コロナ禍をきっかけに、家庭菜園に興味を持つ人が増えている
コロナ禍で外出の機会が減ったことで、家庭菜園を始めた方が増えたようです。タキイ種苗株式会社の「2020年度野菜と家庭菜園に関する調査」によると、家庭菜園を行っている人のうち、コロナ禍による外出自粛期間以降に家庭菜園を始めた人は、約30%を占めていたのだそう。また、家庭菜園を行っている人向けに継続意向を調査したところ、「継続したい」が96.2%という結果に。家庭菜園の満足度の高さがうかがえます。
でも、いざ家庭菜園を始めてみたいと思っても、何をそろえればいいのかわからない、場所がない・・・など、アレコレ考えだすとなかなか手を付けられないと感じる方も多いのではないでしょうか? 今回は、家庭菜園のポイントや、必要な道具、また初心者でも面倒な手間なく始められる栽培キットなどについてご紹介します。
出典:タキイ種苗株式会社「2020年度 野菜と家庭菜園に関する調査」
自分の暮らしにあった家庭菜園を始めよう!
家庭菜園というと、庭や市民農園などで本格的に・・・と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、おおげさに考える必要はありません。自分の暮らしにあった方法で気軽に始められるのが家庭菜園の良いところです。マンションに住んでいる方ならベランダでプランターなどを使って「ベランダ菜園」を、キッチンのちょっとしたスペースでも「キッチン菜園」を楽しむことができます。
「1日1回」ではなかった!? 水やりのポイント
家庭菜園に欠かせない水やり。「毎日水やりすれば十分」と思う方もいるかもしれませんが、タイミングや量などのコツがあります。詳しくご紹介していきましょう。
水やりの頻度・時間帯
水やりの頻度は、野菜の種類や、季節・天気によって変わります。基本的には「土の表面が白っぽくなったとき」が目安です。水をやりすぎると根が腐ってしまい、足りなすぎると枯れてしまいます。土の表面の様子をよく観察して、適切なタイミングで水やりをしましょう。
できれば水やりの時間帯は朝がおすすめです。日中の水やりは、気温の上昇と共に土中に含まれた水分の温度も上がっていくため、根に負担がかかってしまいます。
水やりする場所
基本的に、野菜の場合は土に水をかけます。野菜本体に水をかけると、野菜が弱ってしまったり、病気になったりすることがあるからです。葉っぱに水がかかりすぎて、常に葉っぱが濡れている状態だと、うどん粉病などの菌系の病気にもなりやすくなります。特に、咲いている花に水をかけると、花粉が流されてしまったり花が傷んで、実がなりにくい一因となるので注意しましょう。
水やりの量
水をたっぷり与えるのも、大切なポイント。優しい水流で数回に分けて与え、鉢底から水が出てくるくらいが適量です。ただし、出始めたばかりの芽は繊細なので、「最初だから」と水をやりすぎず、適量を心がけましょう。
初心者には培養土がおすすめ! 土や肥料を選ぶポイント
土や肥料も、家庭菜園に欠かせない重要なもの。それぞれの種類や選び方など、押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
土を選ぶ時のポイント
育てる野菜によって適した土が異なります。さまざまな種類の土を混ぜて、育てたい野菜に適した土を作るのが理想的です。初心者の方には、最初から肥料が含まれ、成分が調整されている「培養土(ばいようど)」がおすすめです。水はけや保水度なども調整されているので、土づくりをせずに、手軽に家庭菜園が始められます。
肥料の種類を選ぶ時のポイント
肥料には植物の成長を促す栄養分や丈夫にする栄養分などが含まれます。代表的な栄養分は、「窒素」「リン酸」「カリウム」の3つです。野菜に応じて適した栄養要素を選びましょう。
・ 【窒素】・・・葉肥(はごえ)ともいわれ、植物の生長を促進し、葉色を濃くします。与えすぎると大きくなる反面、軟弱になり、花や実のつきも悪くなります。
・ 【リン酸】・・・実肥(みごえ)ともいわれ、開花や結実を促進します。
・ 【カリウム】・・・根肥(ねごえ)ともいわれ、植物を丈夫にします。
肥料をまく時期のポイント
