洗濯物を外干しする時のオススメの時間帯は?
ご家族の人数が多ければ多いほど、洗濯する回数も増えますよね。外干しする場合、何となく日が出ている時間帯を狙う方が多いと思いますが、オススメの時間帯はいつ頃なのでしょう?
クリーニング店を運営する傍ら、シミ抜きのプロとして全国で講師も務める横倉靖幸さんにお話を伺ったところ、洗濯物を乾かすには「温度(気温)」と「湿度」が関係しているとのこと。以下に詳しくご紹介します。
洗濯物の外干し、理想的な時間帯は午前9時〜午後3時
横倉さんいわく、洗濯物を外干しするのは、太陽がよく照っている午前9時〜午後3時頃の時間帯がオススメとのこと。気温が高い夏場であれば、3時間もあれば乾いてしまうことが多いですね。
ゴワつきを防ぐためにも、乾いたらすぐに取り込みましょう。また、午後3時を過ぎると、せっかく乾いた洗濯物に湿気が移ってしまうので、できるだけ早めに取り込む方が良いです。
冬場は洗濯物が乾きにくい・・・長時間干しても良い?
気温が低い冬場は、十分に乾くまでに時間がかかることもありますね。ただし、朝早くから夕方まで長い時間干しても、早朝や夕方は湿度も高いのであまり意味がないそうです。やはり気温が上がり始める9時頃に干し、湿度が上がり始める15時前に取り込むのが良いとのこと。
「冬場は長時間干すよりは、干し方を工夫したり、最後に乾燥機を使用するなど、一手間を加えるとより効果的に乾かすことができます。」(横倉さん)
干す時間を長くするより干し方を工夫することが大切なのですね。干し方の工夫についても伺ったので詳しくご紹介します。
ほんの一手間で変わる? 洗濯物を早く乾かす方法とは?
ーーー天気が悪い日が続いたり、気温が低かったりと、洗濯物を干す環境はその時々で異なります。どんな時でも、洗濯物を効果的に乾かす方法はあるのでしょうか?
(横倉さん)『水分は乾いたところに移動する』という特性を利用して干し方を工夫すると良いでしょう。例えば、厚手の素材と薄手の素材を交互に干すなども一つの方法です。薄手の方が、厚手のものよりも早く乾きますよね? すると厚手の素材に残った水分が、既に乾いた薄手の素材に移ろうとします。これらが繰り返されることで、全ての衣類が乾く時間が短くなるのです。
横倉さんによると、薄手の素材の代わりに揮発性が良い素材などを厚手の素材の隣に干しても乾きやすいそうです。
(横倉さん)また、ズボンやバスタオルなど長いものは端に、ハンカチなど表面積が少ないものは真ん中にする『アーチ干し』がオススメです。中央部分が早く乾くと湿度の変化により気圧が変わり、気流が生まれます。気流により洗濯物が乾きやすくなるのです。
ちなみに部屋干しの時も同じ考え方で早く乾かすことができるそうです。乾きにくい洗濯物の周りに揮発性が良い素材を置くと、室内で気流が生まれ、乾燥時間の時短に繋がるとのことです。
洗濯物の外干し、注意する点とは?
ーーー洗濯物を外干しするときに気をつけることはあるのでしょうか?
(横倉さん)青色の服を外干しする時は、注意が必要です。というのも、青色は紫外線が一番壊しやすい色素。天日で乾かすと、白く焼けてしまう可能性があるのです。また、アルカリ性洗剤を使っているご家庭が多いと思いますが、アルカリ性は汚れを落としやすくする分、色素も壊しやすいという特徴もあります。もし、青色の衣類を外干しする時は、アルカリ性洗剤よりも中性洗剤を使う、天日干しではなく陰干しにするのが良いでしょう。
洗濯物の外干し、十分乾かなかったら・・・?
横倉さんいわく、外干しで十分乾いていない場合は、室内で除湿機や暖房、または浴室暖房乾燥機の「乾燥」で最後の“仕上げ乾燥”をするのがオススメとのこと。
浴室暖房乾燥機があると、乾かなかった洗濯物をお風呂に持ち込んで、そのままハンガーにかけたまま乾かすことができます。 室内が洗濯物でゴチャゴチャすることもありませんね。
花粉症の季節、洗濯物の外干しはどうする?
ーーー「花粉症でも洗濯物は外に干したい!」という方もいらっしゃるかと思います。そんな時はどうすれば良いのでしょうか?
(横倉さん)花粉症の季節に外干ししたい時は、シリコン系の柔軟剤を使うのが良いでしょう。衣類をコーティングしてくれるので、花粉が付きにくくなります。
ただし衣類の素材によっては、柔軟剤によって着心地が変わってしまうこともあるそうです。着心地が気になる時は、外干しする時にハウスダストや花粉を除去する効果がある除菌消臭スプレーをかけて、最後の仕上げとしてドラム式の衣類乾燥機を使うのが良いとのことです。
「スプレーの粒子に花粉がくっつき、ドラム式乾燥機内で衣類をバウンドさせる際に、上から下に落下する衝撃で衣類から花粉をはがし落としてくれますよ」(横倉さん)
布団を外干しする時のオススメな時間帯は?
横倉さんによると、布団を干す時間帯も、基本的に衣類を干す時間と同じく9時から15時が適しているとのこと。ただし、綿や羽毛などの化繊以外の布団は、1日で乾かない可能性もあるのでいったん取り入れて、2日目に改めて外干しするなど様子を見ながら行うのが良いそうです。
また、外干しするときに布団たたきを使う方もいますが、布団を叩くとダニの死骸をより細かくしてしまいます。気になる時は、ハウスダスト除去効果がある除菌消臭スプレーを使う方法が良いとのことです。
また、最後の仕上げに乾燥機をかけるのもオススメです。ダニの死骸が落ちるだけではなく、布団がふっくらと仕上がるので一石二鳥だそうですよ。
おわりに
雨の日や気温の低い日は洗濯物が乾きにくいもの。干す時間帯だけではなく、干し方や乾燥機を使うなどの工夫が必要です。ぜひ、参考にしてくださいね。