ペットにとって快適な環境とは?
夏、ペットの体調を管理し、夏バテや熱中症を防ぐために、エアコンの活用は重要です。
犬や猫にとって快適な環境づくりをしようとする時に悩むのが、「温度」ではないでしょうか。
森のいぬねこ病院グループ院長の西原先生によると、犬や猫にとっての適切な気温を判断するポイントは、「人間が涼しいと感じる温度」に合わせることだそうです。
西原先生「犬や猫が快適に感じる明確な気温というのはありません。湿度によっても体感温度が変わるため、人間が涼しいと感じる気温にすることをおすすめしています。気温としては、24℃~25℃程度でしょう」
西原先生によると、犬は猫よりも寒さに強いため、低めの温度でも比較的問題ないそうです。
また「湿度」は体感温度だけでなく、犬や猫の体温調整にも関係しているとのこと。
西原先生「汗をかかない犬や猫は、呼吸で熱交換し、体温を下げますが、湿度が高いと熱交換がしづらく、体温調整がうまくできません。そのため真夏だけでなく、湿度が高い梅雨時なども注意が必要です」
犬・猫の品種や年齢によって最適温度に違いが!
犬や猫の場合、年齢や毛足の長さによっても、最適温度に違いがあるようです。
西原先生「犬も猫も、毛足の長い種の方が、保温効果で、暑さを感じやすい特徴があります。さらに人間の子どもと同じように、子犬や子猫は体温が高めで、おとなの犬や猫に比べると体温調節がうまくできません」
暑さを感じやすい長毛種や子犬や子猫など、体温調節が苦手なペットは、通常よりも低めの温度が適切といえるでしょう。
他にも、頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが極端に短い、パグやフレンチブルドックなどの短頭種や、心臓・肺の病気があるペットは特に注意が必要とのこと。
西原先生「短頭種の場合、空気の通り道が複雑で、呼吸による熱交換がうまくできません。また、心臓や肺など呼吸器系の病気がある場合は、熱中症になりやすいので注意しましょう」
ペットの健康を守るエアコンの上手な使い方
暑い時期にペットの健康を守るには、窓を開けて風通しを良くするだけでは不十分な場合もあります。
人間は我慢できる暑さでも、ペットにとっては熱中症の危険性があることも。
西原先生「老犬や老猫の場合は、室内で直射日光が当たっている場所から涼しい場所へ動くことができなかったり、布団の中などの風通しの悪い場所でそのまま休んでしまったりすることもあります。涼しい室内でも部分的に温度が上がることも考えられるため、エアコンで室温を下げることは最低限の熱中症対策です」
ペットの様子をこまめにチェックし、必要に応じてエアコンを上手に活用することが大切ですね。
ペットとエアコンについてのQ&A
ペットがいるおうちの、夏のエアコンの使い方でよくあるお悩みについて、西原先生に回答していただきました。
【Q.1 エアコンは常時つけたままにしておくべきですか?】
A. 人間が涼しいと感じる温度でない場合はエアコンをつけておきましょう。気温が下がってきたらエアコンを切っても構いませんが、日中留守にする場合は温度管理ができないため、涼しい日でもエアコンはつけたままにしておくのが安心です。
【Q.2 保冷材はエアコンの代わりになりますか?】
A. 保冷剤を入れて首元に巻けるバンダナや、保冷剤が入れられる洋服も売られていますが、あくまでも一時的な対処法なので、エアコンの代わりにはなりません。保冷材は、やむを得ない外出時など、補助的なものとして利用しましょう。
【Q.3 エアコンで寒すぎて体調を壊すことはないですか?】
A. 寒さが原因で調子を崩して風邪をひく可能性はありますが、それよりも熱中症のほうが致命的です。エアコンで冷えたことが原因で、病院に来ることはほぼありません。夏は暑さ対策に重点を置くことがペットの健康管理には重要といえます。
ペットの熱中症・夏バテを防ぐポイント
犬や猫の熱中症や夏バテを防ぐには、日頃の健康管理やお出かけ時の注意がポイントになります。
定期的な健康診断を受ける
西原先生「日頃の健康診断のほか、呼吸に影響を及ぼす肥満の予防や、病気の早期発見で熱中症や夏バテを防ぎましょう。健康診断は、若い犬や猫は年1回、7歳を超えると年2回程度を目安に受けてください」
年を取ると病気の進行が早くなりやすいので、犬ならワクチン接種のタイミングで健康診断をしてもらうのもおすすめです。
西原先生「特に心臓がよくない犬が熱中症になると、肺に水がたまり致命傷になることもあります。心臓の病気は聴診器のみで判明することも多いため、こまめに受診し、聴診器を当ててもらうだけでも変化を発見しやすいです」
散歩の時間を考える
犬の場合、夏は散歩も要注意です。アスファルトは熱をため込みやすく、気温が30℃を超える日中では路面温度は50℃~60℃にまで上がります。犬は人間に比べて体高が低いため、路面温度の影響を大きく受けることはもちろん、肉球を火傷してしまう可能性もあります。
西原先生「日中だけなく夕方の散歩でも、アスファルトからの熱気や照り返しが熱中症の原因になります。散歩に出かける前に自分の手でアスファルトを触って温度を確かめてみましょう」
車内での熱中症に注意する
夏の車内は、エアコンがついていても熱中症の危険があります。
西原先生「車内が涼しいと思われても、窓からの直射日光によって熱中症になります。飼い主がいない不安から吠え続けてしまうペットもいて、呼吸が乱れて体温調節ができなくなってしまうことがあります。ペットだけの車内での留守番は絶対に避けましょう」
犬や猫の熱中症のサインは? もし熱中症になってしまったらどうする?
