靴を長く履き続けるためには?
どうしても汚れてしまう靴ですが、毎日履くものだからこそキレイに保ちたいですよね。
靴修理や靴のクリーニングを専門に行う「靴専科」のレザーケアアドバイザー・大友さんに、靴を長持ちさせるために日頃から気を付けたいポイントや、靴の素材ごとのお手入れ方法を教えていただきました。
まずは、靴を大切に使うための履き方のポイントをご紹介します。
【靴を長く履くポイント1】同じ靴を毎日履き続けない
靴にダメージを与えないためには、毎日同じ靴を履くのではなく、ローテーションで靴を毎日変えることが大切だと大友さんは言います。
大友さん「靴は、着用時間が長くなると、どうしてもさまざまなダメージを受けてしまいます。そのため、同じ靴を連続で履くことはなるべく避け、ローテーションで使い回すことをおすすめします。特に革靴などは1日履くことで湿気などのダメージも受けているので、連続着用は避けた方がいいでしょう」
【靴を長く履くポイント2】こまめにブラッシングを行い、乾燥させる
帰宅後に軽くブラッシングをするだけでも、何もしないより効果的なのだそう。1日歩き続けていると汚れやホコリが溜まり、そのままにすると劣化の原因になるそうです。
大友さん「表面についた汚れを落とすだけでなく、帰宅後の靴の中は湿気を多く含んでいるので、湿気を吸収することが大切です。放っておくと、ニオイの原因やカビの発生につながる場合もあります。こまめに湿気を取り除くことを意識できるとよいでしょう」
靴の中の湿気を取り除く具体的な方法も教えていただきました。
大友さん「乾燥したタオルを靴の中に入れます。わら半紙か新聞紙でもOK。これだけで、靴の中の湿気を吸収し、ニオイやカビの発生を抑える効果があります。また、木製のシューキーパーであれば湿気を吸収するのでニオイやカビの対策ができます。靴の形も整えられるのでおすすめですよ」
なお、シューキーパーにはプラスチック製のタイプもありますが、ニオイやカビの対策もできるのは木製のシューキーパーならではの特徴なのだとか。帰宅後の靴の状態を見て、適切なケアを行いたいですね。
【靴を長く履くポイント3】履くときはかかとを潰さないようにする
靴を履く際、靴紐が結ばれている状態でかかとを踏みながら履くと、靴を傷めてしまう原因に。頻繁に踏んでしまうと、かかとの型が崩れ、余計なダメージを与えてしまうと言います。
大友さん「靴を履く時は、なるべく靴紐をほどいてから履くようにするとよいですね。また、特に急いでいる時にやりがちですが、つま先をトントンとならして履くと靴にダメージが及ぶのでおすすめできません。履く時は靴ベラを活用するとよいでしょう」
履く時のちょっとした心掛けが、靴を長持ちさせる重要なポイントにつながるのですね。
【靴を長く履くポイント4】修理・補修は早めに!
靴は使い続けていく以上、どうしても擦り減っていってしまうもの。「少しでも違和感を感じ始めたら、早めの修理をおすすめします」(大友さん)
また、サイズが合わないまま履き続けてしまうと、靴の劣化が早まる原因になると言います。
大友さん「サイズが大きい場合はインソール(中敷き)を外して、そこにスポンジを入れて全体のサイズを調整すると長持ちにつながります。市販の中敷きはもちろん、段ボールで代用するという手もありますよ。また、サイズが小さい場合は、プロの専門店で対応することも可能です。専門店に出すほどではない、軽微な調整が必要な場合は、堅く絞ったタオルで内部をしめらせてみてください。内部が伸びやすくなり、繰り返していくうちに自分のサイズに合うようになります」
大友さん曰く、日本人一人につき平均で5足の靴を持っていて、そのうちの2足はサイズが合わないため履いていないと言われているのだとか。自分でサイズを調整したり、専門店に相談して大切に履きたいですね。
【靴を長く履くポイント5】雨に濡れたあとは
突然雨が降ってしまい、靴が濡れてしまった・・・という経験もあるのではないでしょうか。
大友さん「雨に濡れてしまった場合は、乾く前の対応が重要になります。まず、乾いたタオルで水気を切り、内部の湿気を吸収します。そのあと、ヘアドライヤーを離れた位置から当てて全体を乾かしてください。できれば、靴の内部に保湿剤を入れてあげると劣化を防ぐことができます」
乾かすときは靴を立てかけて、通気性を良くすることも大切なのだとか。
雨に濡れてしまった場合は、放置せず、湿気を取り除くことが重要なのですね。
また、雨が降っている際の対策として防水スプレーも挙げられますが、そもそも防水スプレーの使用は推奨できるものなのでしょうか。
大友さん「基本的には、防水スプレーは使った方がよいです。1本あれば、靴だけでなく鞄や傘にも使用できるのでおすすめですよ。ただ、部屋の中での使用は絶対に避けてください」
防水スプレーを換気が不十分な場所で使用すると、濃度の高い成分を吸い込む可能性があり、健康へ悪影響が及ぶためです。防水スプレーは、風向きにも注意した上で、屋外で使用してください。
防水スプレーについては、以下の記事で詳しくご紹介しているので参考にしてみてくださいね。
新しい靴は「履く前に○○」すると良い!
