り落とすのは避け、時間を置いて溶かす方法が安全です。具体的な方法や手順は機種によって異なるため、事前にメーカーの取扱説明書や公式サポートページをご確認ください。

出典:パナソニック株式会社「家電の引越しで気をつけること」
出典:日立グローバルライフソリューションズ株式会社「よくある質問(引っ越しなど冷蔵庫を運搬するときの注意点が知りたいです。)」

ドラム式洗濯機は輸送用固定ボルトの確認を

洗濯機固定

PIXTA

ドラム式洗濯機は重量が非常に大きく、運搬中の激しい振動によって、内部の洗濯槽を支えているサスペンションやデリケートな機構へ大きな負荷がかかることがあります。そのため各メーカーは、移動時の破損を防ぐために「輸送用固定ボルト」の装着を推奨しています。

購入時に取り外したボルトを紛失していないか、引越し前に必ず確認しておきましょう。もしボルトを紛失してしまった場合は、運搬中の故障リスクを避けるため、事前にメーカーのパーツショップや家電量販店からお使いの機種に合うボルトを取り寄せておくと安心です。

引越し業者によっては、ボルトがない場合にドラム式洗濯機の運搬による故障は補償対象外となるケースもあるため、見積もりや予約の段階で「ボルトの有無」を必ず確認し、早めに相談しておきましょう。

また、あわせて給水ホースや洗濯機内に残った水の水抜きも前日までに忘れずに行う必要があります。

出典:日立グローバルライフソリューションズ株式会社「輸送用ボルトの外しかた・取り付けかたについて知りたいです。(ドラム式)」
出典:日立グローバルライフソリューションズ株式会社「よくある質問(引っ越しなど冷蔵庫を運搬するときの注意点が知りたいです。)」

大型テレビやレコーダーは配線を確認

たこ足配線

PIXTA

大型テレビやブルーレイレコーダーといったAV機器の引越しで、最もつまずきやすいのが「新居での配線の再接続」です。

スムーズに元通りにするため、配線ケーブルを外す前に、まずは接続されている状態の裏面をスマートフォンのカメラで撮影しておきましょう。

さらに、「どの端子にどのケーブルがつながっていたか」が一目でわかるよう、マスキングテープなどでケーブルと端子の両方に同じ番号や色の目印をつけてから取り外すのがおすすめです。

外したケーブルやリモコンなどの付属品は、引越し荷物の中でバラバラにならないよう、ジッパー付きの袋などにひとまとめにしておきます。テレビの「B-CASカード」は、運搬中に抜け落ちて紛失するのを防ぐため、あらかじめ抜いて貴重品と一緒に管理するか、挿したまま運ぶ場合は養生テープ等でしっかり固定しておきましょう。

また、レコーダーやディスク内蔵型テレビの場合、中に録画用ディスクなどが残ったまま運搬すると、振動で内部のドライブ機構が破損する原因になります。

必ず引越し前に電源を入れ、中のディスクをすべて取り出しておいてください。なお、大型テレビの液晶画面は非常にデリケートです。

自力で運ぼうとパネル部分を強く掴むと画面割れの原因になるため、梱包や運搬は立てた状態のままプロの引越し業者に任せるのが安心です。

出典:ソニー株式会社「テレビ お引越し前の準備と手順」
出典:シャープ株式会社「お引越しをされるときのワンポイント」

「引越しで運ぶ」vs「買い替える」どちらが得?

