初心者必見! 「銭湯に必要な持ち物」とは?
昔からふれあいやマナーの教育の場としても親しまれてきた銭湯。歴史があり、老若男女が利用する場だからこそ、特有の作法やマナーがあるのが特徴です。今では日常的に利用するのではなく、たまのささやかな楽しみ として利用する人も多いのではないでしょうか。久々に利用する場合には、持ち物やマナーをあらかじめ確認しておくと安心です。
例えば、スーパー銭湯とは異なり、銭湯では基本タオルを持参する必要があります。また場所によってはシャンプーやリンス、せっけんなどの備えがないことも。銭湯を訪れる際の持ち物リストやマナーについて、風呂文化研究会「銭湯のすすめ」からご紹介します。
銭湯に必要な持ち物リスト
- お金(入浴代金や飲み物代など)※小銭も用意しておくと便利
- 体を洗うタオル
- 体を拭くタオル
- シャンプー・リンス・ボディソープ(せっけん)
- 汚れ物を入れるポリ袋
- 下着などの着替え
- (必要な場合)シャンプーなどを入れるバッグ
- (必要な場合)化粧落とし・化粧品など
- (髪の長い人) シャワーキャップやゴム
シャンプーなどを浴室に持ち込む際、ビニール素材のバッグがあると便利です。スパバッグやスパポーチと呼ばれる専用のバッグには、底がメッシュになっていて水はけが良いタイプもあります。
また銭湯では、脱衣所で使用するバスタオルに加え、薄手のタオルを持っていきましょう。薄手のタオルは洗い場に持ち込み、体を洗ったり、濡れた体を軽く拭くのに使用します。
施設によっては、ドライヤーやロッカーに小銭が必要なこともあります。100円玉や10円玉などいくつか用意しておくと安心です。
※備品は施設によって異なります。事前に施設にお問合せください。
知っておきたい銭湯でのマナー7選
【銭湯のマナー1】湯船に入る前に体を先に洗う
湯船に入る前にかけ湯をします。かけ湯とは、体の表面のホコリや汗を落とすためにサッとお湯で流すこと。そのまま体をせっけんで洗ってしまえば一石二鳥ですね。
【銭湯のマナー2】シャワーは座って使う
自宅のシャワーは立って使うこともあるかと思いますが、銭湯では隣の人にかからないよう、座って使うのがマナーです。
【銭湯のマナー3】タオルは湯船に入れない
湯船にタオルを入れるのはタブー。タオルは頭にのせましょう。のぼせ防止にもなります。
【銭湯のマナー4】肩より長い髪の毛は束ねて入浴する
髪の毛が湯船につかると不快に思う人もいるため、長い髪はまとめるのがマナー。束ねるためのゴムやシャワーキャップを持ち込むと安心です。
【銭湯のマナー5】静かに入浴する
大声で騒いだり、歌うのはマナー違反。静かに入浴します。
【銭湯のマナー6】椅子や洗面器は使い終わったら洗う
洗い場にある椅子や洗面器は自由に借りられますが、使い終わったら洗ってから元の場所に戻します。
【銭湯のマナー7】体や足の裏を拭いてから脱衣所へ
浴室から脱衣所へ移動する時は髪の毛や体、足の裏についた水分を、水気を絞ったタオルで拭き取ります。体が濡れたまま、脱衣所を歩き回るのはマナー違反なので注意しましょう。
銭湯利用の流れ
銭湯では料金は先払いが基本。他にも入浴までの間にさまざまな作法があります。困らないように基本的な流れをチェックしておきましょう。
靴は下駄箱へ入れる
靴は出入り口に放置せず、下駄箱に入れましょう。
入浴料は受付で先払い
銭湯は受付で入浴料を払ってから入場します。
ちなみに料金は都道府県ごとに上限額が条例で定められています。ちなみに関東で一番安いのは群馬県の400円、高いのは神奈川県の490円。東京都は480円です(※)。全国どこでもワンコインで入れるのはうれしいですね。
※出典:全国浴場組合
男女分かれた入口から入場しましょう。
服は脱衣所でロッカーやかごに、貴重品は鍵がかかるロッカーへ
脱衣所で衣類を脱いだらロッカーや脱衣かごに入れます。
貴重品は鍵がかかるロッカーへ入れましょう。鍵がかかるロッカーがなく、受付で預かってくれる場合もあります。
ロッカーの鍵を手首につけます。
浴場へ
洗い場は滑りやすいので歩いて移動します。
深呼吸してお風呂の気持ち良さを味わいましょう。
入浴後はひと休み
入浴後は椅子に座って余韻を楽しみましょう。
水分を補給しよう
お風呂に入るとたくさんの汗をかいているので、湯上がりには水分補給を忘れずに。
ロッカーに忘れ物がないかチェックを
着替えが終わったらロッカーやかごに忘れ物がないか確認しましょう。ごみがあれば片付けます。
知っておくとより楽しい! 銭湯の豆知識
銭湯に富士山の絵が多いのはなぜ?