「実は、購入したばかりの新しい靴こそ、履く前にちょっとしたメンテナンスをすると、靴の寿命が格段に延びるんです」と大友さん。
靴は、一般的にソール(靴底)から劣化していきます。新しい靴を履く前に、ソールの前部分に「ハーフソール」を貼ることで、靴本体のソールを傷つけることなく履くことができるようになるのだそう。
大友さん「新しいから何もしないのではなく、新しいからこそ補強をしていただきたいですね」
大友さんによると、基本的に専門店での補強がおすすめとのことですが、自分で補強する方法もあるとのこと。
大友さん「ソール部分にガムテープを貼るだけでも補強になります。雨の日の滑り止めにもなりますよ。ただ、ガムテープの補強だと履いているうちに剝がれてしまうので、こまめに取り替える必要が出てきます」
靴を長持ちさせるには、ソールの維持が重要になることが分かりました。新しい靴を購入したら、ぜひ事前のメンテナンスを意識してみてくださいね。
大友さん直伝! 紐付き革靴の「疲れない」履き方
皮革製品のクリーニング・修理を専門としている「靴専科」のレザーケアアドバイザーとして、日々さまざまなお客さまのお悩みを解決している大友さん。その中で、「この革靴、履いているとすごく疲れる」という声をとても多く耳にするのだそう。
大友さん「特に靴紐が付いているタイプの革靴には、履き方のコツがあります。履いていて疲れてしまうのは、足の動きと革靴の動きが合っていないからなんです」
大友さん直伝の履き方のコツは下記の通り。
- 靴紐をほどき、靴ベラを使って靴を履く
- 履いた状態で、かかとを2回トントンとならす
- 靴の先端を上に向け、足首の動きを止めた状態で靴紐を結ぶ
大友さん「この履き方であれば、足首をホールドすることによって足の位置が前に出なくなるため、足の動きと靴の動きが一緒になるんです。これにより、疲れやすさが軽減できます」
ちなみに、数多くのメディアに出ている大友さんですが、上記の履き方の紹介をするのはウチコトが初なんだとか。ここでしか知ることのできないプロのコツです。
紐が付いた靴で疲れやすい方や靴擦れが起きやすい方は、ぜひこの履き方を実践してみてくださいね。
種類別! 靴のお手入れ方法
靴を長持ちさせるための履き方のポイントを押さえたら、素材別のお手入れ方法を見てみましょう。
さまざまな種類の靴がありますが、汚れが付いてしまった時、自分で洗っても問題のない靴は、どのような素材のものを指すのでしょうか。
大友さん「気兼ねなくご自宅で洗っていただける靴は、布製のものです。例えば、上履きやスニーカーです」
布製の靴の多くは、自宅で水洗いをすることができるそうです。また、長靴のように雨に濡れることを想定して撥水加工を施した靴も、水をかけて洗うことができます。
しかし、一言にスニーカーといっても、最近はさまざまなデザインのものがあります。複数の素材を組み合せて作られているようなものは注意が必要です。
大友さん「見極めるポイントの一つとして、雨の日に履いた靴の状態をチェックしてみるとよいでしょう。雨の日に履いて変色したことがあるスニーカーは、色落ちしてしまうのでご自宅で洗わないようにしてください」
複数の素材が使われたスニーカーのお手入れについては、このあとご紹介します。
水洗いNGの靴に注意!