冬のお買い得電化製品

PIXTA

引越しでは家電の故障のリスクがあり、購入から年数が経過していると補償されないケースも多いことを見てきました。

購入から年数の経った家電の場合、引越し先に運んでそのまま使うだけでなく、処分して新しい家電に買い替えるのも手です。「今の家電を運ぶか」「買い替えるか」、どう判断すれば良いのでしょうか。

消費動向調査

出典:内閣府「消費動向調査」よりuchicoto編集部にて作成

参考になるのが、内閣府「消費動向調査」に掲載されている平均使用年数です。2026年調査の動向をみると、主要家電の平均使用年数は上のようになっています。

洗濯機は10.1年、冷蔵庫は13.1年、エアコンは13.4年、テレビは10.8年となっています。

こう見ると、多くの家電が10年〜13年で買い替えられていることがわかります。一つの目安として、購入から10年以上経過している家電は、引越しを機に買い替えを検討する価値があります。

特に近年は省エネ性能が向上しており、買い替えが電気代削減につながるケースもあります。購入から数年以内の家電や延長保証をつけている家電の場合は、そのまま運んだ方が経済的な場合もあります。製品ごとの経過年数と、移設にかかる費用を天秤にかけて判断しましょう。

家電まるごとサポート

TOKYO GAS

なお、ほとんどの延長保証は購入時でないと申し込めないという制限がありますが、購入から5年以内の家電の場合、東京ガスの「家電まるごとサポート」に加入できる可能性があります。

これは、購入から5年以内であればメーカーを問わず対象(生活に欠かせない家電12品目と住宅設備2品目)で、テレビや掃除機など対象商品なら何台でも保証されるというサービスです。

最近では、引越しを機にこうしたサブスクリプション型の保証サービスに加入する人が増えています。

引越しは「家電保証」を見直すタイミング

引越し作業中の引越し業者

PIXTA

引越しは、配送時のトラブルや設置環境の変化など、家電に一定の負荷がかかるタイミングです。万が一の事態に備え、この機会に現在お持ちの家電の保証内容を確認しておくことも重要です。

一般的なメーカー保証は「購入から1年間」であることが多く、その対象となるのは正常な使用状況で発生した「自然故障」に限定されます。

引越し業者による運搬中の破損などはメーカー保証の対象外となるため、引越し業者が加入している運送業者貨物賠償責任保険などの対応範囲を確認しておく必要があります。

また、家電の保証にはメーカー保証のほか、家電量販店独自の延長保証や、近年注目されている月額制のサブスクリプション型修理サービスなど、さまざまな形態が存在します。

最近では、個別の製品ごとではなく、住まいの中にある複数の家電をまとめてサポートする包括的な月額サービスを選ぶ人も増えています。

「家電まるごとサポート」という選択肢

「家電まるごとサポート」のサービスサイクル図

TOKYO GAS

引越しを機に複数の家電を新調したり、異なる店舗で購入した家電を持ち込んだりすると、「どの製品がどの保証に入っているか、有効期限はいつまでか」を管理するのが非常に煩雑になります。

こうした管理の手間を解消する選択肢として、東京ガスの「家電まるごとサポート」のようなサービスが挙げられます。

これは、メーカーや購入店舗、購入時期を問わず、対象となる複数の主要家電の故障・トラブルをまとめてサポートする月額型のサービスです。

窓口が一本化されるため、引越し後の新生活において万が一家電が故障した際も、どこに連絡すべきか迷う心配がありません。新生活の安心を買うアプローチとして、引越しや買い替えのタイミングでこうした包括サポートを検討するケースが増えています。

出典:東京ガス株式会社「家電まるごとサポート」
au損害保険株式会社 承認番号:DBS300492N(2026年9月承認)

おわりに

引越しは、長年連れ添った家電にとっても、これから新しく迎える家電にとっても大きな転機となります。

冷蔵庫の霜取り・水抜き、洗濯機の固定ボルトの装着、エアコンの専門工事など、正しい手順を踏むことで運搬トラブルや故障のリスクを低減しておきましょう。

また、家電の平均使用年数が示す通り、多くの大型家電は10年〜13年間ほど活躍する資産です。単に荷物として移動させるだけでなく、「運ぶべきか、買い替えるべきか、あるいは保証を充実させるべきか」を総合的に見直す必要があります。

  • この記事の監修者

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    東京ガス 家電まるごとサポート担当

    東京ガスの家電まるごとサポートはこちら

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公開日:2026.11.5

最終更新日:2026.11.5

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