富士山の絵の起源は、大正元年に描かれた神田猿楽町「キカイ湯」といわれています。富士山は縁起物としても人気が高く、東京を中心に多くの銭湯で描かれるようになりました。
どうしてタオルを頭にのせるの?
湯船に入る時濡れタオルを頭にのせると、体がほてり頭が必要以上に熱くなるのを抑えるという効果があります。また、天井からポタリと垂れてくる水滴を防ぐこともできます。
洗いおけに書いてある「ケロリン」って?
ケロリンは鎮痛剤の商品名。1963年に広告代理店がプラスチックおけに広告を載せることを製薬会社に提案し実現。当時、衛生的なプラスチックおけは珍しく喜ばれました。
牛乳を置いている銭湯が多いのはなぜ?
お風呂や冷蔵庫が一般家庭に普及していない時代、お風呂と冷蔵庫の両方があった銭湯に牛乳会社がビン牛乳を売り込み、銭湯に牛乳が定着しました。
煙突はどうやって掃除しているの?
顔をタオルなどで覆い、体に麻袋を巻きつけて、てっぺんから煙突の中に入り、ロープをつたわりながら体を回転させ、ホウキで内側にたまる灰やゴミなどを落とします。
風呂敷と銭湯の関係って?
江戸期に手拭い・浴衣・湯巻などの湯道具を“風呂に敷く布”で包むようになり、それを“風呂敷包み”と呼ぶようになったことが始まりと考えられています。
銭湯に行くタイミングはいつが良い?
入浴で体を温めると血液が胃に集まらず、消化不良を起こしやすくなります。食後なら60分程度は休憩を取りましょう。入浴後は、30分程度は休憩してから食事を取りましょう。
今こそ注目したい! 「銭湯の役割と効果」
江戸時代の銭湯は、湯上がりに商人や町人たちが交流するサロンでもありました。「裸の付き合い」という言葉はここで生まれました。それは、日本人のコミュニケーションの一つとして暮らしの中に息づいています。
「宮造り」という特有な建築様式の空間に足を踏み入れると、日本の歴史や伝統文化とともに、非日常を味わうこともできます。
淡々とした暮らしに、ちょっとした彩りを添える、そんな銭湯体験は、きっとあなたの心も体も元気にしてくれることでしょう。
おわりに
入浴を通じて、生涯の心身の健康をより良く育むために、入浴の効果や入浴方法、お風呂の楽しみ方などを学ぶこと。これを「浴育」といいます。毎日のお風呂で、体だけでなく、心もしっかり温めることが、明日の元気につながっていきます。たまには銭湯を訪れて、お風呂の楽しみ方を広げてみてはいかがでしょうか。
清潔・リフレッシュ
一日活動した後に体や髪の毛の汚れを落とすことで、「清潔」になるという効果があります。体の汚れを落とすことで気分もサッパリして「リフレッシュ」効果が期待できます。
筋肉疲労の回復・疲れの回復リラックス・睡眠不足の緩和
湯船につかって体を温めると、「筋肉疲労の回復」や「疲れの回復」などが期待できます。大きな湯船でゆったりつかれば気持ちも「リラックス」できます。
東京ガス都市生活研究所の調査によると、平日の睡眠時間が5時間未満でも湯船に毎日つかる人は、湯船につかるのが週1未満の人に比べて「寝つきが悪い」という不満を持つ人が少ないことが分かりました(※)。
※出典:都市生活レポート:自分を整える暮らし方2019年
コミュニケーション
挨拶から会話が始まり、地域の皆さんとのつながりが深まるかもしれません。