一方で、革素材の靴や、スエード素材、エナメル素材などを使用した靴はご自宅での水洗いはNGとのこと。
大友さん「正確に言うと、革素材自体の水洗いは可能ですが、乾かすときにコツが必要で難易度が高いものになります。どうしても洗いたいときはプロにお任せし、ご自宅での水洗いは避けてください」
とはいえ、革靴やエナメルを使用した靴は、ビジネスやフォーマルシーンでの使用頻度が高く、汚れは気になりますよね。素材別の汚れを落とすお手入れ方法を大友さんが教えてくれました。
洗えない靴のお手入れはどうする?
水洗いができない素材でも、気になる靴の汚れ。
ここでは、「革」「スエード」「エナメル」の素材別にお手入れの方法をご紹介します。
【洗えない靴のお手入れ1】革素材の靴
革素材にもさまざまな種類があるそうですが、ここでは「スムースレザー」と呼ばれる、男性の革靴に使用されることが多い滑らかな手触りの革素材の靴のお手入れについて、大友さんに教えていただきました。
大友さん「先ほどもお伝えした通り、革靴は水分の調整が大変難しいので、自宅では洗わず、靴を磨くお手入れ程度にとどめてください。無理に洗ってしまって、汚れがさらに大きく広がってしまい、専門家でも元に戻せなくなってしまった、という例もあります」
革靴をお手入れをするにあたっては、以下の道具を準備しましょう。
・専用のクリーナー
・素材の色に合わせたクリーム
・豚毛のブラシ
・ポリッシュコットン
・不要になったTシャツなど
上記の上から4つは、靴磨きセットとして販売されていることも多いそうです。
まずは、不要になったTシャツなどの布にクリーナーをつけて表面の汚れを落とします。
5分ほど自然乾燥させた後、ブラシを使ってクリームを塗りこんでいきます。
大友さん「ポイントは、靴クリームの選び方と使用量です。持っている革靴と同じ色のクリームがあればよいのですが、ない場合はワントーン明るい色か、無色のものを選んでください。使用量は、紳士靴片足で、お米5~8粒程度で十分です」
最後にポリッシュコットンで磨き上げて、つやを出しましょう。
【洗えない靴のお手入れ2】スエード素材の靴
スエードとは、革が少し羽毛だったような素材を指します。
スエードのお手入れでは以下の道具を準備しておきましょう。
・消しゴム
・歯ブラシ(固めがおすすめ)
「スエードはデリケートで、扱いが難しいものになります。間違っても、革靴用の靴クリームを塗らないでください」と大友さん。革靴のクリームを塗った段階で、スエード独特の風合いが失われてしまうのだそう。
大友さん「気になる汚れは、消しゴムを使って優しく落とし、その後ブラッシングをします。スエードの毛の向きは、ブラシをかけてみて、表面の色が濃くなる方向が正しい毛の流れですので、その向きに毛並みを整えましょう」
ブラッシングを行う時には、靴用のブラシだと固すぎて靴を傷つけてしまう可能性もあるため、硬めの歯ブラシを使うと、本体を傷つけにくいながらも毛並みを整えやすいそうです。
【洗えない靴のお手入れ3】エナメル素材の靴
エナメルとは、革に、樹脂のコーティングをする「エナメル塗装」を施したものを指します。
エナメルの靴をお手入れする場合は、以下の道具を準備しましょう。
・乾いた布
・エナメル用のクリーナー
大友さん「乾いた布で磨くようにして汚れを落としてください。エナメルは、専用のクリーナーも販売されているので、汚れが気になる場合はそちらを使用してみてもよいでしょう。とてもキレイに仕上がりますよ」
水洗いOKのスニーカーの基本の洗い方
ここまで、水洗いができない素材のお手入れ方法を大友さんに教えてもらいました。