犬や猫が熱中症になったときの一番分かりやすいサインは、呼吸です。犬の場合は「はぁはぁ」と呼吸が荒くなっている、猫は口を開けて呼吸していたら、熱中症の可能性があります。
西原先生「呼吸の症状が見られる時は、すでに危険度が高い状態です。呼吸の症状が出る前にいつもと違う様子が見られたら、早めに動物病院に連れて行ってください」
ただ元気がないだけなのか、熱中症なのか、個人で判断するのは難しいものです。少しでも不安があればすぐに動物病院を受診しましょう。
西原先生「動物は野生の本能から、症状を隠したがる習性もあります。飼い主さんが気付かないうちに突然症状が悪化し、対処が遅れることも。異変に早めに気付くのは難しいので、熱中症の予防が大切です」
熱中症になってしまったら、一刻も早く病院に連れていくことが第一ですが、並行して次の応急処置を行うとよいそうです。
犬や猫が熱中症になった時の応急処置
・タオルを濡らして身体全体に掛け、扇風機の風を当てて、気化熱で体温を下げる
・できるだけ水を飲ませる
・涼しいところに連れて行く(エアコンの設定温度を下げる)
西原先生「氷を身体に直接当てるなどして、急に冷やしすぎないように注意してください。皮膚の血管が収縮してしまい、余計に熱が逃げにくくなってしまいます。また、水を飲みたがらない場合は、誤嚥リスクもあるため無理に与えないでください」
ペットの熱中症を防ぐにはエアコンが不可欠ですが、そのエアコンの冷房効率を上げるために、冷風機を併用したり、室内のカーテンを工夫するのもおすすめです。
冷風機(気化式冷風機)は、水が蒸発する時の気化熱を利用し、冷たい風を発生させる機器です。扇風機のように羽根を回転させて風を送り出す製品もあります。
冷風機は広範囲の空気を冷やすのには向いていませんが、排熱を行わないためエアコンのような取付工事の必要がありません。コンセントがある場所ならどこにでも置けて移動も簡単なので、手軽に使うことができます。
また、エアコンの効率を上げるために、ペットが過ごす部屋に遮熱カーテンを使うのも一つのアイデアです。
遮熱カーテンは、夏は外からの熱が伝わりにくく、冬は室内の暖気を逃がしにくいので冷暖房効果がアップします。レースカーテンタイプのものもあり、日中の光はそのままで、エアコンで冷やした空気が窓外からの熱で温まるのをも防いでくれます。
ペットのためにドアを開放しておいたり、たびたび開け閉めしたりする部屋には、ホームセンターなどで販売されている「間仕切りビニールカーテン」も活用できます。
これらのグッズを使うと、より効率的にエアコンを使うことができるので、温度設定を下げずに室内を涼しくすることができます。
エアコンを活用しつつ、夏の電気代を見直すのもおすすめ!
ペットの健康を守るためにはエアコンを長時間運転することも必要になるため、電気代が気になる方も多いのではないでしょうか。
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おわりに
犬や猫が暑い夏も健康で快適に過ごすためのエアコンの活用法、熱中症のサインや熱中症になってしまった場合の対処法などを、獣医師の西原先生に詳しく教えていただきました。
家族の一員であるペットと長く楽しく一緒に暮らしていくために、日頃から健康管理を心掛けていきましょう。