秋の伝統息づく「長陽の節句」

TOKYOGAS
秋を彩る花といえば、キクを思い浮かべる人も多いでしょう。旧暦9月9日は、五節句のひとつである「重陽の節句」です。この日は、中国で古くから縁起が良いとされてきた陽数(奇数)の中で、最大の数が重なるため、五節句の中でも特におめでたい日とされています。
中国では菊酒を酌み交わし、お互いの長寿と無病息災を祈るのがこの日の習わしとなっているそうです。
「久しく服すれば血の気を利し、身を軽くし、天年をのべる」とされ、漢方では菊花が婦人病や咳止めなどに用いられ、植物療法の分野でも広く活用されています。
菊湯の効能
血流量の変化

上のグラフは、菊湯とさら湯(何も入れていないお風呂)にそれぞれ10分間入浴し、手の甲の末梢血管の血流量を、時間を追って計測した結果です。さら湯に入浴した時に比べ、菊湯では入浴中から血流量が増加し、入浴後もしばらくこの傾向が続きました。このことから、菊湯には血行を促進する効果があることがわかります。
菊湯の作り方
一般的に菊湯には乾燥させた菊の花を使いますが、生の花びらを浮かべて秋の香りを楽しんでもよいでしょう。
材料
- 陰干しした菊の花:2つかみ分(約30g)
※生の菊花が手に入らない場合は「菊花茶」で代用できます。「菊花茶」は台湾や中国茶の専門店などで購入可能です。また、食用の菊の花も使用できます。
作り方の手順

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- 陰干しした菊の花をガーゼの袋やティーバッグなどに詰めます。
- 上から約2リットルの熱湯をかけて、15~20分ほど蒸らします。
- 2を袋ごと浴槽に入れてよくかき混ぜます。
※使用方法については、ご自身の責任で行ってください。ご不安な場合は、医師や専門家に相談しましょう。
おわりに
保温効果が高く、身体を芯まで温めてくれる菊湯で、夏にたまった疲れを癒やしましょう。興味のある方は、ぜひ「菊湯」を試してみてください。