ところで、水洗いができる布製の靴の洗い方にも、実は重要なポイントがあることをご存じでしたか? 大友さん曰く、「靴は、洗い方以上に乾かし方が大事」なんだそう。ここからは、スニーカーを例に、ご自宅での靴の洗い方をご紹介します。
時短になる乾かし方もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
スニーカーを洗う際に準備する物
・中性洗剤
中性洗剤であれば、特に種類は問わないとのこと。食器用洗剤やボディソープ、固形せっけんなどでも大丈夫だそうですが、靴によって合う・合わないがあるので、必ず目立たないところでテストしてから使用するようにしましょう。
・ブラシ
先がたわしのようになっている少し硬めのブラシや、使わなくなった歯ブラシなど柔らかめのものがあるとよいとのこと。歯ブラシは細かい汚れを落とす時にも役立つのだそう。
・タオル
水分を拭きとるためのタオル。洗った靴を拭くので、清潔なものを2~3枚用意しましょう。
【スニーカーの洗い方・手順1】靴紐とインソールを洗う
まず初めに、以下の順で靴紐とインソールを洗いましょう。
- 靴を、靴紐・インソール・靴本体に分ける。
- 靴紐に洗剤をつけてもみ洗いを行う。
- 靴紐はよくもみ伸ばしたら、水でよくすすぎ、指先で紐をしごくように伸ばしながら水分を取る。
- インソールは一度濡らして、硬めのブラシと洗剤で洗ってすすぐ。
大友さん「靴を洗う前に、靴紐の部分の写真を取っておくとよいですよ。靴紐の結び方は何種類かあるので、洗った後に分からなくなってしまった、ということを防げます」
【スニーカーの洗い方・手順2】靴本体を洗う
靴本体は、一番汚れている靴底から、内側、表面の順で洗います。
- 靴底に小石などが挟まっている場合は、爪楊枝などで掻き出したあと、洗剤とブラシを使って洗う。
- 靴の内側は、中性洗剤を水で薄めてから洗う。水道水で4~5回、泡が出なくなる程度まですすぐ。
- 靴の表面は、歯ブラシのような柔らかいものですすぎ洗いを行う。
※靴底と同じブラシを使用する際は、ブラシをよく洗ってから使用する。
大友さん「靴本体を洗う時は、場所によってブラシや力加減を変えるとよいでしょう。傷が目立ちやすい表面は、歯ブラシくらいの柔らかいブラシがおすすめです」
ここまでで、靴紐・インソール・靴本体を洗い終わりました。
次は、大友さんが「洗い方より更に大事!」という、靴の乾かし方をご紹介します。
実は最重要! 洗った靴の乾かし方
- タオルで靴の内側と外側の水分をしっかり拭き取り、靴の中にタオルを詰めて半日程度乾かす。
- タオルを抜いて、日陰干しで湿り気がなくなるまで乾かす。
夏場であれば、1日~1日半程度で乾きます。
大友さん「乾かすときは、必ず風通しの良い場所で日陰干しにしてください。直射日光に当てると日に焼けてしまう可能性があります。靴紐やインソールも同様の場所で乾かします。靴紐とインソールは、洗濯ばさみでつるすようにして干してもよいでしょう」
洗う時間も含めると、少なくとも2日程度は見ておきたいところですが、時間がない場合に使える裏技も教えていただきました。
大友さん「ヘアドライヤーを使って乾かしてもOKです。髪の毛を乾かす時と同じで、タオルで水分をある程度取った後に、温風と冷風を交互に当てると効果的です」
この方法は、冬場や梅雨など、なかなか乾きにくい季節にもおすすめだそうです。
しっかりと乾いたら、靴紐とインソールをセットして完成です。
洋服だけではない! 靴も乾燥できるガス衣類乾燥機「乾太くん」とは?
衣類乾燥機にはガス式・電気式があります。ガス式は電気式より乾燥スピードが早いことが魅力です!
