秋を彩る花といえばキクを思い浮かべる人も多いでしょう。旧暦9月9日は五節句のひとつである「重陽の節句」、この日は中国で古くから縁起が良いとされてきた陽数(奇数)のうち最大の数が重なるということで五節句の中でも特におめでたい日とされています。
中国では菊酒を酌み交わし、お互いの長寿と無病息災を祈るのがこの日の習わしとなっているそうです。
「久しく服すれば血の気を利し、身を軽くし、天年をのべる」とされ、漢方では菊花を婦人病、咳止めに使うなど、植物療法のための植物として大いに活躍しています。
【菊湯の作り方】乾燥ものだけでなく、生の葉や花で楽しもう!
一般的に菊湯というと、乾燥したものを使いますが、葉をつんで生のまま使ってもよいですし、生の花びらを浮かべて秋の香りを楽しんでもよいでしょう。
菊湯に用いるのは、野生で多くみられるリュウノウギク*という種類です。
*リュウノウギク 花や葉に香料の竜脳(熱帯アジア産の常緑高木「竜脳」から採取する結晶)に似た芳香があるために、この名前がついた。樟脳(しょうのう)より少しやわらかくさわやかな香りが特徴。
1. リュウノウギクは、秋に花が咲いている時に地上部を刈り取り、陰干しにするか、
その都度葉をつみ取り、生のまま使います。
2. 2つかみ(30g)を布袋に入れます。
3. 上から約2リットルの熱湯をかけて15~20分ほど蒸らし、その煎剤を汁ごと風呂に入れ、
よくかき混ぜます。
生の菊花が無い場合は「菊花茶」で代用可能です。「菊花茶」は台湾や中国茶専門店などで入手できます。食用の菊の花も用いることができます。
※使用法については、ご自身の責任において行ってください。使用が不安な場合は、医師や専門知識のある人に相談しましょう。
おわりに
保温効果がとても高く、身体を芯まで温めてくれる菊湯で、夏の溜まった疲れを癒しましょう!