肥料が必要になるのは、植え付けの前と、ある程度野菜が育った後です。植え付けの時に肥料をまくことを元肥(もとごえ)と言い、肥料を土に混ぜ込みます。ある程度野菜が育った後に肥料をまくことを追肥と言います。元肥だけではやがて肥料不足になるため、生長にあわせて肥料を与えます。適量を株元に置くか、散布をしましょう。
家庭菜園に! 必要な道具をご紹介
家庭菜園には、水・土・肥料の他にもさまざまな道具が必要です。以下で、そろえておきたい必須アイテムをご紹介します。
エプロン
土や水で服が汚れないよう、園芸用のエプロンを用意しましょう。ポケットが大きく、スコップやハサミなどを入れて持ち運べるものが便利です。
グローブ(軍手)
種まきや植え付け、肥料の散布など、土を触ることの多い家庭菜園。傷口に雑菌が入ったり、爪の間に土が入り込んだりしないよう、園芸用のグローブや、汚れてもいい軍手を用意しましょう。
スコップ(移植ゴテ)
土の掘り起こしや肥料の混ぜ込み、苗の植え付けなどに必要です。サツマイモやジャガイモなどの根菜を育てる場合は、収穫にも役立ちます。先が尖っている「剣スコ」と、先が四角い「角スコ」の2タイプありますが、力に自信のない方は掘りやすい「剣スコ」がよいでしょう。移植ゴテ(長さ30cmほどのミニスコップ)は、軽量で片手でも扱いやすいです。
ハサミ
野菜の収穫や剪定など、さまざまな場面で活躍します。太い茎は普通のハサミでは切りにくく、野菜に雑菌が混入してしまうこともあるため、園芸用のハサミと剪定バサミを用意するとよいでしょう。
じょうろ
じょうろは、噴射口がシャワー状になっているものを選びましょう。穴は小さめで数が多いほうが、より家庭菜園に適しています。バケツやペットボトルなどで水やりをすると、まいた種が流れたり、跳ね返った土で野菜が病気になったりするので注意が必要です。
手軽に家庭菜園を始めるなら栽培キットがおすすめ
家庭菜園のポイントや必要な道具を見て、「やっぱり大変そう・・・」と気後れする方もいるかもしれません。しかし、手軽な「栽培キット」を使えば簡単に始められます。
栽培キットとは、家庭菜園に必要な容器と土、種などの基本セットが初めからそろっているものです。容器の大きさや土の種類で悩んだり、道具を苦労してそろえたりする必要がなく、また室内で始められるのは、うれしいポイントですよね。家庭菜園を始めるのにハードルを感じている方は、まずは栽培キットでチャレンジしてみましょう。野菜を育てる中で、必要に応じてお気に入りのアイテムを徐々にそろえていくのも、家庭菜園のひとつの楽しみ方です。
また、こまめに様子を見なければならない水やりを面倒に感じる方も多いでしょう。栽培キットの中には、水やりが不要な底面給水タイプも用意されています。底面給水タイプは、容器の底に水を入れておくだけで、吸水ヒモから水を必要なだけ吸い上げてくれます。日々水やりをする必要がなく、適切な量だけ水を与えられるので、初心者の方におすすめの栽培方法です。
では、底面給水タイプの栽培キットの使い方を詳しくご紹介していきます。
栽培キットの使い方(底面給水タイプの場合)
キットにより異なりますが、主に栽培用の容器、中に入れる土と種、底面に敷くシート、肥料などがセットになっています。
1. 附属の底面シートを容器の底に敷きましょう。この底面シートが水を吸い上げることで、根に水分が供給される仕組みになっています。上から土を入れて平らにしたら、種まきの準備完了です。
2. 次に、容器の下部にある注水口からゆっくりと水を入れます。土を軽くかき混ぜると、全体に水分を行き渡ります。
3. 最後に、土の上に種をまいたら完成です。容器の水がなくなりそうになったら、随時補給しましょう。
おわりに
おうち時間の過ごし方として人気の家庭菜園。土選びや栽培スペースの確保など、初心者にはハードルが高そうなイメージあるかもしれませんが、栽培キットを使えば誰でも簡単に室内で始められます。
自分たちで育てた新鮮な野菜を使って料理をするのも、楽しいおうち時間になります。栽培キットを使って、気軽に家庭菜園にチャレンジしてみませんか?
監修:株式会社ストロボライト「LOVEGREEN」