パワフルなガス衣類乾燥機は、圧倒的なスピードで衣類を乾かします。「乾太くん」なら約5kgの洗濯物を約52分でフル乾燥できてしまいます。
※実用衣類5kgの洗濯物を乾燥(綿80%、化繊50%)/脱水度70% 気温25℃ RDT-54S-SV・標準コースで算出。ガス種:13Aの場合・リンナイ調べ
また、乾太くんにはオプションで小物乾燥棚があり、それを使えば靴の乾燥も可能です。衣類も入れるドラム内に靴を入れるのに抵抗感がある方もいらっしゃるかと思いますが、乾太くんの場合、靴の乾燥後に「ドラム除菌運転」モードを使えば、大腸菌を99%以上除菌することができます※。靴を入れた後は、この機能を使ってドラム内を清潔な状態に戻してからタオルや衣類を入れることができますよ。
※■試験機関:愛知学院大学薬学部
■試験用細菌:大腸菌
■試験方法:ドラム内に菌液噴霧した生菌数測定。緩衝液中で菌を洗い出し、寒天平板にて培養。
ドラム除菌運転はドラムを空の状態で運転します。
RDT-80シリーズ、RDT-54Sシリーズ、RDT-52SAシリーズ、RDT-31Sシリーズに搭載。
衣類から寝具、靴まで乾燥できる乾太くんをぜひチェックしてみてくださいね。
【水洗いOKの靴】こんな時はどうする?
基本の洗い方はマスターできたでしょうか?
靴の洗い方で気になる疑問を、大友さんにお伺いしました。
汚れがひどい時は?
なかなか落ちない頑固な汚れは、どのようにしたらよいのでしょうか?
大友さん「靴紐の頑固な汚れには、浸け置き洗いがおすすめです。コップなどに洗剤を入れた水をはり、靴紐をしばらく浸けておくと、かなり汚れが取れますよ。一方、インソールや靴本体の頑固な汚れを完全に取ることは難しいので、気になる場合はプロに相談してみるのがよいと思います」
無理にこすってしまうと表面が傷ついてしまう可能性もありますので、汚れが気になる場合はプロに相談してみてくださいね。
部分洗いはOK?
全部洗うには時間がないけれど、どうしても部分的に汚れを落としたい! という時、部分洗いはOKなのでしょうか?
大友さん「もちろんOKです。キレイに見せるというなら、ソールの横の部分だけ洗うのもおすすめです。メラミンスポンジや消しゴムなどで軽くこするだけでも、劇的に汚れが落ちて印象が変わりますよ」
その他、汚れが気になる箇所だけ洗剤をつけて歯ブラシでこする、などもよいそうです。
ただし、靴のニオイが気になる、といった場合には丸洗いがおすすめです。
洗濯機は使用OK?
最近は靴用の洗濯ネットなども販売されていますが、洗濯機で靴は洗えるのでしょうか?
大友さん「洗濯機を使用するということは、洋服を洗うのと同じ環境で洗うことになりますので、抵抗がなければ可能です。しかし、手で洗う時と違って、靴の様子を見ながら力加減などを調整できないので、手洗いの方が靴に傷がつくリスクが少なくなるとは思います」
初めて靴を洗う場合は、まず手洗いで試してみたほうが安心かもしれません。
複数の素材を使用したスニーカーの洗い方は?
革やゴムなど、1足に複数の素材が含まれたスニーカーがありますが、洗い方にポイントはあるのでしょうか?
大友さん「結論から言うと、自宅でのケアは避けた方がよいです。どうしても汚れが気になる場合は、汚れのある部分だけに少量の中性洗剤を付け、少量の水で丁寧に流し、タオルで拭き取ってください。そのあと、離れた位置からヘアドライヤーを当てて乾かしてください。落ちない場合はこの工程を繰り返して様子を見るとよいでしょう」
プロに相談するのがベストですが、すぐに汚れを取り除きたい場合は上記の方法を試してみてくださいね。
おわりに
靴専科のレザーケアアドバイザーの大友さんに、靴を長く履くためのポイントや、水洗いができない靴のお手入れ方法など幅広く教えていただきました。「靴のお手入れはぜひ日頃からやってほしい」と大友さん。お手入れをすることで普段気づくことのできない靴の変化に気付くことができます。ヒールやソールがすり減っている、一部の表面が毛羽だっているなど、早く気付くことで修理やお手入れで改善できる場合もあるのだそう。
とはいえ、プロの力に頼ることも大切。「お悩みがあればぜひ気軽にご相談ください」と大友さん。普段のお手入れも心掛けながら、少しでも長く大切に履けるとよいですね。